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水鍵盤

みづうみに沈んでゐたる秋空を十の指もて壊してしまふ(筒井宏之)

小さい頃は夏が好きだったけど、今は秋が季節の中で一番好きだ。
冬ではなくて冬が近づいてくるまでの季節がいい。冬になればあとはまた春がきてしまうだけだ。

気温が段々と下がって、夜が長くなって、生き物たちが少しずつ死に向かっていくのがわかる。
皮膚感覚のことを考えたときに、
春は疼く、夏は苦しい、冬は痛い。
そうすると、秋のぼんやりとした空気の中が死ぬのにはやはり最も適していそうだ。

秋は死と密接に関わっている。


どうせなら秋に死にたいなぁと歩きながらぼんやり思ったりする。
夏の花が好きで夏に死ぬのなら自分は杏の花が好きだから春ということになるのだけど春よりは秋に死にたい。


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