――スーパーにて。
「なあトシトシ、あの子可愛くないか?」
「あんたなァ、俺達ゃ今夜の鍋パーティーの材料探しに来たんだぜ。ちゃんと探してくれよ」
「誰なんだろ。眼鏡似合ってるなー。お妙さんにちょっと雰囲気似てるし。従姉妹とかかな」
「聞いてねェし!」
「いやでも確かに近藤さんの言う通り姐さんに似た美人でさァ」
「総悟まで…」チラ
「な?可愛いだろ?」
「ああ…」
眼鏡の少女のもとに、少年が卵を抱えてやってくる。
「あ!誰だあいつは!カッコいいな…まさか彼氏か!?」
「…ん?あの男も誰かに似てるような…」
少女と少年がこちらに気づく。
「わ、こっち寄ってきた!」
「近藤さん!」
「…え?なんで名前…」
「土方さんも沖田さんも。みんなで買い物ですか?」
「…もしかして志村新八か?」
「そうですけど」
「え、じゃあこっちは姐さん?」
「ええ、わからなかったかしら?」
わからないも何も、二人はいつもと全く違うスタイルだった。
新八は、髪をワックスで立て、本人が身体の一部と称す眼鏡を外していた。Tシャツにパンツというシンプルなファッションだがカッコよく決まっている。地味の要素は全くない。
一方妙は、チャームポイントのポニーテールを下ろして髪を肩に流し、前髪の分け目も変えていた。さらには細い赤縁の眼鏡。薄い桃の膝丈ワンピースに白の薄いカーディガンを羽織り可愛らしいファッションで仕上げている。
「いやぁーお妙さん眼鏡似合いますね!」
「ふふ、ありがと」
「なんでそんなイメチェンしてるんで?」
「これですよ」
「…卵?卵がどうかしたのか?」
「安いけどお一人様1パックなんです」
「それで変装して4パック手に入れようと思いまして」
「…志村姉弟やるな」
その後3人も卵入手に協力し、その晩は風紀委員プラス志村姉弟で鍋を囲みました。