「ぁ…んっ、ちゅ、いち……んんっ」
朝目覚めて一期吉光はため息をついた。
愛して止まない愛しい恋人が脚の間に収まり懸命に性器に夢中になってしゃぶりつ居ていたのだ。
普段なら喜ぶところだがもう一週間、毎日こうだった。
「いち、いち……ねぇ抱いて…いち…抱いてくれ…おかしく、なるから…
めちゃくちゃに…して?」
パジャマのボタンを外して、鶴丸は一期の上にまたがってくる。
「おれ、ちゃんと頑張ったよ?
ねぇ…俺、色々間違ったけど、ちゃんと怜悧も椿も膝丸も国兄も守った…だから…ね?いち…頼む、良いだろ…?」
頬を紅潮させ、潤んだ瞳で縋る様に一後に抱きついてくる。
普段は意外とストイックな所があるのか、滅多に鶴丸から誘うことは無い。
その場の雰囲気や気分に流されることが多い。
「いち…おかしいんだ、俺…
吐きそうで、気持ち悪い…けど身体が熱くて頭がグチャグチャで…苦しい…
助けて…たすけて、いち…」
縋りつく声とは裏腹に鶴丸は一期の性器に手を添わせた。
「ちょ、わかり…ました、から…離れてっ」
鶴丸を自分の上から退かせて抱き締める。
そっと背中に手を回されて、くたりともたれ掛かってくる。
「貴方は、頑張りました。」
「でも俺、肝心な所で役に立たなかった、怜悧に無理をさせたし国兄にも…
膝丸にも、何も言葉をかけてやれなかった…」
「いいえ、貴方はよくやりました。
怜悧くんももう大人です、自分が後悔しない生き方を選んだんでしょう。
あの子は強い子です、椿先輩の息子ですから」
「いち……寂しかった…
いちが側に居ないと俺、自分がおかしくなってく…歯止めが効かなくなる。
結果的に自滅したけど、俺あの時響を殺そうとしてた。
あいつが明石を弄ぶ度に怜悧が、膝丸が苦しむから…」
「…もう、終わった事です。
そうならなくて良かったですね」
一期は不安定な鶴丸をベットに寝かせてキスを落とした。
「んっ、んんぅ…はぁ、んちゅ…」
「鶴、いい子ですね、沢山頑張りましたね。もう我慢しなくていいんですよ?」
涙がこぼれそうな瞼にキスを落す。
「ん、いち…」
瞳をとろんとさせた鶴丸が一期を見上げる。
獲物を前にする肉食獣みたいに、舌なめずりする、普段温厚で誠実な一期の雄の顔。
鶴丸しか知らない顔。
「いち、愛してる」
ふにゃりと緩い笑を浮かべる鶴丸の唇を塞いで、その間に胸元を開き手を滑らせる。
「んっ、ふ…ひぁっ…!」
「鶴はここ弄られるの好きですね?」
胸を摘まれ、ぎゅっと握られると鶴丸の身体が大袈裟な程にビクッと震えた。
「あ、ああっ…うん、すき…ふぅ、ん……」
ぎゅっとシーツを握る鶴丸が白い喉を晒しながら背後に反り返る。
一期は反対側を口に含み、強く吸い上げたり、甘噛みして、両方の乳首を同時に攻める。
「ぅんっ!…ふぁっ、んっんぅっ、んんーっ!」
指を噛みながら甘い快感に身体を任せ脳を蕩けさせる。
「あぅ、や、やだぁいち、した、したも……俺もう、でちゃ…」
「ここだけでイけそうですが?」
「やだぁ、いわな…で……おれっ、そんな淫乱じゃないもんっ…」
「そうですか?でもここは嬉しそうですよ?」
そっと蜜をこぼす性器に触れれば、鶴丸はビクッと身体を震わせ、脚を閉じようとする。
「こら、脚を閉じたら気持ちよくできませんよ?」
「ひぃう、やだ、はずかし……ひぃあああっ!?」
何を今更と零しながら一期は硬く反り返って蜜をこぼす性器を口に含む。
先端部分を口に含んで筋に沿って舌を這わすたびに鶴丸は甘い悲鳴を上げてギュッとシーツを掴む。
先端を吸うと、蜜が溢れ出てきて口の中に広がった。
「ふぅっ、んんっ、んああっひゃぅっ」
奥までくわえ込んで、割れ目の部分を舌でぐりぐりと刺激してやれば鶴丸は一期の頭を力の入らない手で押し返した。
「いやぁっ、いち、でちゃう、も…あぁんっ、ふぁ…も、イッちゃう、イッ…ふ、ああああアッ!!?」
鶴丸がビクビクと体を震わせるのと同時に口内にドロりとした精が放たれた。
「んっ…一杯出ましたな?」
それを戸惑いも無く飲み下して、口元を拭うと、鶴丸の頬を撫でる。
「毎日抱いてるのに、鶴丸はいつからそんなに淫乱になってしまったんです?」
「や、ちがっ……おれ、も…わかんなっ……でも、いちが欲しい、いちに奥まで一杯掻き回して欲しくて堪らないんだ……ごめ、いち…おれ、やだ?こんな、淫乱な俺、いちはきらい?」
不安定な鶴丸はボロボロ涙をこぼしてぎゅっとシーツを抱きしめた。
「いいえ、私はどんな貴方も愛してます。
貴方はどんなに狂気にも立ち向かってきた。
私は貴方の番としてそれを誇りに思う。」
頬にキスを落とせば、鶴丸が一期にしがみついて涙を零す。
鶴丸の心はあの日の雪山で大きく歪んで、もう二度と元には戻らない。
それだけ、鶴丸にとってあの日の出来事は受け止め切れない事実だった。
それを、理性で振り払い、平気な振りをしていて、それに一期は気が付いていたはずなのにどうしていいか分からなかった。
「私には貴方だけです。
シヴァも可愛い大切な娘ですが、あなたが居ないなら私は抜け殻です。
貴方に想いを告げた日に貴方に誓ったはずです、何があっても貴方をお慕いしてますと。」
「ん、いち…ありがと。
俺もいちが好き、愛してる。
いちが居ないなら死んだ方がマシだ。
俺はいちがいるから俺で居られる」
涙を流しながら、鶴丸が幼い笑顔を浮かべて一期の頬を両手で包む。
「幸せなんだ、いちが俺を愛してくれることが。
だから抱いて、いちの愛が足りない…足りてないんだ…全然、足りないんだよ…」
「解ってますからがっつかないで下さい、貴方が不安になる余裕なんてないほど愛してあげます」
一期はベットサイドの引き出しからゴムとローションを取り出す。
「いち、ゴムやだ……その、生でしてくれ」
赤く頬を染めながら一期の腕を掴む。
「可愛い事ばかりせんでください、歯止めが効かなくなる」
「……良いって、言ってるだろ。何度も言わせんな、ばかいち…」
「ああもう…後で文句言わんでくださいよ!」
手のひらに垂らし、鶴丸の秘部に指を押し込む。
「んっ、ひゃ…ああっ、ふ…」
「流石にこんなに毎日盛られては、ここも緩くなりますな?」
「っ、人を…節操なしみたいに言うな…ひゃう!あっ、ああんっそこやだぁ、ひゃぁっ!」
「慣らさなくても大丈夫ですな?
これだけ緩ければ」
「ひぃうっ!や、お前っ、後で覚えて…あああっん!」
指が唐突に引き抜かれ、秘部がモノ欲しげにひくひくと震える。
「いち…もぉ、がまん…むりぃ…」
鶴丸が蕩けた顔で縋る様に一期に手を伸ばし、反対の手で穴を広げる。
「い、れて……いちと、繋がりたい…」
「本当に貴方は、私をその気にさせるのが上手い」
一期は鶴丸の脚を抱え、ゆっくり挿入する。
肉壁を押し広げられ、スッポリ中に収まる感覚に鶴丸は打ち震えた。
ぎゅっとしがみついて、キスを強請りながら一期を離すまいと、キュッと内壁で締める。
「んんっ!んむ、ちゅ…ふぁ、いち、んんぅ、いち、いち!」
「はぁっ、つ、る…鶴、可愛い、鶴っ!」
「ああっ!足りない、いち、もっと!ひぃああっ!もっといっぱい!んっ、ふぁ…ちゅっ」
グチュグチュと音を響かせて抽出される、内側の腹の奥まで抉られる感覚。
鶴丸は快楽で麻痺した思考で一期にしがみついた。
「あぁッ、やっイくっ、やだっ、いっちゃうっあんッあんっあぁーっ!」
ビクビクと身体を震わせて果てた鶴丸は恥ずかしそうに顔を逸らした。
一期はふふっと笑って頬にキスした。
そして再び鶴丸を激しく突き上げる。
「ふぁっ!?や、まって!今はひぁぁ!ら、めぇ…んんっ、感じやすく、な…て、うああっ、あッあああっ!!」
抵抗する鶴丸の腰をしっかり掴んでうち付ければ、暖かな秘部がキュッと締まる。
「ここ、気持ちいいでしょう?
好きですよね、ここいっぱい擦られるの」
「いやぁぁぁっ!ひぐっ、らめ…あたま、おかしくなっ……ひぃぃぃん!?
ダメダメやだっ、そこばっか、おれ、おかしくなる!」
「いいですよ、おかしくなって。
わたしも、もう……っ、イクッ…」
「だして、俺の中に、いちのいっぱい!」
ぎゅっと鶴丸が一期の腰に足を絡める。
一期は鶴丸に舌を絡めながら濃厚なキスを交わしながら鶴丸の中に精を注ぎ込んだ。
「んっん…ぅ、ふふ、いちのいっぱい…俺の中に…」
鶴丸は恍惚とした顔で下腹を擦る。
「なぁ……まだ、足りないよ」
鶴丸が甘える様に手を伸ばす。
「私以外にそんな事せんでくださいよ?」
「俺を抱きたいなんて物好きは君だけだ」
鶴丸は微笑んで一期に手を伸ばす。
一期も優しく笑って鶴丸を抱き締め、再び覆い被さった。
秘部から激しく性器が抜き差しされる。
根本まで突き刺さっては引き抜かれ、鶴丸は身体を痙攣させながら何度もイった。
鶴丸が望んだように腹を奥までえぐられて、嬉しそうに笑った。
一期はますます腰の動きを速めて、自身の精液で満たされた鶴丸の胎内に膨張した性器を突き刺しては抜き、突き刺しては抜きを繰り返す。
「はひっ!!!あああんっ
あうっああああっああんっ!?
らめぇええッ、も、おにゃかがぁあっひぃいっ、ひゃ、らめっ、らめぇええっ!!!」
グチュグチュと皮膚がぶつかり合う卑猥な粘着音が、精液の臭いと鶴丸の芳香でどろりと潰爛した空気に迸る。
「は…はひぃ」
鶴丸はビクビクと身体を痙攣させながらイった。
一期は未だに硬く反り返った性器で鶴丸のトロトロに蕩けた秘部を堪能していた。
「いち……まだぁ…」
鶴丸は妖艶に一期を見上げて笑った。
「んっ、んんっ…ひぃう、あああああっ!!」
何度目かもわからない絶頂に、鶴丸は身体を震わせた。
横たわる一期の上でみっともなく腰を振って、精を撒き散らす。
「は、ぁ……はぁ、はぁ……」
グッタリとした身体を一期に預ける。
秘部から一期が抜けた瞬間に中から出された精液がこぽりと零れ落ちた。
「あ…いち……」
「満足しましたか?」
「……ん」
一期は綺麗にあと処理して鶴丸をベットに寝かせる。
「ご飯の用意してきます、まだ寝ててください。」
「うん……」
鶴丸の頭を撫でれば心地よさそうに目を細める。
「いち、ありがとな。
こんな俺を愛してくれて」
「今更ですよ、あなたがどんなに嫌がっても離しませんから」
「俺が見るに耐えないバケモノになってしまっても?」
「……ええ、それが五条鶴丸である限り」
「俺も一期を愛してる、どんな姿になっても…」
鶴丸は幸せを噛み締めながら微笑んだ。
「目の毒だ…」
一期はキッチンで鶴丸の好物のオム焼きそばを作りながらため息をついた。
今の鶴丸はまるで媚薬だ。
表情も、息遣いも仕草も全て一期を誘惑し惑わす媚薬。
こんな抱き方はしたくなかった、本来であれば。
それでも、自分だけが鶴丸を理解して甘やかしてやれる。
国兄さんとは違う観点で鶴丸を支えて癒すことが出来る。
一期はそう言い聞かせて、ふんわりしたオムレツを焼きそばに載せる。
嬉しそうに笑って食べる鶴丸の姿を思い浮かべながら。