ここ最近ホモエロ書いてねえなあで書き上げた創作軍人ホモでござる。アカマツくん( @ymkm_akmt )からのリクエストです。元戦闘機パイロット現航空隊教官185p無愛想傲慢の権化ウールフェード少佐(34歳)×戦車隊小隊長195cmガチムチおっぱい論理派温厚サイコパス軍人ハウンド少尉(40歳)がエッチしているだけ
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物事には順序というものがある。人が生まれてくる、料理を作る、運動する前の準備体操、考えればそれだけ多くの順序がある。何故順序、つまりはそういう規則があるのか。飛ばしても構わない過程や方法もあるだろうが、要はその道筋を経ていた方が最終的な結果としての事実がより良く成熟したものになるからである。恋愛をする人間の心を仮に考えてみてみよう。意中の人間に対して、いきなりベッドへ誘う人間はそうごまんといないはずである。何故か、という問いは愚問だ、見知らぬ人間と直接肌と肌を触れ合わせる距離に近づくだけでも嫌悪感を示す人間が多いと言うのに、好意を持っているからといってその傲慢さを押し付けるのは甚だしい限りである。また、銃火器を手にした子どもを例にとってみると、こちらも滅多なことがない限り、子どもと銃火器というアンバランスさに気付くはずだ。子ども=純真さ、銃火器=争いの種という平均的な人間が思う普遍なイメージがつきまとう。まず子どもが銃火器を持つことはなく、逆にそのイメージが合致してしまう子ども(つまりは少年兵という単語が当て嵌まるであろうが)は、前述した状態になるはずの過程が必ずあるはずである。このように、何かしらの事象に至るまでの道筋は、本来ならば簡略化されるものではないのである。順序良く組み立てて、最終的に完結する物事の理想像を形成する。これは、人間として普通大抵は行うことの一環のはずだ。
見上げてくる視線は戸惑いも躊躇いもないが、些か理解出来ないとでも言いたそうな感情が込められているのは分かった。シーツに沈んだ自分よりも鍛えられた肉体を跨ぎ、小首を傾げるようにして答えても男は翡翠色の目を背けずただひたすらにまっすぐ見つめてきた。どうかしたか。煙草を持っているかどうかを聞くのと同じぐらい単調に低く問う。
「きみにしては珍しい行為をしていると思ってね」
男の言い分としては、「何故ベッドに押し倒されているのかが分からない」ということらしいが、そんなことは今聞くことではなかった。酒が入り、チェスで十戦五勝五敗という互いに切りの良い数字で終われば、やることはひとつしかなかったからだ。男二人で狭い部屋に篭もりセックスをしないで終われるわけがないだろう、そう言うと男はやや驚いたように目を丸くした。
「ヘテロセクシュアルではなかったかな、少佐は」
「長いこと軍にいたら嫌でもペニスを使うようになる」
「それはご尤も、だがそれは私を抱く、ということで間違いはないのかな」
男はまるで神に愛された敬虔な信者のように指を胸で組んだ。やけに様になるその姿を見てせせら笑うようにして肩を揺らしてやると、少しだけ顎髭が生えた男の顎を掴んだ。
「俺が抱いてはいけない理由があるのか」
「そうは言っていないが、体格的な差を考えて譲歩しているのだが」
ウールフェード少佐、そう言って男はこちらの腰をそっと擦った。この大きな手のひらに幾度か抱かれたことはある。だが今日この瞬間まで抱いたことはなかった。金銭が絡んでの所謂“タチ”をしたことはあるが、この男とのセックスはあくまで娯楽の一種だった。酩酊する前まで深酒をし、くだらない論理や思想をぐだぐだと話しながら性交をする、それが案外興味深いのだ。どこまで意識をなくしても、朝起きると大抵この男はしっかりとした足並みでシャワールームから出てくるからだ。だらしない喘ぎ声を上げていた俺自身はと言うと、記憶はあるがどこまでが明瞭なのかは定かではないのだ。だからそれを、一度試してやろうと思ったのだ。例え体格差があったとしても、どこぞのゲイ大将とそう変わらない体躯をしているこいつならばあるいは、と。腰に回された手のひらを手首ごと掴んで、男の頭上でひとつにまとめた。盛り上がった筋肉は抵抗の意志を出さずに沈黙したままだ。そうだそれでいい。物分かりのいい人間には好意的に接したい。
「体格差が気になるのならば、俺の上で踊るか少尉」
「それこそきみの腰が砕けないか」
「砕けないように踊ってくれるだろう」
それこそ、ここは初めてではないんだろうしな。耳元でそう呟いて、カーゴパンツ越しに男のケツ穴へと指を添わせた。男の――少尉の視線を頬に感じた。いつも沈着冷静な彼にしては珍しく、焦りではないがやや困惑しているらしい。
「酔っているのか少佐、」
「酔っていたらあんたを押し倒せない」
そう言って、もう黙れハウンド少尉、と喉奥から掠れた声を出した。煙草でかすかすになった喉を、喘いでこれ以上ひどくしたくはなかった。そのままハウンドのベルトに手をかけると、自分のと同じ構造のそいつは簡単に外れた。見上げた顔は紅潮もせず至って冷静ながら、最早言う言葉も見つからなさそうな顔をしていた。一部の兵士からカルト的な人気のあるこの男、取り乱す様は見たことがない。まさかセックスでケツ穴を掘られる身になってもこのままのつもりだろうか。黒いタンクトップを些か乱暴に捲り上げると、ジャガーの身体で見慣れた構造が目についた。女の身体とは違う固い腹筋、盛り上がった胸筋、おまけ程度の乳輪。これのどこに欲情するのか、ゲイであるあいつの下で働いていて随分経つが何も理解出来ない。触れられて気持ちが良くなるというのは実地訓練で学んだが、触れて気持ち良くさせるというのは未開の地である。戯れ程度にハウンドの乳首を革手袋越しに掴んでやった。親指の腹で撫で上がる。ハウンドは反応を示さないが、いつもの透き通った瞳は曇りがちにも見えた。照明のせいか、と右手を伸ばしてサイドランプを灯す。眩しそうに目を細めたハウンドの額に、若干ながら汗が見えた。
「暑いか」
「室温は問題ない」
「身体がか」
「…まあそれなりに、か」
短い応答をするのは、ハウンドにしては珍しかった。僅かだが普段とは違う姿を見れたのは気分が高揚するというより知的好奇心を満たされるのに程近い気がした。そうして乳首を弄くられ、腰を擦られ、首元を舐め上げてやって腰が浮くということは、この男が“バージン”でないことをも示唆していた。ならばやることはとっととやらねばなるまい、ハウンドの低い音の吐息を近くに聞きながら、重たそうな上半身を肩から掬い上げるようにして自分の方へ引き倒す。どうした、と聞いてくる声を無視する。俺の股間は素直なようだ、大将の教育の賜物か、他人とベッドに入ってそれらしいことをすると勃起するらしい。ハウンドは少なくともジャガーよりかはいじらしい反応だ、好印象を持てた。
「腕を回せ」
「、少佐、待ってくれ」
「俺はあまり気が長くない、理解しろ」
はっきりと主張してきている自分自身を寛げたカーゴパンツから覗かせる。ハウンドはそれを下目で見て、あまり気乗りしない顔をしていた。嫌なのか。そう問うと、そういうわけではないが、とどうも釈然としない答えが来る。
「あんたを相手に無理強いをする趣味はない」
「だがここまで来てあとには退けないだろう?」
「そうだな。咥えて抜くか、下の穴に収めるか、どちらが良い」
「全く以てひどい選択肢だ。きみの口から聞くことになるとは思わなかった」
ハウンドはそう言って、下着ごとカーゴパンツを半分脱ぎ捨てた。勿論俺がこいつのケツ穴に股間を押し当てているのを察してのことだろう。理解の早い男だとは前々から思っていたが、ここまで気が利くとは。誰かさんにも見習って貰いたいものだ。慣らし方は、と聞かれ、ある程度は分かる、と答えた。潤滑油代わりのローションなどあるわけもなく、仕方なく代用品としてボディローションをハウンドは提案してきた。男の部屋にあるか普通、と思ったがそこまで口に出すこともなく、静かに革手袋を取った。代わりにと言わんばかりに、手のひらへボディローションを広げた。指先に広がる柔らかい感触、清潔な香りが漂う。さて、と腰をベッドへ深々と沈み込ませ、自身の上で待つハウンドの尻へと手を伸ばす。
「少佐、ひとつ訊いても構わないかな」
ケツ穴に指を挿れようとした矢先、ハウンドの声が上から降ってきた。無言で見上げる。
「何だ」
「今までどのくらい同性を抱いたことがある?」
「経験数か。それ程多くはない」
「不安を煽るな」
「その分経験値は積んだ、とあるテクニシャンでな」
誰とまで言及しないが、聡い少尉殿は得たようにして肩を竦めた。それ以降何かを聞き出そうともしなかったため、俺も無言で行為の続きを始めた。愛撫らしい愛撫をしていなくとも、少し触れば男の逸物は簡単に勃起する。生理現象、そして普段とは違う状況下にいることによる緊張感かは定かではないが、眼前の少尉のペニスも勃起していた。左手で軽く扱く。体格の良い男だ、逸物も立派なもので俺の手のひらから存分にはみ出している。抜いている最中にも、右手はケツ穴にやって指を差し入れた。ボディローションのおかげで滑りがいい、簡単に中指は第二関節までずぶずぶと入っていった。もう一本増やす。人差し指を挿れる。俺の肩をつかむハウンドの指が、めり込んできた。痛いわけではなかろうに、とちらりと視線をやる。息を荒らげてはいないが、低く吐息が漏れていた。まあそうだろう、ここは排泄器官だ、クソを出す場所に指を挿れていいわけがない。待てと言われたら待ってやったが、さっさと昂ぶりを抑えこみたかったため、俺は何も言わずもう一本指を増やし、掻き混ぜるようにしてそこを広げていく。呻き声がようやく漏れた。
「、少佐、っ、」
「痛いのか苦しいのか気持ち良いのかはっきりしろ、階級だけではどうしたら良いのか分からん」
「き、気持ちが良、い、んだが、ぁ、ぅ、ゆ、びが、」
「指がどうした」
いつもの彼らしくもない口調を耳に受け止めながら応答する。すると、ハウンドから指が長くて、とよく聞く台詞を返された。生まれ持った身体は恵まれている方だと認識していた。長い指が何に使えるか、を考えた際に、セックスぐらいしか出てこなかったが褒められて嬉しく思わない人間は希少だった。当たり前のことを言われたまでだったが、俺は微かに機嫌を良くして「お褒め頂き光栄だ」と悪戯に返した。
「だがまさか、あんたほどの男が指だけで満足するようなことはしないだろうな」
そう言うと、ぐずぐずと溶けたような肛門から指を三本抜いた。ボディローションが半透明になっている。前を見れば大きく膨張して張り詰めた男根が、これでもかと主張していた。左手で抜いてやれば良かったか。そう思ったが、おそらく中に挿れて揺さぶればすぐにでも射精しそうな様相だ。重たそうなハウンドの腰を両手でしっかり掴むと、俺の逸物がある距離まで縮めた。体格差は大きい、運動量がいつもの比ではなく、額に汗が滲んできた。挿れるぞ、と唸る。少し緩くなったそこへ、逸物が飲み込まれていく。腰を落としていく度に、ハウンドの身体が時折びく、と震えた。重い。荷重がかかる。
「腰を、落とし過ぎだ、少尉、」
「は、ぁ、…う、っ…すま、ない、」
重みですぐに飲み込まれてしまい、あまりの熱さに呻き声を漏らしてしまう。大きな胸板が眼前にあるが、汗で滑ってしょうがなかった。腰を引っ掴んだまま、ベッドのスプリングを利用して上下に揺さぶりをかけた。ぎし、ぎし、と小さな軋みの度にハウンドは呻いた。喘ぐというには些か低すぎる声だった。
「う、は、ぁ、っあ、っく…っ、」
「…セックスの最中にしては、上品な声だな」
揶揄するように片手で彼の顎を取る。余裕のある顔とは言い難い。こいつを恐れている兵士どもに見せてやりたいぐらいだ。扇情的だとでも言えば妥当か、平素があれだけ淡白な顔つきならば、こうも豹変すれば誰でもそそるだろう。腰を変則的に突き上げてやれば、低く掠れた声が漏れ出る。汗を顎先から垂らし、喘ぐまいとする姿はどこか健気だ。処女ではなかろうに、せせら笑って律動を激しくした。スプリングのリズムが変わる。股座で爆発しそうになっている少尉のムスコを握ると、初めてやめろ、と声を上げた。
「触られたくない、か、」
「、っく、ぅ、ちが、…あっ、ぁ、ん、ああ、」
ぎゅっと途端引き締まった肛門に眉根を寄せた。絶頂が近い。急に締まるのは正直勘弁してもらいたかった、もう少し堪能する時間は欲しいのだ。だがこうも締まられてはいかないわけにもいかず、腰に乗ったままだったハウンドを押し倒して身を乗り上げた。重力で下から突き上げていた体勢から、上から貪り食うような姿勢に変わった。掠れた声を耳にしながら腰を突き動かした。ふつふつと汗が出て心臓は早鐘を打ち、目の前が白くなる。出すぞ、と言った瞬間身体がこわばった。爪を立てて、固い筋肉へと指が食い込む。歯を食い縛る。ハウンドの声も漏れず、一瞬だけだったが無言のまま胸板に額を預けて絶頂を遂げた。は、と吐息を漏らす。その瞬間、がくんと重たい相手の身体が前にずれた。お互いの呼気が当たる中、サイドランプで照らされたハウンドが汗を甲で拭きながら身体をのけた。ずる、と腸液と俺の精液まみれになった逸物が現れる。呼吸を整えて、べたつく己の身体に笑った。随分と盛大に出してくれたものだ。
「溜まっていたのか、少尉殿は」
「…我慢する方が難しいとは思わないかね」
ご尤もなことを言われぐうの音も出ない。あれだけ上で踊っていた男がこうも冷静な事後になると調子が思うように行かず、俺はふんと鼻先で笑うだけにした。疲れた身体を清めたかったが、今は一服をすぐにでもしたかった。ハウンドはシーツを下半身に覆うと、サイドテーブルから自分の煙草を持ってきて火をつけた。習うようにして己の煙草のブースターを潰す。二人分の紫煙がふわふわと浮かぶ中、そう言えば、とハウンドは切り出した。
「もう少し順番を考えてセックスに臨む、という考えはなかったのかな少佐は」
何のことだろうかとぼうっとした頭で考える。おそらくハウンドが順序よくセックスに臨んで欲しかった、と言いたいのだろうか。愛撫もほぼなくフェラもなし手コキもなしで不十分だったのだろうか。この男に限ってそういうことは思わないだろうが、唐突だと言いたいのだろう。俺はふうと白煙を吐き出してから、隣でもう一本目を吸おうとしているハウンドに小首を傾げた。
「イレギュラーなものを相手にしていては難しいだろう」
「イレギュラー?」
そうだ、イレギュラーだ。順序という決まりはレギュレーションに対して有効的であり、男と男という自然ではあり得ない(無論それが自然であると言える人間にとってはヘテロこそがイレギュラーになり得るのだろうが)状態でのセックスでは、順番も規則もないものだと考えているのだ。俺はペニスをケツ穴へ入れるようにはなったが、元々ヘテロセクシュアルだ、と先にハウンドに聞かれた言葉を繰り返す。すると、ハウンドはくつくつと含んだ笑いを返してきた。
「何がおかしい」
「これでは大将閣下も大変だな、と思ってね」
「何故あいつが出てくる」
「少佐の手綱は彼が握っているのでは?」
そう言ってふわりと浮かんだ白煙を見て、ふんとせせら笑うように口角を上げた。誰かに手綱を持たれるようなタマではない。もしも手綱を持たれるようなことがあれば、すぐにでも飼い主に噛み付いてやる。恐ろしいことを、とハウンドはくすくすと笑った。煙草の火種を消すと、スプリングを鳴らして俺はシャワールームに行く、と伝えてハウンドを残し風呂場へと向かった。順序立ててやるのならば、汗を流すのは最後がいい。その過程が大抵と違うものだったとしても、誰かのにおいを身体に残しておくのは好ましくなかった。残るのは煙草のくすんだ香り、それだけでいいのだ。