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『に』  (カカサス50音SSS)

カカサス50音SSS 『に』


彼等にも、人知れず、まだ初な頃がありました。

「お待たせ」
「‥‥別に」

任務後には、サスケは一人で修業に励み、カカシは報告書の作製と提出。
人通りの少ない曲がり角で先に待っていたサスケと合流し、カカシは左を歩くサスケに合わせてゆっくりと歩きだした。

そして、沈黙。

一緒にいるのは心地好いのに、何を話して良いか分からない。

「もうすぐ夏になるっていうのに、今日は寒いねー」
「?‥‥‥‥あぁ」

突拍子も無くカカシの口から出た言葉も、サスケの返事で終わり。
本当はそれを口実に手を繋ぎたかったのだが、あまりにも不自然だったと反省する上忍の背中は頼りないものだった。

ふと、サスケの右腕が時々カカシの左に触れた。
一度じゃなく、間を置いて微かに、何度も。

「‥‥‥サスケ?」
「あ‥‥悪い」

顔を伏せられてしまい表情を読み取ることは出来ないが、そんな仕草も含めて可愛いものから、カカシとしては無理にでも手を繋ぎたい衝動に駆られてしまう。
でも、やっぱり嫌がる事はしたくない。

(手、繋ぎたい‥‥)

本当はその思いを互いに抱いているというのに、まだまだ自分の事にいっぱいいっぱいで、それぞれのアプローチに気づけていない二人。
けれど、この時間は変え難いほどに愛おしい事だけは深く感じていた。

‥‥‥どうやら、二人の関係が進展するのはまだまだ先のよう。


『似たもの同士の僕等は、いつまでたっても臆病なまま』

――けれど似ているからこそ、互いを想いあってるのも分かる。


Fin.『に』
Next→『ぬ』

私情やら回りの話はまた別の機会に。

私の最大の敵は私

昨晩リアルタイムの記事を大量削除していたのですが、本日、リアルタイム自体削除致しました。
当ブログ記事も約半年分ですがコメントの無いもののうち個人的な内容のものなどを削除または記事内容の削減を致しました。


念のため書いておきますが、サイト関連でトラブルがあったわけではありません。
しばらく私情の記載は控えようと思っています。
ここ数日で起きていたただの気持ちの変化ですので気にしないでください。


忙しさが増したわけでもありませんので、ブログや拍手コメントについては頂いたら出来る限り早めにお返事させて頂きます。

都条例について

いつも言葉の足りない私なので、改めてまた都条例関連について書かせて頂きます。
(先日頂いたコメントのお返事の不足分を補うような形で記事を書いております)
この記事はできれば中途半端に読むのではなく、最後まで読んで頂ければ幸いです。

また、今まで反対派として意見を述べさせていただいておりましたが、賛成派の方で読んでいて不快に思われた方、反対派でも考えが違い嫌な思いをされた方なといらっしゃいましたら心からお詫び申し上げます。

賛成される方がいるからこそ、この条例案は在るのですし、私自身は反対派でも賛成派の方を批判するつもりもありません。
考えは人それぞれですものね。
尚、この記事はあくまで私自身の考えを書かせて頂いているだけであり、賛成派の人に無理やり反対派になってもらおうなどという意向は含んでおりません。

一般的によく誤解されておりますが、今回の規制は「性描写」だけではなく「暴力」も含みます。
最近の漫画家さんの会見では「今回の案は前回案より規制対象が広がっている。時代物やSFにも現代の刑罰を適用するのか。『違法行為の賛美・誇張』を規制する発想に従えば、海賊を賛美する『ONE PIECE』や泥棒を賛美する『ルパン三世』も規制対象になるとあります。
また、規制の加減もまだまだ曖昧ですので、ジャンプ作品の大半が制限される事は十分に有り得ます。
また、性行為だけでなく性交類似行為も含む為、どこまでが規制になるかも曖昧です。


尚、現在の私が都条例に反対する理由は、以下の通りです。

親や学校のすべき役割を条例で縛るのはおかしいのではないか。
青少年がどこまで学んで・見てよいかというのは難しい問題です。ですがそれは条例ではなく各家庭で検討すべき問題のはず。18歳以下で性行為経験のある割合が多い今日、何より正しい性教育が行われることこそが大切だと考えています。また、性教育が不十分でAVに固執すれば逆に誤った知識の会得・誤った性行為に及ぶ可能性もあります(当方も身近で経験ありますので‥‥)

・一般作品への深刻な脅威
性描写・暴力表現のあるものなどでも名作はたくさんあるのに、それが今後18禁指定や発禁になってしまったとき、18歳未満の青少年はその感動を知る事も出来なくなってしまいます。何が正しくて、何が悪い事なのかを漫画から学んだ方も多いはずなのに。

・性に触れる場の減少
性犯罪等を漫画で触れて悪い事だと学ぶ事も必要であり、実際に犯罪を止めた事例もあります。また、規制してる国ほど性犯罪は起きやすく、漫画を規制する事で現実の性犯罪に移行される懸念もあります。

・日本の文化、漫画家の表現の規制になりかねない。
日本文化の例としえは、古事記などにある兄妹の恋愛も、漫画化する場合18禁か有害指定を受ける可能性があります。最近では「古事記を題材に描いたら兄妹の恋愛があり規制にかかってしまう」という漫画家さんからの発現がありました。集英社などの漫画についての規制は上記に書いたとおりです。

・BLの規制は若い層や女性、性的少数者への一種の思想統制ではないか。
反対派まとめサイト等でもよく言われている事ですが、BLを現実の性犯罪へ結びつけることは非常に困難であるのにBLへの規制を意識した条例案となっています。

・18歳以上の私たちにも十分に影響が及ぶ
ジャンプ等の作品の表現規制、最悪の場合、雑誌自体の廃刊も有り得る事でしょう。印刷所の集中する東京では印刷所の存在自体も危うくなる可能性も十分あります。

・書店など各販売時の配慮で十分ではないか
同人誌即売会では年齢確認を行うなどしているように、書店でもコーナー分けが以前よりしっかりされてきています。存在していても、「嫌なら近付かない」「駄目なら近付かせない」事が人にはできるはずです。


実際、私自身好みもあるので幼い女の子の性描写や過激で痛々しいエログロなどは苦手です。
苦手な部分だけ規制になればいいとさえ思った事もあります。
ですが、嫌なら「見ない」「見せない」という選択肢が人間にはありますし、人によってはそこから悪いこと正しい事に気づく、作品へ感動をするといった人も実際にいるのだと気づきました。

また、「強姦」などの性行為、「BL」や「親近相姦」を性行為は共に私にとっては意味のあるものだと思っています。
性犯罪に値するものは、現実として起こしてはいけないのだと、相手が苦しい思いをするのだと学ぶ事に意味があります。
BLや親近相姦では、相手への強い愛情がなければ到底起こりえる事ではありません。つまり、強い愛情や絆の元に生まれるものであり、相手の温もりや想い、人を愛する事を感じさせてくれるものだと思っています。

「国があってこそ」の漫画や趣味ですが、その国の中にいるのは私たちであり、例え大きな事をして下さるのは政治家のみなさんでも、私たちには人権があります。
反対賛成その他、様々な意見を出し、動く事はとても大切な事だと思っています。


この記事や過去の私の都条例関連の記事を読んで頂き、反対でも賛成でも、何らかのお気持ちは抱いていただけたでしょうか。
それが例え当方への強い批判だとしても、これらの記事を通して知って頂けたり、考えて頂く機会になったのならこれらの記事にも存在意義があったのだなと思えます。

拙宅のブログはコメントが自由に出来ますので、この記事で思った事、溜まった鬱憤、批判やご意見などご自由にして頂ければと思います。


最後まで読んで下さり、本当に有難うございました。

『な』  (カカサス50音SSS)

カカサス50音SSS 『な』


暗い、暗い、闇の中。

「‥‥‥失せろ」

いつになく震えた声の彼。
月の光さえも雲に遮断された演習場で見つけたサスケは微かに震えていて、カカシはその肩に触れようと手を伸ばす。

「失せろって言って‥‥ッ」

それを振り切るはずだったサスケの腕は、いとも簡単にカカシの掌に掴まれ動きが止まる。

「気にしてるの?」
「別に‥‥ただ俺自身の弱さを恨んだだけだ」

カカシは見透かしていた。
今日の任務で依頼人を護衛しきれず怪我を負わせた事への責任を酷くサスケが感じていた事を。
まだ下忍であるサスケに重要な役割を与えたカカシの責任だが、サスケにとっては己のミスだ。
力を得ようと焦る者にとって些細なミスも大きな傷となる事を、カカシは身を持って知っている。

「うん‥‥‥それでも、いいよ。好きなだけ泣いときな。俺しか見てないから。」

だから、泣く事は仕方ないし、寧ろ失敗を蔑ろにする者に比べれば何十倍も大切な事だとカカシは思っている。

「‥‥泣いてねぇ」
「はいはい」

言葉はいつまでも意地っ張りなサスケだが、まるで暗闇の出口を見つけたかのように、両腕を広げたカカシの胸の中にゆっくり身を委ねた。
そして、カカシはそっとサスケを優しく包み、口に出しそうになった言葉を心にしまった。
今は、黙ってサスケの側にいるべきで、それは言うべき時ではないだろう。
きっと、今はまだ言葉を受け入れられる状態ではないのだから。
けれど、いつか、ちゃんと言ってあげられるだろうか。


『泣ける事の方が、強い事なんだよ』


――だからそれは、強さの証。

Fin.『な』
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