小説漬けな日々〜たまに映画な1日.2

「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。―自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが―きちんと覚えてないんだ。自殺の詳細」不可思議なタイムスリップで三ヵ月先から戻された依田いつかは、これから起こる“誰か”の自殺を止めるため、同級生の坂崎あすならと“放課後の名前探し”をはじめる―青春ミステリの金字塔。


辻村深月の学園もの、すごく好き。大人になると忘れるような、些細な壁や見えないけど越えられない溝。そんなちょっとしたこと、だけどその頃の自分にはとても重要に思ってた世界を飾らずに描いてるのが凄いと思ってます。

今回はふと気付いたら３か月前に戻ってた…というちょっとファンタジーな始まり。３か月後に誰かクラスメートが自殺する…でも誰か分からない。どうしても止めたい。誰に話したら信じてくれるのか、いつか君は前に自由研究でタイムスリップをまとめてきた、仲良しでもないけど、あすなに助けを求めます。

真面目なあすなは、いつかの話を笑わずに聞いてくれて、心強い存在に感じます。そこから、どうにかして自殺しそうなクラスメートは誰か探し始めるのですが、なかなか探すのは難しいのです。

下巻ではちゃんと見つけられるのか−。暑い男でもない、いつかが、なぜそんなに自殺を止めたいと思うのか？

昔の同級生と会って気まずい姿を描いてる場面があるのですが、なんかとても分かる。微妙な距離と耐えられない空気…私も感じたことあるなぁと読んでて思いました。こういうの、すごく辻村深月は上手いんだよね。