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7日目、その前


( 後日談『7日目』 )



「あの人たちは私たちのこと、嫌いなのかなあ。」


 私、何も悪いことはしていないのに何でこんなことされてるのかな。
 こないだ、あの人達は皆よりも私が強かったら特別に此処から出してあげるよって言った。皆を殴ったり、蹴ったりすると私の体も心も傷んでくから、私は誰も傷つけたくなかったけれど、絶対って約束してくれたから頑張ったのに。なのになんで、なんで私は此処に戻ってきたの? なんであの人達は笑ってるの?

 体中が痛いよ。お父さん、どこにいるの。お母さん、助けてください。
 夜になると明日が嫌だって、心臓の辺りが痛くなるんだよ。明日になったらまた今日の繰り返しだから。朝になるともう起きたくないって、おなかが痛くなるんだよ。また今日という日が始まるから。
 ベッドの上に上がるのはもう慣れたけれど、体が動かなくなる薬を入れるための針は嫌い。体が動かなくなると何をされても痛くないけれど、薬が切れてきたらどんどん痛みが広がってくるのは辛い。
 いっそ死んじゃえば良いって言って、此処にいる半分以上の子が死んでいった。夜に首を吊った子は、次の朝には排泄穴や鼻の穴や口から色々なものを垂らして死んじゃってた。舌を噛み切って死のうとした子は死に切れなくて、大きな声を上げて泣いていたら軍人さんに連れて行かれたままもう戻ってきてない。


「私、いつか一人で死んじゃうのかな。」
「×××。そのときは僕も一緒に死ぬよ。一人で死ぬのは寂しいもんね。」
「……ありがと、×××」


 私は今日も白い部屋に入っていく。
 私は今日、また白に染まっていく。


/白い部屋


二匹の鬼の話


▽from きょーへい


「ねえ聞いて、きょーへいさん。僕、その顔大好きですよ。」

 酷く淡々と、彼女の口から溢れ出る言葉の雨を聞いていると興奮した。
 俺のモノで、彼女の綺麗な顔が汚れていくのを見ると起った。
 一度触れてしまうと溶けて無くなりそうなその首筋だから、触れてみる。
 強く、強く締めて。軽快に爪で弾いて。噛み付いて。

「きょーへいさん?」

 嗚呼、アマデウス。
 俺は今、天使を殺してるんだぜ。


×××


 緑色、桃色、水色、黄色、白色。
 グリーン、ピンク、スカイブルー、イエロー、ホワイト。

 教室の、窓側から二列目、前から四番目に座る僕。
 教室の、窓側から二列目、前から五番目に座る君。
 授業中、止むを得なく君に無防備な背中を向けていた。休み時間、いつか後ろから刺されてしまいそうで、座り方を変える。背もたれの所為で股を開く格好になるけど、そんなの気にしない。それよりも、まだ昼休みになっていないのにとある食品を食している君の姿が気になった。いや、気に入らなかった。
「……、きょーこちゃんは何でマカロンが好きなの。」
 サクッ、フワッ。君がこの世界中にあるモノの何よりも、とても美味しそうに幸せそうに頬張るそれに、奥から沸々と嫉妬の感情が湧き上がる。
 ――嗚呼、君の顔を幸せ色に歪ませて良いのは俺だけなのに、ね。なんて、誰かさんが言いそうな台詞で、ホント反吐が出る。君は僕の呟きに一瞬だけ目を見開くけど、すぐに微笑を浮かべた。思わせぶりなその笑顔、今すぐ壊したくなって、ゴクリと唾を飲み込んだ。そして、結局今日も答えは返ってこなくて。

「キナシさんが食べてイイのは俺だけ、だろ? 何も間違ったことなんて言ってないと思うけど、」
 今日の君は、何で笑っているのか……それだけが理解できなかった。もっと、泣き喚けよ。



from きょーこ


 好きと愛って似ているようで、全く違います。
 好きだから愛している? ライク? ラブ?
 愛しているから好き? ラブ? ライク?
 理屈なんていらない。僕はあの人に恋をした。それはつまり、好きじゃなくて、愛しているでもなくて……、

 嗚呼、そんな顔で僕を見ないで(笑)

「キナシさん、痛いよ。」
 僕は嘘を吐く人がキライです。笑ってなんていずに、泣いてみたら好きになれると思うのに。
「キナシさん、好きだよ。」
 僕は嘘を吐く人がキライです。好きなら、キスくらいしてくれても良いじゃないですか。
「キナシさん、愛してる。」
 ……、うん僕も(笑)

 愛しているのなら、その右手に握ったカッターナイフを片付けてください(笑)
 愛しているのなら、この左手に握ったハサミを片付けないといけませんね(笑)


×××


 視界が歪んだ。
 顔面を殴られて視界が揺らいだとか、脳内に衝撃が走ったとか、神経損傷がなんとか……とか、そういう複雑で手遅れな話なんかじゃなかった。単純に、ただ単純に、そして酷く単純に。涙、涙涙涙、涙で濡れている瞳と頬。やだ、どうして僕が泣かないといけないんですか。頭の中は既にボロボロで、喉は何故かカラカラで、唇は強く噛み締めた所為で血が出ている。
 歪んだ世界で、君が笑う。

 嗚呼、やっぱり僕は君の事が好きなんです。


/鬼無と逆鬼

成宮さんと皇城くん


梓「なんで俺なの」
千「?」
梓「なんで俺の事が好きなのかって聞いてんの。意味分かんねーわ」
千「な、なんで梓君はそんなこと言うの?」
梓「俺は今まで本当に女の子のこと好きだって思った事ないし、これからも思わないよ」
千「そう、なの……?」
梓「絶対に」
千「じゃあ、」
梓「何」
千「私が……」
梓「は?」
千「――あっ!? い、いや。いや……」
梓「あのさあ、成宮さんってさ、今まで裏切られた事無いんでしょ」
千「えっ?」
梓「――あーごめんごめん。成宮さんには関係ないことだから今のは聞かなかった事にして」
千「梓君、」
梓「俺帰るわ」
千「待っ」
梓「…………また明日」
千「えっ」
梓「ばいばい、……千咲ちゃん」


/梓と千咲ちゃん(題名は「堀さんと宮村くん(HEROさん)」をイメージして付けさせて頂きました……!)

十珍 遼河


ぷろふ、


「女になりたい。とか真顔で言っちゃう系男子のことをどう思いますか。……ちょっ、おまっ、きめぇとか言うなよバカァ!」
「あー、いやー、別に不満とかそういうのじゃないんだけどさ、アイツ何なの。ミタカって何奴よ、マジで。大抵の男よりカッコいいレベルっつーか、性別偽ってんじゃねーかって疑っても良いレベルじゃん。あと十鳥とか怖ェよあの女……。――おーい誰だよ、A組の男子は女子よりも弱いっつった奴。刺すぞごらぁ。」

『……わっ、割とアンタ等のことは嫌いじゃねぇよ。うん……つかジロジロ見んな、殺すぞ。」

(( 火炎放射器で メラメラ燃やそう ))


名前:十珍 遼河(どおちん りょうが)
性別:
年齢:18歳
誕生日:3月17日「アンスリウム ―炎のような輝き―」

性格:かなりの自信家であり、とても気が強く怖いもの知らず。良くも悪くも裏表の無い、まさにシロクロハッキリした性格をしており、どんな言葉もズバズバと平気で口にする。少々サディストの気があり、少なくとも罵られて喜ぶような性質ではない。恐怖政治万歳。自分にも友人にも誰にでも、厳しくストイックな部分がある。ただ、少しだけ女子が苦手でクラスの女子から非難の言葉を受けると反論に困って言葉詰まってしまう。真の意味で視野が広く、人をよく観察していて分析するのが得意。優れた観察眼の持ち主。広報委員会の委員長であるが故に情報網が広く、人脈があるため委員で書いている新聞のネタには尽きない。マイペースでテンションには温度差が生じる。低血圧な夜型なので朝は静かで夜は五月蝿い。眠りを妨げられると、寝ぼけていても取り合えず鉛筆を折る。鉛筆が近くに無かったら似たような棒状のものを折る。または握りつぶす。口達者で、理不尽。屁理屈を並べて相手を屈することなど容易い事。多分ツンデレ。

容姿:髪の色は青みがかった暗い黒色で、癖がなく艶っぽい髪質をしている。髪型はカジュアルショートで、髪の量が多いためハーフアップの位置でおだんごを作り、細いピンを何本か使って留めている。本人はこの(女々しい)髪型を気に入っている。昔はセミロングだったが、高校入学と同時にショートカットにした。瞳は色素が薄めの茶色をしていて、目の形はツリ目に近いパッチリ。黒目の部分が多い。小奇麗かつ中性的で整った顔をしている。そこらへんの女子よりも女子らしい顔をしていて、三大美人と呼ばれている。しかし、常に自信あり気な笑みを浮かべてほくそ笑んでいるので、同時に「ドヤ顔に定評のあるどーちん」とも呼ばれている。肌の色は小麦色で血色も良い方。身長は160センチくらいで体重は軽め。走るのが好きで、足はスラリと長い。
服装:学校では白の半袖カッターシャツに、黒色のオーソドックスで制服的なズボンがデフォルト。シャツインではなくだらしなく外に出している。冬場はその日の気分でブレザーや紺のカーディガンを着てくる。女子用のスカートは、穿いてみると似合わないこともない。つまり女装で人を騙せるレベル。外では軽い生地の運動靴を履いている。私服はシンプル且つラフな感じ。マウンテンコートとか着てみるけど、なぜか女々しく見える。不思議。

学年:三年生
委員会:広報委員会委員長
部活:陸上部

備考:一人称は「俺」、二人称は「お前/テメェ」など。中性的で黙っていれば美人さんだけど、傲慢で荒々しい口調。三年生三大美人のうちの一人。三大美人といっても、そのうち二人が男。どういうことだってばよ。性格のせいか女子からはA組男子に何かがあるごとに非難の的にされるが、ほとんどの男子クラスメイトとは仲が良く、他クラスに友人も多い。結構後輩から畏れられている。不良生徒ではないが、少々乱暴な面がある。他の生徒からの呼ばれ方は様々だけど、本人は苗字で呼ばれるのが大嫌い。だけども、「どーちん」と、おの部分を伸ばした呼び方しかされない。大袈裟なゴシップ記事を書くのが趣味であり特技。常に面白い記事が書ける生徒やユーモアセンスのある生徒を探しており、自分の理想の生徒に出会うと男であろうと女であろうと本気モードで口説く。最も、本気モードといってもいつものドヤ顔がキリッとした顔になるだけだが。寧ろ相手をいらつかせる効果がある顔。好物は特に無いけれども腹に溜まるものならば何でも食べる。好きなものは爬虫類。嫌いなものは夜。たまに「女になりたい」と言ってるからといって、同性が好きな訳では無い。成績は中の下。賢くないけど勉強は真面目にする。休み時間や休日などは大抵雨京とともに行動している。晃太郎とも仲が良い。
経緯:女子のことが苦手な理由は、その荒々しい口調の所為で女子を泣かせてしまったことがあるから。安直な理由だけど、当の本人はかなり驚いた。相手の女の子はすぐに忘れてしまったらしいが、ずっと負い目を感じている。

イメージソング:マッシュルームマザー(ピノキオP)
イメージCV:下野 紘


/てめぇら、更生やがれ!!!

赤い人


 どうやら僕の眼は、「俺の邪鬼眼がッ、疼くぅぅうううぅ……」といった具合に、馬鹿な事を口走っていた――丁度中学二年生の頃だろうか?――に、見事覚醒してしまったらしい。今では色々なものが見えるようになった。あ、別に邪鬼眼的な意味ではなく特殊能力的な意味で。よく間違えられるのだけれど、決してギアスではない。あと、久しぶりに友人と再開出来ると思って、つい張り切って友人の一人が持っていた鋏をちょっと振り回してみたら、僕が鋏キャラだってのがいつの間にか定着してた。また、一人を除いた僕の友人は、皆僕よりも背が高い。高校受験が終わった頃、見下ろされるのがどうしても嫌で、毎日欠かさず飲んでいた牛乳を飲むのをやめた。今は勿論背は伸びていない。細胞分裂よりも、細胞死滅という言葉に敏感になった。


 色々モノローグが長かったけれど(え、モノローグじゃない? そんなの知るか)、兎に角今の僕はナーバスだ。……嗚呼、その通り使いたい言葉使っただけです。だが反省も後悔もしていない。っていうかするわけない。

「ねえ、先輩」

 なんだい。
 隣に座っている中学生時代の後輩が此方を見上げていた。そういえば今、河川敷で二人で夕日を見ていたりする。ロマンティックとかそういうのはヤメテ。だって恥ずかしいじゃん。……あ、いやこれも嘘。別に恥ずかしくは無い。

「先輩は分かってないかもですけど、私、先輩のこと結構好きですよ」

 僕は笑った。彼女は一瞬きょとんとした表情を浮かべたけど、はにかみながら微笑んだ。
 見たいものも見たくないものも、全部彼女と分かち合えたらいいのにななんて、高二になった今、夢みたいなことを空に願う。大人になって、誰かと結婚して、そして子供が出来て、おじいちゃんになって――どんなに時が過ぎたとしても、今のこの気持ちを忘れずにいたい。なんて、思うんだ。ベタなことだろう、そうだよベタなんだ。ベタでいい、ありきたりな幸せが欲しいんだ。

「僕も存外、好きだよ」

 彼女は照れくさそうに笑った。


/版権、妄想。