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1から7へ


「愛しいよ、ペネロペ。」
 隣で静かに眠る女性の吐息を聴きながら、ネオン街外れのホテルの一室で眠りについた。
 翌朝、くずかごに捨てられたティッシュの山は紅く色づいていたがそれに気付いた従業員は恐らくゼロ。そして家を捨てた娼婦一人が行方不明になったところで大したニュースにならないのは何処の国でも同じこと。哀れな女性一人も救えないのが現状だ。


 ルーシェ・M・マレディクシオンが病的に女性と関係を持ち出したとき、彼女の周りの者達は何も咎めなかった。彼女自身も最初はお遊び以外の何でもなかった。つもりだった。
 その沼に足を踏み入れば最後、もがけばもがくほど泥濘に嵌ってしまう。それが無自覚のうちに無意味な繋がりに依存し、挙句は破壊してしまうルーシェの性癖と複雑に絡み合っていた。

 人を愛することは意外にも簡単で、軽く浅はかで、宙を掴んだときのように空しいやり場の無い気持ちになると知ったのはそのお遊び"を始めた頃からだった。異常な性欲を覚え、急速に悪化して一人では抑えきれなくなったのもその頃だ。何かが狂い始めたのだ。
 過去の異常な生活のせいか、彼女は人が作り出す愛というものに飢えていた。一人では感じられない温もりに飢えていた。そうやって架空の言い訳にすがりつき、口頭で述べただけの軽薄な愛を数え切れないほどの沢山の女性に捧げた。愛を捧げる行為にお金は一切必要ない。お金どころか確かめなければいけないほどの純情な気持ちも必要なく、ただ「好き」の一言があれば相手も彼女を愛してくれる。

 いつしか娼館に入り浸るような生活を始めていた。定期的にふらりと足を運びいれ、そのとき直感的に気に入った娘を買取り、束の間の幸せを握らせ、欲求を満たすために殺す。彼女を愛していたハイドは、ナマモノの何とも言えないにおいと鉄臭いにおいを連れて帰ってくる彼女を受け入れた。そうすることが唯一出来ることだと言わんばかりに。


「おはよう、ルクレチア。」
 ルーシェの紡ぐ愛はいつまで経っても軽薄なものらしい。しかし、やめろと言われてすぐにやめられる賭けでは無いのだ。
 彼女の指にはめられたネーム入りのリングが全てを語っている。


/林檎(クリムゾン・シード)、序章。

邑楽 謀


登録書、


「ハハッ。その顔だーい好きやわ。もっともっと嫌そうな顔してみ、後悔することになるで。嫌われてなんぼの人生っすわ。」
「えー、んなめんどっくさい事してられんわー。俺ちゃん面倒な事は嫌いやっちゅー事分かっとるやろ、なぁ? ……ちょっ、まっ、誰か手伝ってーな。どーせ後でぶつくさ文句でも言うんやったら、今のうちに手伝ったほうが絶対ええって。なあなあ頼むわー。」

『俺が単に他人が嫌いなわけやないねん。ただ好きになるっちゅう感覚が分からへんだけで、きっとアンタ等みたいに普通に生きてたら解った感覚もあるんや。……まあそないなことは関係無しに、アンタの事は嫌いやけどな。』

(( 他人の不幸は蜜の味 ))


名前:邑楽 謀(おうら はかり)
性別:
年齢:26歳
誕生日:4月1日「サクラ ―精神の美しさ―」

性格:大体のことはやればできるが、万が一失敗したときが怖いのでやらない。中々本気を出さない。余裕ぶっこいといて実は出来ないんだ俺、を装っているモノグサ男。何も持っていなかった頃のトラウマなのか、我が侭でずるくて独占欲が人よりも強く、何よりも一人でいることが怖くなった。普段のノリと本気の境界線が微妙。どちらかというとツッコミ役で、自然と損な役回りを買っている。ノリは良くても、常に気だるそうな口調。語尾が伸びまくり。他人に見せる自分は人の気持ちを誑かすような意地の汚い根の腐った野郎で、薄気味が悪い。一見友好的でおしゃべりは好き。自分に関係の無いことには案外スマートで無理に首を突っ込もうとしない。ずれていて他人と価値観がまったく違うところがある。本人曰く、他人の嫌がる姿を見るのはとても楽しいとこのこと。自分の幸せよりも他人の不幸のほうが旨い。性悪で腹の中はきっと真っ黒、まじダーク。要領がよさそうで全く良くない。人に手伝ってもらえないと一人では自分の仕事すらこなせない駄目なところもある。堕落願望がある点綴的なダメ人間。もうどうしようもない嘘つきで人としてどうかしてる。手の施しようが無く最低、自堕落人間。逆に言えば人の前では本音や弱音を滅多に吐かず、掴みにくい。息をするのと同じように、自然に嘘を吐くのだが、その時は大抵自然と目線を少し上へ向けてしまう。嘘を吐くこと自体には少し後ろめたい気持ちを持っているが、嘘を吐くのは仕方ないことだと割り切ってその気持ちを押し殺している。基本薄情だが、一度気持ちが傾けば中々変わらない。気が向けば少し強引且つ大胆な言葉を口にする。放浪癖があり、気まぐれでいて自由気まま。自分の話を聞いてもらえないと拗ねるが、興味の無い話を聞き流すのは得意。上辺だけの馴れ合い大歓迎だが、根拠の無い疎外感を懐いており何か後ろめたいものがある。死に恐怖を懐いていないが、他人に「死ね」と言われてはいはい死にますよ、と言うような性格ではない。ひねくれている。薄情で常に浮いている。人を愛するのは苦手で、どのような感情が好意なのかもよく知らない。自分の恋に関しては奥手で不器用だが他人のことになるとにやにやしながら傍観する。

容姿:非常に珍しい赤毛の地毛を持っており、髪型はマグショートまたは無造作ヘアー。若干癖毛なのにハネを直そうとしないのでどう考えて見てもボサボサに見える。瞳は先天的な虹彩異色症のため左右の色が違う。右眼が明るめのアンバーで、左眼がアルビーノ性のヴァイオレットだが意識して見ないと色の違いはわかりづらい。タレ目がちな糸目をしていて常に笑っている印象を受ける。視力は高い方で、特に右眼がよく見える。眉間に困った表情をするときのシワが寄っている。黙っていればイマドキの好青年なのだが、普段はにやにやしているので嫌味ったらしい。ギザ歯なので口の形を緩い三角にするのが好き。あまりにこやかには笑わない、寧ろ似合わない。じと目プラスにやにや笑いが似合っている。肌の色は自然に焼けている小麦色。身長は180センチ前半、体重は身長と比較して標準体型辺りで軽い。肩幅は人並みだが撫で肩で、パッと見て頼りなさげ。
服装:前が肌蹴がちな紫地の長着に黒色の麻の角帯を巻いている。結び方は小さめの貝の口だったり。腹から胸にかけてサラシを巻いて、首と腕には日蓮宗用本式数珠と呼ばれる数珠を付けている。そして、それらを覆い隠すように黒色のコートに近い洋風羽織りを羽織っている。襟が立っているタイプで、首元や腰辺りに金色のボタンやその他の装飾がジャラジャラと付いている。靴は裸足に畳表の白っぽい雪駄。アクセサリーが好きだが、あくまでも耳にピアスホールは開けず、イヤーカフスを使用。キュービックジルコニア入りのキューブ型でシンプルなものを付けていることが多い。

部屋番:13号室
備考:一人称は基本「俺」、二人称は「アンタ/お前」など様々。常に関西弁でへらへらにやにやしている。草食系というよりは、どちらかというと僧職系に近い(肉食系には見えない)。普段の字は超絶汚く字が走っているといわれるが、本気を出せばとても綺麗で落ち着いた字が書ける。体は割りと丈夫で運動神経は中の上以上。どことは言えないが感覚が他人とずれておりゲテモノの類が好き。甘いものも好き。猟奇的を漂わせる気味の悪い趣味を持っている。生まれてこのかた心の底から笑ったことがない。意外にも読書が好きで自室には小説が沢山置いてある。官能小説も読むが最近はSFばかり読んでいる。
経緯:出身国は日本だが、独りぼっちのストリートチルドレンとして10年以上の間日本国外で生活してきた捨て子。恐らく邑楽が嘘を吐くようになったのは自分しか信じられる人がいなかったのと、幼い頃から大人の汚いところをいっぱい見てきたから。寧ろ、最近まで本当のことを言ったら殴られると思っていた。自分のことが好きなのは、今まで他人に好意を懐いたことや懐かれたことが無かったから。18歳の頃に日本に戻ってきてからは各地を転々としていたが、ある時輪廻に出会いそれから戯言会へと入る。毎日特に予定が無いので一方的に好いている緋翠のところへ遊びに行ったり、女の子相手にタロットカードを使った占いをしている。

イメージソング:ペテン師が笑う頃に(梨本うい)
イメージCV:遊佐 浩二


/興味無いと言って諦めて、気味が悪いと言われて手放した。
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