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鳥葬


 あるところに、一人の幸福で自由な¥ュ女がありました。
 ある人は少女の事を「最も天に近い子供」と喩え大袈裟に囃し立て、ある人は少女の事を「卑怯者」と呼んで罵声を浴びさせ、またある人は少女の事を「掃除屋」だと言い張りました。どれも喩えとして正しくありません。少女は自由なのですから、何か一つに絞り喩え上げるのは根本的に間違っていました。少女は自由なのです。自由な、空を速く高く自由に飛び交う鳥。縛られずに、囚われずに生きている鳥。

 白いチョークで適当に描き殴られたアスファルトの壁の落書きは、どれほどの罵り言葉であっても、見ていられないほど酷く猥褻な単語であったとしても、この街のひとつ。夕暮れ時になると海が夕日を反射して、赤く煌く波に乗せ、延々と続く終わりの無い地平線を持つ砂浜に他国のモノを打ち揚げる。工場の煙を一杯吸い込んだスポンジのような広い空は黒く白く、灰色に染まり、風に紛れて汚い羽音を響かせて羽ばたく鴉の群れを隠していた。そんな街のとある路地裏で、肩に大きな鳥を乗せ、ゴーグルを付けた齢十数歳の少女が、黒い袋の中に異臭を放つソレを入れる作業を黙々と実行していた。一般人であれば鼻をつまみ、目を塞ぎたくなるようなその仕事を、少女は一人と一羽でこなしている。時折憂いを帯びた、年に似合わない複雑な表情をするが、その度に耳を大きな鳥に甘く噛まれ笑顔を見せる。大きな鳥は、その図体に合わず、くぐもったような雛のような高く小さい声を上げて、少女の肩の上から作業を興味深げに見下ろしていた。路地裏での非日常的なその光景、町での日常的なその光景。
 少女は黒い袋の中にソレを入れる。少女は黒い袋からはみ出しているモノに目を向ける。少女はモノを鷲掴みにする。肩に止まった大きな鳥が鳴く。少女は大きな鳥を優しく撫でる。少女は微笑む。鳥は大人しくなる。少女は微笑む。少女は表情を曇らす。少女はソレのあった場所を見る。少女はソレを見る。少女は懐を漁る。少女はうなる。少女は懐から出す。少女は黒い水筒を取り出す。少女は水筒の口を開ける。少女は水筒に口を付ける。少女は中の液体を飲む。少女は水筒をソレのあった場所の上へ翳す。少女は目を伏せる。少女は笑みを浮かべる。少女は水筒の中の液体を垂らす。液体が地面へと落ちる。液体が染みを作っていく。液体が洗い流す。液体が全てを洗い流す。少女は水筒から液体を垂らすのをやめる。少女が水筒の口を閉める。少女が水筒を戻す。少女は黙る。少女は大きな鳥に声を掛ける。鳥は何も鳴かない。少女は笑う。少女は笑う。少女は口を閉じる。少女はしゃがむ。少女は地面を見下ろす。少女は地面を見つめる。少女は空を見上げる。少女は立ち上がる。鳥が小さく鳴く。少女は溜息を吐く。少女は深い溜息を吐く。少女は大通りを見る。少女は大通りを睨みつける。少女は小さく笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は嗤う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。鳥が鳴く。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は哂う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。鳥が鳴く。少女は笑う。少女は笑う。少女は哂う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は嗤う。少女は嗤う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑う。少女は笑うのをやめる。少女は鳥を撫でる。少女は黒い袋を撫でる。少女は黒い袋の口を縛る。少女は黒い袋を撫でる。少女は黒い袋を撫でる。大きな鳥が翼を広げる。少女は微笑む。
 黒い袋の中のソレは、大切な彼らの食糧。


 此処は町の外れの山の上。この辺りでは最も天に近い、と呼ばれるほど高く高く、そして神聖な場所。少女は其処に居座っていた。いや、少女が其処を仕切っていた。
 少女の黄色く美しく輝く瞳が見つめる先には、沢山のソレの山。美しいソレがあれば、自然と醜いソレもある。欠けているソレがあったとすれば、満ち足りているソレもある。まだ動くソレもあれば、もう動かないソレもある。ソレから落ちたモノが、そこら中に散らばっているが誰一人として、見向きもしない。時折やってくる鳥があれば、モノを何度か啄ばみ場所を移動させる。少女は新しいソレを持ってきた人間に「此処に置いて」と指示を出す。人間は大人しくそれに従い、そそくさとその場を去ってゆく。去ってゆく人間を、興味の無い瞳で見送った後、少女は己の後ろで群がりじゃれあっていた鳥達に合図を出す。少女の肩に止まっている大きな鳥が高く大きく、空に啼いた。

 少女の黄色く鈍く光る瞳が見つめる先には、ソレに群がる仲間£B。周りには赤い液体が飛び、辺りには路地裏で嗅いだものより数倍も酷い異臭が漂い、鼻腔を刺す。少女は笑った。少女は泣いた。


/何にも囚われず、羽ばたいて

レベッカ・バーネット


手配書、


「チャオ、素敵な殿方。こんなところで何をしているのかしら? その格好からしてウェストゲートの住民じゃあなさそうだけど。あら……、アタシの名前? そうね、貴方に名乗るほど大それた名じゃないからサキュヴァスとでも呼んで頂戴。……で、アタシに何か用? それともアタシ達に何か用なの? 答えようによってはこの場で処分することにもなるけれど、それでも良いのならどうぞ。命が惜しいのなら、とっととあの門をくぐって此処から立ち退きなさい。」
「あまり抵抗しないのね、貴方。アタシとしてはもうちょっと手応えがあるほうが面白かったのよ? もっと遊びたいのならそれなりに踊ってよ。その代わり、後で何でもしてあげるから。」

『やるのなら、最後までやりなさいよ。泣き言、裏切り、逃亡、どれも許さないわ。アタシ達の仲間に入りたいっていうから入れてやったのに、貴方を守ってあげたのに、その膨大な恩を仇で返す気なのかしら? ……坊っちゃんが赦したとしても、アタシは赦してやらない。そんな駒は要らないわ。いっそくたばりなさいな。』

(( 快楽を貪るの ))


名前:レベッカ・バーネット
性別:
年齢:31歳
誕生日:4月21日「スイートピー −仄かな喜び−」
役割:マスカレイド サブボス

性格:高飛車で自由気ままなサディスティックお嬢様。一度誓った忠誠を破る行為は絶対にしないが、忠犬というより魔性の猫。年中反抗期かつ、そのときそのときで差はあるものの常に攻撃的で、触れると少なからず爆破する頗る危険な爆弾のような存在。頭がよくキレて仕事の出来るほうだが、同時に酷く短気でもあり、目の前でもたつかれたり優柔不断な人物を見ると一定の確率でキレる。自分の思い通りにならないとすぐに苛々が蓄積されていく性質。待たされたり暇な時間があるのが嫌い。沸点は低め。自称インテリ系だがすぐに熱くなる。貰った御恩は一生忘れない。基本フレンドリーで人見知りをしないが、年下年上構わず男性には少々態度がデカい。小悪魔な対応をして男性が自分にその気になっているところを見るのが好き。悪趣味。頭の回転が良く頭脳明晰なのにイイ意味でバカ。何処か子供っぽく、人を茶化したり悪戯したり、弄るのが好き。熱しやすく冷めにくい。一度夢中になると中々冷めない。年中無休で血気盛ん。マスカレイド内でも悶着やごたごたが好きな過激派。一見他人事に興味の無い冷淡な人間に見えて、皆でどんちゃん騒ぎをするのが大好き。お祭り万歳。おしゃべりはたとえ無駄なものであっても好きなほう。饒舌で扇動するのが得意で、他グループとの取引は十八番。金銭的な取引には厳しく、おかげに肝が据わっているので何でもやってのける。死を恐れていない。マスカレイドの窓口役を自ら買って出ることが多く、組織の利益になるような取引先には非常に愛想良く接するが、興味本位または自分達に敵意をいだいて近づいてきた者には容赦無い。なんだかんだいって面倒見が良く、頼られると真の力を発揮する姉御肌。年上との付き合い方も分かっている。人脈と顔が広く、ウェストゲート内で活動している雇用の殺し屋やベンダーに知り合いが多い。

容姿:髪の色は燃えるようなクリムゾン。長年手入れを厳かにしていたので、大分いたんだ髪をしている。髪型は段が入り緩くウェーブのかかったロングヘアで、腰辺りまで伸びている。アクションで映えるが、見方を変えれば邪魔にも見える。滅多に無いが、デスクワークなるものを任せられたときは仕事しやすいように、バレッタを使用して上の方でポニーテールか、下のほうでサイドテールにして纏めておく。前髪は少し長めで、全体的に左に流している。耳には髪がかかっており普段は人目に晒されないが、実は一般の耳の形よりも上部が尖っている。瞳の虹彩の色は深いインディゴ。瞳孔近くの色のほうが濃く、その周辺に広がるにつれて薄くなって安っぽいグラデーションを作っている。目の形は二重瞼の切れ長で、ツリ目寄りの鋭い眼。視力が頗る悪く、普段は黒いフルリムのフォックス型のメガネを掛けている。マスカレイドの一員としてではなく、気紛れで一般人を装って外に出掛けるときは外す。歳の割りに容姿が若い。顔は整っている方だが、パッと見て冷たいイメージを与える。主に眼が原因。嫌味じゃないほどにメイクをしていて、ルージュの色は艶やかなスカーレット。また、マニキュアとペディキュアもしていて、色はルージュと同じスカーレット。指と爪は綺麗な形をしている。肌の色は至って健康的。身長は160センチ後半で、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる。太腿は肉付きが良く、胸はあるほう。
服装:黒基調のオーソドックスなレディーススーツと、丈が普通のものよりも短いミニタイト。スーツの下には灰色のシンプルなワイシャツを着ている。袖は折り返しのダブルカフス。背中のシルエットはへこんだSラインになる。シャツのボタンは第二、場合によっては第三まで外している。タイトには金の装飾が目立つベルトを付け、そこに拳銃とリロード用の銃弾を入れるホルダーを取り付けている。折りたたみ式のバタフライナイフはスーツのポケット内に収納。靴は大抵裸足にハイヒールの黒いパンプスを履いている。首からデビルハートの金のネックレスを提げている。デビルハートとはハートに悪魔の羽根が生えたデザイン。同じデビルハートの銀のイヤーカフスを両耳に一つずつ着けている。

武器:リボルバー(二丁拳銃。マテバ 6 ウニカ。装弾数は六発でダブルアクション。リボルバーでありながらオートマチック機構が備えられている高級品)/ファイティングナイフ(折り畳みナイフの一種であるバタフライナイフ。最早護身用と化している戦闘用ナイフ。刃の色が純白で持ち手はくすんだ灰色)

備考:一人称は「アタシ」、二人称は「貴方」など。度々使用される通り名は「サキュヴァス」。相手の名前が分かっている場合は、大抵ファーストネームかファミリーネームの呼び捨て。良いとこ育ちのお嬢様ということで、普段は女性らしい振る舞いや口調で過ごすよう出来るように心がけているが、素の口調は荒く悪い。敵だと分かれば、平気で相手を罵倒する。銀ベースでワンポイントとして赤のコサージュが付いた、主に目の部分を覆う仮面を持っている。コスプレでよく用いられそうなアレ。好きな食べ物も嫌いな食べ物も特に無いが、強いて言うならば酒好き。基本的に出されたものは生産者に感謝してしっかりと消費者としての働きを全うするし、食べ切れなかったものはゴミ箱に捨てずに近くで食事をしている知り合いの口内に突っ込む。ただ軽度の潔癖症なため、他人と食べ物を挟んでの間接キスや、他人が口にしたと分かっている物を食すのは生理的に無理。ヘビースモーカーで、数年前に暇つぶしのために吸い始めたらニコチン中毒になった。これといって好きな銘柄は無いが、よくパーラメントの煙草を買っている。かなり酒豪でもある。テキーラやウイスキー、ウォッカといったものが好物で、度合もある程度の高さのものなら楽々と飲み干す。最近は東洋の酒に興味を持ち始めている様子。戦法は主に銃を使用する。両利きの二丁拳銃使い。銃を乱射しているその瞬間に幸せを感じているトリガーハッピー。銃弾をリロードしている間のタイムロスが短く、銃を扱うということに手馴れている。昔はナイフを持っての接近戦も得意だったが、煙草を吸うようになってからは銃でしか戦っていない。戦闘経験が豊富。専門外だが医療知識にも長けており、道具が少なくとも応急手当を施せる。サブボスという地位に相応しい戦闘力を持っている。車の免許は持っているけど、車自体を持っていない。ボスであるヒイロのことは、坊っちゃんと呼んでいる。マスカレイド内ではスナイパーのコブラと親しい仲にあるが、本命は現ボスヒイロの父である、今は亡き二代目。また、数年前にイーストヴィレッジの酒場で知り合ったAMIのメッサリーナとはとても親密な関係で、彼女と知り合ったことによってAMIに度々依頼を托すようになった。ディド姉さんと呼んでいる。レベッカとは「魅惑する者/束縛するもの」という意味で、バーネットは「秘密の花園」という意味。
経緯:出身地はサウスアイランド。その中でもかなりの発言力を持つ有力貴族の家に生まれた。家族構成は、正式な医者の立場にある父と元下級貴族の母。一人っ子だったので、幼少期には成長する為に必要な分の愛情を注がれて育ったため、人を愛し愛すという感情や感覚を知っている。そんな家族関係が崩れていったのがレベッカが10代前半の頃で、メイドが父の子を孕んだのが切欠。それから母が家を出て行き、ついにある日父に暴力を振るわれ、挙句の果てに鈍器で殴り殺されそうになったときを境に家出した。行き先はイーストヴィレッジ。何も持っていなかったので、家を出てからは路地裏で度々自分の身体を売り、そして金を手に入れては生活していた。が、19歳になる年の1×28年にひょんなことからマスカレイドの当時21歳だった二代目と知り合い、マスカレイドに入らないかと誘われて救われる。今も昔も二代目のことをとても慕っており、1×31年にウェストゲートで起こった爆破テロ事件に彼が巻き込まれ死去したことを知った時は一週間近く部屋に篭って泣いていた。また、初代にも懐いていた。彼が敵組織に銃殺された現場に偶然居合わせており、目の前で動かなくなった初代を横目で見ながらも冷静な対処を施したことから成長が伺える。サブボスという地位に立ったのは初代の意思。今はカンザキ家で一人残された若きボス、ヒイロを支えるマスカレイドの一員として気高く生きている。

イメージソング:毒林檎とシンデレラ(ゆずひこ)
イメージCV:倖月 美和


/淫奔な雌猫、気丈な娘。

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