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二匹の鬼の話


▽from きょーへい


「ねえ聞いて、きょーへいさん。僕、その顔大好きですよ。」

 酷く淡々と、彼女の口から溢れ出る言葉の雨を聞いていると興奮した。
 俺のモノで、彼女の綺麗な顔が汚れていくのを見ると起った。
 一度触れてしまうと溶けて無くなりそうなその首筋だから、触れてみる。
 強く、強く締めて。軽快に爪で弾いて。噛み付いて。

「きょーへいさん?」

 嗚呼、アマデウス。
 俺は今、天使を殺してるんだぜ。


×××


 緑色、桃色、水色、黄色、白色。
 グリーン、ピンク、スカイブルー、イエロー、ホワイト。

 教室の、窓側から二列目、前から四番目に座る僕。
 教室の、窓側から二列目、前から五番目に座る君。
 授業中、止むを得なく君に無防備な背中を向けていた。休み時間、いつか後ろから刺されてしまいそうで、座り方を変える。背もたれの所為で股を開く格好になるけど、そんなの気にしない。それよりも、まだ昼休みになっていないのにとある食品を食している君の姿が気になった。いや、気に入らなかった。
「……、きょーこちゃんは何でマカロンが好きなの。」
 サクッ、フワッ。君がこの世界中にあるモノの何よりも、とても美味しそうに幸せそうに頬張るそれに、奥から沸々と嫉妬の感情が湧き上がる。
 ――嗚呼、君の顔を幸せ色に歪ませて良いのは俺だけなのに、ね。なんて、誰かさんが言いそうな台詞で、ホント反吐が出る。君は僕の呟きに一瞬だけ目を見開くけど、すぐに微笑を浮かべた。思わせぶりなその笑顔、今すぐ壊したくなって、ゴクリと唾を飲み込んだ。そして、結局今日も答えは返ってこなくて。

「キナシさんが食べてイイのは俺だけ、だろ? 何も間違ったことなんて言ってないと思うけど、」
 今日の君は、何で笑っているのか……それだけが理解できなかった。もっと、泣き喚けよ。



from きょーこ


 好きと愛って似ているようで、全く違います。
 好きだから愛している? ライク? ラブ?
 愛しているから好き? ラブ? ライク?
 理屈なんていらない。僕はあの人に恋をした。それはつまり、好きじゃなくて、愛しているでもなくて……、

 嗚呼、そんな顔で僕を見ないで(笑)

「キナシさん、痛いよ。」
 僕は嘘を吐く人がキライです。笑ってなんていずに、泣いてみたら好きになれると思うのに。
「キナシさん、好きだよ。」
 僕は嘘を吐く人がキライです。好きなら、キスくらいしてくれても良いじゃないですか。
「キナシさん、愛してる。」
 ……、うん僕も(笑)

 愛しているのなら、その右手に握ったカッターナイフを片付けてください(笑)
 愛しているのなら、この左手に握ったハサミを片付けないといけませんね(笑)


×××


 視界が歪んだ。
 顔面を殴られて視界が揺らいだとか、脳内に衝撃が走ったとか、神経損傷がなんとか……とか、そういう複雑で手遅れな話なんかじゃなかった。単純に、ただ単純に、そして酷く単純に。涙、涙涙涙、涙で濡れている瞳と頬。やだ、どうして僕が泣かないといけないんですか。頭の中は既にボロボロで、喉は何故かカラカラで、唇は強く噛み締めた所為で血が出ている。
 歪んだ世界で、君が笑う。

 嗚呼、やっぱり僕は君の事が好きなんです。


/鬼無と逆鬼

成宮さんと皇城くん


梓「なんで俺なの」
千「?」
梓「なんで俺の事が好きなのかって聞いてんの。意味分かんねーわ」
千「な、なんで梓君はそんなこと言うの?」
梓「俺は今まで本当に女の子のこと好きだって思った事ないし、これからも思わないよ」
千「そう、なの……?」
梓「絶対に」
千「じゃあ、」
梓「何」
千「私が……」
梓「は?」
千「――あっ!? い、いや。いや……」
梓「あのさあ、成宮さんってさ、今まで裏切られた事無いんでしょ」
千「えっ?」
梓「――あーごめんごめん。成宮さんには関係ないことだから今のは聞かなかった事にして」
千「梓君、」
梓「俺帰るわ」
千「待っ」
梓「…………また明日」
千「えっ」
梓「ばいばい、……千咲ちゃん」


/梓と千咲ちゃん(題名は「堀さんと宮村くん(HEROさん)」をイメージして付けさせて頂きました……!)

The person who has a hard time


パターン1「嫌い」

「お前ってすぐフラフラする。」
「そう? 尻軽ってこと?」
「まあ…そう。すぐに敵作るしサ。ポイポイ飽きたモン捨ててくし。乗り換え上手。」
「どーも。」
「けど、俺そーいう奴嫌いだわ。」
「えー。氷汰に嫌いって言われるとかマジウケるし。」
「…俺はな、」
「はいはい心配してくれてありがと。これだから氷汰は彼女出来ないんだよ。非リア充。」
「おまっ」
「お節介かきのイイコちゃんめ」


パターン2「定期」

「…。」
「…あぁ。」
「ねえひーちゃん。俺のこと好き? ねえ好きって言って、ねえ」
「大ッ嫌いだよ、ばか」
「やだ、やだよ。俺の指全部あげていいから、そんなこと言わないでよ。」
「そんなもん欲しくないね。いい加減自分を大切にしろよ。」
「なっ、んで? なんで優しくするの? なんで俺と喋るの? 俺と喋ったら汚れるし、先生にも友達にも嫌われちゃうよ? 俺、汚い子だから。近寄らないで、お願い俺に触れないで?」
「やだね」
「見ないで! 俺のこと見ないで!? 汚いよ、汚いから。やだよ…」


パターン3「寛容」

「ひーちゃん、ころしてよ。しにたいんだ。」
「なんで」
「おれがいたらみんなのじゃまだから。」
「お前が死んだら俺は悲しいよ。」
「ばか、ばかひょーた。」


/君だから許せるんだと思う。

ワンダーランド


 ワンダーランド、
 歌う花と笑う太陽
 回り巡る空とこの世界

 ナイフを突きつけて笑い「また明日ね」と残す幼馴染
 その横顔は至極キレイで、思わず泣いてしまった

 ワンダーランド、
 走る風と揺れるハート
 甘い夢、苦い恋
 廻り廻る空とこの世界

 もう気付いているけれど、
 これはきっと夢なんだろう。


/気になりだしたら止まらない。(BGM「クローバー・クラブ」)


レンズイズム


レンズ越しの景色は今日も綺麗だ


窓を閉め切った暗い部屋の片隅で、一人カメラを持ち上げる。
俺だけの世界。
もう随分人と話していない。

レンズ越しの景色

俺の目に直接映っていた景色は、全て汚らわしくて信じられないものだった。
だけど此処から見える景色は違って見えた。
だけど、
人間もレンズ越しに世界を見ているんだと聞いた。


俺はそこまで人間が嫌いではないのかもしれない。


レンズ越しの景色は今日も綺麗です。以上


/価値観だって変わるくらい、
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