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第12話(下)

元老院監察官・流葵の一方的な挑戦状を叩きつけられた晴斗。流葵の実力をいきなり見せつけられてピンチに陥ってしまう。

元老院は幹部以上とは聞いてはいたが。


気絶させろと言われても、この人めちゃめちゃ強いんだが…。俺、宙を舞ったぞ…ってまた攻撃来る!?

モノローグを言ってる暇もない。とにかく流葵は矢継ぎ早に攻撃を仕掛けてくる。しかも威力は強いわ、素早いわで実力の差を見せつけられる始末。


晴斗は一気に劣勢になっていた。攻撃する隙もねぇ…。
既にぼろぼろになってる。

まだ5分くらいしか経ってないぞ…。ここで死ねるかよ!!


晴斗はなにがなんでも一撃加えたいと思っていたが、攻撃を受け続けた結果、ぼろ雑巾のような有り様になっている。ダメージは深刻。

これが幹部クラス以上…。


「晴斗、聞こえるか!?私だ、鼎だ。いいか、返事はしなくていい。話だけ聞け。お前の日本刀型ブレード・恒暁には特殊発動があると言ったが…それは攻撃するためのものではない。浄化させるためのものだ」


浄…化…?


「一撃だけでも特殊発動を加えることが出来れば流葵の洗脳は完全には解けなくても、軟化はするらしいんだ。室長の説明なら話、聞かないだろうから私が代理で話したぞ」
「一撃だけでも加えればいいの…?」

晴斗、泣きそう。鼎は優しく言う。

「一発、ぶちかませ。お前なら出来る。気絶させたら上出来だが、思った以上に強いとなると作戦変更だ」
「鼎さん、ありがとう」


なんだろう、鼎さんから勇気を貰った。
その間にも流葵はジリジリと接近している。小型ナイフ片手にして。

「反撃しないのですか?」
めちゃめちゃ挑発してる…。流葵からはピリピリした空気が伝わってきた。監察官でこれなら他の元老院はもっと危ない。

晴斗はふと何かに気づいた。あの仮面…仮面を無理やり外せば油断するのではないか?
しかし、一撃でそれが出来るかも怪しい。残りの体力も危うい。


ここは…やはり鼎さんのアドバイス通り、特殊発動して一撃浴びせるしかないか…。
タイミングを見計らえ…。

晴斗はわざと流葵に攻撃させる。流葵は晴斗をじわじわ追い詰めていく。ギリギリの攻防。
晴斗は立てないまま、なんとか攻撃を交わしていた。


ブレードは手に持っているため、いつでも発動可能。問題はタイミング…。だがまだ早い。
この流葵という監察官、なんなの!?小型ナイフだけで広範囲攻撃など攻撃の幅が広くて、俺の限界値超えそうだ…。



もはや持久戦の様相を呈してきた。何分戦ってるの、俺ら…。

気づいたらあれから20分以上粘ってる…。さすがに流葵も疲労の色が見えてきたように見えるが、顔が見えないので判断が難しい。


晴斗は持久戦に強いが、相手が悪すぎたためか体力が持つか持たないかレベルにまで来ていた。
一発ぶちかますなら今しかない。相手も疲労困憊に見える…。

晴斗は力を振り絞りブレードのトリガーを2回、引いた。
ブレードの刃が青色に発光する。優しい光…。


なんとか立ち上がり、流葵に向かって走り始めた。交わされたら最後、助走をつけ→ジャンプ→一撃切りつけた!

流葵も晴斗に攻撃したため、相討ちみたいになったが2人はほぼ同時に倒れた。


晴斗は体力の限界、流葵は疲労で。流葵は切られた瞬間、気絶した。
特殊発動は気絶させる効果もある。



「晴斗、流葵の様子はどうなんだ?」宇崎から通信が。
「気絶…してると思います。さすがに仮面触りたいとは思いませんから」

そこに鼎が割り込む。
「仮面外す必要性はないぞ。よく見てみろ。呼吸している。気絶してるから安心しろ」
これは流葵と同じ仮面仲間の鼎だからわかる視点。


「…室長、俺勝ったの?」


「保留だが、今回の目的は流葵の洗脳の軟化だからまぁ勝ったことでいいんでない?彼女に関しては色々聞きたいことがあるし、元老院についても知ってる。生かさないとダメな人間だ。洗脳が解けるまではかかるだろうよ」

晴斗は流葵を見た。なんだか可哀想…。
行方不明になって異空間に迷いこんで、元老院に拾われて6年間怪人サイドで過ごした人だ。


彼女はれっきとした被害者だよ…。


晴斗は複雑になっていた。



その後。気絶した流葵は一旦、本部隣接の直属病院に搬送されることになる。
晴斗もダメージを受けたため、手当てで病院へ。

流葵の洗脳はひどく、彼女は後に治療へゼノクへと行くこととなった。怪人被害・後遺症治療に長けてるゼノクなら設備的にも安心なのもある。
時間はかかるが致し方ない。



流葵は本部隣接の病院で目を覚ました時、自分を失っていた。おぼろげに覚えているのは「元老院」という言葉…。

洗脳から完全には解けてないため、仮面は着けたままにしている。


鼎はそんな流葵に親身になっていた。同じ仮面仲間として、流葵を受け入れたのである。


「貴方は一体…?病院の人じゃないですよね…」

「私はゼルフェノア隊員・紀柳院鼎だ。桜井流葵と言ったな。話を聞いておこうと思ってね…。お前は何がなんだかわかっていないのだろ?…なぜ、自分が仮面を着けているのかさえわかっていないはず…」
「気づいたらこんな姿でした。私は何を…」


鼎は言いづらそうに言う。

「桜井流葵。お前は6年前に行方不明になり、異空間へ迷いこんで『元老院』に拾われたんだ。そして6年間、元老院の一員として働いていた…。怪人に手を貸していたんだよ」

「えっ…」
流葵は理解出来てない。


「流葵はずっと洗脳されていた。その仮面を人前で外せないのはそのせいなんだ」
「あ、あの…紀柳院さん。紀柳院さんはなんで仮面を…」

「知りたいのか?後悔するかもしれないが」
「…し、知りたいです…」


鼎は淡々と続ける。
「私も怪人被害に遭ったんだ。それで顔に大火傷を負った。身体も火傷したよ」
「…それって全身火傷じゃ…」
「かろうじて生還したが、生き地獄だよ。仮面生活はお前よりも長いのだからな…」
「なんか…ごめんなさい」
「謝る必要はない。私はあったことを伝えたまでだ」


流葵は気になっていたことを聞く。

「なんで親身になってくれるんですか…?」
「お前にシンパシーを感じたからだよ」
「…『ゼノク』って、怖くない…ですよね…私、不安で…」
流葵の声が震えてる。


「本部に比べたら環境はいいらしいし、ゆっくり治療してくればいい…としか言えない。私もゼノクは少しわからないんだ、すまない…。怪人被害の後遺症治療に長けてるのは確かだから安心しなよ」


いつの間にか鼎と流葵は打ち解けていた。
鼎は病室を出る前に一言、言った。

「流葵のその仮面、人前で外せる日が来るよ」


実は鼎はかなり複雑だった。口ではああ流葵には気を使い、言ったけれど…。
私の仮面は人前では到底外せそうにない…。あんな姿じゃ人前になんて出られないからだ…。


鼎は本部に戻った後、司令室でも無言だった。宇崎は察した。
鼎のやつ、複雑だったろうな…。お前もれっきとした被害者だよ、だから俺達がいるんだよって。


鼎は滅多にペラペラとは話さない。初対面の流葵とはあっさり打ち解けられただけに、彼女が気になるのも無理はないか…。

宇崎も複雑そうに鼎を見ていた。



元老院では流葵が離脱したことにより、2人の会話が活発になる。

「所詮、流葵は人間ですからね〜。洗脳は完璧には行きませんでしたか」
「何を言っておるのだね。代わりを連れてくればいい。異空間の迷い人をな」


異空間の迷い人。元老院は新たな人柱を立てる気なのか!?


第12話(上)

蒼い炎を使う怪人の一連の放火事件が起きてから3件目。その3件目で晴斗は敵サイドに「元老院」なる組織があることを知る。

晴斗と僅かな間、対峙した元老院の女性とは一体何者?



放火事件3件目から数日後。宇崎は刑事の西園寺にあることをリモートで聞いていた。


「行方不明の少女がいないかって?あぁそういえば6年前に行方不明になった高校生がいましたよ。未だに手がかりありませんが」

「西園寺、その高校生の名前を教えてくれ。あと資料の転送も頼む。気になることがあるんだ」
「気になること?…ちょっと待ってて。今データをゼルフェノアに転送しましたよ。彼女が気になっているんですか?」


宇崎のPCには警察から転送された、6年前に起きた女子高生行方不明事件の詳細資料が。
資料には「桜井流葵」と記されている。さくらいるき?彼女の顔写真と身体的特徴もあったが、晴斗が見た元老院の女と背格好が似ているな…。顔がわかればいいのだが。


「似てる…。あいつと似てる…」
「宇崎司令、どうかしたんですか?」

「もしかしたらこの流葵って人はとんでもないところにいるかもしれないよ。推測だけどね。警察は介入出来ない領域だからうちでやるから。西園寺は4件目が起きる前にうちの隊員使ってでもいいから先回りしろ」
「4件目の目星がついたんですか!?」


宇崎は西園寺のPCに資料を転送。

「解析班の読み通り、3件目はこの区域で発生した。4件目はここから3q圏内だろう。警察とうちの隊員で怪人による放火を防ぐ作戦に出ようと思う。そろそろ負傷者出てもおかしくない領域に来たからな」

「それと彼女の行方不明事件は別件のはず…」
「別件だけど、とんでもないところで繋がってるっぽいんだよ。うちの隊員のおかげで見えた」



異空間・元老院。元老院のとある部屋で流葵は接触しかけた少年についてサーチ。

元老院の中にいる時・元老院の一員として動いている時は仮面は人前では外せない独特な掟。
黒いローブは戦闘時脱いでもいいことにはなってるが、正式な場にいる場合は黒いローブ&仮面姿。ローブのフードは被ることが推奨されている。

つまり、元老院の3人は互いの素顔を知らない。



流葵は6年前に行方不明になっていた。
本人はわかっていないが、何かをきっかけに異空間に迷いこんでしまい→そのまま元老院に拾われるような形でいる。長や若い男性が優しいのはそのため。
そして元老院の監察官という、役職まで貰うまでになった。

彼女は知らず知らずのうちに敵サイドに洗脳されていたのである。
現在の彼女は元老院を拠り所として生きている。桜井流葵は被害者だった。



ゼルフェノア本部・司令室。晴斗は宇崎に呼ばれていた。


「室長、いきなり呼び出しってなんなんですか…」

「晴斗。お前はあの元老院の女に目をつけられたかもな。気をつけろよ」
「元老院の女…って、あの黒いローブに仮面の人ですよね!?…どういうこと?」


宇崎はなんとか説明する。

「まぁなんていうか…因縁つけられた的な?あの女は幹部クラス以上とは言ったが、やっぱり人間と見ていいだろうよ。警察に調べて貰ったら、6年前に行方不明になった女子高生に似てるんだよ。顔は見えないが特徴はほぼ一致してるんだわ」
「つまり被害者なわけ!?」
「おそらく元老院に洗脳されている。何かしらのきっかけで異空間に迷いこんでしまったんだろうな」


晴斗は信じられないような顔をする。

「そんなことあり得んの!?」
「あり得るの。たまに変な場所から行方不明者が見つかったりしてんのは異空間に迷いこんだ説が有力だ」


それって神隠し…。一気にオカルトめいてきた…。


「その行方不明者の名前は『桜井流葵』だ。るき。もし、元老院の女が名乗るようなら名前を覚えておけよ。こっちはこっちで動くから。鼎も協力すると言ってる」

そういや鼎さんは炎に戦意喪失レベルのトラウマあるから、今回の一連の任務は行けないんだっけ――。
鼎さん、あの火傷だものトラウマレベルも深いから…。


鼎も司令室にいた。気づかなかった。
「私は室長と共にバックアップする。晴斗はその女との戦闘は避けられないだろうな。相手が人間なら気絶させろ。殺すな、手加減しろ」

手加減しろといきなり言われましても〜。


宇崎は晴斗にアドバイスした。

「相手は敵に洗脳された人間だ。対怪人用装備は人間に害はない。つまりちょっと痛いだけなの。だから気絶させろって言ってんの!ブレードも人間相手なら峰打ち状態になるから大丈夫だ。とにかく言い方悪いが生け捕りにしないとならない相手なの!」

「あの〜。発動は使えますか?」
「発動…使えるけど、最悪な場合にだけ使え。人間相手でもそこそこ効くから。相手は死なないから安心しろ」


鼎は一言加えた。
「お前のブレード、2回トリガーを引けば特殊発動になる。いいか、言ったからな」


特殊発動って、ナンデスカ…?
鼎さんは教えてくれなかった。自分で理解しろとの意味らしい。



そして、さらに数日後。蒼い炎を使う怪人は出現しない代わりに、あの元老院の女が晴斗に挑戦状を叩きつけてきた。

「晴斗、本部に元老院から挑戦状が来ているぞ。あの女に足元見られてる。…てか、本部に直接送るか!?」
「挑戦状に『流葵』って名前書いてありますよ、思いっきり…。律儀なのかな…」


2人は挑戦状に困惑。鼎だけ淡々と言う。
「それだけ晴斗を倒したいのだろう。晴斗、行ってこい」
「鼎さん、なんか冷たくない?気のせい?」
「気のせいだ」


鼎は鼎で元老院の仮面の女が気になっていた。敵サイドの元老院の人間は全員仮面で顔を隠しているというが…。敵なのにシンパシーを感じる…。
自分も白い仮面を日常的に着けているせいか。私の場合は仮面がないと、外出出来ないレベルの大火傷の跡が顔にあるからだが…。



都内某所。廃校。
元老院の女こと、流葵は人気のない廃校を指定してきた。晴斗は霧人のバイクで廃校へ到着。

霧人は晴斗に「健闘を祈る」…と言って去っていく。この戦いは1vs1。
晴斗は流葵が来ていないことに気づいた。あの元老院の女…流葵さんがまだ来てない…。


やがて廃校にだんだん空気がピりつき始める。


黒いゆったりとしたローブを羽織り、白い装飾がついた仮面を着け、フードを目深に被った女性が現れたのだ。
ローブの下は身軽な格好にも見えたがわからない。彼女はローブを脱がないで戦う気だった。


「約束通り来たのですね。暁晴斗。名乗り遅れました、私は元老院監察官・流葵と申します」

めちゃくちゃ丁寧な話し方をするなー。仮面姿なので顔は見えないが、立ち振舞いが上品というか…。

「なんで挑戦状を叩きつけたんだ!?」
「貴方は私に接触しようとしましたね?仮面に触れようとした。敵に触れられる気持ちなどわからない…ですよね…」

流葵の語気が強くなる。この人…我が強そうなんだが。晴斗は気迫に負けそうになる。
言動は明らかに元老院中心。仮面のことには特に敏感だとわかる。


どうやら元老院において仮面は重要なものだとなんとなく察した。


晴斗はジリジリ後退しながらブレードを使うことに。

流葵さんの目を覚まさなくちゃ!この人完全に洗脳されてる!



司令室では宇崎と鼎が晴斗に通信していた。


「流葵の様子を伝えろ」

「鼎さん、かなりマズイですよ!敵意剥き出しにしてる」
「晴斗、ブレードで峰打ちだ。それでもダメなら肉弾戦でいくしかない。おすすめしないけどな」
「ちょ、室長!?おすすめしないってそれヤバいって」


晴斗はまだ気づいていなかった。元老院の実力を。
洗脳されているとはいえ、流葵を完全に舐めていた…。

流葵は小型ナイフのようなもの「のみ」持っていた。晴斗は完全に油断した。
ブレードで手加減するも、流葵は躊躇いもなく攻撃する。強い!


相手は仮面の人間、しかも女性。…なのに何この強さ…。
晴斗は知らぬ間に宙を舞っていた。吹っ飛ばされたのだ。そして地面に落下。


流葵は冷酷に詰め寄る。
「元老院の名の元に、貴方を倒します」

完全に洗脳されてやがる…!
晴斗、いきなりピンチ。





第12話(下)へ続く。


ありがちなのか?


話題:ひとりごと
お風呂に入っている時、湯船に浸かってぼーっとしている時に小説の展開が唐突に浮かんだのはいいが、メモれない現象ってあるあるなんでしょうか…。

詳細設定・主要人物3を書いてから寝ようとしましたが、12話を書いてから寝ます…。
時間帯的に明日、眠くなるやつだ…。危険やんけ…。


だいたい1日に2話上げれる日は、アウトプットが激しいことが判明した。

詳細設定(主要人物2・メイン隊員と司令)

自分用メモを兼ねた自己満創作小説の詳細設定。主要人物2からは名前あり隊員とか色々です。追加更新はちょいちょいな感じで。



・駒澤彩音(こまざわ あやね)


本部所属のゼルフェノア隊員。鼎の先輩でもあり、親友でもある。
面倒見のいいお姉さんといった感じ。好かれやすい先輩というか、皆のお姉さんみたいな優しい人。

何気に中堅隊員。年齢は30代前半くらい。
ゼルフェノアに入る以前、鼎と出会った頃は怪人被害者支援組織・「ノア」職員だったがノアは解体され→現在の「ゼノク」に怪人被害者支援は引き継がれる。


一人称は「私」。隊員の呼び名は「さん」「くん」。晴斗は学生なせいか「晴斗くん」呼び。室長はまんま室長呼び。
ゆったりとした話し方で癒し系らしい。ノア時代にカウンセラー経験があったせいか、相談相手に親身になってくれる。

制服は着崩さない。装備は標準仕様。対怪人用銃と近接用の対怪人用の短刀。
肉弾戦は苦手だが、関節技は得意。

お酒が入ると泣き上戸になる。



・御堂和希(みどう かずき)


本部所属のゼルフェノア隊員。鼎の直接の先輩で、鼎が組織に入った当初から彼女と一緒にいる時間も長い。
鼎の仮面の改良を提案したのも彼。中堅隊員で年齢は30代前半。


一人称は「俺」。口が悪く、ぶっきらぼうな話し方が特徴。単に不器用なだけかもしれない。基本的に呼び捨て。
「〜じゃねーよ」「てめー」など話し方があれだが、なんだかんだ隊員のことは気にしてる。


晴斗とは気が合うのか、時折一緒に特訓したり遊んだりしてる。晴斗は御堂を師匠のように尊敬してるが、本人は「師匠」というワードが好きではない。
晴斗を最初、高校生だからとガキ扱いしていたが、だんだんその実力を認めるようになる。

組織のギャグ要員の1人で、突っ込むことが多い。
宇崎の実験台にこき使われる率がなぜか高い。


戦闘時は動きやすいように制服を着崩している。
黒Tシャツ(上着の中は黒Tシャツ指定)と指貫グローブスタイルと、ラフ。本部隊員の中ではかなりの軽装。


御堂のみ対怪人用装備を一切使わない。理由は合わないから。

銃の扱いに長けている。
基本装備はカスタム銃(愛用)とサバイバルナイフ。武器なら色々と使えるマルチプレーヤータイプ。
肉弾戦も強く、隙がない。


普段はめんどくさがり。だるそうな姿が散見されている。
時たまストイックな一面もあり、トレーニングルームや射撃場にいることが多い。体型はやせ型。細マッチョ的な感じか?なんとなく「あれ?鍛えてるな〜」的な感じ。


宇崎の玩具にされがちなせいか、めんどくさがりになってしまったところはある。
こう見えても分隊長クラス。銃の腕は確かで、怪人相手に銃でよくぶん殴る。本人曰く、銃で殴ると威力が増す…らしい。

見かけによらず小さい子供にめちゃくちゃ弱い。子供の前では滅多に見せない笑顔を見せる一面も。


最終回後は隊長に昇格した。お酒が入るとペラペラ喋る上に、めちゃくちゃめんどくさい人に変貌。



・宇崎幾馬(うざき いくま)


ゼルフェノア本部司令兼研究室長。研究者上がりの司令という経歴。研究室長も兼任しているせいか、隊員からは「室長」とよく呼ばれている。

見た目は制服に白衣を羽織ったスタイルで、眼鏡の優男。
一見真面目そうだが言動はふざけていることが多く、晴斗の司令のイメージを見事にぶち壊した。晴斗曰く、第一印象は「ふざけたちゃらんぽらん」。


隊員達とは基本的にフレンドリーだが、御堂には馴れ馴れしくなる。
言動は基本的にふざけてるが、隊員を見抜く能力に長けている。


研究者上がりなせいか、時々趣味程度に装備を開発してる。晴斗の日本刀型ブレード・恒暁(こうぎょう)は自信作。
御堂で遊ぶのが好き。逆に鼎には親身になる。


実は戦うとめっぽう強い。本部は曲者だらけだが、彼が1番変人かもしれない。司令で曲者って。一人称は「俺」。


戦うとめっぽう強いが、だいたいいつの間に作ったのかわからない、自作の武器を使用する。そこは研究者っぽいが自作武器…どこに隠しているんだよ。改造も得意。

ゼルフェノア黎明期にいた数少ない1人。蔦沼長官の後輩に当たる。


最終回後は司令補佐の鼎と共に指揮をすることになる。


第11話(下)

蒼い炎を使う怪人によるボヤ騒ぎから1週間後。この間に蒼い炎のボヤ騒ぎはもう1件発生してる。

宇崎は12年前の連続放火事件のパターンと今回のパターンの資料を見て照らし合わせていた。
「2件目まではボヤ騒ぎ…同じだ。問題はここからだ。規模が大きいとなると、次に狙われるのは商業施設や公共施設とかか?対象が多すぎる!!」


司令室であーだこーだ1人でぶつぶつ呟いている宇崎に、朝倉が資料を持ってやってきた。

「司令、1件目と2件目の防犯カメラ解析、終わりました。画像をプリントアウトしたものがこれです」

宇崎は資料を受け取った。朝倉はどや顔で報告。
「今回はバッチリ犯人が映っています!」
「でもこれ怪人態じゃない。人間態はなかったの?」


宇崎は「おいおい…」というような表情。


「探してはいるんですが見つかりませんでしたね〜。…あ、そうだ司令。ボヤ騒ぎ発生場所に印をつけたらどうやらこの区域が怪しいんですよ。モニターに地図お願いします」

宇崎は東京都内の地図をモニターに出す。朝倉はそこに1件目と2件目の場所をマーキング。
「場所、都心じゃないんですよ。少しずれてますね」


宇崎は12年前の連続放火事件の発生場所を重ね合わせた。
「場所はずれてるが、似ているなー。次に発生しそうな場所はこのあたりか?」

宇崎はある場所周辺に丸を囲んだ。


「…食い止めるしかないですよ!解析班も必死ですよ」
「朝倉、わかったから持ち場に戻りなさいって」
「はーい」


朝倉は司令室を出た。
この案件、炎に関係してるため鼎は出動していない。どうしても行かなければならない場合は「組織車両から降りるな」との条件つき。



宇崎は朝倉が持ってきた資料に怪しい人影が映っていることに気づく。

黒いローブを羽織った仮面の女…だよなぁ?一体なんなんだこいつは…。
この怪人に関係しているのか?


今回の一連の案件には前回とは違う特徴があった。

ゼルフェノアや警察が現場へ行くと、どこからか出現したのか戦闘員に阻まれる。
1件目はなかったが、2件目はそれで少々手間取った。


敵サイドは妨害をしてきてる。それにしてもこの戦闘員、どこから…?
戦闘員だけは今まで何度もあるが、どうも雰囲気が違う気がするのだ。



そんな中、3件目が発生。今回は霧人がメンバーにいたため晴斗は霧人のバイクに一緒に乗り、いち早く現場へと向かう形になった。晴斗は足が速い。

残りのメンバーは桐谷が運転する車両で現場へ急行。鼎は出動せず。



現場は朝倉の予想通りの場所だった。都心から少しずれた場所にあるとある小規模な商業施設。
既に消防隊と警察が来て消火してる。人的被害はなく、避難は既に完了していた。問題は例の怪人…。


霧人のバイクは駐車場に勢いよく停車。晴斗は急いでバイクを降り、通信を聞きながらある場所へとダッシュする。
それは商業施設の裏だった。

「まだそこに黒いローブの女がいる!警戒しろ!」
宇崎が指示する。
「黒いローブの女?」

「おそらく蒼い炎の怪人と関わっているやつだ。晴斗、お前がそいつを食い止めるんだ!」


まだ他のメンバーは到着していない。ゼルフェノアは自分と霧人さんだけ。
蒼い炎の怪人は既に逃走した後だったが、確かに何かいる…。



晴斗はその「黒いローブの女」を見た。見た目がかなり鼎と似ているのだ。

これじゃあ「黒いローブの仮面の女」じゃんか。
その女はずっと下を向いていたのだが、晴斗に気づきようやく顔を上げる。
白いベネチアンマスクだが鼎さんの仮面とは違い、装飾がある仮面だ…。フードから長い髪が見えてる。


「初めて見る顔ですね。何をお探しでしょうか?」

いきなりなんなんだ、この人。
「何を…って犯人の怪人をだよ!」
「彼は私の監視下にあります。邪魔はさせません」


女は何かを出した。小さな笛のようなもの。
そしてそれを仮面の口元に当てる。仮面越しなのに不思議と音が鳴った。金属音のような高い音。

…と、同時にわらわらと戦闘員が出てきたのである。晴斗は焦った。1vs6は分が悪すぎるだろ!霧人さんまだーっ!?


晴斗は仕方ないので日本刀型ブレード・恒暁(こうぎょう)と肉弾戦を駆使して戦う。数が多くてうまくいかねぇ!

黒いローブの仮面の女は一瞬笑ったように見えた。


晴斗はこの女にイライラしていた。戦わないのか、こいつは…。
戦闘員を振り切って黒いローブの女に接近したが、女は戦闘員を増やし接近させなくする。あと少しで近づけたのに…!


晴斗はギリギリしながらたった1人で戦闘員8人と戦うが、劣勢になる。

そこに霧人が晴斗を探して到着。
「霧人さん!」
「ここにいたのか」
「ヤバいんだってば!」
「見りゃわかる」

霧人は何か武器を出した。トンファーだ。晴斗は拍子抜け。ト、トンファーだと!?


「戦闘員ならこれで十分だ」


霧人はトンファーと肉弾戦で戦闘員を蹴散らす。晴斗は黒いローブの女を視界に入れつつも、戦闘員を撃破していた。


最後の1体を倒した時、黒いローブの女は逃げようとしたが晴斗は逃さなかった。
「行けっ!逃がすなー!」
「わかってるよ!」

晴斗は助走をつけ、ジャンプ→逃走しようとする女に飛び蹴りをかます。
女は予想外の攻撃に不意討ちを喰らい、怯んだが一瞬の隙を突かれ異空間へ逃げられてしまう。


「逃げられたーっ!!」



ゼルフェノア本部。晴斗ははっきりと蒼い炎を使う怪人と関連する女を見たことを報告。

「そいつの特徴は?」
宇崎は淡々と聞いてる。

「見たまんまですよ。黒いローブを羽織ってて、白い仮面を着けていました。仮面にはなんかキラキラした装飾があったような…。あと髪は長かったです」


あの女、鼎さんより髪が長かったな。やけに口調が丁寧なのも気になったが。

彼を監視してるとはなんなんだ?「彼」は犯人の怪人のことなんだろうけど。


宇崎は3件目の資料を見せた。そこには黒いローブの女の写真が。

「防犯カメラにも映っていたよ。この黒いローブの仮面の女。見た感じ、鼎よりも若いみたいだな…。あとこいつ、怪人じゃないのも引っ掛かる」
「怪人じゃないの!?」


「おそらく幹部以上のものだろうな。仮面をしているということは『元老院』の一員かな」
「元老院ってなんですか」
晴斗、真顔で聞く。


宇崎は晴斗に説明する。

「敵の鐡一派には元老院という組織があるらしいんだが、元老院は謎が多くてわからんのよ。ただ元老院の面子は人前では必ず顔を隠してる・黒いローブ姿ってことしかわからない。人間なのか、怪人なのかも怪しい」
「この人、ローブ羽織っているだけだよね」

「場所が場所だから動きやすい格好で来たんだろうよ。異空間から」


今しれっと「異空間」って言った!?


「本拠地が異空間ってますます悪の組織っぽい…」

「メギドは人間界にはいないからね。異空間由来だから、あいつら。怪人辞めてるいいやつも人間界には少数だがいるぞ」
「犯人早く見つけないとならないのに、妨害されるとか…なんかイライラするーっ」

「晴斗、落ち着け」



異空間。黒いローブの女は仮面に手を触れていた。
あの少年…私の仮面に触れようとした…。

元老院のとある部屋では彼女の報告を待っている様子。そして彼女の前には2人の男性が。
この男性2人もゆったりとした黒いローブに装飾がついた白いベネチアンマスク姿。こちらは男性用の仮面を着けている。


元老院の1人は若い男性、もう1人は中高年くらいの男性だった。若い男性は白手袋を履いている。

「監察官・流葵(るき)、報告を」
「…は、はい。………ゼルフェノアの少年に邪魔されました。飛焔の計画は順調ですが、少年に仮面を触れられそうになりました」
若い男性は女に優しく声を掛ける。

「なんということか。嫌でしたよね。新しい仮面を用意しましたよ。受け取りなさい」
黒いローブの女…流葵の前には箱の中に丁寧に置かれた仮面が。仮面は布の上に置かれている。

「ありがとうございます」
流葵は箱を受け取る。


「元老院の一員たるもの、仮面は身体の一部同然だ。たとえ監察官としてもな。君には動いて貰わないと困るのだよ」
元老院の長らしき男が口を開いた。若い男性が続ける。


「ならばその少年を倒すのです。これは避けられない戦いになるでしょう。計画遂行のためなら出来ますよね?貴方は戦闘も出来るはず」


流葵はうなずいた。
飛焔は確実にやっている。私は邪魔するゼルフェノアを妨害…特にあの少年を撃破しなくては…!

元老院以外の人間、ましてや敵勢力が仮面に触れようとした罪は重い。
異空間においては元老院は絶対的。鐡という存在もあるが、今のところ鐡は大人しくしている。今現在は元老院任せ状態。


この流葵という女性、なぜ人間にもかかわらず敵本拠地の異空間にいるのか?謎は深まる一方だ…。


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