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詳細設定(主要人物1・ダブル主人公)

自己満小説の詳細設定主要人物編。自分用メモを兼ねてます。主役は2人、追加更新が多いかも。


・暁晴斗(あかつき はると)


主人公。某都立高校に通う高2。運動神経抜群で運動部の助っ人に引っ張りだこだった。

学校の体育館に出現した怪人を前にして、戦闘制限時間が迫り動けなくなった隊員の鼎のブレードを借り→成り行きで素人ながらにメギドを倒してしまい、全てが一変してしまう。

後の体力テストで並みの人間以上の身体能力があると判明。宇崎曰く「天然タフ」らしく、持久力はあるわ体は頑丈だわで組織に必要な存在に。


元隊員だった父親を見て育ったせいか、小さい頃からヒーローに憧れていた。
必殺技や名乗り、決めポーズをしたいなど少年らしい一面も見せる。ちょっと頼りない。

組織ではギャグ要員になることが多く、時にはボケたり突っ込んだりしてる。


一人称は「俺」。他人を呼ぶときは「さん」呼びがほとんど。
呼び捨てもすることもあるが稀。晴斗は学生なので隊員全員が先輩という、認識。目上の人には基本的に敬語だが、相手によってはタメ口。


怪人相手に素手でぶん殴るなど、めちゃくちゃ。格闘だとドロップキックとパンチをよくやる。


鼎(=悠真)のことが気になるが、相手は仮面姿故に時々うまくコミュニケーションが取れずに悩んでいる。鼎さんとの信頼を築き、互いに背中を預けられる関係に。

御堂とは気が合うらしく、一緒に特訓やキャッチボールをすることも。型から入るタイプなせいか、時任とは波長が合うらしい。


戦闘スタイルは肉弾戦が主流だが、対怪人用鉈・東雲(しののめ)を得てからは攻撃のバリエーションが増えた。
対怪人用銃もなんとか使えるようになる。


東雲が折れて修復不可能になって以降、新たに対怪人用日本刀型ブレード・恒暁(こうぎょう)をメイン武器とする。
恒暁は鍔と柄の間に引き金のある独特なデザイン。引き金を引くと一定時間、発動することが出来る。

晴斗の発動は必殺技的な意味合いで使うのが特徴。
恒暁のデザインは近未来的な日本刀といった感じ。バットくらいの長さ。
恒暁には鞘はなく、持ち歩く時は専用の留め具で固定。発動すると刃「だけ」が発光する。

とにかくよく叫ぶ。
一時隊員なので組織の制服は支給されてない。


恒暁の発動は3種類確認されている。超攻撃的発動は暁家しか使えない「人を守る」能力。

・トリガー1回の通常発動→ブレードの刃が赤く発光
・トリガー2回の浄化発動→ブレードの刃が青く発光
・トリガー3回の超攻撃型発動(レイジングスラッシュ)→ブレードの刃がオレンジ色に発光


最終回後は高校ライフを再開。進路に悩んでいる模様。
正式にゼルフェノアに入るか?

序盤で既に契約しているため、試験は受けなくても組織に入れることを彼は知らない。



・紀柳院鼎(きりゅういん かなえ)


もう1人の主人公。本部所属ゼルフェノア隊員。白いベネチアンマスク(仮面)が特徴的な女性隊員。黒手袋も特徴。
制服は着崩さずに着用。


その正体は晴斗を本当の弟のように可愛がっていた「都筑悠真」。暁家と都筑家は家族ぐるみの付き合いがあった仲。

怪人による放火事件で死んだと思われていた悠真が全身火傷を負いながらも生存し、名前を変えて生きていた。


顔は大火傷の跡があるために人前では常に仮面姿。人前じゃなくても仮面は着けている。仮面は身体の一部という認識。
素顔になっても目に負担がかかるために、長時間素顔にはなれない。仮面には目の保護用レンズがあるのも特徴。

仮面の呼吸穴が1つしかないために、たまに戦闘中に酸欠のピンチに陥る。鼎の仮面は宇崎が製作した改良型でオーダーメイド。


戦闘は常にハイリスクで戦ってる。


事件後退院してから組織の施設に匿われていた過去があった。これは元老院から守るため。

事件前後で口調が大幅に変化。事件前はよくある高校生の話し方だったのに、事件後は冷淡な話し方に変わってしまっている。
一人称は「私」。よく「〜だ」「〜なのか」など堅い言い回しをする。怒るとかなり怖い。

話し方は冷淡だが、時々優しい時もある。本当は晴斗が気になっている模様。
体育館での戦闘時、鼎は晴斗だとわかっていてブレードを貸していた。


火傷のダメージによる負荷で戦闘は宇崎によって制限時間がつけられている。これは鼎を守るため。戦闘時間約15分という制約に常に縛られている。
時間を過ぎると死のリスクと伴うのでかなり危険。なのに鼎は無茶しやすい。


メイン武器は対怪人用銃と日本刀型ブレード・鷹稜(たかかど)。鷹稜は上級者向けの武器。
肉弾戦では蹴り技が得意。身体の負荷を考慮して、対怪人用ブーツを履いている。
攻撃的な戦闘スタイルを好む。


見た目は近未来的な日本刀だが鷹稜には鞘がある。長さも恒暁よりも長く、リーチもあるのが特徴。

発動すると刀身「全体」が赤く発光する。攻撃力アップモードのみ、確認されてるが他にもある模様。


そんな日本刀型ブレード「鷹稜」は蔦沼長官の繊細な調整という名の改造を経て、身体の負荷が軽減される仕様になる。見た目は変わらない。
戦闘時間は約20分に延長。約5分伸びたのは鼎にとっては大きい。

日本刀型ブレード「鷹稜」を作った人は蔦沼長官。


鷹稜は鼎専用武器にもかかわらず、なぜか晴斗も使ええたのかは今のところ解明されていない。


鼎と親しい隊員は先輩であり親友の彩音と、先輩の御堂。時任は鼎を慕っている。桐谷とも親しい。
基本的に呼び捨てで呼ぶ。宇崎など上層部相手の時のみ、敬語になる。

元司令の北川を慕っている。


冷静で冷淡だがたまに感情を露になることも。彩音相手には比較的口調が砕けるようだ。
場の空気を変える圧を放つ時がある。


常に仮面姿故に顔が見えないせいかコミュニケーションも難しいため、彼女なりに仕草や身振り手振り・声の抑揚やトーンを駆使して意思表示をしている。

組織内では彼女の意思表示はきちんと伝わっている。表情がない仮面なのに、まるで表情があるように見せるのもテクニックの1つ。陰影や角度も利用。
顔が見えないなりに影で努力している。


ゼルフェノア唯一の仮面の隊員。

鼎は過去が壮絶なのもあってか、火傷のダメージで生活に支障があるために組織のサポートを受けている。現在は戦闘のサポートのみ受けてる状態だが、状況次第では生活面のサポートも受ける。


都筑家の潜在的な能力が強いらしく、元老院に狙われている。暁家同様、「人を守る」能力。
鼎はブレード(物)を介して能力を発揮、今現在確認されているのは敵の攻撃無効化・浄化・弱体化。

能力発現時にはブレードの刀身は温かみのある白に発光。光の範囲は意外と広い。


後半、身体に限界が来てしまい2度と戦えない身体になってしまうが、ゼノク医療チームの治療のおかげで日常生活を送れるくらいには回復。


最終回後は司令補佐に昇格。宇崎と共に指揮をする。

宇崎が鼎の居場所のために作った便宜上の役職だが、本部初の女性司令補佐。
昇格後は制服のデザインが若干変わっている。


後半から御堂とかなり仲良くなっていたが、しれっと付き合うまでに発展。



対怪人用装備は人間や動物には無害なため、刃物は鞘なしの武器が実現可能。


晴斗の恒暁は腰に専用留め具で固定して持ち運んでいる。そのままの時もあり。
鼎は鷹稜をそのまま持ち歩くか、ベルトに固定してる。

対怪人用の銃(拳銃サイズ)は人間に当たると少し痛いらしい。
対怪人用の刃物は人間や動物は斬れないようになっている、謎技術。怪人だけ斬れる。


詳細設定(味方組織・敵組織編)

自分用のメモを兼ねて、自己満小説の詳細設定を順次書いていきます。追加更新も。
特に登場人物編(主要人物)はちょいちょい追加更新されるかと。



味方組織編


・特務機関ゼルフェノア(本部)


東京に本部を置く対怪人組織。本部は都心郊外にある。晴斗の高校から自転車で行ける距離にある模様。
本部には組織直属病院が隣接、病院とは2階の連絡通路で往来可能。

本部は中枢の本館と西館・南館に分かれてる。
西館は隊員用の簡易宿泊スペースに一部使われている。東側には直属病院がある。


本部本館内部は心臓部の司令室や研究室・隊員やたまに司令が使うトレーニングルームや道場・食堂・男女別のロッカー室・休憩所・救護所・武器庫・解析班の部屋なとがある。地下もあり。

屋外にはグラウンドと演習場が。屋上にはヘリポートもある。
本部近くにはゼルフェノア寮(アパート)も完備。寮には鼎が住んでいる。寮の人数は少ない。


本編に頻繁に登場するトレーニングルームは2階にある。よくここで御堂がトレーニングしてる。
本部のトレーニングルームは5つあり、そのうち3つがシミュレーション怪人装置を設置→いつでもバーチャル怪人と訓練することが出来る。トレーニングルームは1つ増設され、計6つに。
グラウンド横には難易度高めのアスレチックのような練習場がある。


西館の隊員用の簡易宿泊スペースは男女それぞれ8部屋くらい完備されている。

主に夜勤の隊員が使うようなスペース。ただ寝るだけのような感じ。本編ではあまり出ないかもしれん。
男女別々のシャワールームと洗濯機も完備。たまに任務が長引くと本部に泊まる隊員もいるため、そこらへんは充実している。



組織全体に言えることだが、なぜか曲者揃いの隊員がいる傾向にある。上層部も。

主人公の暁晴斗のような学生隊員は「一時隊員」扱いとなる。
逆に隊員を辞めた晴斗の父親の場合は「臨時隊員」扱いとなり、有事の時には緊急で呼び出されるシステムとなっている。だから陽一は宇崎の連絡先を知っていた。



・特務機関ゼルフェノア(支部)


京都にある西日本を管轄とするゼルフェノア支部。京都中心部郊外にある。
本部よりも少し規模は小さいが、設備はほぼ一緒。病院も隣接。

支部の方が演習場は広いのが特徴。支部に御堂の同期の囃がいる。



ゼルフェノア隊員の制服は白地の詰襟タイプ。右腕には腕章のようなデザインが施されている。腕章デザインには組織のエンブレムが。
戦いやすければ制服を着崩す・カスタムが可能なので隊員の個性がかなり出る。


モブ隊員はプロテクターを着けてる人を度々見受けられるが、主要人物は着けていない。

長官も制服をカスタムしている。なお、長官の制服も白地だがデザインが大きく異なり、腕章デザインもなし。

司令クラスは紺色の制服。腕章デザインはない。



・ゼルフェノア直属研究機関兼複合施設ゼノク(ゼノク)


組織のトップである蔦沼長官が直々に管轄している施設。群馬県某町郊外にある山あいの巨大研究機関。
怪人被害者支援・怪人による後遺症治療も兼ねているため、施設の規模は本部よりも大きい。


ゼノクは巨大な研究施設・メインである本館・隣接する組織直属病院・東館・西館・入居者用居住区を完備。
組織用の宿泊棟も完備されている。


防衛システムは長官自らが設計・開発した。ゼノク自体、長官が設計している。


ゼノク隊員の制服も詰襟タイプで右腕に赤い腕章デザインもあるが、制服の色はブルーグレー。
こちらも制服を着崩す・カスタム可能。



敵組織


・鐡(くろがね)一派及び元老院


メギドとはこの世界に出現する怪人の総称。
下級クラス(戦闘員)→中級クラス→上級クラス(幹部以上)と怪人には階級がある模様。

異空間に本拠地があるらしいが謎が多い。


鐡と幹部3人までは確認されている。
鐡と元老院は同等の力を持っており、幹部達は元老院と鐡には逆らえない。




元老院は絶対的な存在らしく、人数は2人で構成されている。男性2人。
元老院は長的な男性(鳶旺)と若い男性(絲庵)で構成。監察官は異空間に迷いこんできた人間を洗脳し、道具として使っていた。


元老院の掟で人前では素顔を見せてはいけないらしく、白い仮面と黒いローブ姿。仮面は身体の一部という認識。
一見戦えなさそうに見えるが、個々の戦闘力は高い。


鳶旺と蔦沼長官は因縁関係にある。


元老院は鐡と対立関係にある。鐡は大人しそうにしているが、水面下で着々と動いている模様。



話題:今日見た夢
なんかタクシーでずーっと海沿い走ってて、やがて山道行きながらまた海沿い走って…みたいな夢を見た。

地形がヘンテコで、現実ではあり得ない地形になってんの。ジェットコースターみたいな道を青いタクシーがひた走る画がずっと続いてた。


やがて峠に差し掛かった。地名は忘れたけど、架空の地名。

その峠から先は道が…なかった。道が途切れてる。
峠の下は断崖絶壁。真下は海。海めっちゃ綺麗なの。まるで作り物のような光沢感のある海だった。


その峠の先には廃墟と化した海沿いの遊園地が見える。観覧車とバイキングが見えた。あと謎のアトラクションも。
謎のアトラクションはジェットコースターではないが、レールがあって海に突き出ていたの。


峠から先は道がない。タクシーの運ちゃんはアクセル目一杯踏んで、ハリウッド映画ばりのカーアクションをした。
死ぬかと思ったけど、廃遊園地に着地。峠から距離離れてるはずなのに!?


廃遊園地なのに中には人がポツポツいて変な感じがした。
よく見ると遊園地の一角にはキッズコーナーがあった。そこではボールプールなどがある。キッズコーナーはショボいゲーセンみたいな感じ。

遊園地…一応生きているのか。端から見たら黒く煤けていて死んでるのに、キッズコーナーだけ生きている。めちゃくちゃ変な感じがした。



前も行った場所は違えど、似たような夢を見たことがある。

第10話(下)

シミュレーション怪人と格闘して小一時間。晴斗はなんとか偽物怪人を倒すことに成功する。
晴斗はゼイゼイ言っている。

「強さ設定おかしくない!?思っていた『中』と違うんだけど!?」


そこに御堂が声を掛けてきた。

「晴斗、これは長官が作ったもんだからしゃーない。偽物怪人は『弱』からやらないとダメだわな。ボコられて終わりなのに…お前ラリアットにアッパー・踵落としも使ってなかったか?」
「…無意識に使っていたかも」

晴斗はきょとんとしている。御堂は晴斗の天然タフぶりに驚いていた。
こいつ…鼎を助けた最初の戦いでもメギド相手にドロップキックしていたらしいし、一体どこで覚えたんだよ…。


晴斗は御堂にあることを聞いた。
「御堂さん、その…『長官』ってどういう人なんですか?」
「お前長官…知らねぇよなぁ…。ゼルフェノアのトップだ、蔦沼長官は。ちょっと変わってる人だけど、隊員思いだし時には自ら戦う人だから慕われてる。…が、世間の長官のイメージとは全っ然違うぞ。この組織、どういうわけか曲者ばかりが集まる傾向にあるらしい。上層部もな」
「その曲者に俺も入りますか!?」

御堂、しばしの間。
「晴斗、お前自覚ないんだなー。お前の身体能力、並みの人間以上だぞ。あとタフすぎるから曲者認定だわ。お前…運動部に引っ張りだこだったと聞いてんぞ」
「御堂さんだっておかしくないですか!?対怪人用装備使わないの、御堂さんだけだって聞いてる…」

御堂はめんどくさそう。
「…ったく。俺は対怪人用装備が合わないから通常装備を使ってんの。その分トレーニングは欠かせないけどな」
「通常装備でよく戦えてますよね」

「慣れだよ、慣れ」


御堂は口こそ悪いが、晴斗を認め始めていた。こいつのパンチ、威力あるよなー。喧嘩してるわけじゃないのに。

ヒーローに対する憧れが強くしているのだろうか…。



ゼルフェノア寮・鼎の部屋。彩音は右手を負傷して利き手が使えない鼎を保護者のように接してる。

「食事用マスク、調べてみたら似たようなものがあるみたいだね。この工房、オーダーメイドしてくれるみたいだよ。都内にあるって。問い合わせしてみようか?」
「いいのか、そこまでして貰って…」

鼎、かなり戸惑いを見せている。

鼎が着けている白くてまっさらなベネチアンマスクは市販品ではない。鼎が組織に入ってから御堂の提案で戦闘にも耐えうる、軽くて丈夫なオーダーメイドの仮面に改良された。

この改良型は宇崎本人が製作している。
研究室の一角には鼎用の小部屋まであるのはそのためだ。小部屋には仮面の予備やライフマスクなどが置いてある。


滅多に割れない鼎の仮面だが、弱点がある。

目の保護用レンズがあるせいで、仮面の呼吸穴が1つしかない。
なので戦闘中、状況次第では酸欠になるリスクがある。一部、鼎と関わりが深い隊員が鼎用に携帯用酸素吸入器を持ち歩いてるのは、そのためだ。



本部・トレーニングルーム。


晴斗と御堂は偽物怪人相手に戦っていた。今度は2体出現させ、1vs1でそれぞれ戦ってる。
いきなり強さ設定「中」でやったせいか、「弱」だと張り合いがない。2人は「強」に戦々恐々している。

「中」でこの強さってことは…「強」だと一体どうなってしまうんだ!?



都内某所。鐡の部下の3人目の幹部は人間態で悠々と歩いている。
見た目は長髪の飄々とした青年。青年は元老院の命で動いている。
彼こそが蒼い炎を使う上級メギド。青年にはこだわりがあった。

炎を使う時は怪人態になる。そして炎は美しいものだという、独特の美学を持っていた。
だが、邪魔者には容赦しない冷酷さもある。


青年はある場所へと向かっている。

12年前の連続放火事件の再現をしようと…模倣とも違うが…彼は規模を拡大して目論んでいた。
全てを燃やし尽くしてやろうか?この蒼い炎で。

地獄絵図を再び…やりましょうかねぇ。


青年は怪人態に変貌し、手から蒼い炎を発した。そして火を建物に放つ。燃えるがいい…!



都内で蒼い炎が目撃された。本部に衝撃が走る。一体何者が!?幹部なのか!?

宇崎は晴斗達に通信。
「『蒼い炎』を使う怪人が都内某所に出現したらしい。消防隊とともに向かってくれ!12年前の悲劇の再現だけは『絶対』に起こしたくないからな!!意地でも食い止めるぞ!!」

「室長、あたりめーだろうが!なにがなんでも被害は食い止める!」
「和希、お前がいてくれて頼もしいよ」



蒼い炎を使う怪人とは一体何者なのか?

第10話(上)

晴斗は知らなかったのだが、タートル・メギド戦からわずか2日後に怪人が出現、出動した鼎が怪我をしたと聞く。右腕を負傷していたのだ。


翌日、晴斗は痛々しい鼎の姿を見ることに。普段は手袋を履いてるが右腕には包帯が巻かれている。
鼎は左手で必死に仮面を押さえていた。


宇崎は鼎の様子がおかしいことに気づく。利き手が使えなくて不便そう。
早速鼎の親友の彩音を呼ぶ。
「彩音〜。ちょっと司令室に来てくれないか」


彩音は鼎の様子にすぐさま気づく。左手で必死に仮面を押さえているのもそうだが、後頭部…仮面の紐が緩んでいる。右腕が怪我でうまく使えないため、うまく結べなかったんだ。

「鼎、何も無理して来なくても…。紐緩んでるよ?直してあげるね」
彩音は手慣れた様子で鼎の仮面の紐を結び直す。
宇崎はこんなことを言った。

「鼎の右手が使えるまで、何日か寮に泊まってくれないか?ちょっと面倒見て欲しい。鼎の仮面は身体の一部だ、彩音相手なら大丈夫だろ」
「鼎の部屋には何度か泊まっているので大丈夫です」

鼎もうなずく。


右手が使えないって不便だよなぁ…と晴斗は鼎を見た。あの御堂ですら鼎を心配してる。

「利き手が使えないのに来なくてもいいだろ…」と、ぶっきらぼうだがかなり心配している。仮面が身体の一部の鼎からしたら右手が使えないのは致命的だった。


その日の夕方、彩音が荷物を鼎の部屋に持ってきた。

「ごめんね鼎、しばらくお邪魔するよ」
「いいんだよ、現に不便だから。空き部屋あるからそこに寝てね。右手が使えないと仮面着け外しすらも難しい」

鼎は彩音相手になると少しだけ口調が砕ける。親友同士というのもあるのだろう。かれこれあの出会いから9年来の付き合いだ。

「仮面は私が着けたげるからさ、心配しないでよ。食事の時とか外したい時はいつでも言ってね」
「…ありがとう」



ゼルフェノア本部。本部にはトレーニングルームが完備されてるが、トレーニングルームは1つだけではない。5つくらいある。

御堂がよく使うトレーニングルームは2階にあった。宇崎が晴斗に新武器開発のための武器相性テストをしたのもここ。


そんなトレーニングルームのいくつかにある装置が運搬・設置される。それは長官が開発した、「シミュレーション怪人」装置だった。


「お前ら喜べ!長官が開発したシミュレーション怪人・バーチャル怪人ともいうが、今日から使えるぞ!」

宇崎はテンション高めだが、御堂は冷めた反応。
「ま〜た、蔦沼長官が作ったのかよ…。あの人開発好きだよな〜」
「いいから和希、試しにやってみんさい」
「実験台かよ!?」


御堂は何も知らずに起動。バーチャル怪人装置は強さ設定が出来るらしく、御堂は「中」にした。

バーチャル怪人はメギド戦闘員と同じフォルムだが、体にゼッケンのようなものが付いている。ゼッケンにはゼルフェノアのエンブレム。
ゼルフェノアの偽物怪人ですよーという意味か。


メギド戦闘員を1体だけ出現させた御堂はいきなり振り回される。
「なんだこれ!?うわ!?」

御堂は偽物怪人にジャイアントスイングされる。宇崎はニコニコしながらつけ加えた。


「長官からの伝言だ。バーチャル怪人使う時は『弱』から使えだとさ」
「先に言えよっ!!」

御堂、なんとか偽物怪人と離れるが思ったよりも強い。強さ設定「中」でこれ!?

「ちなみにそのバーチャル怪人は倒さないと消えない仕様になっている。和希、頑張れよ〜」
「なっ!?おいっ!?室長待ちやがれ!」
御堂は偽物怪人に胸ぐら掴まれてる。攻撃しながら宇崎と話してる状態。

「や〜だね〜。このバーチャル怪人で鍛練すれば今後に役立つばすだからさ。じゃんじゃん鍛えなさいな」


御堂はいきなり強さ設定を「中」にしてしまったばっかりに、ボコボコにされかける。
見た目は戦闘員だが、強さ「中」は標準の強さじゃねぇ…!長官、強さがおかしいって!

御堂はトレーニングルームという場所から、銃を使わずに肉弾戦だけで戦ってる。これがなかなかキツい。トレーニングルームは防弾仕様とはいえ、あまり銃を使いたいとは思わないのだ。

「このやろーっ!」


御堂は偽物怪人をがんじがらめにした。プロレス技をかけたのである。かなり効いている様子。
ジャイアントスイングのお返しだ!

長官開発の偽物怪人なだけあって、肉弾戦とプロレス技が多いのは気のせいか?偽物怪人だから武器はないんだな…。


御堂は苦戦しながらも、なんとか偽物メギド戦闘員を倒した。…めちゃくちゃ疲れた。
強さ設定「中」でこれとかおかしいだろ!?



群馬県某町・ゼルフェノア直属研究機関及び複合施設・ゼノク。
この巨大施設はゼルフェノア本部・支部とは違う。怪人による居場所のない被害者支援もしつつ・病院も併設・また怪人被害の後遺症治療も行う。

民間組織でも怪人被害者支援はしているが、ゼノクには及ばない。このゼノクにゼルフェノアのトップである長官がいる。


長官の名は蔦沼栄治。ゼルフェノアを立ち上げた本人であり、組織のトップだが…少しというかかなり変わっている。
世間の長官のイメージをぶっ壊すような変人なのだ。


元々研究者だった蔦沼は宇崎の先輩。
蔦沼は自ら現場に行きたがるようなタイプで、ゼノク研究室長の西澤や長官の秘書兼世話役の南を困らせている。そして時たま西澤に丸投げする。


蔦沼の何が変人かって、彼の両腕…肘から先は義手なのだが自ら戦闘兼用義手を開発したところにある。西澤も協力していたが。
長官の制服は白いのだが、デザインが隊員とは大幅に異なる。義手は戦闘兼用なため、戦いやすいように袖にゆとりがあり五分丈くらいになっている。

彼の義手は黒い。マットで無骨なデザインだがどこか洗練されている。戦闘兼用というのもあり、そのようなデザインになったのだろうか。


蔦沼は宇崎とリモートで話していた。

「シミュレーション怪人の反応はどうかい?宇崎」
「なんとも言えないですよ。強さ設定おかしくないですか?『中』であれって…」
「あれはわざとああしてんだよ。幹部クラスともいずれ戦うんだ。そのための練習さ。鐡の動向が気になるところだが、まぁすぐには動かないでしょうよ」


蔦沼は話題を変えた。

「そういえば例の高校生、暁くんはどうなの?」
「メキメキ成長してますよ。彼、戦闘で成長するタイプみたいなようです」
「彼には期待してるよ〜」

長官、軽いな。いつも通りか…。



彩音が鼎の部屋に泊まり始めて2日目。鼎はまだ右手を庇っているようだった。

「料理は簡単なものでいいよね。左手で食べれるものを作るからさ。スープなら行けるでしょ?」
「ありがとう、彩音」
「いいのいいの、お互い様でしょ。鼎は何もしなくていいからね。怪我の回復が先だよ」


鼎は少し都合悪そうに言った。

「仮面…外して貰えないか…。このままでは食べれない」
「わかった、ちょっと待ってて。鼎、食事の時は本部では仮面着けたままだけど…不便そうだよね…。家では外すんだ」

「目に負荷がかかるから長時間は外せないけどな」


彩音は鼎の仮面をそっと外してあげる。角度のせいか、素顔は見えないがかなり不便そう。

「食事用のマスクがあれば鼎の目の負荷はだいぶ楽になるとは思うけど…そんなのあるかなぁ」
彩音は親身になっている。
「わからないが…あるかもしれない」

そうこうしているうちに料理が出来た模様。
「こんなだけど、食べて。左手行ける?」
彩音は鼎に具だくさんのスープをよそう。主食は鼎が食べやすいようにパンにした。

鼎はなんとか食べれている。彩音はホッとした。良かった、食べれてる…。パンなら行けるよね。
ご飯ものは料理にもよるかなぁ…。麺類もか…。


「何日か本部には行けないけど仕方ないよ。鼎はゆっくり休んでさ」
彩音は思った。親友というか…私、鼎の保護者じゃんか…。



本部・トレーニングルーム。
晴斗もシミュレーション怪人相手に苦戦していた。


晴斗も御堂と同じく強さ設定を「中」にしたらしく、偽物怪人になすがままにされていた。
「うわあああああ!振り回されるーっ!ギャー!」

御堂は冷めたような目で見た。
「晴斗…お前もか…。強さ設定『弱』にしろって…。人のこと言えないけどよ…」


端から見たらギャグのような光景だが、これでもトレーニング中。



異空間。ここには鐡率いるメギドの本拠地がある。

幹部2人は何やら話していた。陰のあるイケメンは釵游(さゆう)・妖艶な女性は杞亜羅(きあら)という、上級メギド。
「鐡様は何を考えているのでしょうか」
「今頃元老院とつるんでいるだろ」

元老院とは鐡率いるメギドを取り仕切る敵組織。鐡は元老院と同等の権力があるため、時折衝突することがある。

「それにしてもあいつはまだ動かないのかしら。元老院から命が出てるのに」
「蒼い炎を使うあいつはまだだろうよ。いつ動くかわからないがな」


実は幹部は3人いる。その3人目が蒼い炎を使う上級メギド。
話から察するに男性幹部。


敵組織の力関係は鐡=元老院>>>幹部(上級メギド)>>>中級メギド>>>戦闘員(下級メギド)になっている。だから幹部は元老院には逆らえない。


釵游と杞亜羅は元老院が蒼い炎の上級メギドを使うことを予想していた。
ゼルフェノアを潰すためなら、12年前のあれを再現する気だ…!





第10話(下)へ続く。

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