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ビーマイン(ユアマイン/閲覧注意/U)

『ねえ、聞こえちゃうよ、』

知ったことか。
せっかく得たふたりの時間なのだ。

大晦日から元旦にかけて、チャンミンを俺の実家に連れてきたのだった。

大学時代の時も一緒に住んでいた仲だとは伝えた。
今も一緒に住んでいると伝えた。
チャンミンは告げなくてもいいと言った。
だが、この時代だ、男が年末に男を泊まりで実家に連れてくるなんて、頭に過ぎるものは過ぎるだろう。
チャンミンも恐れてはいるのだと思った。
告げることでなにかが変わることを、否定されることを、拒まれることを、恐れているのだろう。
それならそれで、取り敢えず引き合わせて互いの反応を見ようとも思った。

怖気付くというのも、当たり前のことだと思う。
それに関してチャンミンへどうこうは思わない。
タイミングというものは、あるはずだから。


だから、両親にはまだ言ってない。



『ああ、ユノ、』

昔俺が使っていた部屋に、ふたり分の寝室ということに用意して貰ったんだ。

そこで今、事に及んでいる。


チャンミンがいけないんだ。

チャンミンが、煽るようなことを言うから。






「ここでひとりでしたり、したの?」







そんなこと、聞いてくるから。


ひとりでっていうところが、含みすぎだ。

「誰かと」って、俺から言わせたかったんじゃないのか。

俺を試す、悪戯な唇がいけないんだ。



だから実家で、大晦日から元旦にかけてのこの夜に事に及んでやったんだ。

チャンミンが含む言い方をするのが、悪い。

俺を煽った本人が、悪いんだ。





『あん、』

見せるために脱ぐ身体のくせに。
啄んでやれば、女よりもそれらしい声を上げる。
胸が敏感にできているようでそこだけでひとり気持ちよくなれる作りなようだった。

『ねえ、声、やら、』

出したらいい、この家は広いから。
聞こえやしないだろう。

『あんん、やだ、胸ばっかり、』

チャンミンが動く度にシーツが波打つ。
肩の位置と腰の位置が反対に動くようにして見悶える。

『ねえ、イッちゃ、』

チャンミンのそれはもう出来上がっていて、俺のそれを押し付けると逃げるくせに更に喜ぶ。
けれど、まだ入れてやらない。

『だめ、』
『やめていいの、』

『やだ、だめ、やだ、』
『はは、』

小さなその円の形を描くように、ぐるりと舐めとってやる。
それからもっと小さな小さな粒を引っ張ってやる。
唇で。
そして舌で転がして潰してやるんだ。

『ああ、』
『女みたいだ、』

女より、それらしく輝く。

『やだ、言わな、』
『きれいだ、かわいい、』

俺にもっと気に入られたいがために、本能がそうさせるのだ。

『ふんん、』
『いくか、』

首を縦に振る。
本当にこれだけでいける男なのだ。

『ねえっ、ユノっ』
『いけよ、』

俺は知っている。
この男は出さなくてもいけることを。

擽る。
舐める。
吸い上げる。
磨り潰す。

『んっう、』

摘んで、また潰す。

『あぁっ、』

広げた足の膝が、力なくベッドに落ちる。
達した瞬間。

女のように達することを、覚えた体になった。
いちいち出さなくてもいける体になったようだ。

『なんか、ユノ、いじわる、』
『そうでもねえよ、』

心臓を鳴らすような呼吸をしている。
肩で呼吸をする手前のような、息の上がり方。
まだ余裕がある証拠。

『意地悪なのは、お前のほうだ、』

コドモな頃の俺を知ってどうするというのだ。
そんな時代の俺と誰かの関係にすら妬くのか。
恋愛がどんなものかも、わからなかったような時代のものに。


『ねえ、してあげる、』

チャンミンは俺を下にして、足の間に入ってきた。
唇を寄せて、口に含む。

『聞こえるかもしんねえじゃん、』

心配していたくせに、これか。
結局はその気になっていたんじゃないのか。

『じゃあ、我慢してて、』

いつからそんなに女王様気質になったんだ。

赤い舌が覗いた。
ねっとりと糸を這わせて舌を動かす。
まるで俺に見ろと言っているかのように。
命令するかのように。
視線までこちらに向けて。

挑発している。

俺の実家で、煽っている。

燃えている。

明らかな、野心。

そのくせに動きは尽くすように細やかだ。


相手の実家で、大胆に奉仕を始めるなんてね。








教師として、互いの関係を誤ったら形で知られてしまったあの時。
あれからふたりで特に気をつけるようになった。
同じ過ちを繰り返さないように、公私の分別を付けようと、極力痕跡を残さない行為を努めた。

だからなのかはわからない。
それらの反動なのかは、わからない。
チャンミンは唇で俺を苛むついでに、太股の内側に痕を浸けるように吸ってきた。

「ここならいいでしょう、」

そう言って主張するかのように。

「冬休みだし、いいでしょう。」

そう言って、戒めてきた心を今夜だけは、退けるように。



『はあ、』

俺が分泌させるものが増えてきた。
息継ぎをするその唇から、白い前歯も覗く。

『んん、』

目をうっとりとさせるその顔も、性別の間を思わせる。
この男のなかには、どちらの要素が強いのか、考えさせられる瞬間がある。
最近のチャンミンには、特に。

『すき、ユノの、ここ、脚、好きなの、』

好物ばかりを食べるように、喜びに眉を悩まし気に寄せる。
そして舌先と唇を踊らせている。


ああ、チャンミンは、

性的な成熟期を迎えているのかもしれない。


『こぼさないから、出していいよ、』

偉くなったものだな、お前も。

でもまだ、自分自身をおあずけだ。




出さないまま、唇から離れてチャンミンの足の間に入り込む。
下から上を見上げるチャンミンは、自分がどんな顔をしているのか知っているのではないかと思う。
どんなふうにして俺を見上げているのか、よく知っている。
どんな顔をすれば俺が喜ぶのかを、学んでいる。

できた嫁だ。

その嫁に、ストップをかけているのもこの嫁なのだが。

いい、それは今は考えないでおこう。

俺が不満に思っているような気になってくる。



『あああ、』

歓喜。
腹も、背中も、しっとりと汗ばんでいる。
薄闇のなかで、長い睫毛と喉を震わせて喜んでいる。

俺が入ってきたことを、喜んでいる。

全身で。

どうだ、これで満足か。

『いっ、あ、』

年季が入ったベッドが軋む。
母親が床にも布団を敷いてくれた。
本来は俺が下で寝るはずだった。
客であるチャンミンを、ベッドで寝させるために。
結局は、狭いベッドで事に及ぶことになった。

『きもち、い、』

喉が更に高く反る。

『ユノ、あ、んん、あした、』

明日、つまり、元旦か。

『ぼく、』

『うん、』

『いうからね、』

『…、』

何を、とは聞き返さなかった。



どこに力を入れれば俺が喜ぶのかを、この体は知っている。
よく、知っているのだ。
だから互いに調整し合って及んでいるようにすら思う。


その途中だった。






『あけまして、おめでとう、』


いくらその瞬間だって、その最中に分かったからって。

なにもまぐわっている最中に言わなくてもいいのではないか。

いつも俺の言動に笑って突っ込むくせに。
明日の朝は、俺がこっそり突っ込んでやるからな。

『おめでとう、また、よろしく、』


この後に果てて、そこで終わった。

おめでとうなんて交わしたら、もう、そこまでだろう。

結局朝まで、俺が長年使っていたそのベッドでふたりで過ごしたのだった。

俺達の部屋の、あのでかいベッドが恋しくなったり、ならなかったり。




母親にバレないように朝のうちに風呂に入り、また二度寝をする。
台所で煮炊きする音が聞こえる頃に目を覚ますと、チャンミンはベッドの上にはいなかった。

階下に降りる。

母親と、チャンミンの声がした。
キッチンに入る手前で、ふたりの声だけを拾う。

『なんとなく、そんな気がしたわよ、』

母親が笑っていた。

『ごめんなさい。』

チャンミンが言った。

『でも、それはユンホから聞かされるべきだったんじゃないかしら、』

チャンミンは何を言ったのだろう。
いや、察しはおおいにつくのだが。

『いえ、もとは、僕が彼を好きで、好きで、好きで、』

雑煮のいいにおいがする。

『おかあさん、ごめんなさい、』

うちのにおいだ。

『今も、これからも、彼のそばにいさせてください。』

顔は見えない。
けれど、チャンミンは母親に腰を折って頭を下げたのだろう。

『彼からおかあさんやおとうさんに告げられると、なんでも彼に任せきりになっていく関係になってしまいそうで、』


つまり、昨夜の時点でカミングアウトできなかった理由は、
両親に拒まれる云々ではなく、
チャンミンは自分の意思でふたりに告げるタイミングを探っていたということだ。

自分の声で、
俺の意思よりも、
自分の意思の強さを試したかったということか。

『おとうさんに言える勇気もまだなくて、ごめんなさい、』




ああ、泣くだろうな。

チャンミン。



『主人には、ユンホから言わせるわ。』

そうだね。
母さん。
そうするべきだよね。

『わたしは、主人の判断に従います。』

そしてそれが、うちの両親の夫婦という生き方だ。

『はい、…おかさあん、』

父は犬の散歩でもしているのだろうか。

『チャンミニ、』

母さんが、俺を呼ぶように、チャンミンを呼ぶ。

『あなた個人の気持ちはよくわかったわ、』

『はい、』

そうだ、これはチャンミン個人の行動で、意思だ。

『今度はふたりの気持ちを聞かせて貰えるのを、待っているわね、』

『…はい、』


涙声の、けれど、力強い返事だった。














先に自分の部屋で、チャンミンを待った。

トントンと、階段を上がってくる音。

開くドア。

現れるあいつの顔。



『おはよう、』

『おはよ、』


おめでとうは、もう随分前に言ったっけ。


『チャンミン、』

『はい、』


おめでとうは言ったから、

今度は、


『ありがとう、』


これだな。

お前の個人的な意思は、勝手に受け取ったから。


『ごめんね、勝手に、』


なんだ、聞いてたこともバレていたのか。

つくづく趣味が悪い俺達だ。








『チャンミン、』

手を伸ばす。








カーテンを閉めたままの、薄暗い部屋。



俺の手に、チャンミンの手が重なる。









『また、恋人から始めよう。』


ふたりの意思はできている。

職場での在り方も知った。

だから、次の段階を考えるのならば、


『本当に大切なひとたちに、認められるために、』


考えるべきだから、


『もう一度恋人から始めよう。』


そういう幸せを、掴むべきなのが俺達だから。




『チャンミン、』


『はい、』


『俺の家族のためにも、』


『はい、』


『もう一度俺の恋人になって欲しい、』


『はい、』





Be mine



この新しい日に、精神的な成熟期へ。



















元旦からアレですみません…|´-`)チラッ

エクストリミティ(閲覧注意/CM)

彼から貰ったもの。

プロポーズの言葉、
指輪、
甘い経験、
苦い思い出、

そして、

支配される快感。



冬休みに入って、僕らはより濃密な一日を過ごすべく呼吸をしている。
寝ても覚めても、彼といられる期間なのだ。

だから、

だからね、

『ユノ、』

『うん、』

『しようか、』

『ウン、』

今、朝なの。
二人で起きたばっかりで、
ユノはタバコを吸ったところなの。

ユノは吸わない。
けれど、時々体が思い出したように吸いたくなるらしい。

嫌なことがあった後、
思うことがあった時、

それから、
僕がいなくて寂しい時。

今は、なにかな。

『めずらしいね、朝から吸ってるなんて、』

タバコが占領していた唇を僕が貰う。
ユノの手は、灰皿でタバコを擦り潰しているところだった。

キスが、その味。

『ごめん、におうだろ、』

煙たい味。

『僕はいるのに、寂しくなっちゃった?』

戯れるような、キス。

『違う、怒ってもないし嫌なこともなかったヨ、』
『ふふ、』

聞きたいことを先回りして答えられてしまう。

『じゃあ、どうして?』

教えて、教えて。

キスがのってくる。
水っぽくなって、色んなものが絡み始める。
唾液が甘くなる。

『いや、満たされてんなって、朝から思ってさ、』
『なにそれ、』

キスの合間に二人で笑って、
僕は我慢ができなくて彼の体を押し倒した。
ベッドに押し付けて、
彼に僕を重ねるようにして馬乗りになる。

それからまた、キスをねだる。



『寝ても覚めても、起きても、歩っててもお前がいるじゃん、』
『うん、いるね、』

鬱陶しいくらい、僕たちは二人でいる。

『いいなって、思ってサ、』
『うん、いいね、ユノがいる。』

他ならぬ、僕といる。
あの人でもなければ、どの人とでもない。
ユノは僕といる。


押し付けたもの同士を、その気にさせる。

もう、お互いにひとりでに笑えてくるんだ。
彼の上で体を揺らして擦り付けてみる。
二人で同じものに視線を送りながら、変化していく様子を楽しんでいる。

『今日は何回できるかな、』

『何回分出んのかな、』

『さあ、どうでしょう、』

『だな、』

くだらなさすぎるやりとり。
それでも、それこそがとても幸せで、笑えてくる。

大きくなり始めたぐらいの彼がね、とても可愛くて可愛くて、つい指が離れなくなる。

いつもここで、僕はうっとりとしてしまうらしかった。
舐めていいかな、
もう、口でしてもいいかな。

『チャミナ、よだれ出てるヨ』
『ウソっ、』

『ウソ。』
『アホ、』

実に、くだらない。
けれど、
実に、愛しい。

可愛い可愛い彼のそれを、朝一番に頂く。




今の僕たちを簡潔に言い表すと、【安定期】だろう。
精神面も穏やかで、仕事と私生活との体の調子が噛み合っている。
普通の夫婦なら、じゃあ子供でも作ろうか、みたいな。
まあ、僕たちは生物学的に子供は作れないから、世の中の夫婦と同じラインでずっとセックスを楽しんでいるってわけで。
僕たちの最終形態がどんなものかはわからないけれど、
まあ、なんにせよ、僕はユノから離れる気は何万年経っても変わらないだろう。
若いからね、セックスに溺れます。
今、そのラインなわけ。
若いから、許して。
貴方がいる限り、僕は止まらないってだけだから。


『お前さあ、ほんっと、好きだよネ、』
『うん、好き、』

ユノの大きい、これが好き。
お腹が空いた状態で、美味しいものを目の前にしてる感覚と少し似てるの。
腹ペコで美味しいものを前にしてると、味覚も三割くらい増してる気がする。
僕はユノってだけで十割増し。
って言うか、ユノの味しか知らないんだけど。

『うわ、照れる、』
『ふふ、照れていいよ、』

可愛いから。

『あー、チャミナ、ちょっと試したいことがあるんだけど、』
『なに?』

ヌルヌルとする口を一度拭って、彼の顔を見上げる。
するとやんちゃなあの顔がそこにあった。

『お尻向けて、』
『え?』

『してていいから、』
『あ、うん、』

それならいいやって、思った自分て終わってるって思った。
ユノのそれを食べられてるなら、なんでもいいよ、みたいな自分だった瞬間。

そんなわけで、ユノに向けて背中をさらすことになる。

『あれ、これって、』
『そう、それそれ、』

つまり、シックスてきな。

『あははっ』
『えへ、』

行為らしからぬな、僕らの声だった。
でもね、最近そうなの。
していても、いつもの会話をするみたいに、
気負わないで居られるの。


でも、ちゃんと潤む。
慣れない体勢に、見えない彼に、予測ができないことに、
体が興奮して潤みだしている。

『あっ、』

入ってきたのは、指?

『んっ、ひっ、』

ずぶりと、体内で音がしたの。
関節が、ひとつ、ふたつと入ってくる。
一本の指がすべて、飲み込まれる。

『チャミナ、口、』

お留守になっていた口に気がついて、目を落とすといつの間にか更に質量を増していた。
彼は僕でまた増していた。

朝から、元気だな、僕たち。

『はい、ふふ、』

気持ちを込めて、尽くす。
貴方に感じてほしい。
いつもいつも、僕が絶えずこんなふうに貴方と絡み合っていたい気持ちを、知っていて欲しくて。

僕が一番に伝えられる行為が、これなんだ。

今はね。

やっぱりね、貴方と二人で、二人でしか見せ合わない姿でいることが、
まだ一番に愛しいの。

わかってくれるかな。

『あああ、』

指が、増える。

『あんん、あ、』

『チャミナ、その声まじエロい、』

入り口を、舐められる。
卑怯だ。
次にどんな動きをされるのかわからなくて、


興奮する。


でも、負けたくなくて僕は口で貴方に尽くし続ける。
吸われた分、吸ってあげるから。
指で可愛がってもらった分、指で遊んであげるから。
舌でなぞられた分、舌でとかしてあげるから。

僕たちのなんともしょうもない合戦が始まった。

でも、楽しいの。

どうしようもない、しょうもない、楽しい争い。


『あ、やべぇ、』

ほら、僕だって負けてません。

『チャミナ、それ、やべぇ、』

何がどう、やべぇんですか。

『舌、まじ、エロっ、』

ふふ。

貴方も僕の動きが見えないはず。
吸ってあげると、いつもより大きく、跳ねてくれた気がしたの。

『ねえユノ、』
『うん?』

体が温まってきた。
僕たちが繋がってもいいかもっていう体温まで、上がってきた。

彼のこれも、限界まで固くなってきた。
グロくて、エグくて、最高に愛しい。

僕の、僕だけの、これ。

雄のにおいが、朝から強い。
そのにおいで、朝から三回は、いけそうかも。

『まだダメ?』
『なにが、』

ああ、意地悪。

悔しくて、悔しくて、一番太いところを唇でぎゅっとする。

『う、』

後ろから、呻く声。
してやったり。
快感だ。

『ねえ、もう欲しいよ、』

『ダメっ、まだ決着がついてない、』

なんの決着なの、
これって準備じゃないの?
前戯じゃないの?

本番の合戦だったの?

悔しいな、もう。
彼の無邪気さがちょっと焦れったい。

って、ついでに悪態をつきそうになったのがいけなかった。

『ひあっあっ、ちょっ、んんんっ』

苛立った瞬間、僕の肩が崩れた。
彼の指の動きが、急に始まったからだった。

いやだ、負ける。
いきなりそんな動きをされて、こんなにいいところを攻められたら。

弄られてとけている僕のそこは、性別に反するように潤んでしまうらしい。
ありえねぇですよね。
全くその通りだとおもいます。
でも、相手はこのユノなんです。
雄臭駄々漏れなこの人と夫婦になったらそりゃ体質も変わりますよ。

『チャミナ、ほら、口動かせって、』

ムカつきますね、偉そうで。
でも、かっこいい。

『ああ、やだ、もう、許し』

僕も僕で、こんなふうに彼に弱いところを見せてしまうからダメなんだ。
まあ、時々は狙ってるけど。

だって喜んでくれるから。

『あ、』

ふと、指が引き抜かれる。

『なんで、』

振り返ろうとした時だった。

『いいこと思いついちゃった。』

やんちゃな声しか、聞こえなかった。
視界がね、塞がれたの。
なんだろう、タオルかな、アイマスク?
それすらも、わからない。

なんで?

どうして?

なにが起こったの。


『チャミナ、そのまま口でしてて、』

『でも、』

『いいから、しろよ、』


ああ、なにこれ、もう、

ダメ。

強く出られると、たまらない。

従いたくなる。
従ってしまう。

それが、たまらなく気持ちいい。


仕方なくはないけど、仕方なく手探りで彼のそれを捕まえ直す。
唇でもようやく捕まえられると、その瞬間に、彼のそれが戦慄いた。

彼も、興奮しているようだ。

視界が塞がれただけで、ずっとずっと興奮する。
いつもより手際よくできないくせに、どうしてか味も違って感じる気がする。
彼の濃さが、違う気がして。

視覚が遮られた分、
彼を濃く感じられるのかもしれない。

加減がわからなくて、変な音を立てて舐めて尽くしている。
いつもより濡れているのか、そうでもないのか、よくわからない。

目隠しされて、彼にしゃぶりついている僕の姿はさぞ滑稽だろう。

こんな姿は、彼にしか見せられない。

僕もこんな僕自身の姿は、見たくないさ。

彼だけが知って、彼だけが喜んでくれるためだけの姿だから。

『いい、チャミナ、マジでいい、』

次第に五感が研ぎ澄まされる。

彼が少し苦しそうに言ってくれる声も、マジでいい。
その声だけで、達してしまいそうなくらい。

『なあ、』

『はい、』

くわえているだけで、熱くて、痛い。
火傷しちゃってるんじゃないかな。

『ああっ、』

また、指が入ってくる。
指?
うん、多分、指。
ほら、動くから、彼の指だ。

『欲しい?』

指が一本、僕の中に入った来たらしい。

『く、うぁっ』

それをぐりんと捩るようにして動く。
それがものすごく、気持ちいい。

『いらない?』

いらないわけないじゃない。
今すぐ、その指を抜いて、僕に入ってきて欲しい。
首を横に振ることしか、できなかった。

『欲しい?』

今度は、縦に振るだけ。

『なにが?』

指がね、動いてるの。
だから、言いたいのに、言えないの。

いいように扱われていることが、
たまらなく気持ちいい。

『ゆの、お願いだから、』

きっとこの塞がれた視界の外側で、彼はあの可愛い唇を無邪気に笑って僕を眺めているの。

『もう、入れてっ、せつないの、』

こんなに近い距離と、
こんなに近い体温をわかちあっているなかで、
貴方の顔を想像することになるとは思わなかったよ。

それで入れてくれるの、だめなの?
どっちなの?

もどかしい。
彼の顔が見られないのが、もどかしい。

『あっ、』

また、指が抜かれる。
それから、僕の体が反転する。
反転なのかも、わからない。
背中が柔らかいから、きっとそう。

相変わらず、僕の視界は真っ暗だけれど。

手で、彼を探ろうとした時だった。

その手首を捕まれて、足が割かれた。

『あ、あぁっ、あっ!』

あっという間に、彼が僕の中に押し入って来たのだった。
今自分がどんな姿で彼を受け止めているのかがさっぱりわからなかった。

いつもなら笑ってくれる感じでよしとされたりとか、
顎が動いただけでダメって言われてる感じがある。
でも、今はそんな満足なやりとりができていないままでいる。
そのまま、また僕はいいように扱われた。

強引さと、
不安定さと、
服従させられている具合が、
ものすごくいい。

ズブズブと、彼が僕の中で溶けている。

不思議なもので、体内で彼を感じることはいつもより強い気がするよ。
血管が僕のぬかるみの中で擦れている。
擦れて彼が、喜んでいる。
そして僕が、喜んでいる。

『いつもより締まる気がする、』

打ち付けてくる段階もいつもより早い気がする。
それだけ彼も余裕なかったってことでしょ。
もう、可愛くないけど可愛いんだから。

『うう、気持ちいい、』

中学生みたいな声を出して。
可愛いったりゃありゃしない。
顔が見れないのが、惜しいけれど。

まあでも、僕も僕で、まったくもって余裕はないわけで。

どの角度から見下ろされているのかがわからない。
彼の視線がどこから降ってきているのかがわからなくて、ドキドキする。

たまらない、たまらない、

ああ、ほんとたまんない。

『きもちいい、いいっ、』

もう、ぐちゃぐちゃだし、ぐちょぐちょだし、
どのくらい無惨なことになっているのかはわからないけど、
たまんないくらい、きもちいい。

それから、また僕の体の向きが変わったみたいだった。
うつ伏せになっている。

それから、

『後、ろ?』

入り直したらしい彼は、僕をワンワンスタイルにしているらしい。
好きだよね、後ろから。

支配欲が強い人って、こっちが好きって聞くけど、そうなのかも。
当たってるかも。

そんな支配欲に染まってる僕も、アレだけど。

目隠しされて、ワンワンされている、僕。

考えただけで、三回くらい出ちゃいそうだよ、どうしよう。

打ち付けられて、もう、内股がどろどろしていて大変だ。

でも、完璧だ。

ユノ、貴方は僕を知り尽くしている。
僕が喜ぶことを、ちゃんと押さえている。

一発ずつ打ち込んでくる具合だって、僕の好きなところをちゃんと外さない。

困ったな、本当に、どんどんおかしくなる。

行為そのものが、おかしくなる。

求められても、拒めない。

だから、困った。

それが楽しくて、仕方がない。

ああ、困った。

気持ちよくて、目が覚めたくない。



朝なのに、真っ暗闇のなか。

朝から僕たちは、犬みたいになっている。

二人で望んで、二人でダメな過ごし方をして、楽しんでいる。


『ユノ、ん、あぁ、』

ものすごい集中力。
少しもブレないで打ち込んでくる。

『あぁ、あっ、んんっ、』

僕の真ん中にだけ、ちゃんと打ち込んでくる。

『もう、ダメっ、もうっ、もうっ、』

貴方は、僕を極めようとしている。

そうじゃないかな。

違う?

『イッ、』
『あぁっ!』









午前中の明るさを感じられたのは、
けっこうな時間が経ってから。

目眩がしたよ。

いきなり眩しくなったから、クラクラした。

昼前ですでに、僕らは呆けていた。

出すもの出して、バカみたいに交わって、

服従ごっこを楽しんだ。



僕をひれ伏したあとに、

彼は僕の腕のなかでものすごく甘えてくる。

本当は自分が服従されたいんじゃなくて?


変な子。


でも、ものすごく理想的な子。

究極のオトコノコ。

僕の理想のオトコノコ。



僕の、極み。

貴方のすべてが、
僕の求める極みの域なの。


『気持ちよくてバカになっちゃいそうだよネ、』
『いや、もう、なってるんじゃないかな、』

『あははっ、だよネ、』
『はい、』

『チャミナ、』
『はい、』

ほら、僕の脇の下に腕を回して胸に頬をスリスリしてくる。
こんなふうに甘えてくると、こっちのほうがやっぱりワンワンみたいだ。

『好きだヨ、ほんと、マジで、めっちゃ、』
『はいはい、』

僕を完璧に押さえている。
僕をいろんな角度でくすぐってくれる。

完璧だ。

『バカでごめん、』
『なにそれ、』

今度は目隠ししていないから、
僕の胸の上から上目使って見てくれるのがよくわかる。

『お前のことになるとバカになっちゃうっぽい、』
『ふふ、』

今更だ。
そうでしょ、僕たちはもう、互いのことでずいぶん前からバカになってる。

『午後はなにする?』
『お腹空きました、』

予定なんか無い。

『食べたらする?』
『バカですか、』

『バカって言ったほうが、バカだヨ、』

もう、ほんとうに、このこは、



『バカですよ、僕は宇宙一の、ユノバカですよ、』



どうだ、参ったか。



『俺の方が、チャミバカだ、』



こういう二人を、バカップルという。

本気で互いの愛を罵りあう、究極のバカップルだ。


無邪気なセックスも、悪くない。


















終り。

一年分の、バカップルを書きたくて…(笑)

ユアマイン21(閲覧注意)

ーside Uー


ぶっかけてやった。

驚いて、半開きになった唇も白く濡れて、それも珠にして落ちてくる。

『なんで、』

なにが、

チャンミンが、ゆっくり見上げてくる。
驚いたまま、少し放心したような顔で。

『のむって言ったじゃん、』

真面目に怒ってる顔。

『ユノ、なんで、もったいない、』

言葉がぶちぶちと切れて、頬が膨れる。
拭いもしないで、怒っている。
ものすごい状況だと思うのだが、そのあたりは気にならないようだ。

『変な子。』
『なんでっ、』

はいはい。
なんで、どうして。
こうなるともう酔っぱらいみたいなものだ。

ドロドロの姿で掴みかかってこようとする。
ダメだって、じゃれてる余裕がない。
俺がネ。

『あぁっ、』

また、シーツのなかに沈めてやる。
尻だけを突き出して、うつ伏せに押し倒したんだ。
ああ、ドロドロの顔がシーツに擦れる。
もうダメだね、このシーツ。
真新しいのに、今までで一番汚れてるんじゃないかな。

『ふんんっ!』

自分でいじって柔らかくしたぬかるみに、中指を突き立ててやった。
身体中の神経すべてが震えたように体が揺れた。
指はすんなりとすべてを飲み込んだ。

指が瞬間的に溶けちまった。

一本じゃまるで足りないから、人差し指も足してやったんだ。
でも、それもすぐに溶けちまった。
手首を動かして少しだけ溶けた指をどうにか動かしてやる。
そうしてるうちに、尻が勝手に動いてきた。

ああ、参った。
本当に参った。

お前はどこまで俺を狂わせるんだ。

これもまた、自慰なのだろう。
俺という生身の指で、自分を慰め始まったのだ。
肩が少し上がり、こちらの様子を覗く目が、俺に許しを求めてねだる桜色になっている。
でも今夜はとくに、色が濃い。
桜色が、朱色になる。
充血して、そのまま深紅の液体が溢れてきそうなくらいに。

『はあぁ、』

肩の向こう側から漏れてくる声。
俺の指の動きでは足りないらしくて、尻の動きが増えてくる。

『あぁ、ああっ、』

声が増える。
もう、こちらには帰ってこないのだろう。
俺に貫かれて、お前がまた吐き出すまで、戻れない。

酷い姿だ。
酷く、浅ましい姿。
それでも、酷く美しい。
酷く淫らで、酷く快楽に対して気高く、酷く異常だ。

お前がこんなにも、俺だけに豹変する男だとは思わなかったヨ。

『もっと、ユノ、』

眉を下げて、湿地を指で広げて、俺の指をもっと溶かせと言ってくる。

知らないよ、三本なんて、初めてじゃないか?
それでも、俺のよりはまだ足りないけどサ。

『くうぅっ』

薬指が、足される。
目の前にある背中に汗を感じた。
三本目だってすぐに溶かされた。
痛いのが嫌だと言った尻は、どこへ。

困ったものだ。
俺の芯をぶちこんでやった時の反応が今から思いやられる。
明日の出勤が心配される。

なあ、俺たちはまともに素面で働けるんだろうか。

今、それくらい心配するぐらいに、ディープ過ぎる世界を漂っている。


ーside CMー


足りない、
足りない、
足りない。

指じゃ、足りない。

『ユノ、おねがい、』

もう、欲しい。
さっきは貴方の指をねだったくせに、
今は、それじゃもう足りなくなっている。

欲しい、欲しい。

『欲しい、』

欲しくて欲しくて、涙が出てしまう。
気持ちいいけれど、それでも足りないの。
指と、貴方のそれとでは、全然違うの。

『なにを?』

ベタベタな展開だと思う。
そういう映像のやりとりのひとつみたいだ。
言わせて楽しむ男の人と、同じ台詞。
それに奮える女の人と同じ反応の僕かもしれない。

言ったらくれるのかな。

ご褒美。

口元が上がったのが自分でもわかった。
もう、ダメな大人。
堕ちたね、僕は。



『    』

普段なら言わない、露骨な台詞。

生物や保健の教科書に載ってそうな単語。


『    』

何度か、繰り返して言ってやった。

『ねえ、ちょうだい、』

こんなことは、もう、ないよ。
プレミアな僕の姿。
トップシークレット。
貴方にしか出せない、僕の裏側の僕。
深い深い、異質な僕。

でも、それに喜ぶ貴方も異質。


『終わったな、俺達、』

そこだけ切り取れば、すごい台詞だ。
でも、終わったよね。

もう、見せるところは見せ尽くしたみたいな痴態だ。
これでもう、猫を被ったところはなにひとつ見せられない。
軽い恥じらいなんて嘘つき呼ばわりされそうなくらいだ。

終わったよね。
一歩、越えてしまった気がする。

『これで俺も、どこまでも求めていいってことだ。』

そして始まった。
こんな性生活が、異質な部分が、当たり前に変わった瞬間だった。


またひとりでに、唇が緩むよ。


指が、引き抜かれた。

来る。

ああ、たまらない。



ーside Uー


今夜のおかずができました。

永久不滅の。

俺はお前が居ない夜は、今日のこの姿を思い出すだろう。
そしてやっぱり、おかずにして美味しくいただくのだろう。
考えただけで空腹で、そして胸焼けがしそうなくらい腹が一杯だ。

『俺達、もう、ずっといるじゃん?』

え?って聞き返してくる顔もイッちゃってて、可愛かった。

『多分死ぬまで、何かしらの形でお前と繋がってるじゃん?』

うん、て、うっとりとしながらシーツの上で頷く。

『だからさあ、若いうちならいいかな、』

なにが、って、聞かない。
満足そうに唇がまた笑う。

『こうしてるの、今のうちら、いいよネ。』

今さら確認することでもない。
ヤりたくなったらヤッてたじゃないか。
俺も、お前も。
なんだというのだ。

『いつか必要なくなる形態になるなら、』

また、うん、て言う。

『今のうち、いいよネ。』

次のうん、を聞かないうちに、俺は杭を打ってやった。

『ああぁっ』

変わりに、シーツの上で叫んでた。
やっぱり、すぐにぬかるみに溶けてしまった。
ズブズブと、底を知らない。
沸騰したぬかるみに食い尽くされて、すぐに動けなかった。

これはまずい。

動いたら、俺がいく。
旅立ってしまう。

チャンミンの体は震えていた。
歓喜に震え、膝が内側を向いていた。
無意識に見せる、お前の可愛いところ。

指先も、爪先も、耐えるようにシーツにシワを作ってる。

ああ、お前もまたイッちまいそうなんだろ。

準備はいいか?
さあ、いこうか。

もう、ね、朝までの終わらないかもね。
若いから、タネはいくらでもどうにかなるかもしれない。


大きく振りかぶってみた。




ーside CMー


実は、入ってきた瞬間に四回目を迎えていた。
やっぱり、入れてもらっただけでイッちゃった。
堪え性のない、僕だった。
気づかれたかな。
あとで笑われちゃうかな。

でももう、笑われちゃう部分しかなくて、どうでもいい。

なんとでも言ってくれていい。
貴方になら。
こんな姿も、あんな言葉も、貴方にしか出せないもの。
そんな僕で、喜んでいる貴方だもの。
同類だからね、僕たち。

だから、
貴方が笑うなら、僕も笑うからね。

僕たちのセックスを笑っていいのは、僕たち二人だけだ。


『ッ!?』

四度目を迎えてちょっと放心して、うっかり頭の中で考えていたら、いきなり中で大きくなにかが動いた。
不覚だった。

『ああああっ』

それからすぐに引かれた分が押し込まれてくる。

もう、掴むシーツを引き裂いてしまいそうだ。
新品なのに。

欲しいものが、そこにある。
僕のそこに、ちゃんとある。

鍛えられている足腰から与えられる杭の威力は凄まじい。
内蔵が押し上げられる感覚。

広がってしまった僕のぬかるみを必死に狭くしてみる。

『あ、ヤベぇ、それ、イイ、』

狭くしたのが、よかったらしい。

『ふふ、』

笑ってる余裕なんかないのに、笑ってた、僕。

十代の行為みたいに、ふざけてるみたいに笑ってた。
笑いながら、僕たちはお互いの体を楽しんでいる。



ねえユノ、今まではさ、
僕たちの関係を誰かに知ってもらいたくて、
認められたくて、
そしてそういう瞬間を楽しんだじゃない?

今ね、そんな部分に少しだけ変化を感じたの。

今度は、隠している秘密を楽しんでいる。

こんな姿を、貴方だけに晒す楽しみ。
他の人たちからは、
僕たちはこんな行為をしてるだなんて思わせない生活をして、
裏側ではこんなふうに楽しむんだ。

僕たちだけがわかっていればいい世界。


ねえ、ユノ。

違う部分で、
僕たちが僕たちの関係を、
僕たちだけでいいよね、って頷ける部分が増えていったら、

本当の意味で、僕たちの最終形態は完成するのかな。


どうだろう。


ねえ、ユノ。


そんな最終形態になれたとしたら、

もう、愛してるの言葉すら要らなくなるんじゃないかな。


愛しているのは、

今もそうだけれど、

当たり前のことだから。




僕たちは、


僕たちを、


僕たちのものだと、


真ん中において生きるんじゃないかな。



今も、そうなのかもしれないけれど。








とにかくね、


今、



貴方の『    』は、



僕のもの。





僕のために備え付けられた、

意味を持たないけれど、

愛をもつ、愛しい愛しい生殖器。


誰にもあげない、僕のもの。




ああ、沈む。



白濁に、堕ちていく。

















お疲れさまでした★

ユアマイン20(閲覧注意)

ーside Uー

俺の背中だとか、肩だとか、シーツを掴んで離さないのがいつものその指。
俺の頬や胸の上で踊っている。
でも今は、見えないところで踊っている。
俺の上ではなくて、自分自身の中で踊っている。

見てくれと、言う。
俺に見られながら、自分で自分を追い詰めている。

『んんん、あぁ、だめ、』

何がダメなんだか、いつも思うんだけどサ、言われて悪い気はしないほうの、ダメのひとつ。
ダメじゃないから。

二本の指が湿地のなかのぬかるみに飲み込まれていく。
芯から溢れでたきたものたちで濡れて、白熱灯の下で卑猥に煌めく。

『ユノ、ユノ、』

ひとりで声をあげて、困ってるみたいに、でもものすごく幸せそうに、笑っている。
俺の名前を呼びながら。

『もう、イク、ああ、』

本当に自分一人でイけるんだって、思ったのが正直な感想。
でもその顔はやっぱり、幸せそうで。
一人で見てるだけの俺がなんだか二人しかいないけど場違いみたいにも思えるっていうか、ネ。

俺に見られてるだけで、こんなになる男って、お前だけだよネ。

たいしたもんだよ、

ほんとに、

可愛いやつ。

まるで俺だけのために完成した姿。


欲張りな指。
二本で奥に進み、それから引いて、
二本で芯を擦り、そこから快楽の追撃を受ける。

『イクイク、イッちゃう、』

聞こえてきた声を文字にすると、昔見たそういう映像の女たちのそうでもなさそうな声と一緒だ。
ああ、こういうこと、お前も言うんだ、って。
いや、それは今日に始まったことじゃないけど。
言うよ、普段のセックスでだって。
でもそれって俺が与えてるものからくるもので、
今は自分で与えて自分で楽しんでいる上で言ってるんだ。

すげえなって、思っちゃう。

なあ、お前が今後いない夜なんてのがあったらさ、
俺はお前のこの姿を思い出して楽しんじゃったりするようになるのかな。

『あぁ、もう、いい…?』

自分で楽しんでいるのに、果てることの許しを乞うらしい。

俺に見られ、
俺を見ながら、
自分の指で、
自分の芯と奥を遊ぶ。

高まるものに許しすら乞う。

『ダメだ、』

一蹴。

『あぁ、』

瞳は見開いて、唇が悦に歪む。

そしてこともあろうか、その瞬間に達したらしい。



この男は、支配され、心を握られ、選択を拒まれて達しやがった。

とことん俺でしか生きられない男らしい。


上等じゃないか。


俺はね、チャンミン、そんなお前しかもう、愛せない。
お前が変形した愛情を持っている特異体質だとしたら、
俺はそんな特異体質しか愛せない異端児なんだろう。



だってサ、白く塗れたお前を見て俺だってガチガチになれるんだ。

まいったね。




ーside CMー


真っ白になってしまった。

ダメって言われた瞬間、真っ白になってしまった。

頭も、手も。

こんなのって初めてだ。
たまらなかった。
気持ちよった。
僕のいけない性癖を見て、
まだダメって、それってもっと見せろってことなのかなって思考が反応する前にゾクゾクして、
イッてしまった。

ダメって言われることで、求められているのか、って。

こんなこと、初めてだ。
一人で慰めてきた中で、貴方はいつも僕を甘やかしてきた。
新しかった。
慰めている中、拒んでくる貴方の顔なんて、今まで思い描いたことがなかった。
出てきてくれたことがなかった。

生身の貴方に拒まれて、達してしまうほど嬉しく思うなんて、初めてだ。

『ダメって言ったのに、』

貴方の声に、体が反応する。
体の奥からまた熱いものが込み上げる気がした。
今日で三回目の吐精だ。
出るものは、出るらしい。
目の前に貴方がいる限り、絶え間なく生産されているのだろうか。

『真っ白だな、チャンミン、』

透明でヌルヌルしたものと、白くてドロドロしたもので濡れた手を掴んでくる。
もう、次は何を言われて何をされるのか、気になって気になって、期待してしまっている体になっている。
僕の体はもう、まともじゃないんじゃないかな。

呼吸を整えるのに精一杯で、彼を見上げているだけだった。

そしたらね、彼は自分のもう片方の手で服を下げて大きく大きくさせた僕が大好きな大好きなそれを目の前で出してきたんだ。

クラクラした。

夢なんじゃないかって思った。
見慣れている。
ここ最近は毎晩見ている。
それで貫かれて気持ちよくなっている。
でも、今日はちょっと違う。

クラクラしたの。

僕はどうなっちゃうの。

いつもどうにかなっちゃってるのに、
今夜はもっと、どうにかなっちゃいそうで。

怖かった。

『して?』

僕の汚れた手で、貴方の芯を掴ませられる。

そこは、命令しないんだね、従うように言わないんだね。
僕に選択させるんだね。

ふふ、

変なの。

『ご褒美、』

その単語に、背中が震えた。

『やるから、』

どんなご褒美なの。
ううん、なにもいらない。
なにかが欲しいんじゃない。

貫かれたいだけ。

僕は三回だ。
貴方はまだ、これから一回目。

貫かれるには、まだ早い。
そう言い聞かせて、僕は手にとった芯を唇で迎える。
熱くてヌルヌルして、先っぽだけが柔らかくて、ドキドキした。

『ん…』

くわえただけで、僕のぬるかるみがまた、沸騰しそうだ。




ーside Uー


瞼が落ちて、鼻から息が抜けていく。
俺をくわえるために、大きく静かに呼吸を整える。
汚れた手で支えて、一度深くくわえたあとに、ゆっくりと先に向かって唇が動いた。
唇のあとに、舌がついてきて這ってくる。

たまらない瞬間。
先まできて、それから折り返すようにまた喉奥のほうまで含まれる瞬間。
これが、たまらない。
唇をきゅっとすぼめられて、きつくなる瞬間。

『んふ、』

呼吸。
吸い込みきれなくて、吐き出しきれなくて、少し苦しそうにする。

『はあ、』

それでもまた、奥まで入れては、先に向かって唇と舌を動かす。

『おっきい、』

うっとりと、言った。
苦しそうでも、嬉しそうに唇が一瞬上がる。
赤い舌が見えた。
一度口から出して、先だけを口にすると舌を踊らせてきた。

チャンミンの口内から、湿った音がした。

ああ、ぶっかけてやりたい。
手が白く濡れたように、
汚れたように、
今度は俺で真っ白にぶっかけてやりたい。

最低な思考だと思う。

どこまで俺はチャンミンを汚したいのだろう。
落としたいのだろう。
堕としたいのだろう。

吸い上げては俺を引き出そうとする動きに変わる。
口は開いたままだから、唇からまた濡れたものが伝ってくる。
手も、腹も、口も濡れている姿だ。
真新しいシーツの上、ぽつりぽつりと、すでにシミを作っている。

ズルリと音を立ててなにかを啜って飲み込んだらしい。
ゴクリと喉がなった。

それから、瞼を持ち上げて俺を見てくる。
唇が一瞬離れた。
目が見上げてくる。

『ユノ、』

見上げてくる顔が上気して、目尻がもう、抱かれたあとのあの色になっているんだ。

もう少しなんだけどな、まだ、もう少し、甘い。
ぶっかけてやるまで、まだ少し足りない。


俺はチャンミンをどうしたいんだろう。


守りたいのか、
壊したいのか、
汚したいのか。

『気持ちいい?』

不安げに見てくるのは、何故だろう。

『足りない?』

首を少し傾けて、聞いてくる。

『足りてる、けど、もう少し。』

なるほど。
大丈夫、お前の気持ちは足りてるヨ。
足りてないのは、もう少しの刺激。

不安な桜色が明るく色付く。

それからまた、チャンミンは瞼を落とす。
あたたかい中に俺がくわえられる。
今度は口のなかで溶かれるように揉まれるんだ。


チャンミンを見下ろしている。
時々短い声を漏らしながら、首と顎を動かして出し入れするみたいに動いてくれている。

落とされたと思った瞼が上がって、こちらを見る。
気持ちいい?って、目で聞いてくる。
健気な姿がある。
俺のために、誰にも見せられない画図になってまで。


高まる。

その健気な姿に欲情している。

俺が。


『んっ、』

俺が動く。
お前の口のなかなで。
俺が動く。
苦しそうに目を開いて、顔をしかめる。
その苦しさを緩和しようと、呼吸と舌の動きを順応させてくる。

俺に尽くそうとする姿。

『なあ、チャンミン、』

俺に愛されるための姿。

『どうされたい?』

俺に、どうされたい生き方なんだろう。

男が、男をくわえている多分普通ではない姿。

決していいものではないものをくわえて、
俺に支配されるみたいな姿になって、
身体中を汚されて、

それでもなお、

こんなふうに笑っているのは、

どうしてなんだろう。

『ふふ、ぼくが、』

『うん、』

笑う。
嬉しそうに、笑う。


『のみこんでしまいたい、』


濡れて汚れた唇が言う。

何を、
俺を、

愛を、


それか。


高まる。

俺の、愛が。



俺の、多分綺麗ではない、片寄って育った感情が、高まる。










ーside CMー


どうされたい、

そんなの決まってる。

愛されたい。

それだけだ。



今、僕たちは多分いつもとは少し違う雰囲気。

もうなんでこうなったんだかは忘れてしまったよ。

貴方のにおいに頭のなかがドロドロになってしまっている。



支配されるみたいな、
包まれるような、
そのなかで活かされるような。

歪んるようにでも、
神聖なものにも、

見えてしまう。


のみこんでしまいたい。


全部全部、貴方をのみこんで貴方を僕のなかで活かせたい。


のみこんでしまいたい。


もうひとつでいいじゃない。

もう、ひとりでいいじゃない。

僕たち。


だから、のみこんでしまいたい。

それが叶わぬのなから、

のみこんでしまわれたい。





ピンと張りつめるものを感じる。

もう少し、あと少し。

貴方が僕の口のなかにやってくる。

おいで、おいで、はやく、おいで、

全部全部、のみこんであげる。


『んっ、』

余裕がない声が聞こえてくる。

胸が高鳴る。

『あ、あ、っ、』

可愛い。

僕の口で感じてる声。

吸いとってあげる、
飲み込んであげる、

一滴残らず。

貴方の白いドロドロを、僕の体液にしてあげる。



それなのに、





『あぁッ』



苦しかった。

引き抜かれた瞬間。

でも、どうして抜かれてしまうの。


ムッとする、貴方の白いにおいがした。


頬が、顔が、


ドロッとして、熱かった。















21に、続く。

ユアマイン19(閲覧注意)

ーside Uー

否定しない。
拒否もしない。

ただ、恥じらい、
ただ、認める。

芯を持たせて滴にしている。
俺に見下ろされ、
俺を見上げ、
俺で感じて、
ぷつりぷつりと珠をつくって期待している。

短く飲み込まれた息は肺まで届かず、もどかしそうに更に俺を見上げる。

見てみたくなったんだ。
今日、どんなふうに俺で感じたのか。
ここまで辿り着くまでに、俺で慰めてきたっていうことを見せてもらいたくなったんだ。

俺に触れずに、
自分だけを触れて、
どんな顔をして放つのか。

見てみたいと思った。

足は開かせたままだが、手は自由にさせてやっている。
けれどチャンミンは逃げない、抗わない、拒まない。

ただ、これから俺に何を言われ、
何をされて、
何を感じられるのか、
期待しているんだ。

可愛い。
本当に可愛いよ。
こんなに従順で淫らな彼氏はいないと思うヨ。

俺で造り上げた、天然素材そのままの宝石のような、
強い色香を放ち咲き誇る大輪のような、
惹き付けて病み付きにさせる危ない類いのものだ。

『どんなふうにしてたのか、見せてみろよ、』

その言葉を恐れていたかのように、
待っていたかのにように、
喜んだかのように、
肩を震わせて目を見開いた瞬間があった。

『ちゃんと俺のこと呼んで、してたんだろう?』

こう言ってやると、答えるはずだから。
俺の一言で、一句で、芯を震わせる。
感じながら頷いて、ひとつだけ息を漏らした。

『見ててやるから、ほら、』

シーツを掴んでいたその手を掴んで、珠を作っている芯に導いてやった。
足を閉じることは、俺が間に入ったことでは封じている。

親指と人差し指で芯に添えられた。
見たくないと言うように目を逸らす。
けれど、俺の視線からは逃げられなくて、結局俺の顔は見上げるんだ。
顔の向きは、背いても、視線は俺から逃げられなくて従っている。

『ユノ、』

震える声で、俺を呼んだ。

『ちゃんと、ちゃんとご褒美はちょうだいよね、』

精一杯の、抵抗なのか。
ちょっとだけ睨むと観念したかのように背中の力を少し抜いたようだった。

『もちろん、俺だってただ見て終わるだなんてできやしないサ、』

だって俺たち、そこまで自分達をコントロールできる作りじゃない。




ーside CMー


求めてくれるのだから、同罪だ。
むしろ貴方の方に罪がある。

僕のこと、こんなにしたのは、貴方なんだ、

ユノ、見せろっていうなら、ちゃんと見ていて欲しいよ。
僕は貴方を想えばどこまでも浅ましく濡れることができるんだ。
貴方のせいなんだ。
本当に本当に、この責任をとって欲しいよ。

もう、貴方以外の何かでは濡れることなんてできないんじゃないだろうか。

それならそれで幸せなことだ。
けどね、わかっていて欲しいの。
本当に本当に、僕には貴方しかないのだと、わかっていて欲しいの。

求めて。
求められたいから。
いつでも。
いつまでも。

『…ユノ、あのね、』

『なに?』

自分で触れているそれはもう、指がねっとりと濡れていた。
それを上下にゆっくり動かしてみた。
見られているというだけで、それも、指も、僕のものではないみたいだった。
ひとりでした時の感触とは全く違うんだ。

『見られているから、同じようにはできない、』

だって、だって、

『どうして?』

貴方の目が、あるから。

『居るだけで、もう、イッてしまいそうなの、』

強がりも、嘘もつけない。

生身の貴方に見下ろされている。
それだけで、触れなくても果てることができるんだ、きっと。

『じゃあ、なおさらだ。してよ、』

そんな風に言われても、
どんな風に言われても、
貴方が求めてくれるなら、
僕は断ることなんてできない。

ひとりでに濡れて気持ちよくなっていた僕のそれは、触れてあげる回数を増やすとさらに芯を持ってまた欲望として大きくなったようだった。
ほんのすこし、触っただけなのに。
もう、この有り様だ。

クチクチと、僕が鳴き始める。
貴方を求めて、水っぽく、それよりもねっとりとした音を立てる。
親指と人差し指が、足りないと自分達で言いながらも、止まることができなくて走り続けているよ。

見て、

ユノ、

僕は見られてこんなに感じている。




ーside Uー


本当は今すぐにぶちこんでやりたい。
気持ちよく泣かせて、ぐしゃぐじゃにしてやりたい。
そういう姿が見たい。

でも、まだ違う姿を見せて貰えるみたいでさ、
せっかくだから余すことなく、
見せてもらうことにするヨ。

慣れた手つきだった。
思えば、【慣れた】なんていう印象があまりない気がする。

人に、
会話に、
イベントに、
ハプニングに、
サプライズに、
俺に。

どちらかというと、いつも自分を探して、俺を探している気がする。
追って探して、探りながらも突き進む印象が強い。

進むことだけは、俺よりも強い。

この男の向かう先は、俺だけだったから。

『あはぁ、あ、』

キリキリと絞られるように立ち上がっている。
その慣れた手つきが、自分が好む場所を熟知している。
もう、何度も何度も、こうして俺と交わっていたのだろう。
顔だって、もう、どっぷりと楽しそうに濡れている。

『あぁ、く、あう、』

声も。

『んぁ、』

いつも俺に甘えるように伸びてくる指が、今夜は自分を追い詰めるために動いている。
こんな躍り方をするお前の指は初めて見たヨ。
俺としていてさ、俺を踊らせる指は何度も見てきた。
何度もお前の指にいかされたよ。
その快感度数が高いことも、知っている。
体が覚えている。

『あぁん、』

自分で自分を追い詰める声が響く。
俺のことを見ながらそんな声を出す。
狙ってるんじゃないかな。
違う?
俺のこと見上げながら、甘えたような声を出すなんて狙ってしかいないんじゃないのか。

『ユノ、見て、もっと、』

触ってとは、まだ言わないらしい。
本当に一人遊びは卓越しているようだ。

腰だっていつの間にか浮いている。

唇も、もうずっと笑っている。

恐ろしい男だよ、お前は。

『あぁっ気持ちいい、ユノ、ユノ、』

俺の方が、お前の一人遊びを見ていられなくなりそうだ。

楽しむお前の一人の世界に、

いや、

一人の快感のなかにいる俺という二人の世界に、俺自身をぶちこんでやりたくなる。

ああ、でも、興味はまだ、もうひとつあるんだ。

なんだか今夜の俺ってば、嫌な人間だな。
まあ、その嫌な人間にドロドロになって喜んでる人間もいるんだけれど。


『なあ、』


ーside CMー


呼ばれて、
あと少しというところで、
ほう、呼ばれて頭のなかが少し醒めたんだ。

彼の唇がなにかを企んできれいに角を上げていた。
大人の、セクシーで、悪戯っこの唇。

ああ、今度は何を言われるのだろう。

もうイッてしまいそうだというのに。

貴方の見つめながら、貴方に見つめられながら果てることができるなんて、
今、そう考えただけでも、ほら、

こんなに僕は瞬間的に濡れさせることができる。

すごいでしょ、ユノ、

僕は、僕は、毎日毎日、貴方を想ってこんなことをしていたんだ。

ごめんなさい。
ついに見せてしまった。

でもね、もう、止まらないの。
一度貴方で気持ちよくなってしまえば、
貴方自身に気持ちよくしてもらわなければずっと止まらないと思う。

ああ、早く言って。
僕がイッてしまう。


『ここは、使わないの?』

やっと言ってきたと思ったら、急に彼が触れてきた。
言いながら触れたのは、
貴方を受け入れるために変形さえしてしまったのではないかという、あの場所。

芯から溢れて流れ続けるもので、彼の指が当てられたそこは湿地のようにぬかるんでいた。

触ったと思ったら、そんなところを、

もう、ダメだ、

ダメだ、ダメだ、独りで繰り広げてきた世界を塗り替えられる。

これからの独りでの楽しみを与えないで欲しい。

貴方がいる生活に、僕の独りの楽しみを、貴方が与えてくるなんて。

酷い。
酷く酷く、甘い。

『なあ、どうなの、使わないの、』

使わなかったことは、ないよ。
でも、
これまでの僕の体とはもう違うんだ。
貴方を受け入れるためにできてしまったように変わってしまっているんだよ。

例えそれが指だけだったとしていても、
僕の指だったとしても、
こんな状況で貴方に見られているのなら、
そのぬかるみに降り立った瞬間に、
僕はさらにディープで貴方さえも引き上げられない世界に向かってしまうかもしれない。


ああ、ダメだよ、いれるなら、貴方がいい。

でも、見てもらいたい。

ダメだ、ダメだ、もう、ダメだ。



彼の指が抜かれる。
僕の湿地に火だけ置いて、離れていった。

消えてしまう。

ダメ、

消えちゃダメ。

僕の体、

ごめんね、

もう少し、僕で楽しんで。

僕の指だけど、

彼が見ていてくれるから、

楽しんで、

よろこんで、

彼に見せてあげて。





本当は、指なら指で、長くてきれいな貴方の指がいい。




僕のあとに、もちろん貴方のご褒美もくるんだよね?



ねえ、うんて、言って。



言ってくれないなら、


今すぐ僕のなかに来て
掻き回して、
ディープな世界に突き落として、
そして貴方も、一緒に落ちるの。




ああ、きもちいい。





指が、ぬかるみで、火を囲い、


そして踊る。

















20に続く。
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