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ユアマイン21(閲覧注意)

ーside Uー


ぶっかけてやった。

驚いて、半開きになった唇も白く濡れて、それも珠にして落ちてくる。

『なんで、』

なにが、

チャンミンが、ゆっくり見上げてくる。
驚いたまま、少し放心したような顔で。

『のむって言ったじゃん、』

真面目に怒ってる顔。

『ユノ、なんで、もったいない、』

言葉がぶちぶちと切れて、頬が膨れる。
拭いもしないで、怒っている。
ものすごい状況だと思うのだが、そのあたりは気にならないようだ。

『変な子。』
『なんでっ、』

はいはい。
なんで、どうして。
こうなるともう酔っぱらいみたいなものだ。

ドロドロの姿で掴みかかってこようとする。
ダメだって、じゃれてる余裕がない。
俺がネ。

『あぁっ、』

また、シーツのなかに沈めてやる。
尻だけを突き出して、うつ伏せに押し倒したんだ。
ああ、ドロドロの顔がシーツに擦れる。
もうダメだね、このシーツ。
真新しいのに、今までで一番汚れてるんじゃないかな。

『ふんんっ!』

自分でいじって柔らかくしたぬかるみに、中指を突き立ててやった。
身体中の神経すべてが震えたように体が揺れた。
指はすんなりとすべてを飲み込んだ。

指が瞬間的に溶けちまった。

一本じゃまるで足りないから、人差し指も足してやったんだ。
でも、それもすぐに溶けちまった。
手首を動かして少しだけ溶けた指をどうにか動かしてやる。
そうしてるうちに、尻が勝手に動いてきた。

ああ、参った。
本当に参った。

お前はどこまで俺を狂わせるんだ。

これもまた、自慰なのだろう。
俺という生身の指で、自分を慰め始まったのだ。
肩が少し上がり、こちらの様子を覗く目が、俺に許しを求めてねだる桜色になっている。
でも今夜はとくに、色が濃い。
桜色が、朱色になる。
充血して、そのまま深紅の液体が溢れてきそうなくらいに。

『はあぁ、』

肩の向こう側から漏れてくる声。
俺の指の動きでは足りないらしくて、尻の動きが増えてくる。

『あぁ、ああっ、』

声が増える。
もう、こちらには帰ってこないのだろう。
俺に貫かれて、お前がまた吐き出すまで、戻れない。

酷い姿だ。
酷く、浅ましい姿。
それでも、酷く美しい。
酷く淫らで、酷く快楽に対して気高く、酷く異常だ。

お前がこんなにも、俺だけに豹変する男だとは思わなかったヨ。

『もっと、ユノ、』

眉を下げて、湿地を指で広げて、俺の指をもっと溶かせと言ってくる。

知らないよ、三本なんて、初めてじゃないか?
それでも、俺のよりはまだ足りないけどサ。

『くうぅっ』

薬指が、足される。
目の前にある背中に汗を感じた。
三本目だってすぐに溶かされた。
痛いのが嫌だと言った尻は、どこへ。

困ったものだ。
俺の芯をぶちこんでやった時の反応が今から思いやられる。
明日の出勤が心配される。

なあ、俺たちはまともに素面で働けるんだろうか。

今、それくらい心配するぐらいに、ディープ過ぎる世界を漂っている。


ーside CMー


足りない、
足りない、
足りない。

指じゃ、足りない。

『ユノ、おねがい、』

もう、欲しい。
さっきは貴方の指をねだったくせに、
今は、それじゃもう足りなくなっている。

欲しい、欲しい。

『欲しい、』

欲しくて欲しくて、涙が出てしまう。
気持ちいいけれど、それでも足りないの。
指と、貴方のそれとでは、全然違うの。

『なにを?』

ベタベタな展開だと思う。
そういう映像のやりとりのひとつみたいだ。
言わせて楽しむ男の人と、同じ台詞。
それに奮える女の人と同じ反応の僕かもしれない。

言ったらくれるのかな。

ご褒美。

口元が上がったのが自分でもわかった。
もう、ダメな大人。
堕ちたね、僕は。



『    』

普段なら言わない、露骨な台詞。

生物や保健の教科書に載ってそうな単語。


『    』

何度か、繰り返して言ってやった。

『ねえ、ちょうだい、』

こんなことは、もう、ないよ。
プレミアな僕の姿。
トップシークレット。
貴方にしか出せない、僕の裏側の僕。
深い深い、異質な僕。

でも、それに喜ぶ貴方も異質。


『終わったな、俺達、』

そこだけ切り取れば、すごい台詞だ。
でも、終わったよね。

もう、見せるところは見せ尽くしたみたいな痴態だ。
これでもう、猫を被ったところはなにひとつ見せられない。
軽い恥じらいなんて嘘つき呼ばわりされそうなくらいだ。

終わったよね。
一歩、越えてしまった気がする。

『これで俺も、どこまでも求めていいってことだ。』

そして始まった。
こんな性生活が、異質な部分が、当たり前に変わった瞬間だった。


またひとりでに、唇が緩むよ。


指が、引き抜かれた。

来る。

ああ、たまらない。



ーside Uー


今夜のおかずができました。

永久不滅の。

俺はお前が居ない夜は、今日のこの姿を思い出すだろう。
そしてやっぱり、おかずにして美味しくいただくのだろう。
考えただけで空腹で、そして胸焼けがしそうなくらい腹が一杯だ。

『俺達、もう、ずっといるじゃん?』

え?って聞き返してくる顔もイッちゃってて、可愛かった。

『多分死ぬまで、何かしらの形でお前と繋がってるじゃん?』

うん、て、うっとりとしながらシーツの上で頷く。

『だからさあ、若いうちならいいかな、』

なにが、って、聞かない。
満足そうに唇がまた笑う。

『こうしてるの、今のうちら、いいよネ。』

今さら確認することでもない。
ヤりたくなったらヤッてたじゃないか。
俺も、お前も。
なんだというのだ。

『いつか必要なくなる形態になるなら、』

また、うん、て言う。

『今のうち、いいよネ。』

次のうん、を聞かないうちに、俺は杭を打ってやった。

『ああぁっ』

変わりに、シーツの上で叫んでた。
やっぱり、すぐにぬかるみに溶けてしまった。
ズブズブと、底を知らない。
沸騰したぬかるみに食い尽くされて、すぐに動けなかった。

これはまずい。

動いたら、俺がいく。
旅立ってしまう。

チャンミンの体は震えていた。
歓喜に震え、膝が内側を向いていた。
無意識に見せる、お前の可愛いところ。

指先も、爪先も、耐えるようにシーツにシワを作ってる。

ああ、お前もまたイッちまいそうなんだろ。

準備はいいか?
さあ、いこうか。

もう、ね、朝までの終わらないかもね。
若いから、タネはいくらでもどうにかなるかもしれない。


大きく振りかぶってみた。




ーside CMー


実は、入ってきた瞬間に四回目を迎えていた。
やっぱり、入れてもらっただけでイッちゃった。
堪え性のない、僕だった。
気づかれたかな。
あとで笑われちゃうかな。

でももう、笑われちゃう部分しかなくて、どうでもいい。

なんとでも言ってくれていい。
貴方になら。
こんな姿も、あんな言葉も、貴方にしか出せないもの。
そんな僕で、喜んでいる貴方だもの。
同類だからね、僕たち。

だから、
貴方が笑うなら、僕も笑うからね。

僕たちのセックスを笑っていいのは、僕たち二人だけだ。


『ッ!?』

四度目を迎えてちょっと放心して、うっかり頭の中で考えていたら、いきなり中で大きくなにかが動いた。
不覚だった。

『ああああっ』

それからすぐに引かれた分が押し込まれてくる。

もう、掴むシーツを引き裂いてしまいそうだ。
新品なのに。

欲しいものが、そこにある。
僕のそこに、ちゃんとある。

鍛えられている足腰から与えられる杭の威力は凄まじい。
内蔵が押し上げられる感覚。

広がってしまった僕のぬかるみを必死に狭くしてみる。

『あ、ヤベぇ、それ、イイ、』

狭くしたのが、よかったらしい。

『ふふ、』

笑ってる余裕なんかないのに、笑ってた、僕。

十代の行為みたいに、ふざけてるみたいに笑ってた。
笑いながら、僕たちはお互いの体を楽しんでいる。



ねえユノ、今まではさ、
僕たちの関係を誰かに知ってもらいたくて、
認められたくて、
そしてそういう瞬間を楽しんだじゃない?

今ね、そんな部分に少しだけ変化を感じたの。

今度は、隠している秘密を楽しんでいる。

こんな姿を、貴方だけに晒す楽しみ。
他の人たちからは、
僕たちはこんな行為をしてるだなんて思わせない生活をして、
裏側ではこんなふうに楽しむんだ。

僕たちだけがわかっていればいい世界。


ねえ、ユノ。

違う部分で、
僕たちが僕たちの関係を、
僕たちだけでいいよね、って頷ける部分が増えていったら、

本当の意味で、僕たちの最終形態は完成するのかな。


どうだろう。


ねえ、ユノ。


そんな最終形態になれたとしたら、

もう、愛してるの言葉すら要らなくなるんじゃないかな。


愛しているのは、

今もそうだけれど、

当たり前のことだから。




僕たちは、


僕たちを、


僕たちのものだと、


真ん中において生きるんじゃないかな。



今も、そうなのかもしれないけれど。








とにかくね、


今、



貴方の『    』は、



僕のもの。





僕のために備え付けられた、

意味を持たないけれど、

愛をもつ、愛しい愛しい生殖器。


誰にもあげない、僕のもの。




ああ、沈む。



白濁に、堕ちていく。

















お疲れさまでした★

ユアマイン20(閲覧注意)

ーside Uー

俺の背中だとか、肩だとか、シーツを掴んで離さないのがいつものその指。
俺の頬や胸の上で踊っている。
でも今は、見えないところで踊っている。
俺の上ではなくて、自分自身の中で踊っている。

見てくれと、言う。
俺に見られながら、自分で自分を追い詰めている。

『んんん、あぁ、だめ、』

何がダメなんだか、いつも思うんだけどサ、言われて悪い気はしないほうの、ダメのひとつ。
ダメじゃないから。

二本の指が湿地のなかのぬかるみに飲み込まれていく。
芯から溢れでたきたものたちで濡れて、白熱灯の下で卑猥に煌めく。

『ユノ、ユノ、』

ひとりで声をあげて、困ってるみたいに、でもものすごく幸せそうに、笑っている。
俺の名前を呼びながら。

『もう、イク、ああ、』

本当に自分一人でイけるんだって、思ったのが正直な感想。
でもその顔はやっぱり、幸せそうで。
一人で見てるだけの俺がなんだか二人しかいないけど場違いみたいにも思えるっていうか、ネ。

俺に見られてるだけで、こんなになる男って、お前だけだよネ。

たいしたもんだよ、

ほんとに、

可愛いやつ。

まるで俺だけのために完成した姿。


欲張りな指。
二本で奥に進み、それから引いて、
二本で芯を擦り、そこから快楽の追撃を受ける。

『イクイク、イッちゃう、』

聞こえてきた声を文字にすると、昔見たそういう映像の女たちのそうでもなさそうな声と一緒だ。
ああ、こういうこと、お前も言うんだ、って。
いや、それは今日に始まったことじゃないけど。
言うよ、普段のセックスでだって。
でもそれって俺が与えてるものからくるもので、
今は自分で与えて自分で楽しんでいる上で言ってるんだ。

すげえなって、思っちゃう。

なあ、お前が今後いない夜なんてのがあったらさ、
俺はお前のこの姿を思い出して楽しんじゃったりするようになるのかな。

『あぁ、もう、いい…?』

自分で楽しんでいるのに、果てることの許しを乞うらしい。

俺に見られ、
俺を見ながら、
自分の指で、
自分の芯と奥を遊ぶ。

高まるものに許しすら乞う。

『ダメだ、』

一蹴。

『あぁ、』

瞳は見開いて、唇が悦に歪む。

そしてこともあろうか、その瞬間に達したらしい。



この男は、支配され、心を握られ、選択を拒まれて達しやがった。

とことん俺でしか生きられない男らしい。


上等じゃないか。


俺はね、チャンミン、そんなお前しかもう、愛せない。
お前が変形した愛情を持っている特異体質だとしたら、
俺はそんな特異体質しか愛せない異端児なんだろう。



だってサ、白く塗れたお前を見て俺だってガチガチになれるんだ。

まいったね。




ーside CMー


真っ白になってしまった。

ダメって言われた瞬間、真っ白になってしまった。

頭も、手も。

こんなのって初めてだ。
たまらなかった。
気持ちよった。
僕のいけない性癖を見て、
まだダメって、それってもっと見せろってことなのかなって思考が反応する前にゾクゾクして、
イッてしまった。

ダメって言われることで、求められているのか、って。

こんなこと、初めてだ。
一人で慰めてきた中で、貴方はいつも僕を甘やかしてきた。
新しかった。
慰めている中、拒んでくる貴方の顔なんて、今まで思い描いたことがなかった。
出てきてくれたことがなかった。

生身の貴方に拒まれて、達してしまうほど嬉しく思うなんて、初めてだ。

『ダメって言ったのに、』

貴方の声に、体が反応する。
体の奥からまた熱いものが込み上げる気がした。
今日で三回目の吐精だ。
出るものは、出るらしい。
目の前に貴方がいる限り、絶え間なく生産されているのだろうか。

『真っ白だな、チャンミン、』

透明でヌルヌルしたものと、白くてドロドロしたもので濡れた手を掴んでくる。
もう、次は何を言われて何をされるのか、気になって気になって、期待してしまっている体になっている。
僕の体はもう、まともじゃないんじゃないかな。

呼吸を整えるのに精一杯で、彼を見上げているだけだった。

そしたらね、彼は自分のもう片方の手で服を下げて大きく大きくさせた僕が大好きな大好きなそれを目の前で出してきたんだ。

クラクラした。

夢なんじゃないかって思った。
見慣れている。
ここ最近は毎晩見ている。
それで貫かれて気持ちよくなっている。
でも、今日はちょっと違う。

クラクラしたの。

僕はどうなっちゃうの。

いつもどうにかなっちゃってるのに、
今夜はもっと、どうにかなっちゃいそうで。

怖かった。

『して?』

僕の汚れた手で、貴方の芯を掴ませられる。

そこは、命令しないんだね、従うように言わないんだね。
僕に選択させるんだね。

ふふ、

変なの。

『ご褒美、』

その単語に、背中が震えた。

『やるから、』

どんなご褒美なの。
ううん、なにもいらない。
なにかが欲しいんじゃない。

貫かれたいだけ。

僕は三回だ。
貴方はまだ、これから一回目。

貫かれるには、まだ早い。
そう言い聞かせて、僕は手にとった芯を唇で迎える。
熱くてヌルヌルして、先っぽだけが柔らかくて、ドキドキした。

『ん…』

くわえただけで、僕のぬるかるみがまた、沸騰しそうだ。




ーside Uー


瞼が落ちて、鼻から息が抜けていく。
俺をくわえるために、大きく静かに呼吸を整える。
汚れた手で支えて、一度深くくわえたあとに、ゆっくりと先に向かって唇が動いた。
唇のあとに、舌がついてきて這ってくる。

たまらない瞬間。
先まできて、それから折り返すようにまた喉奥のほうまで含まれる瞬間。
これが、たまらない。
唇をきゅっとすぼめられて、きつくなる瞬間。

『んふ、』

呼吸。
吸い込みきれなくて、吐き出しきれなくて、少し苦しそうにする。

『はあ、』

それでもまた、奥まで入れては、先に向かって唇と舌を動かす。

『おっきい、』

うっとりと、言った。
苦しそうでも、嬉しそうに唇が一瞬上がる。
赤い舌が見えた。
一度口から出して、先だけを口にすると舌を踊らせてきた。

チャンミンの口内から、湿った音がした。

ああ、ぶっかけてやりたい。
手が白く濡れたように、
汚れたように、
今度は俺で真っ白にぶっかけてやりたい。

最低な思考だと思う。

どこまで俺はチャンミンを汚したいのだろう。
落としたいのだろう。
堕としたいのだろう。

吸い上げては俺を引き出そうとする動きに変わる。
口は開いたままだから、唇からまた濡れたものが伝ってくる。
手も、腹も、口も濡れている姿だ。
真新しいシーツの上、ぽつりぽつりと、すでにシミを作っている。

ズルリと音を立ててなにかを啜って飲み込んだらしい。
ゴクリと喉がなった。

それから、瞼を持ち上げて俺を見てくる。
唇が一瞬離れた。
目が見上げてくる。

『ユノ、』

見上げてくる顔が上気して、目尻がもう、抱かれたあとのあの色になっているんだ。

もう少しなんだけどな、まだ、もう少し、甘い。
ぶっかけてやるまで、まだ少し足りない。


俺はチャンミンをどうしたいんだろう。


守りたいのか、
壊したいのか、
汚したいのか。

『気持ちいい?』

不安げに見てくるのは、何故だろう。

『足りない?』

首を少し傾けて、聞いてくる。

『足りてる、けど、もう少し。』

なるほど。
大丈夫、お前の気持ちは足りてるヨ。
足りてないのは、もう少しの刺激。

不安な桜色が明るく色付く。

それからまた、チャンミンは瞼を落とす。
あたたかい中に俺がくわえられる。
今度は口のなかで溶かれるように揉まれるんだ。


チャンミンを見下ろしている。
時々短い声を漏らしながら、首と顎を動かして出し入れするみたいに動いてくれている。

落とされたと思った瞼が上がって、こちらを見る。
気持ちいい?って、目で聞いてくる。
健気な姿がある。
俺のために、誰にも見せられない画図になってまで。


高まる。

その健気な姿に欲情している。

俺が。


『んっ、』

俺が動く。
お前の口のなかなで。
俺が動く。
苦しそうに目を開いて、顔をしかめる。
その苦しさを緩和しようと、呼吸と舌の動きを順応させてくる。

俺に尽くそうとする姿。

『なあ、チャンミン、』

俺に愛されるための姿。

『どうされたい?』

俺に、どうされたい生き方なんだろう。

男が、男をくわえている多分普通ではない姿。

決していいものではないものをくわえて、
俺に支配されるみたいな姿になって、
身体中を汚されて、

それでもなお、

こんなふうに笑っているのは、

どうしてなんだろう。

『ふふ、ぼくが、』

『うん、』

笑う。
嬉しそうに、笑う。


『のみこんでしまいたい、』


濡れて汚れた唇が言う。

何を、
俺を、

愛を、


それか。


高まる。

俺の、愛が。



俺の、多分綺麗ではない、片寄って育った感情が、高まる。










ーside CMー


どうされたい、

そんなの決まってる。

愛されたい。

それだけだ。



今、僕たちは多分いつもとは少し違う雰囲気。

もうなんでこうなったんだかは忘れてしまったよ。

貴方のにおいに頭のなかがドロドロになってしまっている。



支配されるみたいな、
包まれるような、
そのなかで活かされるような。

歪んるようにでも、
神聖なものにも、

見えてしまう。


のみこんでしまいたい。


全部全部、貴方をのみこんで貴方を僕のなかで活かせたい。


のみこんでしまいたい。


もうひとつでいいじゃない。

もう、ひとりでいいじゃない。

僕たち。


だから、のみこんでしまいたい。

それが叶わぬのなから、

のみこんでしまわれたい。





ピンと張りつめるものを感じる。

もう少し、あと少し。

貴方が僕の口のなかにやってくる。

おいで、おいで、はやく、おいで、

全部全部、のみこんであげる。


『んっ、』

余裕がない声が聞こえてくる。

胸が高鳴る。

『あ、あ、っ、』

可愛い。

僕の口で感じてる声。

吸いとってあげる、
飲み込んであげる、

一滴残らず。

貴方の白いドロドロを、僕の体液にしてあげる。



それなのに、





『あぁッ』



苦しかった。

引き抜かれた瞬間。

でも、どうして抜かれてしまうの。


ムッとする、貴方の白いにおいがした。


頬が、顔が、


ドロッとして、熱かった。















21に、続く。

ユアマイン19(閲覧注意)

ーside Uー

否定しない。
拒否もしない。

ただ、恥じらい、
ただ、認める。

芯を持たせて滴にしている。
俺に見下ろされ、
俺を見上げ、
俺で感じて、
ぷつりぷつりと珠をつくって期待している。

短く飲み込まれた息は肺まで届かず、もどかしそうに更に俺を見上げる。

見てみたくなったんだ。
今日、どんなふうに俺で感じたのか。
ここまで辿り着くまでに、俺で慰めてきたっていうことを見せてもらいたくなったんだ。

俺に触れずに、
自分だけを触れて、
どんな顔をして放つのか。

見てみたいと思った。

足は開かせたままだが、手は自由にさせてやっている。
けれどチャンミンは逃げない、抗わない、拒まない。

ただ、これから俺に何を言われ、
何をされて、
何を感じられるのか、
期待しているんだ。

可愛い。
本当に可愛いよ。
こんなに従順で淫らな彼氏はいないと思うヨ。

俺で造り上げた、天然素材そのままの宝石のような、
強い色香を放ち咲き誇る大輪のような、
惹き付けて病み付きにさせる危ない類いのものだ。

『どんなふうにしてたのか、見せてみろよ、』

その言葉を恐れていたかのように、
待っていたかのにように、
喜んだかのように、
肩を震わせて目を見開いた瞬間があった。

『ちゃんと俺のこと呼んで、してたんだろう?』

こう言ってやると、答えるはずだから。
俺の一言で、一句で、芯を震わせる。
感じながら頷いて、ひとつだけ息を漏らした。

『見ててやるから、ほら、』

シーツを掴んでいたその手を掴んで、珠を作っている芯に導いてやった。
足を閉じることは、俺が間に入ったことでは封じている。

親指と人差し指で芯に添えられた。
見たくないと言うように目を逸らす。
けれど、俺の視線からは逃げられなくて、結局俺の顔は見上げるんだ。
顔の向きは、背いても、視線は俺から逃げられなくて従っている。

『ユノ、』

震える声で、俺を呼んだ。

『ちゃんと、ちゃんとご褒美はちょうだいよね、』

精一杯の、抵抗なのか。
ちょっとだけ睨むと観念したかのように背中の力を少し抜いたようだった。

『もちろん、俺だってただ見て終わるだなんてできやしないサ、』

だって俺たち、そこまで自分達をコントロールできる作りじゃない。




ーside CMー


求めてくれるのだから、同罪だ。
むしろ貴方の方に罪がある。

僕のこと、こんなにしたのは、貴方なんだ、

ユノ、見せろっていうなら、ちゃんと見ていて欲しいよ。
僕は貴方を想えばどこまでも浅ましく濡れることができるんだ。
貴方のせいなんだ。
本当に本当に、この責任をとって欲しいよ。

もう、貴方以外の何かでは濡れることなんてできないんじゃないだろうか。

それならそれで幸せなことだ。
けどね、わかっていて欲しいの。
本当に本当に、僕には貴方しかないのだと、わかっていて欲しいの。

求めて。
求められたいから。
いつでも。
いつまでも。

『…ユノ、あのね、』

『なに?』

自分で触れているそれはもう、指がねっとりと濡れていた。
それを上下にゆっくり動かしてみた。
見られているというだけで、それも、指も、僕のものではないみたいだった。
ひとりでした時の感触とは全く違うんだ。

『見られているから、同じようにはできない、』

だって、だって、

『どうして?』

貴方の目が、あるから。

『居るだけで、もう、イッてしまいそうなの、』

強がりも、嘘もつけない。

生身の貴方に見下ろされている。
それだけで、触れなくても果てることができるんだ、きっと。

『じゃあ、なおさらだ。してよ、』

そんな風に言われても、
どんな風に言われても、
貴方が求めてくれるなら、
僕は断ることなんてできない。

ひとりでに濡れて気持ちよくなっていた僕のそれは、触れてあげる回数を増やすとさらに芯を持ってまた欲望として大きくなったようだった。
ほんのすこし、触っただけなのに。
もう、この有り様だ。

クチクチと、僕が鳴き始める。
貴方を求めて、水っぽく、それよりもねっとりとした音を立てる。
親指と人差し指が、足りないと自分達で言いながらも、止まることができなくて走り続けているよ。

見て、

ユノ、

僕は見られてこんなに感じている。




ーside Uー


本当は今すぐにぶちこんでやりたい。
気持ちよく泣かせて、ぐしゃぐじゃにしてやりたい。
そういう姿が見たい。

でも、まだ違う姿を見せて貰えるみたいでさ、
せっかくだから余すことなく、
見せてもらうことにするヨ。

慣れた手つきだった。
思えば、【慣れた】なんていう印象があまりない気がする。

人に、
会話に、
イベントに、
ハプニングに、
サプライズに、
俺に。

どちらかというと、いつも自分を探して、俺を探している気がする。
追って探して、探りながらも突き進む印象が強い。

進むことだけは、俺よりも強い。

この男の向かう先は、俺だけだったから。

『あはぁ、あ、』

キリキリと絞られるように立ち上がっている。
その慣れた手つきが、自分が好む場所を熟知している。
もう、何度も何度も、こうして俺と交わっていたのだろう。
顔だって、もう、どっぷりと楽しそうに濡れている。

『あぁ、く、あう、』

声も。

『んぁ、』

いつも俺に甘えるように伸びてくる指が、今夜は自分を追い詰めるために動いている。
こんな躍り方をするお前の指は初めて見たヨ。
俺としていてさ、俺を踊らせる指は何度も見てきた。
何度もお前の指にいかされたよ。
その快感度数が高いことも、知っている。
体が覚えている。

『あぁん、』

自分で自分を追い詰める声が響く。
俺のことを見ながらそんな声を出す。
狙ってるんじゃないかな。
違う?
俺のこと見上げながら、甘えたような声を出すなんて狙ってしかいないんじゃないのか。

『ユノ、見て、もっと、』

触ってとは、まだ言わないらしい。
本当に一人遊びは卓越しているようだ。

腰だっていつの間にか浮いている。

唇も、もうずっと笑っている。

恐ろしい男だよ、お前は。

『あぁっ気持ちいい、ユノ、ユノ、』

俺の方が、お前の一人遊びを見ていられなくなりそうだ。

楽しむお前の一人の世界に、

いや、

一人の快感のなかにいる俺という二人の世界に、俺自身をぶちこんでやりたくなる。

ああ、でも、興味はまだ、もうひとつあるんだ。

なんだか今夜の俺ってば、嫌な人間だな。
まあ、その嫌な人間にドロドロになって喜んでる人間もいるんだけれど。


『なあ、』


ーside CMー


呼ばれて、
あと少しというところで、
ほう、呼ばれて頭のなかが少し醒めたんだ。

彼の唇がなにかを企んできれいに角を上げていた。
大人の、セクシーで、悪戯っこの唇。

ああ、今度は何を言われるのだろう。

もうイッてしまいそうだというのに。

貴方の見つめながら、貴方に見つめられながら果てることができるなんて、
今、そう考えただけでも、ほら、

こんなに僕は瞬間的に濡れさせることができる。

すごいでしょ、ユノ、

僕は、僕は、毎日毎日、貴方を想ってこんなことをしていたんだ。

ごめんなさい。
ついに見せてしまった。

でもね、もう、止まらないの。
一度貴方で気持ちよくなってしまえば、
貴方自身に気持ちよくしてもらわなければずっと止まらないと思う。

ああ、早く言って。
僕がイッてしまう。


『ここは、使わないの?』

やっと言ってきたと思ったら、急に彼が触れてきた。
言いながら触れたのは、
貴方を受け入れるために変形さえしてしまったのではないかという、あの場所。

芯から溢れて流れ続けるもので、彼の指が当てられたそこは湿地のようにぬかるんでいた。

触ったと思ったら、そんなところを、

もう、ダメだ、

ダメだ、ダメだ、独りで繰り広げてきた世界を塗り替えられる。

これからの独りでの楽しみを与えないで欲しい。

貴方がいる生活に、僕の独りの楽しみを、貴方が与えてくるなんて。

酷い。
酷く酷く、甘い。

『なあ、どうなの、使わないの、』

使わなかったことは、ないよ。
でも、
これまでの僕の体とはもう違うんだ。
貴方を受け入れるためにできてしまったように変わってしまっているんだよ。

例えそれが指だけだったとしていても、
僕の指だったとしても、
こんな状況で貴方に見られているのなら、
そのぬかるみに降り立った瞬間に、
僕はさらにディープで貴方さえも引き上げられない世界に向かってしまうかもしれない。


ああ、ダメだよ、いれるなら、貴方がいい。

でも、見てもらいたい。

ダメだ、ダメだ、もう、ダメだ。



彼の指が抜かれる。
僕の湿地に火だけ置いて、離れていった。

消えてしまう。

ダメ、

消えちゃダメ。

僕の体、

ごめんね、

もう少し、僕で楽しんで。

僕の指だけど、

彼が見ていてくれるから、

楽しんで、

よろこんで、

彼に見せてあげて。





本当は、指なら指で、長くてきれいな貴方の指がいい。




僕のあとに、もちろん貴方のご褒美もくるんだよね?



ねえ、うんて、言って。



言ってくれないなら、


今すぐ僕のなかに来て
掻き回して、
ディープな世界に突き落として、
そして貴方も、一緒に落ちるの。




ああ、きもちいい。





指が、ぬかるみで、火を囲い、


そして踊る。

















20に続く。
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