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スクエアラブ48(閲覧注意/U)

スクエアラブ37(閲覧微注意/U)

ーご連絡用ー

スクエアラブ25(閲覧微注意/CM)

とても男らしくて、長くて、節が出た指。
爪を立てられると体の内側からなにかが溢れ出すように潤むのがわかる。

僕は僕を立ち上がらせて、

外気に触れている肌を粟立たせる。

僕の肌の上で、彼の指が踊った。

爪で蹴りあげる。
指の腹で滑る。

その度に僕の体は正直に歓喜した。
踊らされたくて、悲鳴をあげる。

『シウォンと頻繁に連絡とってるんだ?』

指が、胸に、腹に食い込む。

『あぐ、うう、そんな、でもない、』

立ち上がったもの掴んでくる。

ああ、やさしくして。
お願いだから、泣かせないで。

『今でも好きなんじゃないの?』

嫉妬に燃えている指だ。
ぎゅっと、握られて、爪を立てる。

『あぁっ、』

そりゃあ、大好きだよ。
シウォンもキュヒョンも大好きだ。

好きで好きで、なくちゃいけない人たちだよ。



『どうなの、』
『ひんんっ、』

掴まれたものが、圧迫されて破裂しそうだ。

だいじにして、やさしく触って。

気持ちよくて死んじゃいそうなんだから。

『きらいなひとと、連絡なんかとらない、』
『ふうん、』

でも、納得なんかしてくれるはずもなくて。

彼の指はもう、僕の中に入ってきた。

『ゆのっ、』

手首を掴んで止める。

だって、僕はお風呂に入っていない。

『あいつのこと、まだ好きなんじゃないのか?』

もう。

この人はーーー


亡霊は、どこに行ったの。
本当に極端なんだから。
遠慮していたそれまでの僕の本音と本能の行き場が、無くなってしまうじゃないか。

本当に、この人は恋愛をするとそれだけしか見えなくなるのか。

恋愛。

僕と?

僕に?

いやだ、今は考えたくない。
今日で整理しなくちゃいけない感情はたくさんあるんだから。

『どうなんだよっ、』
『痛いっ』

鋭い痛みに襲われる。
後ろから手を伸ばして掴まれている手首の血管が浮き出た。

目の前が少しくらっとした。



背後で彼が息を飲んだ。

『…ごめん、』

そして手を離され、体を離される。
振り向くと、彼はそのままソファに腰を落とすように座った。

手で顔を伏せて、頭を揺する。

『ユノ、』

『ごめん、』

いいのに、もう、いいのに。

『ごめん、ユノ、平気だから、』

また、泣いてしまう。

僕の、バカヤロウ。


まだまだ、不安定なんだ。
ダメなんだ。
起伏があるんだね。

僕という存在そのものに、掴まっていてくれたんだ。
掴まっていられれば、明るくもいられたってことなんだね。

それゆえに、離せなくなっていた。

そうでしょう?



そばに誰かがいる。

そのことそのものに、貴方は安堵していたんだね。




『ごめんね、ユノ、大袈裟だった、もう痛くないよ、』

彼の体を包(くる)んで、引き寄せる。
すぐに皮膚から後悔の念が伝わってくる。

半端なことを口にしてはいけないんだ。

そうなんだ。
この急展開に自惚れてはいけないんだ。

ユノの心の声をしっかり僕が理解するまで、受け止めることに徹しなきゃいけない。


そっと、そっと、包(くる)むように。


『ごめん、チャンミン、ごめんね、』

だから、いいのに。

でも、ありがとう。

胸がぎゅうぎゅうで、苦しいよ。

でも、何も言ってあげない。
言えないの。
半端な言葉で貴方を揺らしては、いけないんだ。

後悔して、すこしだけ瞳が潤んで、僕を見てくる。

大丈夫、大丈夫、僕はここにいるよ。
もう、今夜はここにしかいないんだよ。

ユノ。

わかって、お願い、伝わって。

『やさしくするから、だいじにするから、』

『うん、』

だから、そう付け足すように言って、僕をソファに押し倒した。
見上げた顔はまだ少し不安げだった。
僕の顔に触れて、唇を噛んでまだなにかを悔いているみたいに悩む。

いいのに、悩まなくていいのに。
解放されようよ。
してあげたいよ。

ユノ。

しんどいのは僕だけでいいよ。


おそるおそる、怯えながら唇を落としてくる。
それを受け止める。

『いい?』

『いいよ。』

ほら、また、こころのあめ。

きれいだよ、ユノ。

きれいだ。

かわいい。




笑うから、笑ってよ。

言えないけれど、笑うから、笑って。

僕は今、貴方だけのために、この四角い部屋にいるの。
箱の中にいるの。
貴方の丸い瞳の中にいるの。

貴方の心の中には、僕はいるの?

僕の心の中には、貴方がいるんだよ。

それも言えないけれど、伝わるかな。
受け止めるから、探してほしいんだ。

僕を見つけて欲しいよ。











彼の唇は僕の機嫌を伺うように角度を変え、そして舌で探ってくる。
ユノはキスがとても上手だ。
シウォンとはまた違う感じ。
二人とも情熱的なものをくれるのは似ているけれど。

ユノは、荒々しいのにとても美味しい。
力強いキスのなかに、ちゃんと優しさがある。
大事にしすぎている感じもちょっとあるかもしれない。

好きだよ。

貴方のくれるキスが、好き。

とっても、好き。




恋人みたいに手と手を、もうひとつの手と手も、指の間に指をいれるあんな感じに握りあってキスを繰り返す。

何度も何度も、唇を押し付けては離して、
何度も何度も、手を握り直して、
何度も何度も、互いの唇の隙間から呼吸をして、

僕たちはソファの上で互いの存在を確かめあう。

心の種類は、まだ確かめられない。

だから、とりあえず、とにかく、

僕たちはお互いにここにいるのだと、

自分たちに言い聞かせるの。


散々盛り上がっておいて、僕はまだ体をきれいにしていないことに気がつく。
でも、やっぱりダメ、なんてもう言えなくて、彼がいいと言うならいいことにしておく。

本当は、イヤだけど。

きれいにしたい。

きれいな体で、楽しんで欲しい。

キスだけでもう一度膨らませたものを擦り付ける。
そう、手と手を握ったままね。

押し付けたり、腰と腰でぎゅってしてみたり。

ちょっと見上げるとすぐに視線が合うの。
彼は少し照れるように笑う。

笑ってくれる。

ふふ。

よかった。






セックスがこんなに神聖なものだとは思わなかった。
儀式みたいにも感じる。

今夜の彼は遠慮がちに入ってきて、
そして好き勝手にまた暴れていく。

けれど出ていった後はとても優しくて、
また入りたがって膨らませてくる。

何度も何度もおねだりをして、
僕のなかで楽しんでいく。

まともな言葉なんかないけれど、
でも、
僕たちは確かに、
互いの存在を認めあっていた。

刻みあっていた。

彼は僕に留まるように懇願し、

僕は彼に安堵を与えたくて容認する。



そして降りだす、こころのあめ。

笑いながら、

震えながら、

貴方は優しいこころで、

あめを降らす。


誰よりも繊細で、

誰よりも気高くて、

誰よりも寂しがりやの貴方。









きっとあの人では、

貴方の大きすぎるハートはいつまで経っても受け止められない。

きっとあの人では、

貴方のプライドを見つめて包(くる)むことなんてできない。

きっとあの人では、

貴方の一番可愛いところを見つけられない。





あの人では足りなかった、

見つけられなかった、

届かなかったものを、

僕が見つけて包(くる)んであげる。



貴方の角を、包(くる)んで丸くしてあげる。




『ユノ、』



『チャンミン、』





まだ、言えないけれど、


今、この瞬間、貴方を想う人間は、


僕が一番強いんだ。






約束通り、

彼は殊更優しく、

僕をだいじに抱いた夜だった。



























続く。
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