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エンドライン9(閲覧注意/Ky)

早く終わらないかなっていう気持ちは、
恥ずかしくて、
恥ずかしくて、
恥ずかしくて、
たまらなかったから。

ボクから出てくる声とか、
お尻で感じるシウォンの熱いものとか、
擦られてきもちよすぎるボクの熱いものとか、
そういうもので死んじゃいそうなくらい恥ずかしかったから。

『あ、あ、あ、』

こんなに強く擦られたことなんてない。
そもそも誰かに擦られたり吸われたりしたことなんてない。
自分で触るのとはまったく違うんだ。

『あぁ、あっ、んんっんっ!』

これがセックスってものなのか、なんて思ってる自分がまた恥ずかしくて死んじゃいそうだった。

もう、何を考えても恥ずかしくて恥ずかしくて、恥ずかしくて。

やっぱり思うんだ。

お風呂に、入ってからのほうがよかった。

ああ、恥ずかしすぎて、死んじゃう。


『どう、きもちいい?』

なんか余裕がある聞き方だな、ちょっと腹立つ。

でも、きもちいいんだ。
本当に、こんなのは初めてだ。

不思議なもので、さっきボクのなかに入ってきたあの部分が疼く気がするんだ。
生まれて初めてあんなことをされたから、ソコが目を覚ましたというか、
とにかく疼く気がする。
入り口じゃなくて、奥がムズムズする気がして。
あんなところに指でだって痛かったのに、シウォンの馬にも匹敵しそうなそれを入れられたりなんかしたら、
喉から腸と心臓がでてきてしまう。

シウォンは、どうなの。

聞けやしないけど。
まともに喋れなんかできやしないから。
キミは、ボクで気持ちよくなれるの?
入れてないけど、気持ちいいものなの?

『しうぉ、んな、っ、あ』

ほら、名前すらまともに呼べない。

お尻にあったものが、いつの間にか足と足の間になってる。
ボクの足と足の間でシウォンが行き来している。
これもものすごく、エロくないか?
ねえ、シウォン、もうダメかも。
キミのそれが刺激的すぎる形で、やっぱり恥ずかしくて死ぬ。

逃げたい。

でも、もう、逃げたくない。
シウォン、キミからもう、逃げたくない。

『シウォナ、』

おお、言えた。

彼の顔がボクを覗いてくれる。
一度体の揺れが止まって、キスをくれた。
お互いに呼吸は荒いんだけれど、優しいキスをくれたんだ。

『きもちいい?』

キミは、どうなの。
教えて。
中には入ってこないのに、きもちいいの?

『きもちいいよ、お前と重なってるだけできもちいい。』

そう言うけど、本当はどうなの。
って、思うんだけれど、
彼の顔は素直にボクに喜んでくれている顔をしていたんだ。
ボクに陶酔しているような、うっとりしてくれている、あの顔。

だから逆にね、また少し申し訳なくなった。

『ごめん、今度は、ちゃんと、』

入れて貰えるといいなとは、思うんだけれど。
毎度こんなだったら、やっぱり物足りなくなるだろうと思う。
いや、わかんない。
わかんないな。
だってボクに入れるであろうそこは、女の子のアレとは違うんだもの。

ああ、ダメだ、ボクはなにを考えているんだ。
また恥ずかしくなってきた。

『いい、今だってちゃんとしてくれてる。』

ボクがなにを言いたかったのか、分かったようだった。

肝心なところは、本当に優しくしてくれる人だと思うよ、キミは。

でもね、キミはボクに臆病になる癖があるんだ。
今も、それなんじゃないかなって、思う。
ボクが痛くてもうしないとか、嫌いだとか、バカとか、そういうことを言ってしまうことを恐れて、今を満足しようとしているんじゃないかって思ってしまう。

『でも、』
『いいんだ、キュヒョナ、』

足の間がベトベトだ。
全身、不快なものでいっぱいだ。
でも、彼はまた、優しいキスで愉快にしてくれた。

ボクの心を。

ねえ、シウォン、キミはもっとボクの内側に来てもいいんだ。
おいでよ、仲良くなろう。

その線を、跨いで来て欲しい。

『キュヒョナ、聞いて、』

彼の手が、ボクの頬にやってくる。
それから目を覗かれて、きちんとなにかを伝えてくれようとする。

『今だいじなことは、お前を壊さないことだ。』

優しく、優しく見つめてくれる。
なんだか、言葉の通りに。

『俺たちは終わるために一度は望んだけど、今は真逆だよ、』

声も、優しい。
とっても、優しい。
いつだって、優しいのに。

『お前に合わせられないようじゃ、きっとまた傷つけるだけになる。』

何でも合わせようとしなくてもいい、率直にそう思った。
キミの我慢も、心配だ。

『キュヒョナ、お前がこんなに近づいてくれたのに、俺が遠ざけるようなことはもうしたくない。』

まただ。
ほら、優しいのが仇になるよ。
もっと、もっと、そう。

強引でいいのに。

『それが俺がすべきことなんだ、他とは違うことをお前に示してやれることが、さ。』

他。
これまでの、人。

『本当に、だいじな人になってるんだ、お前のことが。』

彼は、ボクのどこかに忘れてきたような手を拾ってきて、自分の唇に寄せてきた。
そして祈るように、目を閉じた。

胸が、ちょっと苦しくなった。

自惚れてもいいかな。
愛されてる、なんて。

シウォン。
キミは、優しくて酷い男だ。

きっともう、キミから離れらない。

僕たちの間にある線を、結局はボクに跨がせたね。


『シウォナ、』


彼の唇にあったボクの手を退けて、彼の視線もボクにまた向けさせる。

ボクを、見て。

『シウォナ、今日はごめんね、やっぱり最後まではあげられない。』

彼は、うんと頷いてくれた。
ありがとう、シウォナ。

『でも、また、試してみて欲しいんだ、』

聞き分けよく、また頷いてくれた。
ありがとう、大好きだよ。
言えなかったけれど、恥ずかしくて。

『いつだって、来て欲しい、ボクの、内側に。』

ボクはもう、キミの内側に入ってしまったつもりだけど。
だからこれから、キミの内側を見て回ろうと思うんだ。

言っていて、また恥ずかしくなってきた。

顔が熱い。

でも、一言出け。
もう、今日は言わないから。

それがボクの、キミに示せること。


『シウォナ、ボクはもう、キミに夢中だ。』


悩むのも、腹が立つのも、全部キミに夢中だからなんだ。

ボクの体で、いつかキミがもっと、ボクに夢中になってくれたらいいのに。

これはさすがに恥ずかしくて一生言えやしないけれど。



『シウォナ、おいでよ、ボクを連れていけ。』




体の揺れがまた、再開する。
でも、心は揺れないんだ。
しっかりと、彼に包まれているから。

『あ、あぁ、』

背中から覆い被されて、ボクの足の間にはキミ。
それから、ボクを掴んで一緒に楽しませてくれている。

『あう、あ、はんっ、』

耳元で囁いてくる。
ボクの、名前。

『しお、なぁっ、あ、しおなぁっ』

見えないけれど、彼の唇はきっと笑っていてくれている。

『ダメだめダメっ、いく、』

足の間で、キミが大変なことになっている。
いつか、いつかね、準備ができたらキミのそれで感じてみたい。

その時は、キミの顔も見せて欲しい。

そして一緒に、あっちにいこう。

『しおなぁっいっしょに、いっしょに、』

ボクを握る彼の手を、掴んでた。
少しでも、一緒だってことを、感じていたかった。

ガンガンと激しく打ち付けてくる。
これが彼の力なんだと思うと、鳥肌が立った。
これにいつか、壊されたいと、願ってしまった。



彼がやってくる。
ボクで感じて、上り詰めようとしている。

ボクはもうとっくに、上り詰めていたんだけれど。

『キュヒョナ、』

名前を呼んで、ボクでイッてくれるまで、頑張ったんだ。
これぐらいは、いっしょに、そう、思って。


『ああ、』


彼に見せてもらった真っ白の世界。
一緒に飛び込むこの瞬間。

誰かと飛び越えたり、
誰かと飛び込んだり、
誰かとはみ出したり、

ボクにとっては初めてのことだったんだ。

それらが、シウォナ、キミとでよかった。

ありがとう、

声に出しては言えないけれど、

嬉しく思うよ。



ボクらの共同作業がまたひとつ、増えた夜だった。





















次でラストです(*´-`)

エンドライン8(閲覧注意/Si)

経験無し。
ピカピカのキュヒョンだったわけだ。
じゃあ、俺が最初で最後の男なんだな、キュヒョン。
嬉しいよ、嬉しい。
つい嬉しすぎて笑ってしまったら怒られたが、怒られたことに悔いはない。
嬉しいことは嬉しいのだ。
これが喜ばずにいられるか。

キュヒョンと付き合えることになった次に嬉しいことかもしれない。

いや、ある意味一番の喜びではないだろうか。
このキュヒョンという男は、生涯俺という男しか知らないことになるのだから。

これまでの自分の経験は、すべてキュヒョンを喜ばせるためのことだったと言ったら殴られるだろう。
まあ、そういう訳ではなかったし。
でも、キュヒョナ、お前がこれだけ喜んでくれているなら、少しはよしとしてくれないか?

許してほしい。

『はぁ、しおな、』

もう、発音がヤバイだろ。
顔もヤバイな。
俺の好物であるあの唇がだらしなく開いていて、もったりとした唾液が唇の上で膨らみを作っている。

『しおなぁ、あっ、あ、』

口でしてやりながら、俺の口がにやける。
鼻にかかった声が最高にエロい。

日に焼けてない身体がソファの上でしなる。
とくに鍛えてはいない標準体型。
腹と肩が違う方向に捻れるようにして、快楽から逃げようとしている。
逃げられなんかしないくせに。
その快楽から抜け出せなくなって、毎晩俺を求めるような体にしてやりたい。

ソファに爪を立てている。
先端の溝に舌を捩じ込んで、痛いくらいに擦ってやる。

『ひんんっ』

だから、ヤバイだろ、その声。

自分でしたことくらいは、あるんだろうか。
そういう時も、お前はこんな声を出すのか?

『うぅっ、も、だめ、』

酔った時に犯したら、舌ったらずな声が聞けるのか?

だらだらと溢れてくるものを強く吸ってやると、ちょっとしょっぱい気もした。
それから、ソファを掴む手がさらに力が込められる。
芯が緊張している。

『あ、うぁあっ』

喉から出るような声だった。
こぼさないように口の中で受け止めて、ぐったりと力が抜けて沈んでいく。

『はぁ、…あ、やばい、しおな、』

俺のほうが、ヤバイ。
ちょっと想像以上だった。
疎いことが逆にエロさを加算させるというか。

不馴れなことに肩でしている呼吸は調子を狂わせているらしい。

『ちょっと待ってて、』

アレを取ってくる。
ソファから降りて、ベッドのサイドボードへあるものを取りに行こうとした時だった。

『どこいくのっ』

体を起こそうとしてうつ伏せなんだけど、こちらを見上げている中途半端な体勢だった。
声がしたから振り向くと、不安げに俺を見ている。
これで終わりと、思ってのことだろうか。
本当に余裕がないような顔で、目も潤んでいる。

『どこにも行かない、ベッドからいいもの取ってくるだけ。』

ソファの前にしゃがみこんで、半端な体勢のキュヒョンの目線の高さに合わせる。

『このまま放置されたらどうしよかと、思った、』

この男は、本当に初めてなんだろうか。
この態度が逆に確信犯というか、狙ってのものなんじゃないかとも思ってしまうぐらいだ。

『俺が放っておけると思う?俺まだ一回もイッてないのに、』

上気した頬を撫でて軽く摘まんでやると、餅のように膨れた。
ひとつひとつが本当に可愛い。
頭を撫でて、少しソファを離れる。

まったく、本当になにからなにまで可愛い男だ。

ベッドのサイドボードから取り出したのは勿論潤滑油。
これがあってもいたい思いをさせるかもしれない。
すぐに戻るが、キュヒョンの体はソファの上で丸くなっていた。
脱いだ服を、抱き締めていた。

『どうした、』

顔を伏せたまま、もぞもぞと動く。

『ていうか、ボクのセーシ、どうしたわけ?』

セーシ。
セイシ。
精子?

『飲んだ、』

ちょっと手に付いたけど。

『はあ!?バカじゃないの、汚いじゃん、なにやってんの!お腹壊すんだからね!』

それは、何情報なんだろうか。
こいつの知識は、なにから得たものだったのか。
胃酸で死滅するから問題ないだろう。

そもそも、お前のだし。

汚いとか、ないだろ。

顔を真っ赤にして真面目に怒っているキュヒョンが居る。

『ごめん、』

謝る気なんてさらさらなかったのだが。
条件反射のひとつだろう。
それから、もう、笑うしかできなかった。

可愛くて、可愛くて。

『キュヒョナ、』
『も、もう、寝るっ』

寝かせない、
まだ、だめだってば。
逃げようとはしない。
でも、その腕を掴んでソファの上にまた沈め落とす。

『なにそれ、』

俺が持ってきた手にしているボトルに気がついたようだ。

『痛くないようにする、アレ。』

あまり揺れない程の液体を振って見せてやる。
目はもう、素人以下だった。
中学生みたいな顔だ。
言葉をなくしている。
それから、また顔を赤くさせる。

『やや、やっぱりそんなの無理っ、』

なんの匂いだったかな。
ボトルのキャップを開けると、バラの香りらしい香りが漂う。
多分、バラっぽくさせた匂いだ。
こういう液体だってだけでなんの匂いでもいかがわしい香りにしか感じないだろう。

手のひらに重厚な液体の筋を垂らしていく。
組み敷いた体の間に運んで、その奥に這わせる。

『ひぅうっ、』

こいつの、ひ、とか、ふ、とか、ものすごく可愛い気がする。
穴として機能しているそこに指を当てて、押し込んでみる。
十分に濡らした。

『いだだっ、』

声の通りに、痛かったかもしれない。
指一本でも、だいぶきつい。
ローションを足して垂らしてやっても締め付けられる指への圧迫はすごかった。

内壁を擦って拡げてやろうとするのだが、頭を抱えてすっかりビビってしまっている。

『キュヒョナ、力抜いてみて、』

頭を抱えたまま、首を横に振った。

『わかった、今日は入れないから、』

仕方ない。
無理は、させたくない。
初めてのセックスなんてそんなものか。

『へ?』

は行の発音が、たまらなく可愛い。
本当に本当に、可愛い。

『大丈夫、ちゃんともう一回イかせてあげるから、』
『でも、しおな、』

ビビってるくせに、本当に本当に、可愛い。

『勿論俺も楽しませて貰うよ、』

ほら、お前には魅力的な尻があるだろう?
痩せた女よりずっといい尻をしているんじゃないかな。

キュヒョンの体をうつ伏せにひっくり返す。
再びローションのボトルを手にすると、もちもちとした尻の間に垂らしてやった。

『つめたいぃ、』

いわゆる、素股。

尻の間に押し込む。
入れてない。
挟んでいるというか、ね。

キュヒョンは状況を飲み込めず、後ろを振り返ろうとして身を捩っていた。

『なに?なにしてるの?こわい、』

『怖くない、痛くない、大丈夫、』

そう、痛くなくて、俺もお前も気持ちよくなれる方法。
ちゃんとあるから。


『んはぁ、』

ほら。




尻の間に挟んで擦り、
キュヒョンを掴んでこっちも擦る。

ちゃんと二人で気持ちいいから、大丈夫。

痛くない、
怖くない、

初めてだからこそ、気持ち良さを残してやりたい。



『しお、な、ぁあ、』




いつか、ちゃんと、お前から求めて貰えるように。















9に続く☆

エンドライン7(閲覧微注意/Ky)


シウォンはすでに着ているものが少なかったから、余計にどうしたらいいのか少し困ってしまった。

『あのさ、』

跨がった上から、動けなかった。
こうなったのは合意の上だが、あまり認めたくはないが自分は経験が乏しすぎる。

『なに?』

シウォンは大きな手のひらをボクの腰に添えて、ただ楽しそうに見上げてくるだけだ。

『どうしたらいいの、』

正直になりすぎた自分を悔いたら、顔面が火を吹いたように熱かった。
シウォンの大きな目が、更に見開かれる。
それから大袈裟な演出をするあの唇が笑うんだ。

『キュヒョナ、経験は?』

人の誇らしくない経験を嬉々として尋ねてくるなんて、嫌なヤツだ。

『知識しか、ない、』

黙って任せればよかったのに、また変なところで馬鹿正直になってしまう。
跨がった下にあるシウォンがまた硬くなった気がした。
ボクの経験値を聞いて興奮するなんて、ちょっと驚いた。
そういうものなんだろうか。

『じゃあ俺だけってこと?ほんとに?マジで?キュヒョナ、』

しつこい。
もう、言わせるな。
起き上がって顔を向かい合わせる。
ボクの顔が彼の手に挟まれてものすごく近いところに興奮気味の顔がある。

『だからなんなの、』

肩を押してまたソファに沈めてやった。
そしたら沈んだまま顔を押さえて笑ってた。
込み上げる笑いが止められないみたいな。
ものすごく失礼なヤツだ。

『そんなに笑うならもういい、しない、させない、風呂入って寝る、』

ちょっと不愉快だ。

『付いて来るなよ、』

ソファから降りてバスルームに行こうと思ったらものすごい勢いで視界がぐるんとかき混ぜられた。
そしてまた、ソファの上に戻っているボク。
真上には、シウォンの憎たらしい顔。
今度はボクが上に乗られている番になった。

なんなの。

『ごめん、ものすごく嬉しくて、』

本当に嬉しそうにする。
ボクの経験値を、本当に嬉しそうに喜んでいる顔だ。
自分は豊富なくせに。

ああ、そうか。
シウォンが豊富なのは、想像しなくてもわかる。
自分だけだったら、どんなに幸せかって気持ちは、わからなくもない。
だから、嬉しそうにするのか。
シウォンの体や触れ方を知っているのは自分だけだったら、どんなに満たされるだろう。
でも、シウォンはすでにたくさんの経験を積んでいることは学生時代からも知っていた。

なんか、またちょっとズルい。

今さらそこに腹を立てるつもりはないけどさ。

『これ以上笑ったら、もうさせないからな。』

『オーケー、わかった、もう笑わない、』

ボクを跨いで押さえつけたまま、両手を挙げて降参のあのポーズ。
見上げる腹筋も、またすごかった。






楽になる。
もう、任せる。
痛くしたら、つねってやる。

『経験値の差、考えてよね、』

口を開けば、ビビってるようにしか聞こえない言葉しか出てこない。
そして頭のなかでは、お風呂入らなくていいのかなとか、考えちゃっている。

もう、黙った方がいいって、自分でもわかってるんだけど。

『脱げる?』
『退いてくれれば、』

体を起こして上から脱ぐと、少し寒いと感じた。
下は、手をつかられなかった。
そこでボクの手は止まってしまったんだ。

『キュヒョナ?』

寒いけど、顔がちょっと熱い。
風呂に入る入れ替わりのときとか、お互いのものをまったく見せないなんてことはなくて、見られたり見てしまったりはある。
けど、致すために脱ぐなんて初めてで。

なんだか、

あの夜抱いてくれだなんてどの口が言えたんだろうと今更ながら思う。

さっきも。

なんなの、ボク。

『シウォナ、あのさ、』

もう、任せる。

『今日は、好きにしていい、シウォナに任せる。』

酷くされる趣味はないけど。
それから、シウォンも多分、酷くなんかしない。
わかってるから、もう、いいや。

『どうせ、わかんないし、』

ほら、また要らないことを言う。
可愛くないボク。

『優しくする、』

言われなくても、キミが優しいのは知っている。
ボクに許しを貰えないと、ここまでたどり着かなかったキミだもの。
優しすぎて、ボクにはちょっと臆病なキミ。

シウォナ、そんなキミが好きでもある。

イラッとしたけど、
全部ボクを傷つけないか、考えすぎちゃった故のこと。

『うん、優しく、して、』

もう、本当にさっきから恥ずかしいことを言っている。

一度目を合わせて、お互いにちょっとずつ頷く。

合図。
もう、いいよっていう、合図。





シウォンの顔が消えた。
下にされたボクの胸に、彼の顔があって、彼の唇は、ボクの胸の上で滑っていた。
これだけで、鳥肌が立った。
シウォンほど、体に溝がない。
それを恥じることもないけれど、こんなに丹念に唇が滑ると何が楽しいのか不思議でならない。

『ッ、う、う、』

掠める。
胸の上の、ただ乗ってるだけのアレ。
降りて来たシウォンの前髪も肌を掠めてくすぐったい。

『あ、』

吸われる。
小さいアレを、吸われる。

『い、いや、』

嫌ではないんだけど、意に反して出てくる自分の声にも驚いてしまう。
恥ずかしくなる。

『っ…、しうぉ、』

きつく、吸われる。
取れてしまいそうだ。
取れないけど、わかってるけど。

クソッ、次はこっちがしてやるからな。

そう思って、シウォンの胸を吸っている自分を想像してしまってまた恥ずかしくなった。
恥ずかしくて死にそうだった。





『ひ、』

変な声が出た。
彼と目があった。
だから、変な声が出た。

『予想通り、可愛い声してるんだな、』

予想とか、してたの。
へえ。
言うなよ、また、恥ずかしくなる。

前髪がある彼は、好きだ。
寝起きとか、寝る前とか。
普段はきっちりセットしているから、
こんなふうだと、
なんだか独り占めできているみたいで。


シウォンの唇がまた笑って、視界から消えた。

だからさ、溝なんてたいしてないのに。

胸の間と、下腹部に向けて、彼の唇と舌が滑っていく。
ボクは指で滑ったけれど、彼は唇でしたきた。
ボクがしていたように、彼もしてきたんだ。

くすぐったい。

そうだね、シウォナ、今またちょっと、わかったよ。
こんなことされたら、確かに変な気になるね。
ごめんね。
いや、謝る必要はないか。


だってボクたち、恋人だし。



それから、自分では下ろせなかったその下を、彼は優しく優しく、下ろしてくれた。
なんにも着ていないボクになった。

恥ずかしいといえば恥ずかしいけど、

急にそうでもなくなった。

変なの。

彼は、姿を現したボクに口付ける。

まるでボクにいつもしているキスのように、
優しく優しく、キスをする。

そこまで、反応はしていなかった。
緊張のほうが勝っていたみたいだね。

彼に愛撫を施されて、ようやく起きてきたみたいだった。

『あぁ、』

なんだか悔しいけれど、やっぱり気持ちいいものなんだ。

好きな人に触れてもらえるってことは、
とっても気持ちいいことなんだ。

『はぁ、ん、』

だいじにだいじにしてくれる。

すくなくとも、彼がボクと向き合ってくれている時は、

彼はボクを、一番にだいじにしてくれている。

『きもちいい?』

彼の口のなかに、ボクがいる。

きもちいい。

『う、ん、うん、』

きもちいいよ、シウォナ。

降りた前髪を、ボクがもっと乱している。


『あぁ、あっ、あ、』


彼がボクの頭のなかを乱している。




ボクのなかの、何かの線から、

彼がこちら側に来てくれようとしている。


飛び越えて、ボクのほうへと、向かってくれている気がしている。





『シウォナぁ、』




触れてもらえることが、

こんなにもきもちいいなんて、

生まれて初めて、知りました。














ェリーボーイ…(°Д°)
申し訳ありませんでしたガタブル
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