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ラブアンドジャスティス30(閲覧注意/U)

『おはよう、』

寝癖がついたままの頭でそう言ってきた。
午前七時。
毎日支店からかかってくる部下たちからの電話対応に追われて、座ってるだけなのに疲労困憊だったのもたたったらしい。
起きれなかったようだ。

改めてチャンミンの部屋を見渡した。
ダンボールがいくつもあった。
散らかってはないけど、片付いてもいない部屋だった。

ベッドが一番散らかっていた。
乱れて、汚れて、散らかっている。

チャンミンはペットボトルの水を渡してきた。
常温だった。
冷たすぎず、温かいわけでもない、一番飲みやすい温度。

ベッドに少しだけ弾むようにして座ってきた。
キャップを開けて水を流し込む。
体が求めるままに喉を通した。
その間にチャンミンは寄りかかって寝癖頭を預けてきた。

『遅刻しちゃうね、』

声が少し枯れていた。
俺のせいだろう。
昨夜のせい。
再会の夜に盛り上がりすぎて、野生に帰りそうだった。

『いい、すこし遅れるって連絡しておくから、』
『うん、』

やっぱり声は掠れていた。
それがまた色っぽくて、ちょっと押したら簡単にベッドに倒れやがった。
上に乗ってやったら、腕を回してきた。
俺の首に。
真下から見上げてくる。
それから何かを確かめるように、俺の頬に触れてきた。

『だめだよ、僕は大人の事情で有給使いまくるんだから、』

笑ってるのに、皮肉を言っているのに、泣きそうな顔をしてるのはなんでだろう。

『少し遅れるどころじゃ、なくなるよ、』

だったらまだ少し遅れるって、連絡するだけだ。

『今度は僕が、離せなくなっちゃうよ、』

それならそれで構わない。
こいつを連れて事務所に行くだけだ。

しかし、こんなヤツだったっけな。

どちらかと言うと、俺の方がベタベタしたがってたんじゃないかな。

結果、こいつが可愛ければなんでもいいけど。

『ねえ、お腹空かない?』

そういえば昨日の昼から何も食べていない。
それはこいつも同じだろう。

でも、とりあえずこいつを食べたい。

『めっちゃ空いてる、けど、』

見下ろす唇を食べる。
絶対にされるって、解ってた唇だ。
キスされる、食われる、朝からやられるって、解ってる唇。

『こっちが、先、』

食ってやると、わかってるって顔で笑ったのを俺は見逃さなかった。
しっかりと上に乗って、着ているシャツのなかに手を入れる。
指先につんと当たる胸。
感度がいいんだろうなと思う。
比較とかしようがないからわからないが。

『は、んぅ、』

キスをしながら胸を潰してやると、肩が大きく跳ね上がる。
膝が震える。
そして喉も。

『ふんぅっ、』

指先に力を入れて、胸を引っ掻いてやった。
顎が揺れて唇が外れる。

『ね、ゆん、んんふ、』

制止する手をまたベッドに縛り付けて、首筋から鎖骨まで吸ってやった。
上昇した体温。
耳元で喘ぐ声。
そこに朝の生理現象が加わる。

そうなると、もう、止まらないわけで。

昨夜脱がしてやった下着。
朝になったらいつの間にか履いていて、ちょっと悔しくて脱がしてやった。
抵抗もしないで、脱がすのを手伝うみたいに腰を動かしたぐらいだ。

女相手にこんな動きしないだろ。
じゃあ、いつの間にそんなこと覚えたんだよって、言いたくなった。

けれど、チャンミンは男相手っていうのは、俺しか知らない。
それなら、俺で学んだことなんだろう。

本能で、俺に従うべきことを体が察知した。

愉快だ。

会えなかった時間ていうのは、こんなにも男を従順にさせるものなのだろうか。

愉快だ。
実に、愉快だ。

『はは、お前、立ってんじゃん、』
『んむ、やめ、』

俺だって立ってるけど。
いいんだ、こういう時は棚上げで。
いいんだよ。
どうせ従順だから。

『もう止めるつもりなんてねえだろ、』
『っ、だって、』

愉快だ。
こいつが「だって」だとか「でも」だと使うと、あの頃の俺と真逆だなって感じるから。

やっぱり俺がこいつより勝るものは、これなんだ。

こういうところで男を見せるってのは、人間の本質を見せるようなもんだとも思っていたりする。
惚れた相手を従えるってのは軸になるだろう。
誰も知らなくていい顔だ。
お互いにネ。
ふたりきりになった時に、この関係が確立していればもっと胸張ってこいつを引っ張ってやれる。

自分がこんなに俺様な奴だったってのも、こいつを通して知ったことでもあるけどサ。

『どうされたい?』

内股になって隠す。
でかくしてるくせに。
昨日だって散々オープンにしてたくせに。
細くて長い足が内側に寄るところを改めて見ると、やっぱり変な気分になるもんだ。

『どうって、だって、もう、』

いつもなら言いたいことはガツンと言うくせに。
俺にはね。
欲求は隠すのか。
隠しきれてねえけど。

『入れられてえの?遊ばなくていいわけ?』

ぐっちゃぐちゃに遊んでやってもいいけど、涙目になって睨んでくるあたり、あまり余裕はないようだ。

愉快だネ。

『あそぶって、やだ、もう、ねえっ、』

俺の肩を掴んで、足と足を擦り付けるように下半身を堪えている。
見上げてくる顔は目の周りが赤くなって泣きそうで。
全身が濡れてるみたいにして、俺にどうにかしろって訴えてくる。

閉じた足をこじ開けて、膨らませたチャンミンのそれを掴んでやった。

『あん、』

膨らませてくるくせに、女みたいに鳴きやがって。

そして力を入れてやる。

『や、やっ、痛っ、』

嘘だ。
痛いんじゃない。
その顔はネ。
気持ちいいの一歩手前。
そういう刺激。

期待の声だろう。

『なんだヨ、お前、会わないうちにほんとエロくなったじゃん、』

『それ、はっ、ユンホくんが悪いんじゃないっ、』

大人らしからぬ発言だ。

『なんで、』

『だって、』

また、「だって」だってサ。

『そうなっちゃうんだもん、』

そうなる?
こんなふうにエロい顔になるってことか?

『ユンホくんだから、ユンホくんがいるから、勝手に、こうなっちゃうんだよ、』

そう言って、「バカ」って付け加えてきた。

へえ。
いいこと聞いたナ。

俺が相手だと、エロくなって、従順になるわけか。

へえ。
こんなに愉快なことがあるだろうか。

『入れられてえんだろ、』

『...ふんん、』

どっちとも言えない返事をするけど、濡れた睫毛を伏せて唇を引く。
頷いて見えなくもないな。

『じゃあ、口でして、』

今度は唇を半開きにして、見上げてくる。
数秒間、黙った。
それからまた唇を引いて結んで、深く頷く。

言ってみるものだ。

ベッドの上で立ち膝になる。
チャンミンも背中を起こして、前屈みになった。
片手を足の間について、片手を俺に添えてくる。
それから下から見上げるようにうっとり眺め、赤い舌を覗かせて口に含んでいった。

スローモーションに見えた。

動きひとつひとつが、エロい。
あの頃よりも、三割も四割も増してるんじゃないのかな。

尻が濡れるのは最初に抱いた時から解ってた。
男ってこと忘れるぐらいに。
それも増してるんじゃないかと思う。
会えなかった分、全身で色んなものを分泌しちまってるとしか思えない。

首を前後に動かすようにして、口の中で俺を行き来させる。
ちゃんと歯を閉まって、唇と舌でな撫でてくる。

『んむ、』

時々苦しそうに眉を寄せる。
息づきするような呼吸は、咥えられている俺に暖かい息を吹きかけた。

ちらり、ちらりと見上げてくる。
目が合う。
けれどすぐにその睫毛を伏せるようにして逸らす。
頬は赤い。
耳まで。

本当に可愛いやつだなって思う。
健気だなって。
そうさせているのは俺なんだけど。

『ね、』

声を掛けてきた。

『きもちいい?』

大きな目を潤ませて、見上げてくる。

『ウン、でも、もっと、』

十分に満足なんだけど、それだけで終わりにさせてやらないって意地悪いことをしたくなる。
それはチャンミンが悪いんだ。
チャンミンが俺にそうさせる。
エロいチャンミンが悪い。

喉の奥まで突き刺してやる。

さすがに来るしいようで、目をぎゅっと閉じて呼吸をするために舌の動きを止めたようだった。

『止めんな、』

う、と小さく呻いた声が聞こえた。
そして喉を開くようにして、また口内で行き来させる。
そして吸うことを加えてきた。
溢れる唾液を飲み込むついでだろう。
吸い込むと同時に、舌が動く。
舌で込み上げるものを煽るように動かすんだ。
血管をなぞられるのが気持ちいい。

生理的な涙だろう。
俺をしゃぶりながら、チャンミンは目尻を濡らしていた。
それでも伺う為に覗く目は恥じらって、喜んでいる。
赤くさせて、喜んでいる。

『んぷ、』

顎から多分俺から出ちゃってるものが垂れていた。
透明のね。
俺はまだ出してない。
出すならやっぱり、こいつの中だろう。

ようやく抜いてやると、チャンミンの頭がふらりと揺らいだ。

だいぶ顎を酷使させたようだ。
ベタベタに濡れた顎と唇を手で拭っている。そんな様子もまた、いちいち卑猥に見えるのだった。


『で?』

これで終わりなはずもなく。

『え?』

入れる為に何をするか。

『どうされたいって?』

お願いの声のひとつも、聞いてみたいものだ。

『それは、だからっ、』

また赤くなって、俺を睨む。
これが俺の快感になる。

『言えよ、』

『っ、』

追い詰めたくなるっていうのは、こういう事なのかって、思ってしまう。
味をしめてしまう。

観念しなヨ。

どうせお前は、一生俺から逃げられねえんだから。

『...、』

『じゃあ、俺仕事行くけど?』

『や、』

『なんだよ、』

『やだ、』

ダメだ。
これが可愛いんだ。
恥じらって、壊れてしまいそうになるこの瞬間が。
たまらなく可愛いんだ。

十も歳上の男なのに。

『入れてよ、ユンホくん、』

ほらネ。

『入れて、ユンホくん、おねがい、』

眉を寄せて、まだ濡れてる唇を下げ気味にして。

『これ、欲しいよ、終われないよ、』

俺の腿に手を添えて、さっきまでしゃぶっていた俺には頬を寄せてくる。
そういう女優みてえな顔をして。

『おねがい、おねがいだから、』

舐めながら、懇願する。
どこでそんな芸を磨いたんだか。
まあ、どこでもないことぐらい知ってるけどサ。

怖い男だネ、お前は。

思わず唇が、高く釣り上がってしまう自分に気付く。

気づいた瞬間、またチャンミンの体をベッドに落としている。

『ケツ、上げろよ、』

朝から犬になる。
昨夜も散々後ろから征服してやったんだ。
それで喜ぶから。
何度も何度も、後ろから俺に支配されて、操縦されて、よがって喜んでいやがった。

とんだ性癖を持ったって思うヨ、互いにネ。

素直に突き上げてくる薄い尻。
開いてよく見せてくる。
怖い、怖い。

『はは、』

俺、勝手に笑っちゃってたもんネ。

すでにぬるぬるしてるそこに当ててやると、喜んで俺に食いついてきた。
ぬるっと飲み込む。
昨日一晩でどれだけ拡がったんだって思ってしまうぐらいに。

それでも吸引力はハンパなくて、口で吸われるよりも何倍もヤバイ。

『あああああ、』

すぐに全部が入っていった。
俺の腿が、チャンミンの尻に重なる。

背中が震えてた。
膝が震えてた。

歓喜の震えだって、射し込んだものから伝わってきた。

シーツを握る手だって、震えてた。



後はもう、射精するために腰を振るだけだ。

『んやぁっ、』

エロい音が部屋中に響く。
なんだか水っぽい音だとか、肌がぶつかる音だとか、チャンミンが喘ぐ声だとか、ネ。

『きもちぃい、』

『ケツで感じてんのか、』

『だって、だって、あぁ、』

尻じゃなかったらどこで感じるんだって話だが。


チャンミンの長い腕を上から見下ろす。

快楽から逃れる為なのか、

快楽を更に得ようとする為なのか。

シーツを握りしめ、しなやかに筋肉を動かすのだった。


『はっ、あっ、っ、ん、』

打ち付ける度に短い声を出した。
顔は見えない。
けれどやはり、耳は赤いままだった。

『やらぁあ、らめええ、』

だらしの無い声が続く。

『いっちゃ、いっちゃう、』

締りがきつくなる。

『やらぁあ、いくぅうう、』

まあ、ネ、俺だってヤバイんだ。
最初から気を抜くとすぐにイッちまえた。
けど、それじゃ男じゃねえだろ。
こいつを楽しませてやれねえなんて、男じゃねえ。

そんなんじゃ、俺が俺を許せねえ。

こんだけ頑張れば、いいかな。
俺ももう、イッていいかな。

なあ、

『センセー、』

マジ、サイコーだ。

『愛してる。』



朝から中に出してやったんだ。

これでもかってぐらい、叩きつけてやったんだ。

まあネ、こいつも、喜んでたし。

それがすべてだろ。
相手が喜ばねえなら、しない。
それが俺のセックスの定義だ。
相手に求める定義でもある。
イヤならするな。

だから、

欲しいなら、強請れ。

自分の口で、強請ってみろ。

それが、俺を相手にする定義。


そして結果的に幸せに喘げればそれでよし。

それが、俺のセックスの意義になる。



完全なる遅刻。

シャワーを浴びて、着替えてからだって、何をするにもどうしてもこいつに触れることで時間を食う。

『ごめんね、何にもなくて、』

チャンミンの部屋には、本当に食うものが何も無かった。

『今度からちゃんと生活するから、』

今度から、ネ。
つまり、それって俺と恋人としての朝がある生活をするってことだろう。

『今日だけ、今日だけ外で、』

別にいつだって外でもいい。
チャンミンとなにかを一緒にするってことが、まだ新鮮だから。

遅いモーニングをカフェでして。
タバコ吸ったらちょっと驚かれて。
本当はした後にも吸いたかったんだけど、なんとなくまだ、吸っちゃ悪い気もして。

それって、大人になってからの恋人としての生活に慣れてないってことだ。
そういうものをひとつひとつ、お互いの当たり前にしていけばいいなって思ったりもした。

吸うなって言われたら、こいつの部屋では吸わないことにする。
それを当たり前のことにするさ。
吸ってもいいなら、気持ちよく済ませたあとに一本吸って余韻を楽しませてもらいたい。
そういう当たり前にする。

飯を食うとか、寝るとか、そういう恋人として一緒にいるときの当たり前のことがまだ不慣れすぎる。

それが今後の楽しみでもあるけど。


厚切りトーストとコーヒーを前にして、
チャンミンは両手で頬杖をついて、
俺を楽しそうに眺めてくる。


存外ぶりっこなところがあるようだ。
恋人に対してアピールが強くなるタイプ。

いいけどネ。

俺だって独占欲と支配欲が超強いことが解ったくらいだし。

そんなもんなのかな。

恋人を前にするって。

恋人を前にして、変わることって。


そしてそれが当たり前になって、
こいつを目の前にした時の自分の変化がわからなくなってくるんだ。

チャンミン仕様の俺になる。

俺仕様のチャンミンになる。

イイじゃん。

マジで付き合ってるっぽくて。

マジで付き合ってるんだけどサ。




『なあ、』


二本目のタバコに手を伸ばす。

チャンミンは止めようとはしなかった。


『なあに、 』


上機嫌な声だった。


『俺、実家出ようかな、』


一口目の煙を深く吸い込む。


『会社の近くに住もうかなって、』


それぐらいだったら、じいちゃんだって何も言わねえだろう。
俺だって、成人したんだ。
したばっかだけど。

まあ、そうなるとチャンミンは三十路なわけで。


『そしたらお前と、』


ふうと、煙を別なほうに吐き出す。


『毎朝一緒ってのも、いいかなって、』


顔を戻すと、頬杖をついていたぶりっこの目がもっと大きくなっていた。


『ちゃんと生活するんだろ、』


その生活を、一緒にしてもいいんじゃねえのかなって、思うわけ。


『してみせろよ、俺に、』


昼的な意味も、夜的な意味も、含めて。


『返事は?』


もう一口、煙を吸い込む。




今度は天井に向けて吐き出す。




ふう。





そしてまた、顔を戻す。





『はい。』





恥じらい赤くなる従順な彼氏が、目の前にいた。
























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ラブアンドジャスティス14(閲覧注意/CM)

『あ、あああ、動か、ぐ、いれぇ、』

自分から出た声が何語なのか、なんの意味があるのか、さっぱりわからない。

それぐらい凄い。

すべての女の子に土下座したくなる気分だった。

『ばか、力入れんなっ、』

バカって言ったな。
後でみていろ、なんて思う余裕すらない。
開拓じゃない。
これは開墾だ。
彼のもので乱暴に掘られる。

そう、まさに、掘るという言葉がぴったりだ。
どんどん掘られて僕の裏側まで穴が空いてしまうのではないか。

『い、たぁ、いっ、』

女の子が痛いって言ったら、大抵の男は一度止めるだろう。
けれど脱童貞したての高校生が、男を相手にして痛がっている様子を見てもそんな気遣いができるはずもなく。

そもそも、気遣いもなにも僕のことが見ていないのではないかと思う。
自分しか見えていない。

仕方ない。
仕方ないさ。

僕だって、彼が高校生だからそう思えるのだろう。
これが同じ歳の頃の男だったのなら、無理だと押し退けて帰っていたかもしれない。

『ゆん、ほっ、く…や、』

どこまで入ったのだろう。
自分ではよく解らない。

『や、やさしく、して、』

痛くしないで欲しい。
もういやだって、あまり思わせないで欲しい。

『おねがいっ、』

僕にいやだって言われて、いやな思いをするのはこの子だから。
それでケンカになったりするとかも、いやだ。
この子とケンカをしたら、きっと心の方がもっと痛い。

『わかってるって、でも、』

わかってる。
僕だってわかってる。
彼は彼なりに自制しようとも思ってくれているはずだって。
けれど彼も慣れない刺激(彼が気持ちいいのか痛いのかはわからないけど)で余裕がないのだ。

『ゆんほく、んんっ、』

彼は押し入ってくる。
引いて押してくる具合からすると、行き着くところまでは辿りついたのかもしれない。

ムチャムチャとイヤな音が股の間から聞こえてくる。

『あ、わかった、』

なんだその数学が解けた時のような声は。

『ちょっと、お前腰上げろ、』
『へ?』

おまけに僕は間抜けな声しかでない。
彼は僕の尻を開くように掴み天井に向けて広げるように角度を変えた。

『おら、』
『はああっ、』

掘られる。
ずぶずぶと大胆に彼が入ってくる。
真っ直ぐに打ち込まれる。
彼が言う角度が、僕の「穴」と彼の「杭」にぴったりはまる角度だったようだ。

『どう?痛い?』
『い、…ん、』

痛いかと言われて改めて考えると、そうでもない。
苦しいけれどさっきのような痛みはない。

そして彼はまた腰を引いた。

『あんっ、』

引かれる、つまり抜かれる瞬間がとても怖い。
怖いというか、未知すぎる。
予測がつかない。
入れられる時の痛いかもしれないという先入観が覚悟みたいなものを作ってくれるけれど、抜かれる時のあの油断したところに与えられるものに揺さぶられるのだ。
抜かれる時の快感のようなものがある。
その快感を予測しきれなくて困るのだ。
不意を突かれる。

『どう?』

彼の唇は少しだけ笑っていた。
彼は彼で気持ちいいのかもしれない。

『うん、痛くは、ない、かな、』

答えると、彼は嬉しそうに、そして楽しそうに唇の角度を急にしていったのだった。

彼は押しては引く動きを繰り返す。
やっぱり押すよりも引く時の方がゾクゾクするものがある。

『俺うまくねえ?』

知ったことか、と突っぱねて言ってやりたくなる。
問題が解けたから、もうその全てを会得したような気分でいるのか。

下から上に抉るような動きをしてくる。
その動きのせいで、僕のなかで彼のものが擦られるような動きになるのだ。
そうやって擦られる瞬間がたまらない。
それが気持ちいいということなのかは解らない。
けれど、確かに何かがものすごい。
そしてやっぱり引いていく瞬間がとんでもない。
恐ろしい。
ああ、引かれる瞬間が気持ちいいとは言えるかもしれない。

言わないけれど。

言ったら最後だ。
この子は付け上がるだろう。

『おい、どうなんだよ、』

そんなこと言われても。
僕は僕でいっぱいいっぱいだ。
余裕なんてない。
痛くなくても余裕はない。
気持ちいい瞬間とかいって大変なんだ。

『おい、』
『や、だめっ、いま、だめっ、』

話しかけないで欲しい。
話しかけるか、動くかどちらかだけでお願いしたい。

抉られる。
もっていかれる。

気持ちいい。

『チャンミン、』
『ああ、らめ…、』

僕の中が明らかに広がってしまっている。
広がったところが彼のサイズを覚えようとする。
彼に触れる部分が、彼をもっと欲するように疼いてくる。

気持ちいいって、こういうことなのか。

『急にめっちゃよくなった、』
『言わ、ない、れっ、』

僕の中が馴染んできたということは、彼は気持ちよくなってきているのかもしれない。
動きが慣れてきたようだった。
僕は一向にこの不思議な状態から慣れない。

気持ちはいいのかもしれないけど。

初めてでお尻で気持ちいいというのは、なんだか悔しい気もするのだが。

『ちゃんと立ってんじゃん、』
『も、言わない、でっ、』

恥ずかしくて死んでしまいそうだ。

『なあ、気持ちいい?』

見下ろされているのもなんだか恥ずかしくて悔しくて、僕は腕を持ち上げて顔を覆った。

『おい、』
『や、きか、ない、れっ、』

相変わらず足の間から嫌な音がしてる。
聞きたくないけど耳に入ってくる。

そして彼は動きを小刻みにしてきたようだ。
それがまた、気持ちいいような気がする。
絶え間なくいいところを突っつかれているような感じだ。

『へへ、』

また、笑ったな。
悔しい。
気持ちいいだなんて、ドキドキしてしまうだなんて。
それって期待もしてしまっているということなのではないのか。
いやだ、考えるのはやめよう。
考えると恥ずかしくて今夜は眠れなくなりそうだ。

『わっ、』

急に体の向きが反転した。
そして彼が抜けていた。
どういうことなのか確かめようと後ろを振り向こうとしたら、また彼が入ってきた。

『あああ、』

そう、僕はうつ伏せになっていた。
そしてお尻だけが彼の方に突き出している。
間もなく彼は入ってきて、また穴に杭が打ち込まれたというわけだった。

後ろから、深く、深く。

『やべ、深え、』

お尻いっぱいに、そしてお腹いっぱいに、彼の存在を感じる。
ぴったりと僕のなかにくっついて、居座っている。
図々しく、堂々と。

僕のなかを支配している。

そして後ろからも攻めてくる。
突いてくる。
すっかり慣れたような腰つきで。

その学習能力には本当に恐れ入るばかりだ。

僕に勝てるもの。
貴方はそれをセックスだと言ったのは、あながち間違いでも嘘でもないかもしれない。

勉強だってわからない。
彼は解けることを快感としているような気もするもの。
自分で切り開くとか、見つけ出すとか、探し出すということに喜びを感じる人だよね。

いいよ、勝てなくてもいい。
負けてもいい。

貴方がそれでまた笑ってくれるのなら。
その喜びを僕で感じてくれているのなら、それでもいい。

そう思う。



『気持ちいい?』

しつこい男子の典型的な台詞だぞ。

『うん、』

それに答えてしまう僕も僕だけれど。

『へへ、』

顔は見えないけれど、きっと可愛い顔をして笑ったのだろう。


ああ、悔しい。



ああ。



それでも、





キモチイイ。
















それから彼は僕のなかで果てた。
一度では終わらず、復習に燃える若い体に付き合わされることになる。

いやだ、若いって。
無駄なエネルギーだ。
それにこの子のしつこい性癖も絶対加算されている。

終わったのが何時だったのか、わからない。

起きるのが怖いよ。
お家の人たちになんて言うのさ。

何も言わせないのだろうけど。




ああ。

僕はなんという夜を過ごしてしまったのだ。



高校生のくせに大人に向かって腕枕をしてくれてしまっている。
僕が甘えないと許さない、みたいな雰囲気だった。

この子の成長が怖いよ。


その支配力と可愛らしさに、人生が持っていかれてしまいそうだ。













続く。

ラブアンドジャスティス12(閲覧注意/CM)

お酒も勧められたけれど、彼が飲めないのに飲みたいとはやっぱり思わなかった。
未成年の前だもの。
それで酔ってしまったりなんかしてしまったら、自分が自分を嫌になるだろ。
彼も飲めばいいのにっていうけれど、初めて泊まった家でそこまで図々しくなんてしたくない。
後でやっぱり、自分が自分を嫌になりそうで。

しかし、彼はこんなものを食べて生きているのかと思うと言葉にならない。
刺身にも天ぷらにも化けた河豚は美味しかった。
ああ、これで本当に何かあったら僕はいくら支払って責任を取らなくちゃいけなくなるのか。
考えると恐ろしいから思考を止めておいた。

それでもこじんまりとして、けれど綺麗に掃除がされている洗面台で並んで歯を磨いていると、同棲したらこんな感じなのだろうかと栓のないことを思ったものだ。

こんな暮らしをしている子が、こちらの生活水準に合わせて生活するなんて考えられないのだが。

とりあえずまた色々と余計なことを考えてしまいそうだから、肉厚な河豚の天ぷらを思い出すことにする。
塩で食べる天ぷらはなんて美味しいのだろう。
今は歯磨き粉の味しかしないのだが。

「遠い未来」

そして彼の言葉を思い出す。

「俺の遠い未来まで、お前を絶対連れていくから。」

ものすごい力があるよね。
若いから、何言ってんのって思っちゃうところもあるけど。

若いから、力があるよね。
熱いよね。
激しいよね。
僕にはない温度だ。

この子なら、決めたのことはどんなことでも成し遂げてしまうんじゃないかなって、思っちゃう。

怖い。
素敵過ぎて、今から怖い。
この子がどんな大人になるのか、眩暈がしそうなくらい怖い。


『つ、』

冷たい。
なんだなんだと慌てて意識を現実に戻すと、彼がビチャビチャと音を立てて口を濯いでいる。

『ちょ、うんほくん、』

歯ブラシを咥えながらだから変な呼び方になってしまった。
蛇口の勢いを緩くして、備えてあるタオルで辺りを拭いた。
そして肩にかけてた僕のタオルで水滴が跳ねまくった彼の顔を拭く。

『へへ、』

へへ、じゃ、ないよ。
もう。
前言撤回。
このまま大人になったら別な意味で要介護だよ。
歩く度にいろんなものが乱れていくかもしれない。


二人で部屋に戻ると、これまた綺麗に部屋が直されていて旅館以上の待遇だ。

なんだか一日がとても長い。

ベッドの傍に敷かれた布団に座ると、彼は部屋を出ていった。

そのまま倒れ込んで横になってみる。

するとまた、彼の言葉が蘇るのだ。



「俺が男見せてやるから、黙って俺についてこい。」


すごいよね。
すごいエネルギーだよね。
これで発電したらあと十年は電気が賄えるのではないか。
そのくらい、衝撃的だった。

そんな言葉を自分が結婚相手に言うならまだしも、
まさか年下の同性に言われるとは露ほども思わなかった。

そしてそんな言葉に、心が震えて頷いているとも、思わなかった。

嬉しいだなんて思うなんて。


思い出すと、よくわからないけど泣きたくなる。

すべてにおいて、もう、何がどうなっているのかわからない。

結局僕は彼のなんなのだ。

彼氏か。

彼氏。

そうか、彼氏か。


『チャンミン、』

『うわっ!』

布団の上で全部の毛が直毛になったような驚き。
この子は本当に心臓に悪い。

『なんだよ、エロいこと考えてたんだろ、』
『ちが、』

体を反転させると白い歯を見せて笑う彼が居た。
その顔がまた、可愛いんだ。
そして僕は反撃ができないまま溜まり込む。
彼は僕の布団の上に座ってきた。

『どこにいってたの、』
『ん、適当に寝るからもう誰も来るなよって言ってきた、』

あからさま過ぎる。

まあ、男女のお泊まりだったらそうなるけれど、家庭教師が泊まりに来た程度では周りの大人達はそうとは思わないかもしれない。

なんだっていい。

どうせ今夜からは逃れられないのだ。


頭の中でまたブツクサと考えていると、唇に柔らかいものがやってきた。

彼の唇だった。

歯磨きの後の、キスだった。

彼はそのまま僕の肩を掴み、布団の上に押し倒してくる。

ああ、もう、逃げられない。

僕の上に乗って、真上からキスがやってくる。
本当に上手だなって、やっぱり思う。
溶かされる。
目を閉じて、委ねる。

吸って、離れて、追われて、取られる。

彼は僕を追い詰めるようにして口内を潤す。
酸素の残量を忘れてしまうくらい、夢中にさせる。
離れた際に見える間近で見る彼の顔もまた、可愛くて。



『いいんだよな、お前がいいって、言ったんだよな。』

それは、寝る前になったら抱かれてもいいってことだろう。
確かに言ってしまった。
あのままあの時致していたら大変なことになっていたのだ。

言ってしまった。
けれど、仕方ないなというより、まあ、いいかなというところまで思えるようになった。

男の人となんかしたことはないけど、
それ以上に、
僕の気持ちが彼に傾いているということなのだろう。

『はい、』

返事をしたら、またキスをくれた。





『ここ、使ったことって、』
『あるわけないじゃないですか、』

浴衣を捲りあげて、足の間を指さしてくる。
こういうがさつなところはまだまだ要成長だろう。

『へへ、』

そして何故喜ぶのかわからない。

『一番、貰い。』

嬉しそうにそういうと、彼はある場所に手を伸ばした。

『脱げよ、』

思うよ。
僕だったら女の子にする時は脱がしてあげるね。
もう、この子は。
なんとなく恥ずかしくて、浴衣はきたままだ。
下着だけ外すとなんとも緩い反応を示していた。

彼は何かのボトルを手にしている。

『足、開いて、』

この子は自分で脱いだり開いたりするって相手の恥ずかしさを全く知らないのか。
セックスのテクニックだけで渡り歩いて来たのか。
可愛くない。
気遣いだってテクニックのひとつなんだぞ。
なんて言うともう部屋から一生出られない気がして言えやしないのだが。

仕方がないから足を開く。

『もっと、見えねえし、』

見るとか言うな。
ダメだ、この子に世の中の女の子を任せられない。
相当ドM体質でないとやっていけないのではないか。

足を大きく開くと、その間に彼が顔を寄せるように近づく。
僕はもうその様子を見ていられなかった。
顔を逸らして目を閉じた。
更に枕を引き寄せてそこに顔を押し付ける。

『ひっ、』

視界を遮ったことがいけないのか、よかったのか。
急に足の間に冷たいものが当てられた。
いや、垂らされたのか。

『あ、わっ、』

出ていくばかりの器官に何かが入っていく。
ぬるぬるとした感触がとても強い。
冷たい。

『どう、痛い?』

『いや、びっくりしたけど、痛くは、ない、かな、』

ちらりと枕の影から視線を覗かせて見ても角度的に彼の姿は捕らえられなかった。
遮ったことが裏目に出たか。

『あ、ああっ、』

そんなことを考えていたら、ブチュブチュとおまり美しくない音が響いた。
何かを押し込まれている。
多少の圧迫感を感じる。

痛いとか言うよりは、なにか、変。

今までに味わったことがない感触だ。

ていうか、いきなりお尻にいくのか。
もっとこう、しっとりと抱き合って気持ちを高めあっていくとかないのか。

それが夕飯前のあれだとしたら、ダメかもしれない。
彼への教育が必要かもしれない。

『ん、んんんっ』

中に入ってきたものが動いた。

『痛い?』

『...痛く、ない、けど、』

また枕から少しばかり覗かせると、今度は彼が覗き込んできて目が合った。

『ゆんほくん、』
『あん?』

今、自分がどんな顔をしているのかはわからない。

『いきなり、なの?』
『なにが、』

彼が手を舐めた。
もったりと垂れる雫を舐めた。
あの舌がそれを舐めとる。

不覚にも、きゅんとした。

『あんだよ、』

『うん、...いきなり、いれちゃうの?』

すると彼は瞬間的に顔を赤くさせた。
薄暗くてもよくわかる赤面度数。



『だって、俺だって男は初めてだし、』

うん、それはなんとなくわかってたけど。

『一回しただけだしっ』

なんだって?




その回数に驚いたというより、
それじゃあ今までのあのキスのセンスはなんだというのだ。

逆にそれまでのどうしようもない具合は酷く納得はできた。

けれど、僕に負けない部分をセックスと言い張った(照れてたけど)あれもなんだったのだ。


なんだろうな。

初体験が済んでしまえばもう一人前な気持ちでいられたということか。
わからなくもないけど。
いつまでも童貞かしら、なんて思っていた昔の自分も居たわけだし。


プロポーズはできちゃうけど、セックスは二回目っていう。
この、アンバランスな具合にまた眩暈がしそうだ。


唇を突き出して黙る顔も、また可愛い。


それとね、


貴方の貴重な初体験の相手になった女の子に少しヤキモチ妬いちゃうよ。



『ユンホくん、』


『......、』



『ユンホくんの初めて、僕が貰いたかったな。』

『そんなもの見せられっかよ、』


そうじゃないの。
そんなものだから、見たいの。

好きな人の初めてだもの。

『僕だって男の人とは初めてだよ。』

『俺だって、そうだし、』

まさか僕がこっち側だとは思わなかったけれど。

『ねえ、』

『あんだよっ、』

そんな顔しないで。


『ゆんほくん、やさしくしてね、』

『...、』


やり直し。

お互いに大好きなんだから、
お互いに好きって思いながらやり直してみようよ。


『キスして、やさしく、いっぱいして、』


虎の子から子犬のような顔になった彼もまた、可愛いものだ。






キスが始まると、また大人の彼が顔を覗かせる。


一進。

一退。

そしてまた、一進。



やるって決めたのなら、僕だって今夜は逃げないから。



貴方の二回目を、
たくさん気持ちを込めて、


僕にください。






















13に続く‖Φ_ゝΦ)

コハビテーションラブ70(閲覧注意/U)

キスだって、
回してくる腕だって、
上からなのに下から覗いて見てくるような顔だって、
こいつから感じるものに嘘なんてひとつもない。

俺に対しての素直な反応だけがやってくる。

それはチャンミン自身がきちんと俺と向き合おうとしているからで、
それがチャンミンの本質ってことで、
そんなチャンミンに俺だって惚れているわけで。

与えられる反応ひとつひとつが、俺のためにあって、申し訳ないぐらいだ。


『もっと、』

『んんん、』

こんなふうに俺が強請っても、躊躇うけれど必ず応えてくれるから。
キスも、ハグも、それ以上のことも。
俺についてこようとするのがよくわかる。
必死についてこようとする。
いいのにネ。
その差があってもさ、それはそれで楽しいからあってもいいんだヨ。

俺はそっち側の人間で、
チャンミンはそうじゃなかったって事実は、
変わらないことなんだから。

むしろそんなコが、こんなふうに俺に応えてくれてるっていう気持ちと現実に眩暈がしそうなくらい嬉しいんだから。


ようやく心と体が和解をし始める。
繰り返し繰り返し交わすキスで、やっとネ。
一度は小さくなったネコちゃんのゾウさんも、ゴキゲンをなおしてくれたようだ。
重ねた二つのゾウさん同士が押し合いをし始めた。

ま、負けないけどネ。

もうずっも、キスだけで時間を使っている。
半身浴状態で、ネコちゃんはすっかり珠のような汗を浮かべてヌレヌレになっていた。

伝ってくる汗が唇に降りてきて、時々しょっぱい。

キスの合間に感じる息継ぎが不安定で、そろそろ酸欠になるかもしれない。
俺にしがみついてくる力もゆらゆらとしている。

最後に口の中の全部を吸ってやって、解放した。

ぐったりと俺の肩に頭を預けてくる。


『ごめん、やりすぎた、』

撫でてやる髪ももうビチョビチョで、二人で綺麗になったのに、なんだかまた流したほうがいいような気にもなってくる。

『ほんと、タフですね、』

息も絶え絶え、ネコちゃんは苦笑しながら俺を見上げて笑ってきた。
こういう瞬間が、たまらなく可愛い。

『ついてこられるチャンミンも同じでしょ、』
『ううん、もう、苦しいもん、』

酸素が薄い場所だしネ。

重ねたゾウさんは芯を持っている。
チャンミンの気分もなかなかいい感じに持ちかえしてきたようだ。

もう声にはしないけど、ほんとうにごめんネ。

でも、
どんな美人なネコちゃんでも、体の器官はみんな同じ機能でしかないから。

ビギナーなこのネコちゃんには、やっぱり、もっとごめんネってしなくちゃいけなくなるよりは、絶対にいい。

もっとちゃんと、前もって話しておけばよかったんだ。

だから、ごめんネ。

このことでごめんネは、

もう、言わないけどさ。



『無理はしなくていいからネ、』

『はい、』

無理をしての、行為なんだけどさ。
オトコノコ同士でってことが、そもそも無理をしているわけで。
どこまで許せるかっていう個人の許容範囲の問題になる。

チャンミンは俺の上から立ち上がった。
程よい大きさのゾウさんが目の前を通過して行った。

『あつい、』

バスタブから出ると、チャンミンは床に座り込んだ。





浴室にクールダウンの溜息が響く。

そしてあのボトルを自ら手にして、俺のことを見てくる。

『はい、準備オッケーですよ、』

そんなふうに気丈にして、ほんとはビビってんじゃねえのかよ。
どうなんだよ。
でも、ビビってたら程よく大きくもならないよネ。





そして手を差し出してくる。
その手を掴んだその後のことのために、チャンミンは笑って、今、俺を待っている。

笑って、待っている。

笑って。






『ユンホ』







今までも何度もあったけど、急に名前で呼んでくるんだ。
恋人同士なら当たり前のことだ。

けど、こんなふうに呼んでくる時のチャンミンの声が、
とても大きな気持ちを詰め込んでくれているようで、

どうしてもハッとさせられるし、

すごく、すごく、グッとくる。


本当に俺を、特別な何かに見てくれているんだなって、
そんな気持ちにさせてくれるような呼び方なんだ。


床に座って長い足を折っている膝が内側にくっつく。
内股のコなんだよな。
俺に跨っても、椅子に座っても、コピー機の前に立って印刷していても。
ひょろりとした長い足は、内側に向かうコだ。

立ち上がって、浴槽から出る。
俺を目で追う大きな瞳を、俺が外さずに見つめながら。

今度は俺のゾウさんがネコちゃんの眼前で横切り、その内股を外側を開いて足の間に入ってやる。

同じ目線の高さで、向かい合う。

それなに、下から見てくるような感じにしか思えないのはなんでなんだろうネ。


『チャンミン、』

『はい、』


おいでって、チャンミンの腰を誘導させる。

俺の上に、おいでって。

跨がせて、座らせる。

薄い薄い、小さな尻だ。









『もう一回、名前で呼んで。』





肩に、手が添えられる。
頭がゆっくり近づいて、濡れた髪が頬に寄せられた。
その頭を、俺が受け止める。

顔は見えないけど、瞼が落ちる瞬間を肌で感じた。




『ユンホ、』

肩の上に、湿った息が抜けて行った。

ああ、この声。

やっぱり、たまらなく、グッとくる。

『お腹が痛くなるんだ、』

言葉を続けながら、肩に額を擦りつけてくる。

『ドキドキして、ぎゅうっと痛くなるの。』

肩に唇が触れた。

『それから、痛くなったところから血液が流れるみたいに感じて、』

少しだけ、肩を吸われたらしい。

『生きてるんだなって、思うんだ。』

猫みたいに、ザラりとはしない。
このネコちゃんの舌は、滑らかでいやらしく育っている。

『ユンホ、苦しいよ、好きなんだ、』

そんなこと、

そんなこと、

俺の方が、

お前のことを好きで、

好きで好きで、

苦しいに決まってる。


『この痛むところに、早く入ってきて欲しい。』


その部分をなにに例えているのか、
わかってるヨ。

『掻き回して、大人しくさせてほしい、』

でもそうすることで、
もっと痛くなるところがあるかもしれない。

『今日はいいの、痛かったとしても、そうするべきな気がするから。』

俺のゾウさんが、痛くなってきた。
チャンミンの声で、大きくなった。

『自分のために、そうしたいの、』

だからお願いって、言いながら、強請るようにキスをしてきた。
気分の盛り上げ方まで、覚えたのネ。
それとも無意識?

『シムのために。』

鼻から漏れる声。
まったく違うお互いの唇の形。
それでも二つは重なって、混ざり合うことを求めている。
目も、指も。
まったく違うものたちが、唯一同じものは、性別という大元だけ。
そこは違うものでも混ざりあえるイキモノなのに、
どうして俺たちは今こうして、こんなにも惹かれあって混ざり合うことを望んでいるんだろう。

痛くても、辛くても、時々悲しくなっても、

それでも混ざり合うことを求められるって、

なんなんだろうネ、チャンミン。






甘ったるい毒々しいイチゴのにおいが広がる。

二人でちょっとだけむせて、笑って、
二人でヌルヌルになって、
二人でそれをちょっと眺めてみて、

また二人でちょっと笑ってみた。



指はもう、すんなりと入ってくれる。

力の抜き方もだんだん覚えてきたようだった。
チャンミンのいいところ、俺は一発で探し出せる。
そこに辿りついただけで、ネコちゃんは体を跳ねさせた。
ネコちゃんだって、一発で俺をキャッチしたわけだ。

ほら、そういうものなんだヨ。
相性がいいって。


言葉にしなくても、肝心なところは迷わない。


チャンミンがいるから、
いてくれるから、
感じられるから、
繋がっているから、
求めてくれるから、
求められてるのがわかるから、

それが真実で真意だって、

わかるから、

肝心なところで外さない。

迷わない。

失わない。



いるだけで、

どんどん強くなれる気がする。




いないと、きっとどこまで弱くなれる。

だからそこは、考えない。


今はね。




『んんん、ん、』

指、二本。
顔を伏せて、悶えるように震えた。

『どう、いけそう?』

返事はないけど、伏せた顔を縦に揺らした。

不思議なもので、この毒々しい匂いも気にならなくなるんだよネ。
でも、今度は匂いをちゃんと確かめてから買おうか。

『あああぁ、』

ぐっと力を入れてきた瞬間ていうのは、
つるりと出張ったそこの部分をつついたからだ。

『いやらぁ、』

舌っ足らずになるあたり、
狙ってんじゃねえのかなって思うけど、
そうでもないのがこのネコちゃんだから恐ろしい。

『イヤ?』

スリスリと指で中を撫でる。
その度にぎゅっと締め付けて、肩に力を入れてくる。

ネコちゃんは俺の声に抵抗するようにして、首を横に振った。

『やだ、いやだ、』

やめるなって、ことだよネ。

『もう、いい、入れていいから、』

なんだね、そのヤケクソ具合は。
可愛いけど。
まあ、俺もこんなネコちゃんの姿を見ていればおっきくもなってしまうわけで。
準備は万端なわけで。
その後は、ご要望にお応えするだけなわけで。

『わかった、』

本当はふかふかの布団の上で、楽な格好で感じて貰いたかったんだけどネ。

チャンミンに安心して貰える格好ってなんだろう。
そう考えた上で、向かい合ったまま、この格好のままでしようと思ったんだ。


座位。

激しくはしないから。

ゆっくり、二人で揺れよう。


少しだけ尻を浮かせる。

とろっとろのアレを垂らして、
ネコちゃんのアナをもう一度ほぐして、
そして俺のゾウさんをそっと当ててみる。

ちょんとくっついた瞬間、ネコちゃんはビクりと震えた。

ゾウさんを支えて、ネコちゃんの腰を落とさせる。

『怖くない、痛くしない、』

俺が言えたことじゃないけどサ。
それでも、そんなふうにしか言えないのも事実だ。

頷いてくれるネコちゃん。

愛しい愛しい、俺のネコちゃん。



『チャンミン、』


届け、





俺のドキドキ。


『愛してるヨ、』


俺のズキズキ。









久しぶりにきつく包まれるあの感覚に、襲われる。







俺にしがみつく、俺のネコちゃん。





『愛してる、チャンミン、』




一番奥のぎゅっと締まったものに、


叫ぶような何かを感じながら包まれた。






『かちょお、』




戻っちゃった。
まあ、いいけど。





『…シム、』




ぎゅうぎゅうと、ズキズキと、愛を叫ばれる。




『おなか、いっぱい、』



『あははっ、』






愛もいっぱい。


これからもいっぱい。


増えるだけ。


減らないヨ。




チャンミン、愛してる。





泣いちゃったネコちゃんと、

ゆっくり揺れて、

ひとつになる。


















ネコちゃんサイドに続く(♪∵)

コハビテーションラブ41(閲覧注意/CM)

シム、悔しいです。

シムはあっさりスプラッシュしてしまったのに、課長はこんなにペロペロしてもしないなんて。

どんだけ下手くそなんだろうって、自分の中でとっても憤慨した。

できないまま終わるのがイヤで、
下手くそなまま終わるのがイヤで、

悔しくて、
申し訳なくて、

それでシムをやっぱりこいつはダメだったって思われたくなくて、

シムを諦めて欲しくなかった。


快適だったり、
人に優しくされたり、
厚意で助けられたり、

そういうのはありがたく頂戴する。

けれど、

ありがとうの気持ちを忘れてしまったり、
誰かの厚意の上に胡座をかいてみたり、
優しくされて当たり前だと思ったり、

そういうのはシム的に気持ち悪くて、イヤだ。

逆にね、そういう課長の姿って想像ができないの。
一週間一緒に仕事をして、そんな姿は一度も見たことがない。

似合わないとさえ思うの。

そしてそんな課長だったら、シム、性的にもドキドキしない。

課長がシムに甘えてくれるのは、本当にね、本能がにゃんにゃんしたくて仕方がないっていう甘え。

怠惰になる甘えではない。

課長のにゃんにゃん的な甘え、
性的な甘え、
きっと本当に本当に限られた人にしかできない事情の甘え、

シムに見せてくれるのなら、
シムはちょっとでも応えてあげたい。

シム、こんなに気持ちよくされているのに、
少しも返せないなんてイヤだ。

応えてあげる前に、返してあげられないなんて、イヤだ。


くやしい。


シム、くやしい。


で、ひっくり返されてアナ的なところをさりげなくタッチされている。
痛くないって言うけど。
だってほんとに猫ちゃんみたいな格好しているってことは、

シムのアナに、

課長のゾウさんが、

シムのアナに、

課長のバズーカが、

インされるということで。



そしてついに、ヌルヌルっとシムにくっついてきた。







おおおおお。








お?









違うな。

課長のゾウさん、シムのアナには来なかった。

『ヌレヌレだ、大丈夫そうだネ、』

いやいやいや、

ちょっと待ってちょっと待って課長さんっ。

ねえ、あなたのゾウさん、ちょっと、どこにいらっしゃるの。

ねえ、そこ、シムの、お股ちゃん。



つまり、課長のゾウさんは、

シムの突き出たお尻のアナよりももっと下にいらっしゃった。

シム、お尻を突き出しているけど、内股がくっついている感じ。
それで、その内股のあいだにゾウさんが入ってきた。

で、ゾウさんとゾウさんが時々ぶつかる。




うわあ。

なんだこれ。

ちょっと、課長、

これ、アナ的なところにいらっしゃるより、なんだか卑猥じゃございません?

『あ、いけそう、ヌルヌル、きもちいいヨ、』

なんでヌレヌレでヌルヌルなのか、シム、よくわからないけど、

ネロネロのゾウさんがシムのお股ちゃんの間を行ったり来たりしている。
ゾウさん同士がぶつかって、その度に、

ヒャッてなる。

『ひゃっ、』

ほら。

『あはは、』

こら、笑うでない。

『チャンミンも、ほら、気持ちよくしてあげるから、』

どこをどう、気持ちよくすると言うのだ。
でも、怖くてお股ちゃんの様子を見れない。

『ふぁっ』
『ん、おっきいね、』

課長はシムの背中に、自分の胸を寄せるようにしてくっついてきた。
覆われている感じ。
そして後ろからシムのゾウさんを掴まれる。

課長のおててに、シムのヌレヌレの、ナニナニ。

『あ、ああ?』
『あはは、』

気持ちいいけど、なんで気持ちいいのかわからなくて、変な声が出た。
もう、変な声しか出ないけど。
そしてまた課長に笑われる。

『かちょ、』

ぎゅっと、握られた。
握られる度に、なにがぷちゅっと弾ける。
その音がもう卑猥で。

『チャンミン、きもちいい?』

気持ちよくないわけが、ないじゃないか。

キツめに握られて、でもヌレヌレだからちょうどよくて。
課長が自分の腰を動かす度に、その動きに合わせて掴まれたシムのゾウさんが動く。

課長の手の中で、キツキツで、ヌレヌレ。

気持ちよくないわけが、ないじゃないか。

『かちょおお、あ、ひぃい、』

最高に情けない声が出た。
閉じている内股が震えてきた。

課長のあっついゾウさんが動く度に、シムのあっついゾウさんが鳴いてしまう。

マックスパオン。

なにこれ、こんなゾウさんとの遊び方、シム、知らなかったよ。

『かちょ、らめええ、いやああ、』

最高に頭が悪そうな声だった。
シムの肩が崩れて布団に埋まり、膝で課長の力強い動きを踏ん張って耐えている。

『ああ、まじ、かわいい、』

課長の声に熱がこもってた。
シムのお股ちゃんからまた変な音がする。
水っぽかった音が、粘着質なものになってきた。

『チャンミン、かわいい、最高に、かわいい、』

そんなこと言われても。

気持ちよくて、対応ができません。

『かちょお、でるっ、でるっ、』

もうダメ。
シム、こらえ性がないみたいだ。
シム、スプラッシュ寸前です。

課長、シム、また、

『い、』
『イク?』

ミルキーボーイに、なっちゃうよ。

『ああ、あ、あああ、』
『へへ、』

課長、課長、その腰の動きに、シム、ドキドキしています。
痛くないから、そして表面的な肌で課長のゾウさんの動きを感じているから、
課長の動きがどんなものかがダイレクトに伝わってくるんです。

課長、その腰つき、

ハンパねえです。

シム、

シム、






快っっ感っっ


『かちょ、お、あ、』

『チャンミン、っ、』

もう、お股ちゃんが、びっちょびちょだよ、課長。


『やらああっ、あ、ああ、』


ああ、


シム、


課長と、


まぐわった。



全身ヌルヌルで、

お股はビチョビチョで、

お腹は課長でスプラッシュ。



シム、最高に、汚シム。







それなのに、

それなのに、


ミルキーなお布団のまま、

シムは意識を手放して、

汚シムのままで旅立った。





ねえ、課長。

シムのお股ちゃんは気持ちよかったですか。

シム、よかったですか。

お口は不発でしたけど、
お股ちゃんならまた今度も使えそうですか。


ねえ、課長。

いつか、
いつかね、

二人揃って、
二人一緒に、

夢のなかへ、
夢のなかへ、

行ってみたいと思いませんか、

フフッフー。




明日は、お休み。

だから考えるのは、もう、起きてからするとします。


フフッフー。










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