『相変わらずだな』

その言葉に僕はほっとする

相変わらずの気持ちで相変わらずの微笑み方で


「当たり前じゃないか」
そう応えた

僕が君と並ぶのも、

君が僕と歩くのも

「変わりようがないんだよ、ね」


たまには、確かめてみたくなる。

親友という他人が僕の信じている人か


自分という不確かな一定しない固まりがなんであったか

「まあ、誰もが

唯一変わらず、常に変わってくらしいねぇ。

だからね、

浮竹、君は変わってくれるなよ」


僕らは見つめ合うより同じ道を進み歩んできたのだから

「さ♪七緒ちゃんにお茶入れてもらおうっと」


風のように笑顔を俺に向けると、もう次の瞬間には前を向いて軽い足取りで来た道を戻り始めていた。


 こいつ………

いや、やめておこう。
言ったところで同じ事だ。



伊勢を煙に巻いて俺の前に現れておきながら、今度は何事もなかったように彼女の元へ帰るんだろう。

伊勢は当然、怒りは収まってなくて。

それでもお前は
「あれえ、そうだった?」
とかとぼけて

結局、伊勢が折れて
茶をいれるんだな。




「何?何を笑ってるの」

京楽が俺の忍び笑いに、問いかける。


『いや』

やめておこう。
言ったところで同じ事だから。




「ケチだねー。笑ってる理由くらい教えなさいよ」

天気が良くて

散歩できて


「あんまりケチだと変な器官に笑い入って死んじゃうよー」

『そんなんで死ぬわけあるか!!』


楽しいな



全く、京楽って男は
どんな時でも呆れさせ、微笑ませてくれる。


こいつと居て 飽きる事はない。
俺と居て こいつが楽しそうに見えるのは…………




俺の自己満足でないと


確信のある俺もまた

こいつと居て 楽しいからなんだろう。







後日


「浮竹ー!!もふもふしてきたよvV」


『…結局サボってるだけか?』


「違うよ!!七緒ちゃん許してくれたからもふもふしにいったんだよ、ついでに書類届けたもん」


『書類のついでな』