十五夜にお月見をした。
お花屋さんを覗いたが薄は売り切れで入手できず、とりあえずお月見団子だけ作って静かにお供え。
その夜は曇天で無月状態。
ただ、雲のグレーさからその奥の月光を感じられた。
途中少しだけ雲が途切れた。
しかし、隣家との距離が近いし、庭にそこそこ大きな木があるせいもあり、やたら空が狭い。
中天にさしかからないと月が見えないわけさ。観る体勢も工夫が必要。さらに自宅の都合上、現実的に見られる窓は1つ。
相方とふたりで和室に仰向けで寝転んだまましばらく窓を開けて観月。無言。
当たり前だけど、月は逆さまにされたくらいではびくともしない存在だ。
ほぼ満月の場合左右反転も無効化する。
むしろ空に上下左右なんて尺度を持ち込むのが野暮だよな。この国の花火は円にあらず球なり。
虫の声を聞きつつ秋だなぁと思った。
一年てなんて早いんだろう。
去年のお月見が思い出せない、と思ったけど、去年はしてないんだった。
ひとりと一匹で軽トラの上からパイをかじりつつのお月見もいいけど、誰かと一緒に黙るのも悪くない。