侍女に義弟にルキア

皆、其方が欲しがっているものを知っておるらしい。


欲しいものがあるのなら、何ゆえ夫である私に言わぬ。

妻が望むものを贈るのに、時期や理由など唯のきっかけに過ぎぬ。





「其方は何が欲しいのだ」

部屋に呼び付け突然問われた内容に、瞬きを繰り返す。



「欲しいものがあるのならば申してみよ」

この私に一番に…

それが叶わなかった今、其方が喜ぶ姿を独占することしか出来まい。



「それは―――」


頬を染め、傍らで耳元で告げる。



「白哉様の――――」

………何と返答すれば良い?

私にしか与えられぬ"それ"を望む其方に応えるには、
態度で示すしかなかろう――――。