うっとりと
俺の背中に浮かぶ月に見惚れてる。


その無防備な口許に団子を押し当ててやった。


「 !? な、何するんですか〜!」




面白い反応するよな。

だから止められん。




「月に、見惚れてるからだ」

俺も団子を口に運ぶ。



「………ぁないも…」


何やら呟くが、何と言ったか聞き取れん。



「芋がいいのか?」


そう訊くと頬をぷっくり膨らませ

「お…オイオイ」

胸をバンバン叩かれた。



「なんだ?どうした?」

「――――知らないっ」


一体何が知らないんだ?

俺は知りたいんだが……。



顔を覗き込むとまた

「知らないっ」


外方(そっぽ)を向かれるんだよな―――。