夏の風鈴の音色は穏やかで
暑さを忘れさせてくれる



秋の虫の声は季節に似合わず賑やか



そんなことを書物を開いた貴方の側で呟いた



寡黙な人なんて
誰が言ったのでしょう


あれは虫の声ではない
羽音だ

とか……



夏に風鈴
秋に虫の音

その風流さを語る唇




穏やかで心地よくて

虫の音に消されることのない
胸に響くその声は



秋より深く
私を貴方色に染めていく