馨しきその姿と香り


その下に佇めば

匂い立つのは其方か藤か






其方は藤の花が好きだと言う

私の眼の色を思わせると





ならば私が藤を好むのは


強まる日差しを優雅に遮り
その下に集いし者らに与える安寧故にか





其方と同じく

私を幾重にも包み込む
馥郁たるものよ…


其処に在るだけで
我が心
浮き立たせし者よ……