いつもの貴方らしくない その姿に
驚かされたのは床に臥せる私のほう



何故
私より怯えるのか

何故私の傍らを離れないのか




治るまで知らされなかった







亡き奥様の初期症状を見逃したこと



起き上がれなくなるまで
傍らについてやれなかったこと




全てが貴方自身を責めていること







もう大切な妻(もの)を失いたくないと


語るだけで

貴方の頬を伝うものが
藤色の眼から静かに流れ落ちること………