灰色の空から降り続けていた雪が
この地の全てを白く染め終えると


貴方は小さな明かりを灯す




燗を運んで来た私が隣りに座ると


いいかい?と目配せして
雪見障子を開いた




先程まで
目にしていたはずなのに

貴方が嬉しそうに指した景色は
何故か特別で



お酒も飲んでいないのに
貴方に肩を抱かれた私は

雪景色に 貴方に
見惚れてしまう