突然現れて

  連れ出された


白い髪 弾ませて

白い羽織 なびかせて

残り僅かな休憩時間

詰所を飛び出す



雨は上がってたけれど

 足元には水溜まり



  こんな日に

何処へ連れて行かれるのかと思えば



「綺麗だろう」


雨の雫に 二人を映す

   紫陽花



手折らなかったのは

   雨の雫も

 私に見せたかったから





紫陽花の数だけ

  二人を映す雫






「お、いかん!」


休憩時間は もうすぐ終わり


   タンッ   タンッ
   トッ   トッ

二人 手をつないで

 跳んだ水溜まり

          ふたつ

   
2007.06.25