ジャンヌ(ダイケンキ♀)、アリカ(ジャローダ♀)メイン。その他オリトレとチームメンツ
◆◇
「ジャンヌ戦闘不能。アリカの勝利!」
告げられたのは、私の敗北。ヒューゴに声をかけられるまで、呆然として動けなかった。
アリカと私はお互いトレーナーと旅立って、ジムも巡り再会を果たした。手合わせでバトルしようと持ちかけると、アリカは全力で拒否していたけど私は先に旅に出ていたアリカのバトルを見てみたかった。なんなら後でアドバイスしてあげようと思っていた。
そう、私が勝つ前提になっていた。大人しくて臆病で優しくて、小さい頃は私が引っ張っていたアリカを、私はなめていたのだ。
勿論手を抜いてなんかいない。でもタイプ相性を別にしても私と同じように、もしくはそれ以上に、アリカはバトルして経験値を重ね、戦い方をきちんと身につけていた。
「ジャ、ジャンヌだいじょ…」
「話しかけないで!」
ショックだった。涙目で駆け寄るアリカをはね除けるくらいには。
『手加減なし!恨みっこなし!』なんてほざいていたのに。いざ負けてこんなにショックを受ける自分が信じられなかった。
今までだって何度も負けて、悔しかったし泣いた時もあった。でもこんな気持ちにはならなかった。次は絶対勝つ!って頑張ってきた。
(アリカに負ける筈がない)
小さい頃から一番一緒だった、大切な幼なじみのアリカ。そのアリカを下に見ていた?それが一番ショックだった。
呼び止める声を皆無視して、ボールの中で引き篭もった。ただヒューゴは慣れたもので「落ち着いたら出て来いよ」と言ってきた。返事はしなかったけど。
そのまましばらく経ったと思う。アリカに謝りたい。でもなんて?
『アリカに負けると思わなくて、ショックを受けてごめんなさい』
ぶん殴りなくなるわそんなの……こういう時、兄さんならなんて言うだろう。
大人で頭良くて優しくて、でもバトルがどうしても出来なくて逃げてしまった兄さん。何年も会えてない。
あの時私は兄さんに幻滅した。アリカも、私に幻滅したかもしれない。やばい泣きそう。
「……ジャンヌ、聞こえる?」
アリカの声だ。
2020-11-17 22:14
ローダンセ
◆◇
「ジャンヌ戦闘不能。アリカの勝利!」
告げられたのは、私の勝利。呆然としていたら、ユゼにお疲れ様と言われて我に帰った。
ジャンヌに勝てるなんて思っていなかった。タイプ相性なんて物ともせず、どちらが勝ってもおかしくないバトルだった。
立ち上がるジャンヌに慌てて駆け寄ったけれど、
「私に話しかけないで!」
そう言ってボールに入ってしまった。ジャンヌに初めて拒絶されてしまった。お互い旅に出て、再会出来た時あんなに喜んでくれたのに。
弱虫で泣き虫でいじめられてた私を助けてくれた、友達になってくれた、『アリカ』とニックネームも付けてくれた。大切な幼なじみのジャンヌ。
「バトルなんてしなきゃ良かった…」
私もボールに引き篭もった。もう出ない。
でも少ししてユゼに「出てきなよ。アリカと話したい子が来てるよ」そう言われて、もしかしてジャンヌかもと思ったけど。
「ごめんなさい、突然」
来ていたのはジャンヌのチームメイトの、誠さんだった。
「い、いえ……お話というのは?」
「ジャンヌの事なんだけど……」
ーーそして私は今、ボールの中のジャンヌに話しかけている。
「誠さんがね、教えてくれたの。私の事、放って置けない、守ってあげたいと思ってて、強くなりたいって言ってたって……」
ジャンヌから返事はない。でも私は話し続ける。
「私だって強くなりたかった。ジャンヌが私を守ってくれたみたいに、私だってジャンヌの助けになれるように、ジャンヌみたいに強くなりたいって、頑張ったんだよ……?」
正直バトルなんて今も好きじゃない。ユゼはバトルに積極的じゃないし、私に強要もした事ない。それでも戦わなきゃいけない時、思い出したのはいつだってジャンヌだった。
「ほ、本当は……ジャンヌとバトル、したくなかった……でも、でもジャンヌのお陰で、バトル出来るようになったよって……つ、伝えたかったの」
手が震えて涙が落ちた。ジャンヌはお兄さんの事があって、私なんかよりずっとバトルを頑張っていた。勝利に真剣だった。だから、だけど……
「私の事、嫌いになった……?」
「なってない!!」
ジャンヌはそう言ってボールから出てきてくれた。ジャンヌも泣いてた。ぎゅっと抱きしめられた。
「ごめん。ごめんね……!アリカは何にも悪くない。私が……!」
「ううん……ジャンヌ、いいんだよ。ジャンヌが私にくれたもの。沢山あるんだよ」
力が欲しい訳じゃない。でも強くなりたい。私達の気持ちは同じだった。
◆◇
ローダンセ…花言葉は『変わらぬ思い』『終わりなき友情』
「ジャンヌ戦闘不能。アリカの勝利!」
告げられたのは、私の勝利。呆然としていたら、ユゼにお疲れ様と言われて我に帰った。
ジャンヌに勝てるなんて思っていなかった。タイプ相性なんて物ともせず、どちらが勝ってもおかしくないバトルだった。
立ち上がるジャンヌに慌てて駆け寄ったけれど、
「私に話しかけないで!」
そう言ってボールに入ってしまった。ジャンヌに初めて拒絶されてしまった。お互い旅に出て、再会出来た時あんなに喜んでくれたのに。
弱虫で泣き虫でいじめられてた私を助けてくれた、友達になってくれた、『アリカ』とニックネームも付けてくれた。大切な幼なじみのジャンヌ。
「バトルなんてしなきゃ良かった…」
私もボールに引き篭もった。もう出ない。
でも少ししてユゼに「出てきなよ。アリカと話したい子が来てるよ」そう言われて、もしかしてジャンヌかもと思ったけど。
「ごめんなさい、突然」
来ていたのはジャンヌのチームメイトの、誠さんだった。
「い、いえ……お話というのは?」
「ジャンヌの事なんだけど……」
ーーそして私は今、ボールの中のジャンヌに話しかけている。
「誠さんがね、教えてくれたの。私の事、放って置けない、守ってあげたいと思ってて、強くなりたいって言ってたって……」
ジャンヌから返事はない。でも私は話し続ける。
「私だって強くなりたかった。ジャンヌが私を守ってくれたみたいに、私だってジャンヌの助けになれるように、ジャンヌみたいに強くなりたいって、頑張ったんだよ……?」
正直バトルなんて今も好きじゃない。ユゼはバトルに積極的じゃないし、私に強要もした事ない。それでも戦わなきゃいけない時、思い出したのはいつだってジャンヌだった。
「ほ、本当は……ジャンヌとバトル、したくなかった……でも、でもジャンヌのお陰で、バトル出来るようになったよって……つ、伝えたかったの」
手が震えて涙が落ちた。ジャンヌはお兄さんの事があって、私なんかよりずっとバトルを頑張っていた。勝利に真剣だった。だから、だけど……
「私の事、嫌いになった……?」
「なってない!!」
ジャンヌはそう言ってボールから出てきてくれた。ジャンヌも泣いてた。ぎゅっと抱きしめられた。
「ごめん。ごめんね……!アリカは何にも悪くない。私が……!」
「ううん……ジャンヌ、いいんだよ。ジャンヌが私にくれたもの。沢山あるんだよ」
力が欲しい訳じゃない。でも強くなりたい。私達の気持ちは同じだった。
◆◇
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