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きっとこれは、

最初に意識はしていなかった
水面に浮かんだ瞬間、ふと気づいた程度のそれ
叶うことのない恋だと一瞬でわかって、なお水面に浮かべておいた
多分勝手に沈んでくれるだろう
そう思っていた
沈めてくれるものがいたから、あっさりとそれは沈んでいった

恋した彼女が、笑っている
沈んでいたそれが、少しだけ顔を出した
でも、最初から熱などなかったから
すこしやわらかくて、やさしかったそれは、心の中で、じわりとにじんでいくだけ

ああ、それが消えていくんだなと気づくのは、叶うことのない恋だと気づくよりも早くて
さよならも言わずに、目の前から消えていく

叶うことのない恋だった
叶えるつもりもない恋だった

本当は、恋と言えるかも、わからなかった

I believed it.

赤い薔薇
青い蝶
市松模様の床に敷かれた豹柄の布
鎖で繋がれた、銀色

あんなに焦がれていた日々は、一瞬にして色を取り戻した
あの時吐き出された期待は、どこかに飲み込まれていった

さあ、幕はもう一度上がる
その時をどうか
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私が夢見た(Xepher)

君の幸せを願う

私の幸せを願う

君の夢を願う

 

いつかの終末を願うことは許されるかもしれない

いつかの終末がもう一回始まりに戻ることも、後悔などしない

君を失ってなお、終末を願うことは容易い

しかし君を失うことはより酷で

君が見つけてくれた世界を、もう一度なくしてしまうことになる

君が見つけてくれた救いを、すべて投げ捨てることになる


君の願いが叶えば、君は君のままでいられるから 

だから、君の願いが叶ったときには

私の願いも叶えられるとき

 

君の幸せを願う

私の幸せを願う

あなたの、幸せを願う

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辿り着くことができるなら(reunion)

振り返ると彼はいなかった
どこを通り抜けたのか痕跡さえ残さず消えてしまった
空になった掌はすぐにじわりと冷たくなる

初めて出会った場所ならいるだろうか
血の海に曝されてしまったような、あの真っ赤な世界か
それとも灰色に塗り込められた空間なのか
しかし、きっとそこにはいない
きっといるなら、よく見知った場所だろう

もし見つけ出したらもう一度手を握るのだろうか
何事もなかったかのように、会えたことを喜ぶのだろうか
きっと、珍しく微笑を携えるだろう

そうしたら
どんな顔をしたらいいのかわからない

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透かすことのできない(???)

 君を失い、僕は立ち尽くした。当たり前と言えば当たり前であって、今さらそれを否定する要素なんてどこにもない。そもそも理由なんて分かりきっているのに、目を瞑ることすらできないのに、どうして何もなかったかのようにふるまうことができるのか。
 わかっていることは、あの日々が二度と戻ってこないだろうということだけ。もう一度、夢に見た、いや、確かに現実であった過去は僕らのなかで失われたのだ。それらを感じることもなく、崩れていった。
(ピエロの素顔は果たして笑っているのか泣いているのか)
 気持ちほど不確かなものは、分かりようもない。

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