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沈黙の歌を、夜に響かせることができるなら…
「リヒト、もう行くのか?」
星を連想するような、金平糖
なぜか、夜空の下で、食べていた
おいしい?と隣にいる君に聞けば
甘いね、とだけ返ってくる
星を砕く音が聞こえる
ああ、これが星だったなら
拡声器を使わなくても、声が届くのだろうな
あの星が金平糖ではないから
僕らの声は、拡声器を使っても、届かないのだろう
ばらばらになった星は、溶けていく
僕らの中に、溶けていく
きっと、この風景は、過去に誰かが見たものなのだと、ぼんやりと考えた
仕事が終了してから、4人は顔を見合わせて、ため息をついた。今日はなんだか疲れた。誰も口にはしなかったが、顔からはそんな雰囲気がにじみ出ている。
「…それ、どうすんの?」
黄がぽつりとつぶやく。目線の先には、青がいた。もちろん、黄の言う『それ』とは、青自身のことではなくて、彼が持っている、花束だったのだが。
別に、今日の仕事は表立ったことはしていなかった。今度1曲仕上げることになっていたから、それの打ち合わせと、少々の音源収録を行ったくらいで、その曲が完成したとか、作業が終わったわけではない。進展も特になかった。だというのに、今日の仕事が終わった瞬間、スタッフからなぜか花束を渡された。理由はわかっているのだが、いやいや、まだ終わってないですし、と言っても聞いてくれない。
なにより、花束を贈ってくれたスタッフの、あの優しそうな笑顔を見て、なんとなくこれ以上説得するのも無理だと思って、結局受け取ってしまった。
「よっぽど嬉しいんだろうなあ」
桃が、ぼんやりと花束を見つめながら言う。花束は、真っ赤なバラだった。思えば、仕事中にしょっちゅう赤いバラは目にしている気がする。イメージフラワー扱いでもされているのだろうか。
車のライトが光る
性 別 | 女性 |
誕生日 | 7月22日 |
血液型 | A型 |