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沈黙の歌を、夜に響かせることができるなら…
桃の誕生日ですね。おめでとうございます。うっかり忘れていたのは秘密です。
桃の誕生日というわけで、ふと気になったことをひとつ。
彼ら、ケーキのろうそくってどうしてるんでしょうか。
メンバーでお祝いするなら、毎回一緒だろうけれど、メンバー別に対応が違ったら、それはそれで面白いなと。
桃は、1本の大きなろうそくを十の位に見立てて、十の位と一の位を足した本数が立ってそう。
青は、何気なくリビングにやってくると、色とりどりの瓶をテーブルに転がした。そのうちのひとつ、深い青に染まっているものの蓋を開ければ、むせるような、独特の塗料の匂いが部屋に立ち込める。決していい匂いではない、いや、大半の人にしてみれば不快以外の何物でもないそれのせいで、当然、ずっと同室にいた桃が顔をしかめる。
「……なにやってんの?」
「マニキュア塗ろうと思って」
問われて、即座に蓋を閉めると瓶を軽く振る。桃は匂いがきついからその前に窓くらい開けろよ、とぼやくと、窓際まで行った。窓を開けると、すぐに先ほどまでの匂いは和らいだ。
「…なんでまたここで?」
ふと気になって、桃は聞いてみた。青は、少しだけ黙ると、なんとなく気まぐれで、と返してくる。
「桃も塗る?」
「めんどくさいから塗って」
桃は、足早に青の元へと寄り、ずいっと彼に向けて手を差し伸べた。青がその手を取ると、まるでエスコートされたかのように、ソファに座った。青は、その様子に苦笑すると、何色がいい?と瓶を指さすが、答えを待たずに、爪にやすりをかけ始める。丁寧なものだが、桃にしてみたら、そんな丁寧にやらなくていいのに、という心持ちだ。
「んー、…透明で」
「透明でいいの?」
「よく考えたら、今日練習するつもりだったからさ。初っ端から剥げたら寂しいし」
「それもそうか」
納得すると、そのまま爪を磨く。かなり手馴れていて、かなりの速さで進んでいく。
「しかしまあ、わざわざこっちまで来るの珍しいな」
「そう?」
「自室でやりゃよかったじゃんか」
「まあ、そうなんだけどさ、気まぐれで」
先ほどから、気まぐれ、気まぐれ、と繰り返す青に、なんとなく桃は違和感を覚えた。
(…ああ、こいつ、寂しかったのかもしれないな)
会話も絶え、手持無沙汰になったところで、ふとそんなことを考えた。今、この部屋には、青と桃しかいない。凍夜と黄は、それぞれ用事があって出かけているのだ。多分、桃が話しかけてくることは想定外だっただろうが、わざわざ桃の近くまで来たのは故意だろう。
そもそも、マニキュアなんて、メンバー全員が滅多に塗らない。撮影用だとか、爪の保護だとか、そういう理由がない限り使わないそれをわざわざ引っ張り出してくる時点で気づけばよかったのかもしれない。勝手に納得していると、いつの間にか作業が終了していた。
「はい、終わり」
「おー、ありがとな」
「そんな感じでいいかな?」
「うん。というか、青って器用だからこういう細かい作業任せると本当に助かる」
「そうでもないけどなあ」
さきほどまで使っていた瓶を仕舞うと、桃は首を傾げた。
「…青は塗らないの?」
「んー、最初は塗ろうと思っていたけど、桃のを塗ってたら面倒になってきちゃった」
青は、ひらひらと手を振る。青の爪を見て、桃は、思わずため息をついた。
「…あー、青って意外とどうしようもないやつだよな」
きれいに磨かれた爪を見ながら、あえて、わかりづらく言ってやる。当然、青は、真意を掴めずに、動揺していた。青も気まぐれなら、桃だって、それ以上に気まぐれなのだ。
ヴィジュアル的にいいなあと思ったものの、小説だと上手く表現できなさそうだなあと思った話。
連作〜、キラリヒ〜、Venus〜、と唸っていたところ、はっと閃くものがあったので、メモ程度に。
お久しぶりです。
性 別 | 女性 |
誕生日 | 7月22日 |
血液型 | A型 |