侍女に義弟にルキア
皆、其方が欲しがっているものを知っておるらしい。
欲しいものがあるのなら、何ゆえ夫である私に言わぬ。
妻が望むものを贈るのに、時期や理由など唯のきっかけに過ぎぬ。
「其方は何が欲しいのだ」
部屋に呼び付け突然問われた内容に、瞬きを繰り返す。
「欲しいものがあるのならば申してみよ」
この私に一番に…
それが叶わなかった今、其方が喜ぶ姿を独占することしか出来まい。
「それは―――」
頬を染め、傍らで耳元で告げる。
「白哉様の――――」
………何と返答すれば良い?
私にしか与えられぬ"それ"を望む其方に応えるには、
態度で示すしかなかろう――――。
護廷十三隊の規律でなくても
上官に刃を向けることを許せるはずがなかった。
たとえそれが雛森くんであろうとも
自分の上官に刃を向けられて、見過ごすことなどできなかった。
刃に対し刃でしか制せれなかったのは僕の力不足だ。
だから後悔した。
だから日番谷隊長らを惹き付けている間に真実を暴くと言った市丸隊長を信じた。
だからだから―――
僕は間違った のだろう、か………。
僕が守りたかったものは何だったのだろう
牢よりも囚われた世界
利用されたことよりも隊長を信じきっていた自分への憤り……
僕が守ったものは何だったのだろう―――
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