作家・有川浩のベストセラー小説『旅猫リポート』が福士蒼汰を主演に迎え実写映画化されることが決定した。原作者の有川浩が「一生に一本しか書けない物語」と表現するほど思い入れのある作品で、映画化するにあたり自ら脚本を手がけている。蒼汰君はほぼ全編で相棒の猫と共演するため、撮影開始3週間前からスキンシップ。「大切な人たちや猫への思いを自然体で届けられたら」と猫との“二人三脚”で感涙の演技を約束した。
元野良猫のナナは、交通事故にあったところを心優しい青年・悟(サトル)に助けられ、5年間、飼い猫として幸せに暮らしてきた。しかし、とある事情でナナを手放さなくてはならなくなった悟は、新しい飼い主を探すため、ナナと一緒に日本各地を巡る旅に出る。幼いころの親友や初恋の相手など、悟がこれまでの人生で出会ってきたさまざまな人たちを訪ね歩く中で、伝えられなかった気持ちや本当の絆、そして悟の知られざる過去や秘密が明らかとなり…。
[図書館戦争][植物図鑑][阪急電車]など、著作が次々と映像化され、いずれも大ヒット、“最強のストーリーテラー”との呼び声が高い有川氏のシリーズ累計40万部突破のベストセラー小説を映画化する本作。心優しい青年・悟と愛猫・ナナ、強い絆で結ばれた一人と一匹のおかしくも切なく、あたたかい物語は、2012年の発売以来「号泣必至!」と大反響を呼び、瞬く間に大人気に。数々の文学賞候補に選ばれ、有川ファンや小説ファンの間でも高く評価されている。
原作の高い評価を受け、これまでに絵本化、舞台化、ラジオドラマ化、朗読劇化など様々なメディアミックス展開が行われ、映像化へのオファーも殺到。これまで有川と演劇集団キャラメルボックス所属の阿部丈二によるユニット[スカイロケット]により2013年に舞台化、2014年に NHK FM の[青春アドベンチャー]でラジオドラマ化、2017年に朗読劇が上演されたほか2014年に絵本も出版されてきた。だが、全編にわたり猫の高度な演技が求められることから、映像化は不可能といわれてきた。そのため、製作サイドは動物プロダクションとの余念のない準備を行っており、猫のリアルでかわいい表情やしぐさが詰まった「猫映画の決定版」を目指すという。
同作では全編にわたり猫が登場。高度な演技が要求されるが、猫は犬と違って調教が難しく、映像化は不可能と言われてきた。その壁を乗り越えるべく、大手動物プロダクション「ZOO動物プロ」の猫トレーナー、北村まゆみが協力。原作者の有川氏は「猫さまの都合を第一に。必要であれば、脚本はいくらでも書き換えます」と初めて脚本開発に参加し、実写化が実現した。
ある秘密を抱える主人公・悟役を演じるのは福士蒼汰。芝居で動物と初共演した蒼汰君は、ナナを演じる白地に黒ブチのオス猫と、先月末のクランクイン3週間前からスキンシップ。北村サンから何度もレクチャーを受けて、ナナと心を通わせてから撮影に臨んだ。
監督を務めるのは、昨年、有川浩原作[植物図鑑]を映画化し、興行収入23億円を超える大ヒットに導いた三木康一郎監督。撮影にあたり最大の難問とされてきた猫の芝居については、動物プロダクションとの入念な準備のもと、猫のリアルな表情やしぐさ捉えている。
▽福士蒼汰コメント
原作を読み、やわらかいものに丸く包まれているようなやさしい物語だと思いました。けれど、その中に隠された秘密や過去にドキッとする瞬間が何度かありました。そのドキッとした時の気持ちと作品全体を包むやわらかい空気の両方を大事にして、悟を演じたいと思います。大切な人たちや猫への思いを、自然体で届けられたらいいなと思います。
お芝居で猫と共演するのは初めてなので、最初は猫との距離感に少しドキドキ、猫見知り(?)しました。でも、相棒のナナは、クルクルとした毛がチャーミングな、ちょっとやんちゃでかわいい猫なので、日々楽しく撮影しています。
▽三木康一郎監督コメント
脚本を読み、涙しました。自分には何ができるのか?考えさせられましたし、愛する事の尊さを感じました。
映画を見てくださる方々にも、愛する事の尊さが少しでも伝わるような作品にしたいと思います。
有川先生の作品は2作目ですが、いつも登場するキャラクターの聡明さに心打たれます。今回も全ての登場人物が生き生きして、やさしい。どう表現するか、とても楽しみです。
福士蒼汰さんは悟のイメージにぴったりで、やさしくておおらかで、強く、福士さんが悟なんじゃないかと思う程です。彼の雰囲気を壊さないように、さらに、今の彼の魅力を十分引き出したいと思っています。
皆さんの心の奥のやわらかい部分をギュッと掴むようなものにしたいと思っています。
▽原作&脚本・有川浩コメント
これは、一人と一匹の最後の旅の物語です。でも、きっと悲しさではなく幸せを感じていただけると思います。
今回は、これまでにご縁があり、その力を心から信頼できる方々に映画化していただけることになりました。
こちらからお願いしたのは、とにかく猫さまの都合を第一に!ということ。猫のしたくないことはいっさいさせない。必要であれば脚本はいくらでも書き換えます、と。
けっして言うことをきいてくれない猫さまを一緒に愛してくださるみなさま、サトルとナナのふたりの旅を見守ってあげてください。
▽製作プロデューサー コメント
人気者でありながら飾らず、周りを一瞬で虜にする笑顔とドキッとさせるような大人の表情が同居する福士さん。彼以外に、悟役は考えられませんでした。内に秘める強さを持ちながら、みんなに心から愛される悟を、ナチュラルに、魅力的に表現していただけると思っています。
相棒の猫・ナナと見つめ合う福士さんを見て、今までにない猫の映画をお届けできると確信しています。ご期待ください!
映画は2017年2月末にクランクイン、4月中旬にクランクアップの予定。目下、主人公・悟と猫・ナナが旅をする日本各地でロケーションを敢行中という。
『旅猫リポート』は、2018年に全国で公開。