自分のものでは無いと分かっているのだが、
触れる間際に目を覚ます
群青色を醒ます朝ぼらけの空が広がっている
また夜が明けた。深海に浸る私の心にとって朝の光は穏やかな苦痛だった
鬱屈な心境に見合う嵐か雷雨を所望したいが、この所皮肉な程冴えた晴れ模様が続いている
肌を焼くような灼熱であれば痛みを伴って古傷の記憶も霞んだやも知れない。けれど薄ら寒いこの部屋へ射す陽はじんわりと苛む
胸の冷たさに体を丸める。裂いて中のものを引きずり出してやればこの鬱々とした空気とも別れられるだろうか
現実では遠に終焉を迎えたと謂うのに、夢の中ですら得られないとは
それが進行している最中は、手に入らないことにやる瀬なさを感じていた。
同時に諦めていた。焦がれる胸の疼きに陶酔していたからこそ堪えていた様に思う
不成就の恋を羨望していた。感情に飲まれたのにも気付かず、今の今まで盲目的に恋をしていた
莫迦な事を
胸を痛める恋をした
顔を覆う手にもう契り合った証はなく、少し日焼けた赤い後だけがうっすらと残っている
祈る時のように関節を絡ませ、夢の中のそれには熱が無かった と今更思い返していた
(愛しい気がした)
title-Joy