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小さい頃の夢と今の夢


暖かい空気に包まれて
目を開けた先に先生の横顔がある。ぼんやりと見ていると書物に目を落とす先生がこちらを向いた。やあ、おはよう。柔らかい表情で眼鏡を外した

「いい夢を見れたかい」

小豆色の布をレンズに宛てる。一連の仕種が心地よくてとろりと瞼を落とす。
昔の事です。カーペットの生毛の感触を頬に擦りつける。指を沈めるのはほぼ同時で

「あなたに強く迫っていました」

滑稽ですね、体を立ち上げ縮こまっていた両肩を鳴らす。相変わらず先生の眼差しは穏やかに向けられていて前髪の隙間から笑ってみせた。
先生は何も言わない。
節の目立つ手から眼鏡を取って耳にかけた。

「その頃コレに憧れていました」

屈託なく口に乗せ縁を持ち上げる。まだ先だよ、と目を細めた。


title-Joy

もしドラえもんがいたら

 子供服ってみたことある?
 すごく軽くて生地はタオルみたいにやわらいんだよ。知ってる?靴なんてこんな小さくて、手の平に収まるくらい。これなら履かなくても同じじゃないかってくらい小さいんだ。まるでミニチュアみたい。あの小さな穴に体が納まるんだと思うとちょっときゅんとしない?今の変な話じゃないからね。
すぐ大きくなるんだからなんでもいいって思うけど、本当にいくらあっても困らないよきっと。
 でもそれをいうならあんなものが人の体に納まることも信じられないよね。人の中にさらに人を入れて育てるんだから異様に変わりないか、どんな感じなんだろうね。僕らはきっと知らず仕舞いなんでしょうね


ふざけて彼の腹に耳を当てた。鼓動が布越しに伝わる。腰に縋るように頭を擦り付け没頭していると指が髪を梳いた。空しさに気が付いたが気付いていない振りをして腹部を撫でた。棒立ちの彼に膝付いた僕は沈黙を壊す言葉を手当たり次第に出し続ける。静寂の中で胎児を想像したら黙っていられなかった。

子供服の肌触りを知ってその小ささにきゅんとしてもその感覚だけは教えることも味わう機会も分からず仕舞いなんでしょうね、ごめんなさい

title-Joy

一番古い記憶


「お前べそかいて追い掛けて来て今にも落ちそうだったから、船の先ぎりぎりから手ェ振ってやったんだよ」
「んで、」
「落ちた」
「馬っ鹿だぁー」
「お前が[いかないで]って」
「違ぇよ、[俺まだ乗ってないよ]って」


(言ったんだよ)


title-Joy
[同]

寝言


ねぇ、甘ったるい声色が袖を引いて下を向いた先の甘ったれた面が鼻に付く
「抱いてくれるなら肋ごと潰してくれてもいいよ」
冷えた足先に唇の感触。温かった
「テメェ潰すのに背筋が何kg必要か計算しろ」
抜け殻ぶったマゾヒストの相手なんざ面倒臭ぇ。どれだけ疵を刔ったところで快感なら潰しても潰しきれねぇんだろうよ


title-Joy
[同]

最長睡眠時間


酒は飲んでものねれるな、ねれるなってなんだよ説得力ねぇ。その状態でメールするお前、完全アウトだ。お前っつうか俺?昼真っから煽んなよ、飲み屋は開店すんな。まァ別に家酒だったけどね。そんな昨日の俺になんかサイナラっつう……
あー……アタマ重

「素面に戻る瞬間ってのが一番クルんだよな……なぁブラザー、ブラザー?」

あ、日付変わってる。おはよう12回のコールランプと未読メール。さよならくそツマンネェバイト先。つうか自棄酒兼祝い酒で一日潰す俺ヤバイ死ねる。最終メールは本文まる残し


> へいブラザー、来月より養ってやるから
> それまでヨロシク(^-^)/

 re:実家帰れ




就職先には教えられない失態第一号に認定!


title-Joy
[同]
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