阿部寛が主人公の日本橋署刑事・加賀恭一郎を演じ、2010年4月に連続ドラマとしてスタートした東野圭吾原作の【新参者】。このほど、阿部サンが約3年ぶりに本シリーズに復帰、初共演の松嶋菜々子と原作シリーズ10作目『祈りの幕が下りる時』の映画化に挑むことになった。
東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は、ハウスクリーニングの会社で働く滋賀県在住の押谷道子。殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。松宮(溝端淳平)たち警視庁捜査一課の刑事たちが捜査にあたるが、押谷道子と越川睦夫の接点がまったく見つからず、捜査は難航。なぜ、滋賀在住の道子が東京で殺されたのか。やがて捜査線上に浮かびあがったのは、明治座で舞台を上演中の女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)だった。
道子は学生時代の同級生である博美を訪ねて東京に来たことが分かるが、博美と越川の間にも接点がなく、捜査は進展しない。松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、捜査を進めるうちに、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。それは孤独死した加賀の母に繋がっていた――。
原作は、累計発行部数1183万部(17年6月現在)を突破する人気シリーズ。本作は、作家・東野圭吾がデビュー当時から描き続けた“加賀恭一郎シリーズ”の10作目『祈りの幕が下りる時』を映画化したヒューマンドラマ。事件のトリックを暴くだけでなく、その裏に隠された人間たちの心情をも解き明かす“人の心の謎を解く名刑事”加賀恭一郎の活躍を描く。2010年に連続ドラマとしてスタートし、 2本のスペシャルドラマ[赤い指][眠りの森]と、映画[麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜]に続く、映像化となった。2012年の、共演に新垣結衣や松坂桃李、菅田将暉らを迎えた映画[麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜](興行収入16.8億円)も公開。“泣けるヒューマンミステリー”として絶大な人気を誇っている。もちろん主人公の加賀刑事も、事件のトリックのみならず、その裏に隠された人間たちの心情をも解き明かす“人の心の謎を解く名刑事”として人気が高いキャラクターだ。
だが、加賀のたぐいまれなる推理力で数々の事件が解決されてきたものの、未だ明かされていないのが、“加賀の母の失踪”。これまでの作品で何度も触れられていながらも解き明かされなかった“最大の謎”が、今回の映画ではついに明らかになり、【新参者】シリーズが完結を迎えることになるという。
本作【加賀恭一郎シリーズ】10作目にあたり、第48回吉川英治文学賞を受賞した『祈りの幕が下りる時』(講談社文庫・発行部数79万部/6月19日時点)。加賀恭一郎の母はなぜ息子を残し失踪したのか?加賀が日本橋に留まる理由とは?本作で描かれる加賀とある女性演出家の出会い。その演出家の周りで起こる不可解な事件。数々の人生が絡み合い、加賀恭一郎はなぜ【新参者】になったのか…という謎が描かれていく。
加賀恭一郎役の阿部寛のほか、加賀の従兄弟で警視庁捜査一課刑事・松宮役の溝端淳平、加賀の父親を看取った看護師・金森役の田中麗奈、加賀と確執のある亡き父・隆正役の山崎努らレギュラーキャストが引き続き出演。今作初出演メンバーには、女優で演出家の浅居博美役を演じる松嶋菜々子や、小日向文世、伊藤蘭が決定している。監督は、映画[私は貝になりたい]や、[華麗なる一族][半沢直樹][下町ロケット]等の大ヒットドラマを演出した福澤克雄が務める。脚本は、2014年に[TBS連ドラ・シナリオ大賞]佳作を受賞した李正美が担当した。
▽阿部寛コメント
3年ぶりに加賀恭一郎を演じることになりました。このシリーズは人形町から始まりました。今回は人形町でも撮影をしているのですが、ここに帰ってくると気持ちが引き締まり、「新参者」をやっていた当時の思いがよみがえります。加賀は父親との間に確執があるんですが、今回の話では母親のことも初めて描かれ、さらにそのことが捜査にも絡んでくるという展開です。また松嶋菜々子さんが事件の鍵を握る人物・博美を演じますが、共演は初めてです。どんな博美を目の前で見られるのか楽しみにしています。映画「祈りの幕が下りる時」は来年公開です。是非お楽しみに。
▽松嶋菜々子コメント
阿部さんとは初めてご一緒させて頂きますし、長年の人気シリーズに参加させていただくことをとても光栄に思っております。私が演じる浅居博美という役は、悲しい過去を背負った陰のある女性という印象です。撮影にはこれから合流となりますが、レギュラーの出演者の皆さんと共に素敵な作品にできたらと思っております。
▽原作・東野圭吾コメント
ついにこの小説が映像化されるのかと思うと、感慨深く、そして末娘を嫁に出すような寂しさがあります。
とはいえ阿部さんはもちろんのこと、この役者さんたち、このスタッフならば何の心配もないと
確信しております。良き作品に仕上がることを祈っています。
▽伊與田英徳プロデューサー コメント
阿部寛さん演じる・加賀恭一郎が新参者として人形町にやってきてから、早いもので7年が経ちました。
「新参者」の原作を読んだとき、加賀恭一郎のクールなように見えながらも、人の気持ちの裏を読み、人の心の闇を解いていく、人間味溢れた人間性に引き込まれ、一刻も早くドラマ化したいと思い立ったことを昨日のことのように覚えています。
そして、ファーストインプレッションでイメージが沸いた阿部寛さんにオファーし演じていただいて、第1話を見たときに、自分で言うのも何ですが、武者震いするような感動を覚えました。
私にとってかけがえのない作品です。
松宮役の溝端くん、父の隆正役の山崎努さんをはじめとした素晴らしいキャストに恵まれて、連ドラ、スペシャルドラマを2本、映画と多くの時間を一緒に過ごしてきました。
大げさに聞こえるかもしれませんが、加賀恭一郎と一緒に人生を歩んできた感じがします。
その、加賀が今回で、人形町を去ることになります。
大変寂しいように思えますが、加賀がなぜこの街に来たのか、優秀な刑事なのにも関わらず、所轄刑事としてい続けた謎が、この映画で分かることになります。
謎が解決したからこそ、彼は、ここにいる必要がなくなった訳です。
そのキーマンとなるのが、松嶋奈々子さん演じる浅居博美です。
この人形町ファイナルにふさわしい感動巨編になっています。
阿部さんと松嶋さんの初共演というところも見どころです。
とにかく、加賀が「新参者」でなくなるこの映画を是非楽しみにお待ちいただけたらと思います。
撮影は6/9にクランクインしており、7/25に撮了を予定。
『祈りの幕が下りる時」は2018年、全国にて公開。