TOKIOの長瀬智也が主演を務め、池井戸潤の小説を初めて映画化する『空飛ぶタイヤ』。第2弾キャストとして長瀬サンが演じる整備不良を疑われた運送会社社長・赤松と対峙する、ホープ自動車の沢田課長役にディーン・フジオカが決定。撮休日に行われた2人の特別インタビューの模様も到着した。
ある日、突然起きたトラックの脱輪事故。整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、トラックの欠陥に気づき、製造元・ホープ自動車に再調査を要求。だが、遅々として進まない調査に苛立った赤松は、自らの足で調査を開始するが、そこには大企業がひた隠しにするリコール隠しがあった――。
本作は、[下町ロケット][半沢直樹]の作品で知られ、2006年に発表した、第136回直木賞候補作にもなった120万部突破の大ベストセラーの池井戸作品を、初めて映画化する人間ドラマ。ディーンさんが演じるのは、ホープ自動車のカスタマー戦略課課長・沢田悠太。赤松からの再三の再調査要求を疎ましく思いながらも、自らも調査内容を疑問に思い調べていく内に、会社がひた隠す、重大な事実に気づいてしまう。過去にも行われていた“リコール隠し”。それは2度とあってはならないことだった。自らの心の内の正義と、大企業のサラリーマンとしての自分の立場に揺れていく沢田。ディーンさんはこれまでにない難しい役どころで、俳優としての新境地を開く。
今回の映画では、原作にはない赤松と沢田が“直接対峙”するシーンを、映画オリジナルとして描いていく。立場の違う2人が、それぞれの正義を胸に、お互いに気持ちをぶつけ合う緊迫したシーンは、本作の大きな見どころの1つとなった。
監督は[鴨川ホルモー][超高速!参勤交代]などの本木克英。長瀬サンとディーンさんは、本作が初共演。ともに本木組・池井戸作品へ初参加となった。撮休日に行われた2人の特別インタビューは、それぞれ造詣の深い音楽の話で盛り上がり、互いに「もっと一緒にお芝居したかった」と称え合うなど、本編の緊迫した雰囲気とは一転、非常に和気あいあいしたものとなった。
ディーンさんの起用理由について、本作の矢島孝プロデューサーは、「表面のクールさと内に秘めた熱さ、繊細さと大胆さ、組織の理論と個人の価値観、そんな二面性を持つ沢田を演じられるのはディーン・フジオカさん以外にいないと確信し、オファーいたしました」とコメント。
本木克英監督もディーンさんについて「男から見ても溜息が出るほど美しい容姿と、鍛え抜かれた肉体から発するキレの良い所作に、往年の日本映画の二枚目俳優が彷彿とさせられました。『エリートの沢田ここにあり』と思えるストイックさと知性も溢れて、ただただ見惚れるばかりでした」と、絶賛を贈っている。
長瀬サンとディーンさんによる2ショットインタビューも併せて公開された。
――初共演ですが、お互いの印象を教えてください。
長瀬:以前に音楽番組でギターを弾いている映像を見て、音楽好きなんだという印象があったので、ディーンさんがクランクインした日からずっと音楽の話をして盛り上がっています。全然気取らないし、お芝居に集中するときはしっかり集中するし、とても楽しい人です。感覚的に自分に近いものを感じています!
ディーン:現場でずっとお話させていただいてますが、本当に気持ちの良くて楽しい方です。スカっと晴れた日のカリフォルニアみたいなイメージ。今回の赤松という役は、真っすぐで情熱的で、長瀬さんはベストキャスティングだなと隣で日々感じています。
――現場の雰囲気はいかがでしょうか?
長瀬:スタッフのクオリティと経験値が素晴らしく、撮影もスムーズで楽しい現場です。
ディーン:同じくとてもスムーズで、むだがなく、チーム一丸となって素晴らしい作品を作ろうとする気概を感じています。
――一緒にお芝居をしてみての感触はいかがでしょうか?また、映画オリジナルとして、原作にはない赤松と沢田が対面するシーンが描かれますが、どのように演じましたか?
長瀬:ディーンさんと絡むシーンはあまり多くなく、お互いのお芝居を想像しながら…ということが多かったのですが、その分対面するシーンにエネルギーを溜めて挑むことができました。沢田は大企業に勤めるエリートサラリーマンですが、彼にも彼なりの正義感があるような印象を抱いています。本当はもっと一緒にお芝居したかったですが、この作品にとって意味のあるシーンになったかと思います。
ディーン:なかなかご一緒するシーンがなく、僕ももっと一緒にお芝居をしたかったです。赤松と沢田は立場が全く違いますが、正義に対して近い価値観を持った二人がぶつかり合い、最終的にはそれぞれの戦いを全うしていく…こういう人たちがいたら世の中いい方向に行くんじゃないかなと、希望を感じながら演じることができました。きっといい画が撮れていると思います。
――本木克英監督の印象を教えてください。
長瀬:役者を信頼して委ねることはなかなか難しいと思うのですが、本木監督は気持ちを汲んでくださるので、自由に演じさせてもらっています。ビジョンも明確で、スタッフのクオリティーも本当に素晴らしく、台本だけでは見えなかったものが現場に入って見えた瞬間がありました。
ディーン:クランクインの前に綿密にコミュニケーションを取らせていただきました。演出はもちろんですが、スタッフの統率力や決断力・想像力が素晴らしく、むだがない、映画監督のロールモデルのような方だと思っています。
――現場での印象的なエピソードがありましたら教えてください。
ディーン:たまたま昨日の現場の仕度場所がカラオケボックスで、待ち時間に皆でカラオケをしたことですかね(笑)。僕も歌いましたが、この作品の某プロデューサーがジャケットを脱いでノリノリで歌っていました。ビースティーボーイズやSMAPなど…すごく楽しかったです!
長瀬:僕は昨日いなかったんですが、次回は是非参加したいです。楽屋をカラオケボックスにしてください(笑)!
――池井戸作品初の映画化ということで、意気込みをお願いします。
長瀬:すごく意外でしたが、プレッシャーにはならないよう、変わらず本気でやれればいいかなと思っています。素晴らしいメッセージを持つ作品ですし、映画にしか出せない良さを出していきたいです。
――最後に、'18年の公開に向けてメッセージをお願いします。
長瀬:赤松運送やホープ自動車を通じて、今の社会を描いている作品です。社会人として、という前に一人の人間として、とても考えさせられる内容になっていますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
ディーン:本格的社会派人間ドラマですが、「正しさとは何か」という物事の根底にある大切なものを考えさせてくれる作品です。ちょっと重い話ではありますが、見たあと、きっと爽快な気持ちになると思うので、ぜひ映画館に見にいらしてください。
4月末にクランクアップし、秋の完成予定。
映画『空飛ぶタイヤ』は2018年に全国公開