2016-9-4 21:30
ライオネルは元々はランベールの祖父の親友の孫でした。剣技が得意な祖父に連れ立って、剣の腕前を上げ、その才能を伸ばします。幼馴染のエリカさんと稽古が終わった後は遊んだりして、平和な毎日を楽しんでいました。
両親はおらず親戚付き合いもしてなかったが為、祖父が亡くなった際にランベールの家に引き取られました。エリカさんとは「何かあったら必ず飛んで帰ってくるから」と言って別れます。とは言え、幼い彼にはそれが簡単には叶わない事も分かっていました。
故郷を離れた後、引き取られたランベールの家でも剣術を学ぶ事になります。ライオネルの祖父も実は名のある剣士でしたが、ランベールの家は元々由緒正しい剣士の家だったのです。より剣技を磨き、よりライオネルは強くなっていきました。心にはいつも、幼い頃から好きだった幼馴染との思い出と共に。
その家の三男、ランベールは剣の腕はからっきしで運動オンチ。その代わり、祖父の職業の考古学については詳しく、飛び抜けて聡い子でした。五人兄弟の三男(男男女男女の順番で下から二番目)という事もあり、後ほど一線引く事になり考古学を先行する事になります。
一方ライオネルの方は剣筋がよく、身軽な身のこなしで他者を圧倒するような、そんな剣技の持ち主となりました。
親友になった二人は、互いにこう約束をします。「己の祖父を超えるような考古学者や剣士になろう」、と。
二人が10代後半の頃、ランベールの祖父が亡くなりました。そんな中ランベールが海賊が近くに居る事を知り、「祖父のように世界中の不思議を見たい!海賊船に乗り込もう」という話になりました。必死にライオネルが説得するもランベールは意見を曲げません。仕方がないのでライオネルも便乗する事にし、手紙をしたためてから船に乗り込みました。
それから数年。海賊と共に様々な旅をしてきました。けれど嵐によって船は転覆。二人は奇跡的に海岸に打ち上げられます。
記憶を失った二人でしたが、哀しむランベールとは別に若干ドライに「失った記憶なんて」と吐いていました。何処か胸に違和感を感じながら。
後ほど運命の悪戯か、大人になったエリカさんに出会い、彼はもう一度恋に落ちます。エリカさんをキッカケに徐々に記憶が戻ってきた彼は、事故の直前まで乗っていた船の事は全く思い出せないけれど、何不便なく孤児院の子供達にからかわれながらもエリカさんと平和な毎日を過ごしています。