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手のひらで溶ける


ブランケットからはみ出した彼女の肩がまるで氷のように冷たくて、気がつけば温めるように触れていた。甘えるように寄せられる頬に、起きているときの彼女とのギャップを思い、少し笑う。赤い唇に誘われるようにキスを落とすと、目尻がぴくりと動くのが分かった。弧を描く口元に、身体を起こして覆いかぶさる。

「ふふ、おはよう」
「いつから起きてた?」
「貴方がブランケットを掛けてくれたとき?」
「寝ているかと思ったのに」

2、3度啄ばむようなキスを落とすと、彼女も答えるように背中に腕を回す。まだ薄暗くて、住人たちが起きてくるには少し早い。




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