主演に大泉洋、土屋太鳳、向井理の、実力派俳優3人を迎えたオムニバスドラマ『ドラマ・ミステリーズ〜カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊〜』が4/22の【土曜プレミアム】(フジテレビ系)で放送されることが決定した。犬童一心監督が演出を務める。

フジテレビのスタッフが書店員に「ドラマ化してほしい短編ミステリーは?」などのアンケートを実施。戻ってきた書面を基にさらに意見を聞くなどして、これまで世の中に知れ渡ることはなかったものの、本の目利きをうならせた隠れた傑作を探し出した。そうして選んだ作品を、映画監督の犬童一心氏が演出し、鮮やかな切れ味を秘めた作品につくり上げた。

本作は、日本全国のカリスマ書店員たちが、とっておきの短篇として胸に秘めていた作品を映像化する3篇のオムニバスドラマ。作品の共通点は、いずれも“どんでん返し”のエンディングが存在するということだ。

3話構成の本作は、それぞれ異なる短編ミステリー小説が原作。大泉洋は小池真理子が執筆した[妻の女友達]、土屋太鳳は北山猛邦による[恋煩い]、向井理は今邑彩の<情けは人の…>をもとにしたドラマに主演する。

小池真理子原作の[妻の女友達]は妻と一人娘とともに平穏に暮らす、市役所勤務の平凡な男・広中肇を主人公にした作品。妻・志津子が大学の同期で女流作家の友人・多田美雪に頼まれて彼女の身の回りの世話をするようになったことをきっかけに、妻を不憫に思う肇が妻をやがて家政婦のように扱う美雪への憎しみを募らせ、殺人者に転落する。というあらすじだ。肇役を大泉洋、志津子役を戸田菜穂、美雪役を高岡早紀が演じる。

土屋サンとはNHKの連続小説[まれ]で共演、その際に演じた役柄とは全く異なる、家と職場を往復するような“真面目な父”というキャラだ。大泉サンがフジテレビ系のドラマに出演するのは[ラッキーセブン スペシャル(2013年1/3放送)]以来、約4年3カ月ぶり。

[私たちが星座を盗んだ理由(北山猛邦著)]に収録された[恋煩い]は、“おまじないバカ”で、アクセサリーショップの販売員で、高校の同級生で現在、同せいしている彼氏の浮気への疑いをぬぐえない、妊娠したことを恋人の植田駿にまだ打ち明けられずにいる蔵元亜希、彼女の恋人・植田駿、高校時代に仲の良かった2人の高校の同級生・茅野透子と3年ぶりに再会し、巡る物語。3人が集まった廃校間近の母校で、4年前に起きた事件の真相が明らかになるというストーリーだ。亜希役を土屋太鳳が演じるほか、駿役に井之脇海、透子役に岸井ゆきのがキャスティングされている。

土屋サンは[女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘]第2話[炎(2016年1/4放送)]で主演を務めて以来、2度目、約1年3カ月ぶりとなる同局のドラマ出演。

[盗まれて(今邑彩著)に収録の<情けは人の…>は、バーにやってきた中年男から、「ツカハラ産業」という企業の社長の息子をさらう計画を持ちかけられる。実は「ツカハラ産業」の社長は健史の父親。不倫相手の母ともども自分を捨てていたため、恨んでいた。だが、この誘拐を実行した後に物語は大きく動き始める。主人公の北川健史役を向井、健史に誘拐を持ちかける赤堀役を小澤征悦が演じる。

[信長協奏曲(2014年10〜12月放送)]以来、およそ2年4カ月ぶりのフジ系ドラマでは“誘拐犯”を演じる。向井君は、“誘拐犯”役に初挑戦、さらに実生活でも経験があるバーテンダー役にも初挑戦する。


▽大泉洋コメント
自分が今までやってこなかった役柄や、シーンを演じられることに喜びを感じました。肇の気持ちをすんなり理解するのは難しかったですが、演じていてとても楽しかったです。また、犬童監督はとても細かく演出してくださる方でしたので、安心して演じることができました。肇がいかに妻を愛しているか、周囲に対してどういう風に接する男なのかなど、緻密に話し合って撮影に臨みました。今回共演させていただいた戸田さんは普段も役の上でも、とても優しくて母性にあふれていて、理想の奥さんでした。高岡さんは役の上では高飛車で嫌な女性でしたが、実際はとても親しみやすく、現場を明るくしてくれる方でした。広中肇という少し、いや、かなり変わった男の話ですが、肇がたどる数奇な運命を是非お楽しみください。ドラマのラストには“驚き”が待っています!

▽土屋太鳳コメント
*脚本を読んだ印象
あまりにも哀しい話だと思いました。悲しいのではなく、哀しい……。誰が悪いわけでもなく、何がきっかけというわけでもなく、いつ、誰がどうすれば、こうならずに済んだのかさえ分からない。運命という言葉が当てはまるのかもしれないですが、それも違う気がする……。今まで出会ったことのない、つかみどころの無さに、まるで“霧”のような物語だと感じました。

*役作りに関して
3人(亜希、透子、駿)の関係性をしっかりと描きたいというお話を、最初にしてくださいました。「未来に何が起きたとしても、この3人のキラキラした思い出は変わらない。そのことだけは意識してほしい」という監督の言葉を胸に演じました。

*恋にまつわる都市伝説について
あまり珍しい話ではありませんが、特定の公園や島など、そこにカップルで行くと結ばれないという話を聞いたことがあって、信じるというよりは“じゃあ自分に好きな人ができたら、そこに一緒に行くのは、やめておこう!”と思ったことはあります。
自身の中でのおまじないについて
おまじないではないのですが、大切なことに臨む前にストレッチをしながら深呼吸をします。また、仕事の際にいつも身につけている指輪2つは、ある意味おまじないかもしれないです。

*“おまじないバカ”の亜希に対して“○○バカ”と言えるぐらい熱中しているものは
“筋トレバカ”か、“スーパーバカ”でしょうか……。“スーパーバカ”のスーパーは、「超」の意味ではなくスーパーマーケットのスーパーです。生鮮食料品売り場が特に好きで、うろうろしていると幸せを感じます。

*視聴者へのメッセージ
“友情”という感情に不安を感じたことのない人は、きっといないと思うのです。今この瞬間も、SNSの些細な一言や教室の何気ない一瞬に、自分は友達と本当につながることができているのだろうか、本当は孤独なのではないかと感じている人は、たくさんいるのではないでしょうか。その不安を埋めるため、人はいろいろなことを試します。おまじないだったり、あるいは見て見ぬふりだったり。“恋煩い”は、そんな日常がたどりついてしまう哀しい物語です。苦しさと共に演じました。何かを感じていただけたら幸いです。

▽向井理コメント
最初に脚本を読んだ時は思わぬ展開に驚きましたが、終わり方がスッキリしていたのでよかったです。健史という、どこにでもいるような人物が事件に巻き込まれていくというストーリーなので、細かい話はあまりせず、犬童監督には自分の思ったままにやらせていただきました。また、バーテンダー役を演じさせていただきましたが、とても懐かしかったです。実生活でも長くやっていましたので、やりづらいなどはなく、もっとやっていたかったぐらいです。始まりは不穏なストーリーですが、最後まで見ていただけたら、少し優しい気持ちになれる作品です。どうぞご期待ください。


『ドラマ・ミステリーズ〜カリスマ書店員が選んだ珠玉の一冊〜』
フジテレビ系 2017年4/22(土)21:00-23:10