有村架純を主演に迎え、『コーヒーが冷めないうちに』の映画化が決定。この度、全国東宝系で9/21(金)に公開日が決定し、あわせて豪華なオールスターキャスト情報が発表された。
時田数(ときた・かず@有村架純)が働く喫茶「フニクリフニクラ」。そこには奇妙な都市伝説がある。それは店内のある席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるというもの。ただし、そこには、とても面倒くさいルールもあるらしい。
1、過去に戻って、どんな事をしても、現実(未来)は変わらない。
2、過去に戻れる席には先客がいる。その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
3、過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまう間だけ。コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4、過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
5、過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。
すべてのルールを守ったとき、「フニクリフニクラ」の客に優しい奇跡が舞い降りる。「お願いします、あの日に戻らせてください――」今日も不思議な噂を聞いた客や常連客がこの喫茶店に訪れる。噂を怪しみながらもやって来た三十路前のキャリアウーマン・清川二美子、なにか訳ありそうな常連客の高竹佳代と房木康徳、なぜか妹から逃げ回る平井八絵子、過去に戻れる席にいつも座っている先客・謎の女。時田数に想いを寄せはじめる新谷亮介(健太郎)。過去に戻れるコーヒーを唯一淹れることができる数も、そんな亮介に導かれ、自分自身の秘められた過去に向き合っていく――。
本屋大賞2017にノミネートされ、SNS上では“4回泣ける”と評判の感涙小説『コーヒーが冷めないうちに』は脚本家・演出家として活躍している川口俊和が主催する劇団で舞台として上演されたのち、その後演劇界で話題になり、第10回杉並演劇祭大賞を受賞し、2015年に川口の小説デビュー作として書籍化された作品。古き良き昭和の時代から続く喫茶店を舞台に、そこに集う人々が巡り合う奇跡を描き、昨年に刊行された続編[この嘘がばれないうちに]を含むシリーズ累計発行部数は84万部を突破している。原作本は今月3月11日で東日本大震災から7年を迎える東北地方の書店からブレーク。同書の帯には「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」と記されており、家族愛など心温まるストーリーが被災地を中心に共感を呼んでいる。
恋愛や夫婦愛、家族愛などをめぐる4つのエピソードが描かれる。数に思いを寄せる美大生や、留学を決めたエンジニアとその幼なじみ、若年性健忘症に悩む女性とその夫、実家を出て自分で店を経営する女性とその妹、フニクリフニクラを経営する数のいとこ、店に現れる謎の女性ら、さまざまな世代が登場する。それぞれが悩みや秘めた思いを抱えており、時間をさかのぼることができるフニクリフニクラを訪れる。数によってコーヒーがカップに注がれてから冷めるまでの間、望んだ通りの時間に移動し、さまざまな思いを感じていく姿が描かれる。
NHK連続テレビ小説[ひよっこ]での好演が記憶に新しい有村架純が、従兄が経営するフニクリフニクラで働く数に扮する。彼女が淹れるコーヒーがタイムスリップの引き金になるという設定で、客がタイムスリップできるのは、時田がいれたコーヒーが冷めるまでの数分間という設定。有村サンがさまざまな感情を込めてコーヒーをドリップする演技が重要となる。
先月中旬に主演映画[かぞくいろ;年内公開]の鹿児島ロケを終えた有村サンは、3/10のクランクインに向け、劇中で使うドリップポットなどを自宅に持ち帰って所作を特訓中だ。普段から仕事の移動中にはコーヒーを飲み、ホッとひと息つきながら思いにふけるという。
あわせて公開された写真は、フニクリフニクラのセット内で有村サンが役衣装とメイクを施し撮影された1枚。 今回はシンプルな白のシャツと水色のエプロンという制服で、髪形も襟足を見せたさわやかな雰囲気で登場する。
そのほか、数の従兄で喫茶店「フニクリフニクラ」の店主を務める時田流役に深水元基、数に想いを寄せる美術大学生の新谷亮介役に健太郎、三十路前のキャリアウーマン・清川二美子役に波瑠、留学と二美子の狭間で悩むエンジニア・賀田多五郎役に林遣都ら「フニクリフニクラ」常連メンバーが決定。また、昔のなじみから「フニクリフニクラ」に居つき、若年性健忘症を患っている高竹佳代役に薬師丸ひろ子、その夫・房木康徳役に松重豊、実家の旅館経営を継いでいる妹の平井久美役に松本若菜、妹から逃げ回る妹に実家のことを任せきりでいる平井八絵子役に吉田羊、さらに、喫茶店「フニクリフニクラ」に現れる、過去に戻れる席にいつも座っている先客の謎の女性役に石田ゆり子が名を連ねた。人物相関図も公開され、どのようなドラマが展開されるのか、気になるものとなっている。
監督は現在放送中の[アンナチュラル]をはじめ、[Nのために][夜行観覧車][リバース][私、結婚できないんじゃなくて、しないんです][重版出来!]など数多くのドラマを手掛ける塚原あゆ子。塚原は同作で映画監督デビューを果たす。脚本は[八日目の蝉][マエストロ!]や、[リバース][夜行観覧車]でも塚原監督とタッグを組んだ奥寺佐渡子が手掛ける。撮影は関東近辺、都内スタジオを中心に3/10にクランクイン。4月中のクランクアップを予定している。完成は6月中旬予定。
▽有村架純コメント
ある喫茶店に勤める、普通にしてどこか孤独な掴みどころのない女性を演じます。
自分が淹れるコーヒーで、人を過去に戻すことができる。
自分にしかできない自分の仕事を、彼女はどう感じているのか、
人々の人生に触れるたび、自問自答しながら
彼女の瞳の奥にあるものが見えるように、繊細に紡いでいければいいなと思います。
素晴らしい役者の皆さんと影響し合い、素敵な作品となるよう、頑張ります。
▽塚原あゆ子監督コメント
──1杯のコーヒーが冷めるまでの、ほんの短い時間でも、人生は変わる──
恋人、夫婦、姉妹、親子。誰もが共感できる、優しい人間ドラマが詰まった原作です。
更に映像ならではのエンタメと個性豊かなキャストの笑いと涙を、丁寧に詰め込みたいと思います。
ぜひ、大切な人と観に来て下さい。
▽原作・川口俊和コメント
22歳から舞台の演出家として活動してきた僕にとって、自分の作品が映画になることは、夢ではありましたが、まさか現実になるとは思いもよりませんでした。
この小説を愛してくださった読者の皆様と、本を店頭に並べていただいた全国の書店員の皆様の熱い想いのおかげだと思っています。
でも、もしこれが「夢」なのだとしたら、せめて銀幕で流れるエンディングを見届けるまで冷めないでほしいです。