短編集『花伽藍』の中の一つ。
燦雨。
初めて読んだ時は嫌いでした。
でも、この前、ふと読み返してみて…。
以前読んだ時とは違う想いがありました。
68歳と65歳。
一緒に暮らして25年。
寝たきり。介護。
ありえない、と思いながらも
どこか羨ましくて。
一心同体。
どちらかが死んだら生きてはいられないほどに深くつながっている二人。
これを読んだあとは
無性に彼女さんに逢いたくなります。
未来のことなんて解らないけど。だけど、
この人と一緒にいたい。
できるならずっと。
そう思います。
カッコイイことなんて言えないし言うつもりもないけど、
今、私から彼女さんをとったら
笑うことさえ出来なくなります。私はいつだって
想ってるんですから。彼女さんとの明日を。
そんな気持ちになる
話題:中山可穂の燦雨。
話題:中山可穂の小説で初めて読んだのは
白い薔薇の淵まで、でした。
一気に読みました。
山手線に乗って読んでいたら
隣に座ったオジサンに話し掛けられました。
『中山可穂ですか。面白いですよね。おっと。邪魔して失礼、わたしも読むから嬉しくて。じゃ、続き読んでください。』
塁のように激しく誰かを愛したいと思い、
クーチのように愛されたいと思い…
取り付かれたように一気に読みました。
最後、
塁はどうなったのか。
塁の最期はどうだったのか。
考えても答えは出ず。だから文中に答えがある気がして
繰り返し読んでしまいます。
彼女さんを
『あさこ』
と呼びました。
彼女さんには『どこの女と間違えてるんだよ!』と怒られましたが宝塚歌劇月組の瀬奈じゅんさんですよ。
頭の中、瀬奈じゅんさんで予想以上にいっぱいだった様子のヒミコさん。
その後は
ひめこさん、だの
かみこさん、だのニアピン的な名前で呼ばれるというイジメを受けたことは言うまでもないです。
名前は間違えてはいけませんね。当たり前だけどね。