ディック「戻るのか?」
グレタ「ああ。俺はリャシーお嬢様に仕えるのが本来の勤めだからな。……まぁ、多少、間が空いてしまったが」
ディック「それだって、お嬢が言ってくれたんだから、グレタが気にすることは無いだろ。もっとゆっくり休めば良いのに。相変わらず真面目な奴だな」
グレタ「それは違う。俺が、リャシー様に 仕えたいんだよ。離れていて、更にそう思うようになった。仕事というのもあるけど、俺はお嬢様を尊敬しお慕いしている。だから、身の上をお世話できるのは、この上なく光栄なことで喜びなんだ」
ディック「妬けるなぁ。俺は?どうなの」
グレタ「お前に尊敬できるところがあるのか? 誇れることをしたことあるか?」
ディック「ないな」
グレタ「そら見ろ。でも、執事長が勤まるのはディックだけだと思ってる。でないと、こんなろくでなしを長にするわけないものな」
ディック「スゴク、鞭と飴と鞭。 落とされて、持ち上げられて、また直ぐ落とされた」
グレタ「あと、一つ言っておく」
ディック「なぁに?」
グレタ「あまりアール様をいじめる……というか弄るなよ。 お前の毒牙にかかったアール様が、心配でならない……(ジト目)」
ディック「安心しろって。可愛がってるから」
グレタ「その可愛がり方に問題があるんだろ!!! 退去はしても、時々様子見に来るからな。ロクなことするなよ」
ディック「畏まりました」
グレタ「じゃあな」
ラレシア「じゃあね、アキ」
アキ「うん。 折角久々に会って、一緒に過ごすことが出来たのに、ラレシアちゃんつれないの〜」
ラレシア「どうも放浪癖が抜けきってなかったらしい。また、どっかに行ってみたくなってね」
アキ「そっかー。気持ちは分かるなぁ。 僕も時々遠出するしね、未だに」
ラレシア「だろう? 退去するったって、暫く会えなくなるだけさね。アタシ達は長生きするんだから、また何回でも会えるよ」
アキ「それに夫婦だもんね〜!!」
ラレシア「ああ。だから、 きっと会うし、そのときはまた一緒に暮らそうじゃない」
アキ「うん!! 愛してるよ、ラレシアちゃん!」
ラレシア「アタシもさ。またな」
紅虎「兄貴、退去するのか」
千冬「ああ。、ありがたいことに海外からオファーがあってさ。 これも、視野を広くする良い機会だと思って引き受けた。だから、暫く、活動拠点を向こうに移す」
紅虎「……会えなくなるのか」
千冬「なんだよ、寂しいのか?時々、日本に帰ってくるから!」
紅虎「……」
千冬「お前、まさか……俺についてくるとか言わないよな……」
紅虎「……」
千冬「紅虎ぁ、少しは自覚…」
紅虎「追いはしない。 私には、村の皆が居るから、守るべき民がいる」
千冬「なんだ!!分かってんじゃん!!余計なお世話だったな!!……ちゃんと、首長として成り立つようになったな!!紅虎は俺の自慢の弟だ!!」
紅虎「……ありがとう」
千冬「じゃあ、なんで退去するんだ?」
紅虎「兄貴が居ない以上、ココに居る意味が無い。だから、出るだけだ」
千冬「お前な…。折角、交友を広げるチャンスなのに」
紅虎「……」
千冬「(ま、ついてこなくなっただけ進歩はあるか)じゃ、行くか、紅虎!!」
紅虎「ああ」
千冬「短い間でしたがお世話になりましたー!!!!」