本誌で鳳さんもユーリも出てきたのにまだ最新号買えてない悔しいぃ!!
って思いを胸に、フラグ!って盛り上がってみた私得なコネタをば。
※意書き←
・会話やらに流されて手を出せないまま、隙を突かれてトリさんとウィルマさん逃がしちゃった設定。(でも、今のサーシャさんは会話をぶった切って、先に捕獲を考えそうなんだよねー。戦闘中に喋れば良い思考。)
・トリさんがなんかテンション高い
・サーシャくんとか筆頭に周りが色々可哀想です。
「は?死人が生き返った?」
紅茶を入れて、一息吐こうと椅子に腰掛けた途端に、PCからコール音。
覗いてみれば見覚えのあるチャンネルコードで、何かとイヤホン受話ボタンを押す。―――と、PCのスピーカーから少々焦りを含んだ声がした。
『鳳榊一郎<フィエーニクス>が現れた』と、開口一番にそう言ってくれたもので、冒頭に至る。
冗談じゃないのは承知の上で、小さく笑う。
「随分、死人が出歩いてますねぇ。」
「《ああ―――》」
「《なんや知らんが、"神成計画"言うて、シスターの姉ちゃん連れて逃げて行ったで。》」
頷くサーシャも、そう告げる藤臣くんも、画面に映る他の三人も苦い顔をしていた。
おおよそ、手出しも録に出来ずに逃がしてしまったのだろう。この様子だと、まだリジーには何も言って無さそうだが―――。
ふ、と息を吐いた途端。顎に手が回り、グイッと引かれて上を向かされた。
「はは、久し振り?」
そう言った人物は、今まさに話していた存在で、つい苦い顔をする。
取り敢えず、顎を掴む手を離させようと手首を掴んだ。しかし、彼の手首を引いても離れない。ビクともしないとか恐ろしい。
画面の向こうで声がしなくなったのは仕方無い。シリアスモードまっしぐらの最中でいきなり話題の人が現れたのでは、絶句するのは当然だろう。
「―――鳳さん。空気読んで下さい。離して下さい。」
「ははは、なんでだい?」
「何でも何も、あなたは今敵対組織の人間なんですがね?」
正論を述べつつ、離れない手をグイグイ引っ張る。現状はぐぎぎぎ…といった感じだが。
以前同様、相変わらずの馬鹿力である。
「《っ――――鳳!?》」
「《アンタ、なんで其処にッ》」
画面の向こうが騒がしくなる。が、彼はそんなことお構い無しで、頭を下げて来た。
慌てて手を滑り込ませて、彼の口を塞ぐ。
「なに、しようとしてるんです?」
「《そんな対応してる場合か!!》」
サーシャからツッコミが来るも、さっきから抵抗はしているのだが。
ビクともしない。鍛え方が違うとでもいうのか。
「いや、抵抗はしてるんですけどね。この人、馬鹿力で―――――!?」
べろん、と手を舐め上げられ、ビクッと肩を跳ねさせる。―――と、その隙を突いて後ろに引かれて倒され、床へダイブする。
直ぐ様上半身を起こし、見上げた。
「いった、何する……、」
ら、画面の前に座る彼がいて、口に人差し指を当てられる。
静かに、ということだろう。
「―――やぁ、昨晩振りかな。」
「《鳳、貴様其処で何を》」
「ちょっと、彼を借りるよ。」
「《ユーリをどうするつもりだ。》」
「なぁに、一杯引っ掛けに来ただけさ。直ぐに返すよ。」
その言葉を最後に、彼はぷつりと通信を切った。
そして、しゃがんで私を見るなり笑った。
「死人が目の前にいても、あんまり驚かないね。」
「まぁ…驚いてますけど。」
こり、とこめかみを引っ掻いて、"彼女"もこうやって普通に生きてるのだろうなとのんびり考える。
テレサが彼女自信だと確信した通りに、この鳳榊一郎は確かに彼だと納得した。言動も、仕草も、その瞳も―――生前の彼と何一つ変わりない。
そっと彼の温かい頬をなぞって、つい微笑う。
「禁忌を犯したのは誰か知りませんけど。――ふふ、昨日の今日で此処に来ますか、普通?」
「サーシャくん達を見たら、なんだか懐かしくてね。ちょっと覗きに来るタイミングをしくったけど。」
言いながら、頬を撫でて彼は笑った。
そのままゆっくり顔が近付いて来て、唇が重なる。つい数ヶ月前に喪った筈の熱が其処に確かに在った。
―――夢を見ているような気分って、この事ですかね…?
一度離れて見つめ合う。今は言葉は要らない気がして、どちらからともなく口付けた。
幾度か角度を変えて短いキスを降らせ、彼は私の後頭部に手を回した。髪を弄り、項、首裏と薬指でなぞり、弄ぶ。
びくりと身体を揺らして薄く口を開けば、舌が口腔へと入って来た。
「ふ、…ん…」
彼の服を掴み、蹂躙の様な愛撫を受け止めながら薄く目を開いて、びくりと固まった。
視線の先の人物はPCから上半身飛び出して、わなわなと顔を真っ赤にして震えていた。
「あ…アンタら……ホモっ…」
「ん?ああ、"皇女"の…」
言いながら、振り向く事も無く人の祭服に手を掛ける。ファスナーのスライダーを下げる手を掴み阻止するも、まるで手を添えているかの様に開いて行く。
―――なんでですかね、私こんなに力なかったかな?
まぁ、やっぱりぐぎぎぎ…な状態ではあるが。一応彼も結構力押ししているのだが。
服の中に手を滑り込ませて来るから、ちょっと息を飲んで彼を見た。――――のは、失敗だった。
無感情に鈍く光る昏い色をした眼に、引きつった笑みを口元に浮かべる。
「華さん。ホモって報告してもいいので、戻って下さい。早く。」
「は…?」
「早く。」
マグダラの力を使いこなしてきたなぁ…とか、そういう場合ではない。
この人はプライベートへの干渉には、意外と短気で沸点が低いのだ。
そもそも華さん自体、こんな偵察は嫌だろうし。と、思いながら華さんに向けていた視線を彼に戻せば、身体が宙へ浮いた。
正しくは、抱き上げられたのだが。
「上に行こうか。」
「…はい。」
笑ってはいるが、全く平和じゃない空気で、あー…と額に手を当てた。
「……お手柔らかにお願いします。」
「…どうだろうね?」
返答に苦い顔をすると同時、部屋の外へと出た。
「―――カーチャ様…」
ちょっと引いたが、でもなんかいけないものを見てしまった背徳感から来る興奮に、口元に笑みを浮かべながら華はカーチャに話し掛けた。
「あら、意外と早かったわね。やっぱり追い返されたかしら?」
「いえ…濃厚なホモでした…」
流石に予想外だったか、カーチャが固まった。
ガターンッと藤臣が椅子を倒しながら起立する。
「ホモ?!あの神父とフィエーニクス!?ないわあぁ…ッ」
顔真っ青な藤臣に、察しの悪いサーシャが「ホモってなんだ…?」と首を傾げる。
華が、ああ…と頷いてゲイの事だと教える。
勿論青ざめるサーシャ。
「まぁ…アンタとエドガーみたいなもんよ、ジャンルとしては。」
「……エドガーとはそんな関係を築いていない…」
額に手を当てながら、一応あの場に居なかった藤臣にも解るように否定した。
カーチャはそれを見て、フ…と小さく笑う。
「馬鹿ね、例えよ。ま、華みたいなのが居る位だし?有りじゃないのかしら…」
どっちかって言ったら同性愛者のカーチャは、そう言って笑った。
ぶっちゃけどうでもいい話の様だ。
「まぁ、ユーリが口を滑らす事はないし、鳳も根掘り葉掘り聞くことはないんじゃないかしら。」
あの鳳がいた期間の前後共に、ユーリの情報は変わらぬ性能であったし。あの時の鳳は元々は戦場を駆けていただけあって、こちらの攻撃の分析やらも自らで行っていた。
と、カーチャは思う。
「仕事とプライベートはきっちり分けるタイプね。」
「…ああ、アイツと鳳の事だからな。それは解っている。」
「……おぅふ…」
そんな、意外とのんびりしてる三人の側で固まったままのテレサの肩に、ぽんっと華は手を置いた。
「リジーには言えないな。」
「…えぇ。」
華の台詞に、テレサはつい苦笑した。
「…ユーリ、最大の失態が有るんだけど。」
「…は……い?」
「リジーに伝わらないかな。」
「あぁ…、大丈夫…ですよ、」
「そう?」
「そのくらいの、区別は…ん…、」
「うーん…随分成長したみたいだね。」
「っふ……そろそろ、動いて…、」
「ああ…ごめんね。ちょっと、無粋だったね。」
「ちょっとじゃ、っ…!」
「はは、ユーリがこんなに素直なのも珍しいね…?しっかりお相手しないとかな。」
「ッぁ……、」
「嫌がっても逃がさないよ。」
プライベート上では、鬼畜全開のトリさんしか想像出来ない。超強欲なの。
そんなトリさんに虐げられるのも慣れて受け入れて、尚且つ言いたいことは言うユーリ。
そんな鳳ユリどっかに落ちてないかしら(笑)
そんで、なんやかんやリジーには純粋なままでいて欲しい皆はだんまりを決め込みます。
そういや、弼とリジーって知り合いじゃないんだよなぁ。原作の方。
リジーは今は大会に出ないで、ずっとまふゆの世話してるし。
まぁ、もしかしたらどこかで会ってるかもしれませんが。