今から一年前は丁度ヘカちゃん倒して姫川マンション爆破したくらいだったんですよねぇ…
悪魔居ないし、平和だなぁ、いまの修旅編…(笑)
あ、哀場さんの伏線はちゃんと回収されるかな?
わくてかする( ノ*´ω`*)ノ
以下何番煎じかわからんネタの書き出し。
※只の落書きでもって、似非シリアス。
「古市…?」
目を疑う出来事ばかりが起こった。
一つ、河原で喧嘩引き受けたオレを橋上で見守る古市が、川に突き落とされた事。
一つ、不良そっちのけに古市を助け出したら、この川が浅い所為で古市が頭から血を流して気絶していた事。
一つ、古市を抱えたまま蹴りで不良を蹴散らし、土下座させる間もなく病院に行った事。
一つ―――――
「お前…誰?」
気絶していた古市が目を覚ましたらオレを覚えていなかった事。
現在の石矢魔クラス。古市とオレの椅子や机がひっくり返っていて、石矢魔クラスの連中が驚きに固まっている。
「不愉快なんだよ…全部。」
その声を聞いて知る。此処にいる古市は、昔の古市だ。
そんなこんな拒否られた内の一人の神崎が、古市にメンチ切る。いや、古市は昔からそんなん動じねーけど。
「おい、テメー。今、何したか解ってんだろうな…!」
「……」
古市がぴくん、と肩を揺らした。
――あ、やべぇな。これはやべぇ。
神崎はそれに気付かず古市の肩を掴む。
「何か言え――――」
「煩い。」
咄嗟に手を伸ばして、古市の腕を掴む。
だけど、足を抑えるのは間に合わず―――神崎が吹っ飛んだ。が、後ろは東条だ、問題ない。
――ってーか、古市は何がこんなに不満だったかとか、オレはハッキリとは知らねーんだよな。
アッパーなんて噛まそうとした古市の手を受け止め、両手を塞ぐ。
「ッ…くそ、離せよ…、」
「まぁまぁまぁ。」
「離せっ、つってんだろ…!!」
「まぁまぁまぁ、怯えんなって、古市くん。」
「うるせぇ。」
その冷めた目で睨み付けんなッ!恐いんだよ、意外と!!
しかしこの古市は笑わないかと思えるが、家族に関しては意外と何時も通りっぽいから、多分。
「んな顔しなくても敵じゃねーよ、古市。」
「ッ―――――」
一瞬、古市が怯んだ。だからと、掴む力を緩めたのが間違いだったのかも知れない。
気付けばオレは廊下側の机の方へと吹っ飛んでいた。咄嗟にベル坊を引き寄せて腕の中に閉じ込めると、ガタガタと耳障りな音がした。
机にぶつかったのは痛くないが、古市に蹴られた横っ腹が痛みを訴える。
「ぐっ…」
「アー、ダウ?」
ぺちぺちと頬を叩くベル坊に、大丈夫だと笑いかける。
古市を見上げれば、流石のオレでも震え上がりそうなくらいに、此方が凍りつきそうなくらいに冷たい目でオレを見下げていた。
その視界の端で、黒が動いた。
「ッ…やめろ、ヒルダ!!」
叫ぶオレに舌打ちをして止まったヒルダは、それでも仕込み刀の切っ先を古市の首筋に当てた。
「坊っちゃまに怪我をさせるつもりなら、いくら貴様でも切り捨てる。」
普段の古市なら、きっと「ぎゃあっ、すんません調子に乗りました!だからこの刀仕舞って下さいぃ!!」とか、アホなこと抜かすだろーが、今の古市だ。
平然と刀を素手で握り締めて、こう言うのだ。
「―――で?」
と。
あからさまにどうでも良いと言わんばかりの、ヒルダが思わず飛び退いて距離を取る程度には危うい雰囲気。
情けないことにオレは、さっきから下半身が痺れていて上手く立てない。
「っ…古市、」
「……なに。」
「手、怪我しただろ?見せろよ。」
ふらりとよろめきながら、グッと足に力を入れて立ち、古市を見つめる。
古市の身体が小さく揺れたのに気付いて、何となく尻尾を掴んだ気がした。
「ッ……不快なんだよ、お前!」
多分、記憶そーしつになってから初めて、古市の瞳が揺れた。
なんかこう…抱き締めてやりたい。すっげぇ抱き締めてやりたい。
ついつい笑みが溢れて、古市の警戒が強まるけどまぁ、なんかそれも可愛い。
「ははッ…古市、借りてきた猫みてー。」
「は…?」
「こわくねーよ、オレらは。別にお前をとって食いたい訳……あったわ。」
うんうん、とって食いたいわ。
ビクッと古市が肩を揺らしたから、ハッと顔を上げれば青い顔をしていた。
――『俺はな、男鹿。俺に好意を寄せる男が、格別に、めっちゃくちゃ嫌いだ。だから、お前は特別なんだからな。』
つまりあれだ、今の古市はオレを知らないから、駄目だ。不味い台詞だった。
慌てて取り繕う様に歩み寄ると、古市はひっ…と引きつった声を喉奥から絞り出した。
「や、あの…古市くん?」
「今のは貴様が悪い。」
「うっせぇ、黙ってろ。どわっ…」
ヒルダに気が反れた途端に、顔面ってか額に蹴りが入った。
また俺は机に向かって吹っ飛んだ。
「……気持ち悪い。」
「ああまぁ…やっぱ今のは男鹿ちゃんが悪いよねぇ。」
夏目が割り込んで来て、仕方ないから床に座って見守ることにした。
夏目も吹っ飛ばされて終わるだろうし。
「近寄んな、ロン毛。」
「まぁまぁ、古市くん。男鹿ちゃん以外はとって食いたい訳ないから…ね?駄目だよ、人蹴ったりしちゃ。」
「黙れ。」
古市が腕を払うのを、夏目がギリギリで避ける。
チッと古市が舌打ちすれば、教室の空気が一度は確実に下がった。
「っと…コワい顔しないでよ、ね。」
「胡散臭い、ウザい。他人が俺に触るな。」
ギッと睨み付ける古市はさっきまでの冷たい目に戻り、流石の夏目もひやひやしながら距離を取って(まぁ、ヒルダが距離を取ったくらいだし)、此方を見た。
「…男鹿ちゃん、古市くんと幼馴染みだよねぇ?何があったのさ。」
「……あー、他人ってのはトラウマの塊って言ってた。」
「…そうなの?」
「答える気はねえ。」
言いながらオレを睨む古市は、オレを蹴ろうとか考えてそうだ。
お前の本気の蹴りを正面から食らうとか流石に恐ろしいので、何時でも構えられるようにはしておく。
そんなところで、教室の扉が開く。
「男鹿くん、パソコンの件で――――って、どないしたの、コレ。」
「なんか…古市が記憶喪失らしーぜ、メガネ。」
マスクの女がそう言えば、古市は面倒臭そうに顔を上げてメガネ会長を見た。その瞬間、青褪めた。
「そうなん、古市くん?」
「よ……寄るな!!」
オレも驚く程の古市の拒絶っぷりに、ん?と首を捻った。
幾らオレでも、此処までの拒絶のされ方はしないぞ。
「お前いま、恐ろしい事考えただろ…!?」
「ん?…いややなぁ、考えてへんよ?」
古市が恐る恐る近寄ってくるメガネ会長への緊張と警戒を解く。
――おお、メガネ会長すげぇ。
しかしながら、手を握った所でやっぱり音を上げた。
「みゃああっ…触んな!変態!」
「ほんま猫みたいやなー。誤解無いように言っとくけどなぁ…猫が居るとしか思っとらんで、古市くん。」
「ホントかよっ…」
「ああ、ホントや。」
「ぅ……、っ…、…やっぱ無理、離せ!」
きしゃーっと牙を向いてる猫にしか見えない古市に、教室の緊迫した空気が一気に和んだ。
おい、それでいいんかよ。
この後何とか出馬さんから逃げた古市は、東条さんが無害そうだと盾にしたところで姫ちゃんに襟首掴まれて噛み付いて、安全圏っぽい邦枝さんの後ろに隠れて、今度はヒルダさんと男鹿さんに襟首引かれて連れてかれちゃえばいいよ。
記憶戻った暁には、猫市ってあだ名で呼ばれてれば良いよ。
男に引っ付いても、男が引っ付いてもなんも言わないけど、古市の近くに三咲さんやほのかちゃん以外の女の子が居るのが気に食わない男鹿さんっぽいな、コレ。