2017年3月にオープンするエンターテイメント施設[360°シアター StageAround TOKYO]の正式名称が【IHIステージアラウンド東京】に決定。あわせて、こけら落とし公演が劇団☆新感線の『髑髏城の七人』になることがわかった。

株式会社TBSテレビが手掛けるIHIステージアラウンド東京は、東京・豊洲に建設。1300人以上もの観客を乗せて回転する巨大な円形の客席を360°ぐるりと取り囲むようにステージとスクリーンが配置されており、壮大な劇場システムを採用した新劇場。舞台と映像、音楽、照明を融合させた新たなエンターテイメント体験を提供するという。ステージアラウンド劇場としては10年にオランダ・アムステルダム郊外にオープンした[シアターハンガー]に続く世界で2番目のオープンで、演劇の中心であるイギリス・ロンドンでも2017年にオープンを予定している。

こけら落とし公演では劇団☆新感線の「いのうえ歌舞伎」シリーズの演目『髑髏城の七人』を「花・鳥・風・月」の4シーズンに分け、2017年3月30日から約1年3か月にわたって上演。シーズンごとに脚本・演出を練り直して、キャストも異なる全く違ったアプローチの『髑髏城の七人』を見せる。『髑髏城の七人』は90年に誕生し、97、04、11年と再演を繰り返して来た。信長が本能寺で討たれた8年後が舞台の時代活劇。秀吉の支配が及んでいない関東は〔天魔王〕が君臨。その天魔王に挑む剣士・捨之介を6年ぶりに新感線に参加する小栗旬が演じる。

第1弾となる<『髑髏城の七人』Season 花>のキャストにはほかに、山本耕史、成河、りょう、青木崇高、清野菜名といった新感線初参加メンバーや、[阿修羅城の瞳]以来13年ぶりの参加となる近藤芳正、そして古田新太、河野まさと、逆木圭一郎、村木よし子、礒野慎吾、吉田メタル、保坂エマといったおなじみの劇団員らが名を連ねている。チケットは11/26に発売される予定。

旬君は90年の初演から04年まで捨之介を演じた古田サンとは舞台初共演。「古田サンは演劇という坂の上での見せ方を知ってる。足りないものを教えてもらいたい」と話した。

旬君は11年版に捨之介役で主演したが、前回体調を崩したまま初日を迎えた事もあり、「チャンスをいただけて嬉しい」とリベンジに燃える。

劇場の仕組みが異なる今作は全くの別物。「飽きさせない作品づくりが豊かにできる」とする一方、「場面転換で暗転する必要がないですから、何度想像しても『しんどそう』という言葉しか出てこない。(1面だけの)前回の4倍しんどいわけですから、体力勝負です。死人が出なければいいな(笑)」と出演依頼を受けた1年半前から毎晩、鍛練用八角棒を左右100回ずつ素振りするなど、体力作りに余念がない。

同作のハイライトは捨之介の"100人斬り"だけに、「360度駆け回って100人斬りする場面があったらどうしよう…でも、日本で初めてチャレンジした人になれますね」と前向きだ。

小栗版『髑髏城の七人』は17年3/30-6/12まで全85公演。以降のキャストは後日発表される。


▼小栗旬コメント
この劇場は360°セットやプロジェクターがあるので、やろうと思えば、場面転換や暗転がなくても芝居を続けることができるので、お客さんを飽きさせない作品作りがとても豊かにできるのではないかと思います。『髑髏城の七人』への出演オファーをいただいてからできる限り毎日殺陣の練習をしています。次はもっといろいろ準備をして、殺陣の成果もお見せできるかも…。来年の3月から、約3か月の間この劇場に通うので、芝居が生活の一部になる。それがどのような日々になるのかとても楽しみです。それだけ同じ期間一緒に過ごすカンパニーと一つの作品を一から作り上げることも楽しみですね。この作品は、(2011年の時も)どの世代の方も観て喜んで帰ってくれるので、今回も老若男女問わず、日本独自の時代活劇を楽しんでいただけると思います。しかも客席は回りますし、テーマパークに遊びに来た感じで面白い時間を共有してほしいです。

▼山本耕史コメント
ステージアラウンドのこけら落とし公演である『髑髏城の七人』に出演出来ることを光栄に思います。こけら落としの舞台に立つことは人生に何度も経験で出来ることではないので嬉しいですね。劇団☆新感線の作品に参加させていただくのは今回初めてということもあり、いのうえひでのりさんがどのような演出をされるのか、中島かずきさんが今作のためにどのような脚本を書いてくださるのか、とても楽しみにしております。360度すべてが舞台で、客席が回転する劇場がどんなものなのか…今は想像でしかありませんが、間違いなくクリエイターや役者の好奇心をそそるものですし、同時に良い意味で苦しめられる空間になるのではないでしょうか。しかも85公演!共演者の皆様と力をあわせて最高の作品を創っていけたらと思います。来年春までにさらに体力をつけなければですね。

▼古田新太コメント
『髑髏城の七人』には1990年の初演から3回出演しています。最初はラストシーンも決まってないまま本番迎えるという恐ろしい程のバッタバタでしたし、一作前の出とちりの罰ゲームで始まった作品でした。それから1997年の再演、2004年のアカドクロがありましたが、次、おいらが出るときは、バカドクロをやろうなんて思っていたのに、まさか、360度客席が回転する劇場でやることになるなんて。初演のテント小屋で、いや、去年まで、想像もしていなかったですが、この歳で新たな挑戦ができるのは、本当に楽しみです。早く、初日にならないかなぁ!