女優の土屋太鳳が10月に東京・帝国劇場でミュージカル初出演、初主演することが、分かった。映画『ローマの休日』の舞台版でオードリー・ヘプバーンが演じたアン王女を演じる。元宝塚トップの朝夏まなととのダブル主演。こちらは満を持しての帝劇初登場となる。

ローマを舞台に、ある国のアン王女と新聞記者ジョー・ブラッドレーの24時間のラブロマンスを描いた映画[ローマの休日;'53]は王女にオードリー・ヘプバーン、記者にグレゴリー・ペックで公開され、世界的に大ヒット。同作は日本発のミュージカルとしてアン王女・大地真央、ブラッドリー記者・山口祐一郎のコンビで1998年に初演されヒット。世界で初めてミュージカル化され、00年に再演された。

脚本・堀越真、演出・山田和也、音楽・大島ミチル、作詞・斉藤由貴という初演スタッフが再び結集。すべてを検討し直し、新たな『ローマの休日』を創り上げる。

これまでも再演を望む声が大きかったが、アン王女イコール、ヘプバーンというイメージが強い演目だけに、東宝は起用の理由を「気品や愛らしさを兼ね備え、太陽のような明るさや温かさが感じられる」という朝夏サン、土屋サンの快諾を得て実現の運びになった。

19年[プルートゥ]で初舞台を踏み、2度目の舞台の土屋サンは「帝国劇場に立つ。ミュージカルに挑む。『ローマの休日』という世界に出会う。信じられません。夢も奇跡も超えて、こわいほどです。でも、だからこそすべてを賭け、アン王女を生きます」と決意十分。

対照的に朝夏サンは、満を持しての帝劇。18年には[マイ・フェア・レディ]でイライザ役を好演。レッスンを続けている効果で宝塚時代よりも音域が広がり、歌唱力はより向上したといわれる。朝夏サンは「大好きな作品で、映画も何度も見ています。帝国劇場の舞台に立つことが夢だったので、このような機会をいただけて本当に幸せです」と話している。

新聞記者の立場を超え、王女と心を通わすジョー・ブラッドレー役には加藤和樹、平方元基をWキャストで起用。ダブルキャストで4通りのロイヤル・ロマンスを描く。和樹サンが「誰もが知る名作に携われることを心からうれしく、光栄に思う」と言えば、平方サンは「胸躍る場面がたくさんある。古き良き空気感を大切にしたい」とコメントしている。

ほかのキャスト、日程詳細は後日発表される。Wキャストで全くタイプの異なるアン王女が見られそうだ。


公式サイトにはキャストたちのコメントを掲載中。チケットの発売は今夏を予定している。


■ミュージカル『ローマの休日』
2020年10月
東京都 帝国劇場
原作:パラマウント映画「ローマの休日」
脚本:堀越真
演出:山田和也
音楽:大島ミチル
作詞:斉藤由貴

□キャスト(五十音順)
アン王女:朝夏まなと / 土屋太鳳(Wキャスト)
ジョー・ブラッドレー:加藤和樹 / 平方元基(Wキャスト)