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無知とエゴイズム

小鳥が怪我をしていた。
淡いブルーのグラデーションに、疎らに散った赤黒い飛沫。
猫にでも追いかけられたのだろう、弱々しく翼を動かしていた。
僕は小鳥を家に持ち帰った。
傷の消毒をして、包帯を巻いた。
篭のなかに寝床を用意してやった。
何度も何度も包帯を代えた。
やがて篭のなかを飛び回るようになった小鳥を、時々外にだして遊ぶ。
小鳥は空を眺めていた。
何度も何度も窓硝子にぶつかった。
僕は小鳥の片翼を鋏で切った。
淡いブルーの羽が舞った。
小鳥が啼いた。
これでもう硝子にぶつかって痛い思いをしないですむ。
僕はよかったね、と小鳥に呼びかけ、篭のなかに戻してあげた。
すると今度は篭からでて床に転がっていた。
片翼をばたばたと動かしてもがいていた。
また羽が舞った。
僕は小鳥の足をへし折った。
小鳥が啼いた。
これでもう床に落ちることはない。
そうだ、もうひとつ。
僕は小鳥を篭のなかにいれ、入り口に南京錠を付けた。
これでもう怖い目に会わなくてすむ。
僕はよかったね、と小鳥に呼びかけた。
小鳥は弱々しく啼いて、それっきりだった。

落書き

美術の時に描いてた落書き。
いまも時々増えてます。

心族会議

久しぶりに会った彼女は、目を真っ赤に腫らして泣いていた。
最後に彼女に出会ったのは何時だったか。
その時も彼女は泣いていた。
うさぎみたいに目が真っ赤だった。
どうして泣いているの、と尋ねれば、
泣きたいから泣いているのだと彼女は言う。
どうして泣きたいの、と尋ねれば、
苦しいから泣きたいのだと彼女は言う。
どうして苦しいの、と尋ねれば、
あなたが苦しんでるから苦しいのだと彼女は言う。
どうしてそんなことを言うの、と尋ねれば、
これが何かわかるかしら、と彼女は自ら来ていた服を脱ぎ捨てた。
なにも言い返せなかった。
彼女は血塗れ。
体のあちこちにざくろの割れ目のような傷ができ、左手があらぬ方向を向いていた。
所々白いものも覗いている。
わからないでしょう、と彼女は言う。

『私はあなた』

彼女は言う。

『あなたはあなた』

彼女は言う。

『私の痛みはあなたの痛み』

彼女は言う。

『あなたの痛みはあなたの痛み』

あなたはだあれと、私は言った。

『私はあなた』
『あなたの心が痛いときには私も痛い』
『痛いときには泣いたらいいじゃない』
『泣けないときには私が痛みを引き受ける』
『ほら、私が誰かわかったでしょう?』

『私』は笑う。

気付けば私は泣いていた。
『私』が今まで泣いていたのと同じくらい泣いていた。

『私』は私にこう言った。

『あなたの目、うさぎみたいに真っ赤っ赤よ』

としあけ

ちょっと狩りしてくる

前の記事のパスについて

ひとつ前のパス付きですが、しばらく前に書いた小咄の解答(?)編です。
要するに、あたくしが込めた意図が全部わかるってわけです。
だからこそ、手当たり次第にやって当たるようなパスはつけてません。
解釈をした、そしてそれがある程度正解に近い人だけがわかるパスがついているはずです。


パスのヒント
1:烏が表すなにか(英語で3文字)
2:月が表すなにか、それと関係の深い神話のタイトルに含まれる色(英語で5文字)
3:黒猫の目の色が表す感情を動詞形で(英語で6文字)

1、2、3の順に続けて入力してくださいな。
わかったのに見れねぇよと言う方は、その自信のある答え3つをメールでお答えくだされば。
3つとも正解していれば折り返しパスをメールにて送ります。
その解釈を諦められたらもったいないのでw

3の答え、名詞だと7文字でして全部繋げたときに文字数が足りなくなったんですさーせん。
スペルわからなかったらぐぐってください。

あ、前提として部員にしかわからないようになってるはずです。
それ以外の人はうわべまでしかわからないと思いますよ。