高校のころ、学校に将棋のクラブがあって、それに所属していたことがあります。
中学校まではほぼ町内の顔見知りの狭い世界なので将棋をする人も少なくて、私がこども大会で優勝することもあったのですが、
高校には広域から人が集まるため、将棋をたしなむ方の中には私が勝てない方も現れて来ます。
強い方と対局していると、丁寧に指していても徐々に不利になり、やがて負けてしまう予感に支配され始め、勝負の先が見えた時、いろいろな考えが頭によぎり、私は興味深く感じられました。
このまま大局が優勢になるよう引き続き努力を続けるか、手持ちの戦力が残っているうちに無理やりに相手王に迫るか、形の残っているうちに投了するか、ぐるぐると迷いが頭を巡ったものです。
将棋クラブの顧問教師が、よく将棋と人生の似ていることを述べていました。
行き詰まったときにも盤の上から逃げられず、態度を決めてひとつの対局を完成させなくてはなりません。
盤をひっくり返したり、盤上の駒のならびを壊してはいけません。