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たった一ヶ月だけでも切り取って




六月二十一日に、オレ達は五年を迎えました。


毎年記念日が近付くと付き合い始めだとか付き合う前とか、オレ達はどんなだったかと考える。
昔よりはケンカ出来てる、言いたい事は言い合えてる。でもその分傷付け合うのも増えたのは否めない。
愛してるの想いだけで愛が成り立つなら良いのに、難しい。痛いとか苦しいとか切ないとかも、色々混ざり合って出来るのが愛。
変な言葉だけど自覚している以上に歪んだ愛だと思うよ。
時が経つ度に愛しくて苦しくて幸せでさ。


記念日のプレゼントは一冊の日記にしてみたんだ。
プラスでもマイナスでも、莉緒を想ってない日なんて無いって事を綴った日記。たった一ヶ月間だけど、それでも想い続けてる事が少しでも伝われば良いと、書いてみた。


どうしようもなく苦い中にある僅かばかりの甘さと、どうしようもなく甘い中にあるどうしても消せない苦さ
きっと、そんなところにハマり込んでる。


五年目はどんな年になるだろう
きっと変わらず、どうしようもなく苦しくてどうしようもなく愛しいんだろう

ずっとを願うのと同時に、赦す時間でも構わないと思ってる自分がいる。

何だかんだで最後には笑っていられる関係でありたい。
あとは、もう少し甘ったるくても良いんじゃないかなって、思う。



愛してる。

明け方、眠る君の額に口付けて、囁いたこの言葉がオレの全て。



これからも宜しくお願いします。
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