蛙が鳴いてる。
いつもなら煩わしさを感じるはずなのに、何故か悲しげに聴こえてくる。
長い冬を眠って遣り過ごして、目覚めて、鳴く。
それがずっと続くわけではないからだろうか。
彼らは冬には死んだように眠り続け、かといって眠るように死ねるとは限らない。
潰れて死ぬものもあれば、干からびて死ぬものもある。
喰われるものもあれば、徒に引き千切られるだけのものもある。
彼らは本能にしたがって生き、そして死ぬ。
彼らに自我はあるのだろうか。
個性というものを主張しているのだろうか。
けろけろけろ。